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林田学監修:適格消費者団体の動向

元政府委員・薬事法ドットコム社主の林田学です。適格消費者団体の動向についてお伝えしていきます。
適格消費者団体は、景表法・特商法に関して消費者庁を補完する役割を果たしており、その動向は重要です。

 

1.消費者団体

消費者支援機構関西 KC’s

 

2.概要

消費者支援機構関西は、株式会社ハウワイが消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を2021年6月3日に受けたことを契機として、返金対応の有無や消費者に対する告知について「お問合せ」を発信した。

 

消費者支援機構関西は、2021年12月23日の株式会社ハウワイからの回答を以って「お問合せ」活動を終了した。

 

すっきりフルーツ青汁の定期コースの初回金額がそれとはわかりにくく表示されている。(単純に安く買えるように見えるが、実は定期の初回になっている)と消費者被害防止ネットワーク東海(Cネット)は主張した。

→名古屋地裁(R元.12.26)請求棄却

→Cネットは控訴。請求も追加。

→名古屋高裁に(1)第1請求。控訴棄却。(R3.9.29)
  (2)第2請求も控訴棄却。(R4.3.9)

 

1.消費者団体

消費者支援機構関西 KC’s

 

2.概要

  • 消費者支援機構関西は消費者庁長官が認定した返金措置を実施した株式会社モイストに対し、2021年11月1日付で商品の購入状況・返金に関する告知文書・返金状況について報告するよう求めた。
  • これに対し、株式会社モイストは2021年11月19日付で「いずれも非開示とさせていただきます。」という旨の回答を行った。
  • 消費者支援機構関西は、この回答を遺憾として、消費者庁に対して次の情報の開示を求める「申入書」を送付した。

 

3.消費者庁に対する「申入書」 の内容(>>申入書

以下の情報の開示を求める「申入書」

① 同社から消費者庁に対して提供された情報及び相談内容、消費者庁が同社に対して行った指示・回答内容
② ①に基づき、同社が対象者に対し提供した情報内容及び提供方法
③ 同社の対象消費者に対する返金実績

 

1.消費者団体

埼玉消費者被害をなくす会

 

2.概要

埼玉消費者被害をなくす会は、株式会エムアンドエムに対し、消費者契約法第41条に基づく「書面による事前の請求」として「差止請求書」を送付した。

 

3.請求要旨(>>差止請求書

(表示媒体) ウェブサイト

(対象となる商品) 「ZerofactoR Zローション」及び「ZerofactoR Zリムーバー」

(対象となる表示)

消費者が実際に返金を受けるためには厳格な要件を満たす必要があるにもかかわらず、「全額返金保証」などと大きな活字で強調するなど、あたかも対象商品について容易に代金全額の返金を受けられるかのような表示。

 

 

1.消費者団体

消費者機構日本

 

2.概要

消費者機構日本は、、酵素ダイエットサプリメント「お嬢様酵素定期便」等の定期購入販売を行う株式会社リバランドに対し、利用規約の改定申入れや申込確認画面の改善、解約受付体制の拡充の要請などを行った。その後、問題が概ね解消されていることを確認した。

 

3.要請内容

【利用規約について】  

事業者の責任をすべて免除する趣旨の条項を削除すること

 
【定期購入の重要な条件の表示について】  
  1. 定期購入契約の条件である「最低継続購入回数」を申込最終確認画面に明示すること。また、それに伴う購入費用の総額を表示すること
  2. 初回と2回目以降で購入価格が変わるもの、とりわけ2回目以降は購入価格が高くなるものについて、2回目以降の価格をカートや申込最終確認画面に明示すること。
  3. 定期購入契約においては購入者が休止・解約の手続きをしない限り商品の発送が続き購入代金を請求されることを申込最終画面に明示すること。
 
【定期購入の変更・一時停止・解約手続き等について】
  1. 解約の受電体制の充実及び電話以外の解約受付体制の整備を図ること。また、解約のための連絡先を広告サイトに掲載すること
  2. 定期購入の変更・一時停止・解約の申し出を「次回商品の発送予定日の10営業日前まで」としていることについて、その「発送予定日」を購入者が容易に知ることができるようにすること。

 

1.消費者団体

消費者機構日本

 

2.概要

消費者機構日本は、薬用美白クリーム ビハクシアの定期購入販売を行うリタマインド・ジャパン株式会社に対し、2020年9月から2021年2月にかけて、広告サイトの解約等に係る表示記載等について要請を行った。その後、同社から回答を得、表示内容が是正されていることを確認した。

 

3.要請内容

【解約方法について】

  1. 貴社通販サイトのトップページにおいて消費者が解約の連絡先を認識できるように明示すること。
  2. 電話回線の増設等の対応を行うこと。
  3. 解約方法につき,電話以外の方法(メール,FAX)でも解約の連絡ができるよう改善すること。
 
