林田学監修:適格消費者団体の動向 -5ページ目

林田学監修:適格消費者団体の動向

元政府委員・薬事法ドットコム社主の林田学です。適格消費者団体の動向についてお伝えしていきます。
適格消費者団体は、景表法・特商法に関して消費者庁を補完する役割を果たしており、その動向は重要です。

 

1.消費者団体

消費者機構日本

 

2.概要

消費者機構日本は、「艶黒美人 ラクツヤコース」及び「ラクラクコース」において定期購入販売を行う株式会社グリスタに対し、2020年10月から2021年5月にかけて、当該サイトの商品説明画面、申込確認画面、解約に係る取り扱い、及び全額返金保証に係る表示記載等について要請を行った。その後、同社から回答を得、表示内容が是正されていることを確認した。

 

3.要請内容

【商品説明画面及び購入確認画面に係る是正】
以下の事項を消費者にとって見やすい文字の大きさ,色及びフォントで記載するよう要請する。

  1. ①当該コースの申込みが定期購入契約を申し込むものであること
  2. ②2回目以降は28日分の送付となり,5,480円(税抜)となること
 
【定期購入の解約に係る是正】
  1. 電話以外の方法、すなわちメールFAX、郵送も認めることを検討すること。併せて、電話受付体制の拡充を検討すること。
  2. 解約申請期間は余裕のある日数(10日以上)を設定すること。
【全額返金保証の表示に係る是正】
添付の「60日間全額返金保証」ページにおいて,大きな目立つ文字で「60日間全額返金保証」と表記し,加えて「『艶黒美人』をご使用後,ご実感いただけない場合は,全額返金させていただきます。」と記載していること(以下,本件表示といいます)は景品表示法第30条第1項第2号の「有利誤認表示」に該当すると考えられるので,表示を止めるよう求める。
 
【ポップアップ表示に係る是正】
「15分だけのスペシャルタイムセール」「このPOP見た方限定!!」という,15分以内で申込みをすればラクツヤコースの2回目購入金額が安くなるという趣旨のポップアップ表示をやめること。

 

 

1.消費者団体

消費者支援機構関西(KC’s)

 

2.概要

 

 KC’sは、日本サメ軟骨普及協会が行っている、サメ軟骨由来成分を含有する健康食品の広告について、2021年5月12日付けで「要請書」を送付していました(要請の詳細はこちら)。
 これに対し、6月14日、6月21日に協会は回答書を送付し、広報活動については、疑念を持たれない内容を確立するまで無期限に停止する、という風に終結しました。

 しかし、2021年7月滋賀県内において、消費者支援機構関西が表示をやめるよう要請した内容で、新聞折込チラシの広告が行われたことが確認され、消費者支援機構関西は度目のお問合せを行いました。

 

3.消費者支援機構関西から日本サメ軟骨普及協会に対する質問事項
1.貴協会は、「広報活動については、疑念を持たれない内容を確立するまで無期限に停止します。」と回答されていますが、具体的には、いつから広報活動を停止するのですか。

2.貴協会は、広報活動について、「疑念を持たれない内容を確立する」ことを予定しておられますが、具体的には、どのような措置を行われるのですか。

 

これまでの日本サメ軟骨普及協会の記事

2021年5月19日 日本サメ軟骨普及協会

 

1.消費者団体

消費者被害防止ネットワーク東海(Cネット)

 

2.概要

消費者被害防止ネットワーク東海はとファビウス株式会社とは、定期通販広告に対する差止請求を巡り争っていたが、2021年9月29日、名古屋高等裁判所においてファビウス株式会社が勝訴し、消費者被害防止ネットワーク東海が訴えていた差止請求は棄却された。

 

3.経緯

(1)消費者被害防止ネットワーク東海は、2018年1月19日付でファビウス株式会社の販売「するすっきりフルーツ青汁」のウェブページに景品表示法第5条2号に違反する有利誤認表示があるとして、訴えを提起した。

 

(2)名古屋地方裁判所は、この表示が有利誤認表示に当たらないとする判決を下したが、それを不服とする消費者被害防止ネットワーク東海は名古屋高等裁判所に控訴した。

 

(3)名古屋高等裁判所は、「表示内容からすれば、健全な常識を備えた一般消費者は、本件商品のラクトクコースでの購入が商品代金を大幅に割り引いた初回1回だけの契約でないことを容易に理解することができる。」、「健全な常識を備えた一般消費者の認識を基準として『有利誤認表示』に当たると認めることはできない。」として、ファビウス株式会社の主張を認め、消費者被害防止ネットワーク東海による差止請求を棄却した。

 

1.消費者団体

えひめ消費者ネット

 

2.概要

 

