1.消費者団体
消費者支援機構関西(ケーシーズ)
2.概要
日本サメ軟骨普及協会が、サメ軟骨由来成分を含有する健康食品が変形性膝関節症をはじめとする疾病に関し、治療・予防の効果・効能を有する旨を新聞折り込みチラシやホームページ等で広告していることに対し、消費者支援機構関西(ケーシーズ)は薬事法に違反するものであるとして、2021年5月12日付けで「要請書」を送付した。
3.要請の内容(要請書)
【要請の趣旨】
協会が行う広告において、サメ軟骨が、変形性関節症・ヘルニア・腰痛・リウマチ・糖尿病・高血圧・骨粗しょう症・脊柱管狭窄症・腰椎症・前立腺炎・へバーデン結節・外反母趾・その他一切の疾病に関し、治療・予防の効果・効能を有する旨を表示することをやめるよう要請。
【要請の理由】
協会の広告は、サメ軟骨を摂取すれば、変形性関節症をはじめとする疾病に関し、治療・予防等の効果・効能を得られる旨を表示している。これによるとサメ軟骨は、薬事法2条1項2号「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」にあたり、「医薬品」に該当する。
しかし、サメ軟骨は、「製造販売についての厚生労働大臣の承認」を受けていないものであり、協会の広報活動は、何人も、未承認の医薬品の広告をすることを禁止する薬機法68条に違反する。
【表示の具体例】
協会が作成・配布した新聞折り込み 広告において、 別紙1枚目上部には、
「ヨシキリザメ軟骨の驚異的効果!!」とあり、別紙がサメ軟骨を摂取することにより得られる効果・効能を説明・広報しようとするもので あることが明らか。
そして、「ヨシキリザメ軟骨の驚異的効果!!」の表示の下には、「変形性関節 症(膝・股関節など)、ヘルニア、腰痛、リウマチ、糖尿病、高血圧、骨粗しょう 症、脊柱管狭窄症、腰椎症、前立腺炎、へバーデン結節、外反母趾」といった疾病 名が列挙され、その他の箇所においては、「痛みが取れた!!」「もう痛くない!」 「軟骨は再生する」「ヨシキリザメ軟骨の効果には、抗炎症作用、新生血管抑制作 用、軟骨そのものの成分、この3つの働きが相まって軟骨が再生、炎症が消えて痛 みが軽減していくと考えられます。」「83歳男性。膝の軟骨が再生!」「73歳 女性、1年以上軟骨を飲み続け、軟骨が再生!」「関節痛以外にも効果!」「ヨシ キリザメ軟骨には血流改善などの効果も期待できるので、高血圧、糖尿病などの末梢神経障害の予防、また新生血管抑制作用による、軟骨破壊に繋がる新生血管浸食 に対する抑制など、様々な角度から、期待ができると言えるでしょう。」「炎症に おいては、何も膝だけが炎症を起こすわけではなく、皮膚炎、肝炎、リウマチによる、様々な関節の炎症など、ヨシキリザメの軟骨の抗炎症作用はこれらの症状に大 いに役立つかと思います。」といった表示。