【解約期限の具体的な明示について】
 「お得な定期便を申し込む」というバナーの直下,「定期コースだけの6大特典」の「特典5」欄,及び購入確認画面に2回目発送分の解約期限を具体的に明示すること。
 
【全額返金保証の期限と解約期限の関係について】
 「30日間全額返金保証」の説明箇所に,初回分を受領してから具体的に何日以内に解約をしない場合には2回目の商品が発送され,7,960円(税別)を支払わなければならなくなる旨の注意書きを記載すること。

 

1.消費者団体

消費者機構日本

 

2.概要

消費者機構日本は、「艶黒美人 ラクツヤコース」及び「ラクラクコース」において定期購入販売を行う株式会社グリスタに対し、2020年10月から2021年5月にかけて、当該サイトの商品説明画面、申込確認画面、解約に係る取り扱い、及び全額返金保証に係る表示記載等について要請を行った。その後、同社から回答を得、表示内容が是正されていることを確認した。

 

3.要請内容

【商品説明画面及び購入確認画面に係る是正】
以下の事項を消費者にとって見やすい文字の大きさ,色及びフォントで記載するよう要請する。

  1. ①当該コースの申込みが定期購入契約を申し込むものであること
  2. ②2回目以降は28日分の送付となり,5,480円(税抜)となること
 
【定期購入の解約に係る是正】
  1. 電話以外の方法、すなわちメールFAX、郵送も認めることを検討すること。併せて、電話受付体制の拡充を検討すること。
  2. 解約申請期間は余裕のある日数(10日以上)を設定すること。
【全額返金保証の表示に係る是正】
添付の「60日間全額返金保証」ページにおいて,大きな目立つ文字で「60日間全額返金保証」と表記し,加えて「『艶黒美人』をご使用後,ご実感いただけない場合は,全額返金させていただきます。」と記載していること(以下,本件表示といいます)は景品表示法第30条第1項第2号の「有利誤認表示」に該当すると考えられるので,表示を止めるよう求める。
 
【ポップアップ表示に係る是正】
「15分だけのスペシャルタイムセール」「このPOP見た方限定!!」という,15分以内で申込みをすればラクツヤコースの2回目購入金額が安くなるという趣旨のポップアップ表示をやめること。

 

 

1.消費者団体

消費者支援機構関西(KC’s)

 

2.概要

 

 KC’sは、日本サメ軟骨普及協会が行っている、サメ軟骨由来成分を含有する健康食品の広告について、2021年5月12日付けで「要請書」を送付していました(要請の詳細はこちら)。
 これに対し、6月14日、6月21日に協会は回答書を送付し、広報活動については、疑念を持たれない内容を確立するまで無期限に停止する、という風に終結しました。

 しかし、2021年7月滋賀県内において、消費者支援機構関西が表示をやめるよう要請した内容で、新聞折込チラシの広告が行われたことが確認され、消費者支援機構関西は度目のお問合せを行いました。

 

3.消費者支援機構関西から日本サメ軟骨普及協会に対する質問事項
1.貴協会は、「広報活動については、疑念を持たれない内容を確立するまで無期限に停止します。」と回答されていますが、具体的には、いつから広報活動を停止するのですか。

2.貴協会は、広報活動について、「疑念を持たれない内容を確立する」ことを予定しておられますが、具体的には、どのような措置を行われるのですか。

 

これまでの日本サメ軟骨普及協会の記事

2021年5月19日 日本サメ軟骨普及協会

 

1.消費者団体

消費者被害防止ネットワーク東海(Cネット)

 

2.概要

消費者被害防止ネットワーク東海はとファビウス株式会社とは、定期通販広告に対する差止請求を巡り争っていたが、2021年9月29日、名古屋高等裁判所においてファビウス株式会社が勝訴し、消費者被害防止ネットワーク東海が訴えていた差止請求は棄却された。

 

3.経緯

(1)消費者被害防止ネットワーク東海は、2018年1月19日付でファビウス株式会社の販売「するすっきりフルーツ青汁」のウェブページに景品表示法第5条2号に違反する有利誤認表示があるとして、訴えを提起した。

 

(2)名古屋地方裁判所は、この表示が有利誤認表示に当たらないとする判決を下したが、それを不服とする消費者被害防止ネットワーク東海は名古屋高等裁判所に控訴した。

 

(3)名古屋高等裁判所は、「表示内容からすれば、健全な常識を備えた一般消費者は、本件商品のラクトクコースでの購入が商品代金を大幅に割り引いた初回1回だけの契約でないことを容易に理解することができる。」、「健全な常識を備えた一般消費者の認識を基準として『有利誤認表示』に当たると認めることはできない。」として、ファビウス株式会社の主張を認め、消費者被害防止ネットワーク東海による差止請求を棄却した。