特定非営利活動法人えひめ消費者ネットが、株式会社アクアに対し、アクアのホームページにおける、同社が販売する商品のいわゆる定期購入としての販売方法である「特別モニターコース」にて契約している消費者が中途解約を希望する場合の手段は、電話連絡による解約しか認めない旨の規定は、民法第 540 条第 1 項の規定と比べて消費者である購入者の解除権の行使を制限し、解約の機会を奪うものであって、また、不要なサービス等の対価、遅延利息及び損害金の発生など消費者が望まない費用が増加するなど、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するといえるため、消費者契約法第 10 条に規定する消費者契約の条項に該当して無効であると
して、これを是正することを求めた。

 

3.結果

令和2年 10 月9日、アクアは、えひめ消費者ネットに対し、他の解約手段を新たに加えることにより、上記の申入れに対応した旨を連絡した。
これを受けて、令和3年2月 10 日、えひめ消費者ネットは、申入れの趣旨に沿う内容の改善がなされたものとして、申入れを終了した。

 

1.消費者団体

消費者支援機構関西(ケーシーズ)

 

2.概要

 

消費者支援機構関西は、プレミアムコスメ社が通信販売サイトで販売する「極み菌活生サプリメント」の広告表示や解約方法について検討した結果、同社に対し、2021年3月26日付「お問合せ」を送付した。

その後、消費者支援機構関西はプレミアムコスメ社からの同年4月6日付の回答をもとに検討した結果、不当景品類及び不当表示防止法と消費者契約法上の問題があるとの判断し、2021年7月7日付で「申入書」を送付した。

プレミアムコスメ社は、この「申入書」に対し、2021年8月4日付で回答書を送付した。

 

申入れの趣旨

 

■申入れの趣旨
1 下記表示媒体において、下記対象となる商品につき、下記対象となる表示(ア)及び(イ)を行うことの停止を請求。
【表示媒体】
  同社ウェブサイト(同社送付資料)
【対象となる商品】
  極み菌活生サプリ
【対象となる表示】
 (ア)ビューティー菌活コースにおいて、対象となる商品を「初回480円」「初回お届け分に限り、通常価格8,294円(税込)を初回480円」等と表示し、初めて購入する場合に限って対象となる商品1袋分だけを480円で購入可能であるかのように示す表示。
 (イ)初回ポッキリ480円コースにおいて、対象となる商品を「初回480円」「継続していただける自信があるので回数縛りのお約束は一切ありません。」「初回お届け分に限り、通常価格8,294円(税込)を初回480円」等と表示し、初めて購入する場合に限って対象となる商品1袋分だけを480円で購入可能であるかのように示す表示。

2 同社が使用する返品にかかる規定( https://kinkatsunama.com/lp/tokusho.html、および、 https://kinkatsunama.com/lp/return.html )のうち、定期コースの解約の方法を、やむを得ない場合を除きLINE又は電話による方法に限定している条項、及び、やむを得ない場合にはメールによる解約を認めるもののメールによる解約の際には諸事情がある場合を除き身分証明書の添付を必須とする条項の使用停止を求める。

 

 

1.消費者団体

消費者ネットおかやま

 

2.概要

消費者ネットおかやまは、株式会社 GRACEの定期コース契約について、解約方法の電話がいつでもつながる状態ではないにもかかわらず、「ご解約はいつでも可能です」と告知するなどしていたこと、解約方法を電話に限っていたことを問題視し、2021年1月25日に申入書を送付していた。

 

2021年7月30日、消費者ネットおかやまは、株式会社 GRACEに対して差止請求訴訟を提起した(訴状)。

 

 

1.消費者団体

消費者支援機構関西(KC’s)

 

2.概要

 

 KC’sは、日本サメ軟骨普及協会が行っている、サメ軟骨由来成分を含有する健康食品の広告について、2021年5月12日付けで「要請書」を送付していました(要請の詳細はこちら)。
 これに対し、6月14日、6月21日に協会は回答書を送付し、広報活動については、疑念を持たれない内容を確立するまで無期限に停止する、という風に終結しました。

 

3.日本サメ軟骨普及協会の回答の詳細

 

 6月14日回答書

 現在、今までの経緯等を調査し回答を作成中であり、6月21日までに回答を送付する。

 

 6月21日回答書

 広報について問い合わせに応じるが、特定商品に係るカタログや注文書を送付して購入を勧誘することは行っていない。広報はサメ軟骨の効用を社会に知らしめるための記事である。しかし、広報活動については、疑念を持たれない内容を確立するまで無期限に停止する。

 

1.消費者団体

消費者支援機構関西(ケーシーズ)

 

2.概要

 

布亀株式会社が提供する「リパソールAT」の広告であるウェブサイト上の表記、容器の図柄などに関して、不当景品類及び不当表示防止法上、疑義を感じる記載があったことから、消費者支援機構関西は問合せを行った。この結果、布亀株式会社は問合せに対し、記載について一定の改善を行った。

 

 

