Q05 quest -17ページ目
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クツズレ

この前、代官山で買ってもらったサンダル。

週末ごとに、いつも履いていたのに、

今日になって突然、靴擦れしてしまった。

親指の付け根の内側のあたり。



***

*****

***




電車の中で、唐突に涙がこぼれた。



私が悲しむことがあったとすれば、

靴擦れがひどく痛んだことと、

いつもよりも大きくて重たい荷物と。

恋人が迎えに来てくれていなかったことと、

それから電車の明るい蛍光灯が、

すでに化粧がくずれていた私にはつらかった。

そのくらい。



バランスが、とれなかった。

電車の中で、涙をふくことも出来ずに。

でもきっと、悲しい顔はしていなかっただろう。

勝手に、涙だけがぽろぽろ落ちた。

電車の中にへんな人がいる、と。

自分で自分のことをこころの中で思った。



ただ、すぐに会いたいと、それだけ思った。

私の中の、バラバラでぐらぐらしているものたちを、

あの細くてきれいな手で、支えて欲しかった。



駅の出口で、しゃがみこんだ。

靴擦れも、生理痛も、重たい荷物もぜんぶ。

ここにいない恋人のせいにしてしまいたい気持ち。

顔を見たら、私の口からどんなにか醜い言葉が出てくるだろう。


そう思ったら、また悲しくなった。



*****

*****

*****






私は立ち上がって、

裸足で自転車の後ろに乗った。

彼は私のサンダルをかごに差し込んで、

いつもよりもゆっくり自転車をこいだ。

「ねぇねぇ、裸足で泣き顔の女を乗せてるのって、怪しいね。」

と、私は目的もなく彼に言った。

口をついて出るはずの、醜い言葉は空に消えた。

ただ私は、なんだかひどく虚しかった。


「・・・大丈夫だろ。」と、彼は少し笑った。

信号待ちのたびに、振り向いて頭を撫でる。

私は自分が従順な犬になったみたいで、嬉しくなる。

「唄ってもいい。」と彼に許可をとってから、唄った。

夜の街を、裸足で自転車に乗りながら、大きな声で唄った。

こっこの歌。




たくさん涙を流したせいか、

頭の中に靄がかかっていて、羞恥心が麻痺していた。




彼は何も言わずに、ただ、いつもより少しゆっくり、

自転車をこいでいた。

私は、彼の背中に頬をつけた。

WEEKEnd

社内で、「週末の行動が謎」と言われている私。


横浜から名古屋に引っ越してきて、

毎日仕事で帰りが遅くて。

近くに友達なんてそうそういないはずなのに。


週末に同期で遊ぼうなんていう企画を、

ことごとく欠席し続けている。




足繁く、西の方に通っている。毎週末。



木曜日は、たいてい夜中まで会社にいる。

金曜日に、1時間でも早く帰るために、

やっておける仕事は片付けるようにしてる。

そそくさと、帰る。





*******




週末の絵を、描きながら。

私は四日間を過ごす。



生きる事の意味がそこにあって、

それ以外は、ただやり過ごすしか出来ないバカな女っぽくて。

私は、そんな自分さえ少しおかしくて嫌いじゃない、

なんて、思っていて。アタマガイタイ。



「生きる事の意味」と、

そんなものを自分の外側の世界で見つけることが出来るなんて、

想像もしなかった。


ただただストイックに、

自分が自分を好きでいられることが幸せだと思っていたし、

本質的に、自分を愛すること以外に、

時間を重ねることの意味などないと思っていた。

それは一種の悟りのようなもので、

あるいはIdentityの一部ですらあったかもしれない。




*******






出会う前の私。

もう戻れないと、感じる。



たとえば、私がしてきたことのすべて。

テニスコートでだとか、学校だとか、

幸福だったあの大きな家でだとか、

あるいは他の男の腕の中だとか。



全てがこの人に愛されるためだったのだと、

そう信じきれてしまったら。

私はそれを、絶対的に幸福な絶望だと思う。






あなたが許すなら、

どんなに醜い自分をも許そう。

弱い、とか。強く、とか。

そんなことは放り投げて。




昔、誰かに言った事がある。

「私はあなたがいなくても生きていけるけれど、

 あなたがいないと生きている意味がないの。」





******







カレンダーの、赤い数字を眺めながら。




「あなたがいないと生きていけない。」

と、今は本気で思うよ。



脚が痛い

試合に勝ち続けると、

自分が負けるときのイメージを忘れてしまう。


攻めきれないことへの自己嫌悪とか、

じわじわと迫りくる「負けの予感」への恐怖とか。



それと、おんなじ気持ち。



知ってるつもりだった。

自分が弱い人間だと言うこと。

向き合ってるつもりだった。


目標が見えれば、迷うことなく、走れると。

その道が厳しかろうと。

そう、思っていた。

「モラトリアム」という時代。



*******



誰か、背中を押して。

私の前に転がる砂利をよけて。

手をつないで、引っ張って。


果てしない、戯言を思い浮かべる。



だって、


忘れていたもの。


こんなに、


弱くて、ずるい人間だったこと。





いつだって走れると、勘違いしていたの。


脚が痛いの。

脚が痛いの。

ねぇ誰か聞いて。







嘘。いまの嘘。





嘘だから。






もうちょっと、待って。

もうちょっと、踏ん張ってみるから。


靴の紐を、結びなおす時間だけ、待って。



スイミングプール

スイミングプール

良かった、とても。

ふたりともキレイ。


「若い」という美しさは、いずれ錆びる。

そんなことを思い始めた近頃の私には、

二人ともそれぞれに眩しく、

それから少し悲しくなった。



彼は、序盤で眠ってしまったけれど。

女というものを考えさせられる作品。


ラストシーンは賛否両論のようだけど、

私はすごく良かった。

驚きと、納得と、感動があった。

「すべては創作だった。」という、自分なりの解釈の中でだけど。



良かった。


雨の休日なので。

先週末に東京に行って、お金を使いすぎたので、

「今週末は家でだらだらしようね。」と、はじめから彼と決めていた。


外は雨。しとしとと、と言いたいところだけれど、どしゃ降り。



ベッドで並んでテレビを見ているうちに彼は寝てしまって、

久しぶりに私はパソコンを(と言っても彼のだけど)たちあげた。




以前のblogの管理画面を開いて見たら、

ずいぶん放置している間に、一件のコメントが来ていた。

誰だかわからないけれど。

少し嬉しかった。



言葉で気持ちを表現することを、

社会人になってから、忘れがちになっている気がする。

自分の部屋ではインターネットもつないでいないし、

新しいHPの作成も、忙しさに感けて頓挫している。




気が向いて、blogを作ってみた。

大学の頃のウェブスペース、更新手続きをしたのに、アクセスが出来ない。

友達から新しいblogを早く作るように催促されていたのだけど、

フリーブログサイトはデザインがダサい、という理由でためらっていた。


でも唐突に、文章を書きたくなったから。


Ameba Blogは、シンプルで、広告表示はあるけれど、

ちゃんとデザインを考えた表示にしてくれているから、ちょっといいと思って決めた。



これ作って誰に教えようかな。

とりあえずennuiの頃にメールくれた人には、遅ればせながら連絡してみよう。

もう、忘れているかもしれないけれど・・・。


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