【3】より続く。
漆黒の未成隧道に、7時39分、入洞。
ほどなく、空虚だった洞内に
最初の変化が現れた。
広かった洞内が一気にすぼまる。両側の岩盤は一定の高さまで残ったまま、中央だけが路盤レベルまで掘り下げられている。
未だかつて見たことのない、だが知識として目にしたことはあるこの状況。これは本坑に先立って掘削された先進導坑の痕跡だろう。
(先進)導坑とは、文字通り先行して小断面で掘削される坑道で、後にそれを掘り拡げて隧道として仕上げていく、というもので、まさにこれは未成隧道ならでは!の光景なのだった。
位置的には、
このあたり。
進入して30mほど?もないかな?
そしてここからが、
祭りの始まり。
が、それは祝祭ではない。
フラッシュ・オンだと
こう。
腐れきった木材が林立して、侵入者を威嚇する。コレはもちろん、かつての支保工のなれの果て。
これ、ヤバイもん写ってそうやなぁ…(笑)。
こういう時にいつも書きますが、もし何か見つけてもご報告は不要ですので、皆様個人にて存分にビビってくだされば結構でございます(笑)。以降に登場する写真についても同様です。繰り返しますが、くれぐれもわたくしに報告しないように(笑)。
そう、それは祝祭ではなく、葬送。
死者の葬列を想起させる、慄然たる光景が展開し始める。
放棄された時点でどのような形だったか、今となっては定かでないが、
このように
まるで橋のように…っつっても伝わらんか?
しかし怖いな、この写真…
フラッシュ・オン。
これ、このように両側の岩盤をまたいだ支保工も。
振り返り。
ダーク・ファンタジーめいた、この世のものとも思われない光景。
このイメージこそが、わたくしの中の「戸倉の未成隧道」像となって焼き付けられた。
これ以上、言葉は要らない。 (という名の手抜き)
進んだ距離は大したことはない。せいぜい100mないくらい。だが写真を撮りまくったせいで、入洞からすでに22分が経過していた。
そしてここで迎える、二度目の変化。
地獄の釜が開いた…か?
申し訳ない内容の(笑)【5】に続く。