国道425号・唐尾トンネル西側旧廃道 (和歌山県日高郡印南町川又) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
 
2017年5月5日、深遠なる紀伊半島彷徨の2日目。時刻は7時26分。
 
管の谷橋などいろいろ引っかかりつつ、この日の・・・いや、この遠征全体でのメインターゲットのひとつへとやってきた。
 
 
国道425号、印南町・田辺市境にある
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唐尾隧道。これは印南町側坑口。
 
昭和中期っぽい、愛想のないビジュアル。それなりに年季が入ってきているとはいえ、そう面白い隧道でもない。つまり、メインターゲットはこの隧道ではない。
 
 
銘板。
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昭和41年10月と、納得の建造年次。
 
だが注目していただきたいのはそこではなく、「縣道名」。「縣道竜神御坊線」と記されている。つまり、このトンネルが建造された時には、国道指定される前であった、ということ。
なので、記事タイトルとなっている旧道も、国道であったことは一度もない。
 
 
そしてその旧道にも、当然「ある」のよ。
 
それこそがメインターゲット、ここへとやってきた理由。
 
 
だがここの旧道は、そこいらと同じようなわかりやすいものではなかった。現道との取り付きは、まったくもって失われているのである。
 
 
というわけで、
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ここは、現トンネルから印南町側に200m弱ほど降りてきたところ。
 
 
 
山肌を覆うベルギーワッフルに、微妙な平場の痕跡が見えるだろうか?
あれこそが、現道によって削り取られた旧道路盤跡である。
 
おあつらえ向きに、この場所に3台ほど車を停められそうなスペースがある。ここにノートさんを停めて身支度。遠征2日目にして、ようやくのガチ探索。いやが上にもテンション上がる(笑)。
 
 
7時40分、アタック開始。
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このようなとりとめのない斜面だが、この上に路盤があるはず・・・
 
 
 
と、ズルズルの斜面を登っていくと、
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樹木によって喰らわれつつある、時代を感じる看板が。
 
・・・ビンゴ。
 
 
 
ありました、
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旧道路盤!
 
法面や路肩などかなり曖昧にはなっているが、間違いなく道路。そして間違いなく廃道。かつての県道は、地形に忠実に、山襞に沿って高度を上げてゆく。
 
 
ほどなくして見えてきたのが、
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小さな沢を横切る暗渠。
 
すわ、石組みの暗渠コレに出てくるようなやつ)か!?と色めきたったが、残念ながらコンクリート製。が、内部は型枠痕がビッシリ。ボックスカルバートではなく場所打ちだった。
 
 
暗渠を抱いた右カーブを立ち上がると・・・おっ!
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わかりにくいが、路肩土留めと法面に石積みが現れはじめた。
 
 
 
このような、
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野趣あふれる、空積みの法面工。
 
ここらあたりなんて、往年の雰囲気をよく残していそう。完全林道サイズの県道やったんやなあ・・・。まあ酷道425号のほとんどは、元を辿れば林道っぽいし(笑)。
 
 
こんなところも、
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スパルタンでイイよね~(笑)。
 
しかしこうして見ると、知らず知らずのうちに、けっこう高度を上げていた。正面の断崖だいぶ下に、現道が走っている。
 
 
これを立ち上がった先で、
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おっと、先がちょっと・・・ヤバイことになってそう。
 
15mほどの間だったか、だいぶ上からざらっと崩れて、土砂が路盤を覆い尽くしていた。
 
 
その始まりあたりに、
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ぶっ倒れた標識が。あ~、廃道あるある・・・。
 
 
 
なんの標識かとしゃがんで見れば、
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あー、コレでしたか。黄色のお方のほうは、ほぼ全埋まりで見えませんな。
 
 
 
 
崩壊斜面を慎重に、かつサクサクとクリアしたその先で、
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大きく右カーブ。
 
このカーブを越えて間もなく、トンネルに入る現道の上を横切った。
 
 
と、いうことは、ですよ。
 
 
 
コレはそろそろ・・・
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キたんじゃないの~~?
 
 
 
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【隧道前篇】に続く。