【2010年春篇】より続く。
2010年春の時点で大きく損壊していた白見滝の滝見橋。そしてその翌年、そんな橋をさらに痛めつける災害が、紀伊半島を襲った。
2011年8月30日~9月5日にかけての大雨と暴風、いわゆる「2011年紀伊半島大水害」である。
当時、ちょうどその報道を見ていた時に、この白見の滝が映った。そしてその姿は、前年に見た穏やかな姿ではなかった。
今回改めてその映像を探してみたけど、見つからなかった。が、雰囲気を感じていただくためのイメージを探してみて…。
さすがにコレは盛りすぎだが。※写真はネットからお借りしました。
でもこんな感じで、濁流が鉄砲水のようにドバーッ!と空中にぶちまけられていた。その時には橋は映らなかったものの、滝が直接橋に落ちてんじゃないか?と思ったのを憶えている(実際、たぶん直撃していただろう)。それこそが、橋があの惨状をさらしている理由だろう。
2011年の大水害以降も(そしてそれ以前からも)、毎年のように豪雨に見舞われている紀伊半島。毎年多かれ少なかれ、滝にヤられているに違いない。
それ以降、明るい時間にここを通ることはなく、状況を知る機会はなかったのだが…。
時刻は18時前、まだ明るい。果たしてどんな状態かと久々に立ち寄ってみたら…
あっ…
なんと、橋はまだ架かっていた。
なぜか、自分の中ではとっくに破壊されたか、あるいは撤去されたかと思っていたのに。健気だ…。しかし、かなり酷いことになってるぞ…。
まず、
「流しそうめん白見」は、跡片もなく姿を消していた。そうめんじゃなく、自らが流されてしまったのか?まぁ単に取り壊されただけかとは思うが。
そして…滝見橋。
正に…満身創痍。だが、アーチは見事にその形を留めている!
再度、2010年春時点の姿と比較してほしい。
いろいろと、変貌している。
まず滝そのものが形を変えてしまっているのに気づかれただろうか。落ち口付近が崩落したのだろう。で、滝つぼは完全に埋まってしまって、見る影もない。
そして、橋(だけでなく手前まで全て)の欄干を兼ねていたコンクリ柵が、完全に押し流されて失われている。
橋上から望む、白見の滝
…と、「流しそうめん白見」跡。
橋上の様子。
2010年時点ではベンチ代りに置かれていた四つの大きな平石も、すべて流されたようで、一つたりとも残っていなかった。
2010年の時点ですでに抜けていた橋の国道側、
辛うじて持ちこたえていた。てか、土砂が詰まったことでなんとかなってる感じか?
いや、これじゃあ、
持ちこたえているとは言えないな。
橋の上部工については、もう終わっている、そんな状態。
この姿って…
ダム湖とかに水没した橋が渇水期に顔を出した、まるでそんな感じだ。ちなみに、熊野川の対岸に見えているあの一大崩壊地も、2011大水害の爪痕に他ならない。
今年、2018年にもやはり大雨に見舞われている紀伊半島。この不憫な橋は、今も自然の猛威に敢然と立ち向かっているのだろうか。それとも…敗北を喫してしまっただろうか。それにしても…アーチって強いな…。
最新の動向をご存じの方は、教えていただければ幸い。
以上、完結。