問合せで取り上げた表示・広告

・「リパソールAT」の外箱での、「飲む前にのむ、毎日の健康に」という表示
・ウェブサイト「布亀オンラインショップ」での「スタッフのコメント」における、「飲み会の前に一本!のドリンクです!」という表示
・同ウェブサイトでの、「リパソールATでは、肝臓に良いとされる3大成分、肝臓エキス 200mg、ウコンエキス 100mg、オルニチン 200mgを配合。」との表示
・ウェブサイト「布亀ヤフー店」での、「お酒を飲む方」、「外食やお酒の席が多い方」、「飲み会が多い」、「ビールをよく飲む」等の表示

 

消費者から見ると、これらの各表示は、アルコール飲料、すなわち「お酒」を飲む前に本商品を飲むことを推奨する趣旨に出たもの、という印象を受けると考えられる。

 

改善点の概要

1.布亀株式会社は、ウェブサイト「布亀ヤフー店」において、リパソールATの掲載を削除した。
2.あわせて、ウェブサイト「布亀オンラインショップ」においても、当該商品の掲載を停止した。

 

経過

(1)2019年6月25日
 消費者支援機構関西は布亀株式会社に対し、表示・広告に関して質問を伴う、問合せを行った。
(2)2019年6月28日
 布亀株式会社は、「お問い合わせ」に対して、「弊社商品「リパソールAT」の掲載について」と題する回答において、ウェブサイトでの掲載を削除した旨の連絡をおこなった。
(3)2019年7月3日
 布亀株式会社は「布亀オンラインショップ」での掲載停止をおこなった。
(4)2021年5月7日
 消費者支援機構関西は、布亀株式会社に対して、「ご連絡(「お問合せ」活動終了通知)」を送付した。

 

1.消費者団体

消費者支援機構関西(ケーシーズ)

 

2.概要

 

日本サメ軟骨普及協会が、サメ軟骨由来成分を含有する健康食品が変形性膝関節症をはじめとする疾病に関し、治療・予防の効果・効能を有する旨を新聞折り込みチラシやホームページ等で広告していることに対し、消費者支援機構関西(ケーシーズ)は薬事法に違反するものであるとして、2021年5月12日付けで「要請書」を送付した。

 

3.要請の内容(要請書

 

【要請の趣旨】
協会が行う広告において、サメ軟骨が、変形性関節症・ヘルニア・腰痛・リウマチ・糖尿病・高血圧・骨粗しょう症・脊柱管狭窄症・腰椎症・前立腺炎・へバーデン結節・外反母趾・その他一切の疾病に関し、治療・予防の効果・効能を有する旨を表示することをやめるよう要請。

 

【要請の理由】
協会の広告は、サメ軟骨を摂取すれば、変形性関節症をはじめとする疾病に関し、治療・予防等の効果・効能を得られる旨を表示している。これによるとサメ軟骨は、薬事法2条1項2号「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」にあたり、「医薬品」に該当する。
しかし、サメ軟骨は、「製造販売についての厚生労働大臣の承認」を受けていないものであり、協会の広報活動は、何人も、未承認の医薬品の広告をすることを禁止する薬機法68条に違反する。

 

【表示の具体例】

協会が作成・配布した新聞折り込み 広告において、 別紙1枚目上部には、

「ヨシキリザメ軟骨の驚異的効果!!」とあり、別紙がサメ軟骨を摂取することにより得られる効果・効能を説明・広報しようとするもので あることが明らか。 

そして、「ヨシキリザメ軟骨の驚異的効果!!」の表示の下には、「変形性関節 症(膝・股関節など)、ヘルニア、腰痛、リウマチ、糖尿病、高血圧、骨粗しょう 症、脊柱管狭窄症、腰椎症、前立腺炎、へバーデン結節、外反母趾」といった疾病 名が列挙され、その他の箇所においては、「痛みが取れた!!」「もう痛くない!」 「軟骨は再生する」「ヨシキリザメ軟骨の効果には、抗炎症作用、新生血管抑制作 用、軟骨そのものの成分、この3つの働きが相まって軟骨が再生、炎症が消えて痛 みが軽減していくと考えられます。」「83歳男性。膝の軟骨が再生!」「73歳 女性、1年以上軟骨を飲み続け、軟骨が再生!」「関節痛以外にも効果!」「ヨシ キリザメ軟骨には血流改善などの効果も期待できるので、高血圧、糖尿病などの末梢神経障害の予防、また新生血管抑制作用による、軟骨破壊に繋がる新生血管浸食 に対する抑制など、様々な角度から、期待ができると言えるでしょう。」「炎症に おいては、何も膝だけが炎症を起こすわけではなく、皮膚炎、肝炎、リウマチによる、様々な関節の炎症など、ヨシキリザメの軟骨の抗炎症作用はこれらの症状に大 いに役立つかと思います。」といった表示。