加藤先生の夢。
夢を見た。加藤先生の夢。
加藤先生は私に人生の歩み方を教えてくれた。
私は、人間として「強い」とはどういうことか、彼に教わった。
それから、美味しいものを沢山くれる人だった。
ミスドの肉まんとか、頑固堂のかりんとうとか。
美味しいお店があると、練習の後に連れて行ってくれた。
先生と行ったうどん屋さんはとても美味しかった。
ちょうどいい硬さの平麺と、大きなちくわの天ぷら。
夢の中でも、先生は私にバターをくれた。
くちの大きな瓶に入った美味しいバター。
私はスプーンですくってそれを食べていた。
隣にはマキもいた。
マキは私のペアだった、ひとつ年下の子。
朝、6時に目が覚めて、
ひどくリアルに先生の顔が浮かんで、メールを送った。
あの人はおそろしく朝が早い。
4時半とかに起きたりする。
そのかわり8時に寝たりする。
私が、彼のもとでキャプテンをしていた頃、
朝6時の連絡は決して早すぎることはなかった。
だからつい、送ってしまった。
すぐに返事が来た。
久しぶりすぎて、距離のある少し固めの言葉。
それでも細かいところの心配りで、
ふと笑顔にしてくれる、先生の言葉。
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そう言えば、もうすぐ国体だ。
晴れるといいですね。
秋季国体の時期の快晴は、ほんとうに気持ちが良い。
トスを上げると、そこにある。
白いボールと、空の青。
短髪。
彼が髪を切った。
ここのところ忙しくて、髪が随分伸びていたので、
「そろそろ切ったほうがいいよ。」と、
多分、わりとしつこく言っていた。
馬鹿みたいな話だけど、
髪を切るたびに、私は彼に惚れ直す。
馬鹿みたいだけど本当の話。
彼は短髪が似合う。
頭蓋骨、特に後頭部辺りの形がきれいなのだと思う。
髪を切るたびに、「いいね、やっぱりいいよ。」と、
にやにやしながら恋人を眺める私。
うん。いいと思う。
相変わらずスーツがよく似合う。
キノコとゆず胡椒のスパゲッティ
今夜は、キノコとゆず胡椒のスパゲッティ を作ってみた。
会社から彼のパソコンへレシピを送り、
足りない材料を買ってきてもらった。
彼も私もゆず胡椒が好きで。
作ってみたらやっぱり美味しかった。
ゆず胡椒をつい多めに入れてしまったけれど、
いい具合で美味しかった。
またつくろう。
朝のはなし。
朝食を一緒に食べる。
パンとコーヒーと紅茶。
朝の定番。
私は自分の分だけ、
パンにマヨネーズとチーズをのせる。
最近の私は寝起きが良い。
いつも彼よりも先に起きて、朝食の準備をする。
絶対に私が先に起きると思って、
安心してぎりぎりまで眠り続ける人がいると、
プレッシャーで起きざるを得ないわけだけど。
ふたりでソファに並んで、
パンを食べながらぼーっとテレビを見る。
「イチローはイチローだから演技力はいらないのか・・・・?」
とか、ぼそぼそ喋りながら。
この時間すごく好き。
顔を洗って、お化粧を始める。
このくらいから、彼はシャワーをする。
私がお化粧を終える前に、
彼は、シャワーから出て髪をセットしてスーツを着て、
いなくなる。
いってらっしゃいのキスはきちんとする。
こういう言葉にすると馬鹿げているけれども、
流れとして、玄関でのキスは大切な儀式だと思う。
彼がいなくなってから、
ニュースを見ながらお化粧を終え、
服を着て、髪を整える。
バッグとIpod miniを持って、部屋を出る。
エレベーターを降りて、ドアを開け、外の空気を吸う。
背筋を伸ばして、私はやっと、思い出す。
そうだ。私はひとりでも歩けるんだった。