Q05 quest -12ページ目

強く賢く面白く。

彼が帰ってきたとき、私は笑っていた。

部屋着のワンピースを着て、

無印で買った太いヘアバンドをして、

ベッドに垂直に寝転んで、

両膝を曲げて脚をぶらぶらしながら、

両方の腕で頬杖をついて。

テレビを見て、声を出して笑っていた。



「ただいま。」

「おかえり。」

「なんか楽しそうじゃん。」

「だって劇団ひとり好きだもん。」

(テレビでちょうど出ていて面白かった。)

「なんだー。ちょっと心配してたのに。」



彼は心配していたらしい。

「今日も一日何もしていない。」と、

私が落ち込んでいたら、なんて言おうかと。

ドアを開ける前に少し考えたのにと、

それでも嬉しそうに言った。

「なんかフリーダムな感じだな。」

私は涙を流して笑っていた。

劇団ひとりが面白くて。



私はこころひそかに満足した。

彼が嬉しそうだったから。

やっぱりこれでいいのだと。

卑屈になれば悲しくさせる。

本当は少し、落ち込みそうだった。

彼の言うとおりの理由で。



前に進むことを、焦ることはない。

自分を充実させていれば、

物事はきちんとタイミングをはかって、やってくる。

そうやって、生きてきたもの。



強く。

賢く。

面白く。

今日出した結論が正しかったと、

彼の笑顔を見て確信する。




このひとに愛されてるうちは、大丈夫。




::




「一緒に居る時間が足りない。」と言ったのは彼で、

「毎日一緒に眠れて嬉しい。」と、私。


いつの間にか、上半身裸で眠ってしまった私の恋人。

口を開けて、鼾をかいている。

酔っ払うといつも大きな鼾をかく。

こうやって見ると完全にオジサンだな、と。

8歳年上のその人を見て思う。




頬を撫でる。

シャワーもしないで寝てしまったので、

少しべたついている恋人の肌。

私はこの人が愛しくて仕方ない。

あんにゅい。

生理がきた。

数えてなくて、腰痛で気づいた。

そうか、もう生理か。

そう言えば、最近少し太ったかもしれない。

肌も荒れてるし。

そうか、生理か。



…3連休だと言うのに。

なんて、ぼやいてみても、

こればっかりは仕方がない。



でも、つらい。

毎月のことながら、

本当に、つらい。

慢性的な子宮の痛みは、

吐き気に似ている。



はあ。

我ながらひどいテンション。

気をつけよう。

恋人にやつあたりしないように。

わがままな2人

私たちはよく似ている。

性質とか。本質とか。

そういった類のもの。


普通、恋人同士なら、

磁石で言えばN極とS極とか、

そういう感じが良いのかもしれないけれど、

ある意味では私たちは、

同じ性質を持っている気がする。



要するに、わがままということなのだけど、2人とも。

それから2人とも、その性質で上手に生きてきていて。

わがままを許されることに慣れている節がある。

思い起こせば私はいつも、対極の人と付き合っていた。

きっと彼もそうだったのだと思う。



たとえば、

ベッドにずっしりと寝転んでしまって、

電気を消したいけれど体が重くて動かない時とか、

お風呂に入りたいけれど、お湯をはるのが面倒くさいとか、

どうしても咽喉が渇いて、近くの自販機までジュースを買いに行くとか。

そういう細かいことにおいて、私たちはなかなか譲らない。

頑なに、と言ってもいい。



そうして、「あれ?」と思う。

あれ?と。

いつもならつまづかないところなのに。



それから、笑えてくる。

本当にこの人は、思うようにいかない。



今までの男の人たちの、献身さを知る。

感謝、感謝。いまさら改めて。



それから、いずれどちらかが折れる。

仕方ないなー、とか。

本当にわがままだな、とか。

言いながら。

それから、折れたことは忘れない。

たぶんお互いに、

自分のほうが大人だ、と思っている。

相手のわがままを許した自分の大きさに満足し、

小学生みたいな頑なさで、

わがままを通したことは、あんまり覚えていない。





そんな、2人。

それでも、

そんな自分たちがおかしくて、

好もしいから良い。





これからも、

小さなわがままを許しあいながら、

一緒に居よう。

ずっと。

ずっと。





充電。

2日間、家から出なかった。

朝は、わりと早く起きる。

会社に行く彼を見送って、それからずっとテレビを見る。

目覚ましテレビも特ダネも、いいとももごきげんようも。

それから大阪で初めて見る番組も沢山。

ずーっとテレビ。

私の上半身くらいありそうな大きな画面を見つめる。

ベッドから、片腕をだらしなく垂らして。

お腹が空いても食べるものもなくて、

買いに行こうにも、道がわからない。

メイクをするのも面倒くさいし。

引越しの荷解きをしようにも、

どうせ今月末にまた引っ越すので、無駄だし。

思い立ったようにお風呂を掃除してみたりして、

疲れたような気がしてまたベッドでぼうっとして。

とりあえずテレビを見る。


といった具合で、2日間過ごした。

完全に、「閉じてる自分」。


一歩も外に出ず、

家の中でも特に何もせず、

そしたら恋人が帰ってくる。

待っていたつもりはないのに、

すごく嬉しくて、

それからセックスをする。

少しだけ、哀しくなる。


それは純粋な愛という名のもとでの行為なのだけど。

なんだか少しだけ、哀しくなる。



私は誰だったかしら。






なんて。

ナマケモノな日々。

いてもいなくても同じな人。




でも、少し哀しいけど、楽しい。

今の私にはすごく楽しい。




もう少し、こうしていてもいいかしら。






明日は沢山本を読もう。

ハラコバッグ。

bag

ガランテのバッグ。

この間、友達の誕生日プレゼントを買いに行ったときに見つけた。

キャメル?っていうのかな、明るい茶色のバッグが欲しい。

大きさもいい。

私はつい大きなバッグを買ってしまうのだけど、

これはちょうど良い。大きすぎて子供っぽくないし。

ポケットとかあって便利だし。