
12月もこの時期の街は、すっかりクリスマスや忘年会ムード一色になる。キラキラしたイルミネーションを眺めながら、「来年こそはいい年になる!(はず)」と、みな期待するものだ。
「今年こそは」と年初に決めたことも、結局は来年に持ち越し。まあ、それが人間というものだろう。
世の中には様々な「区切り」がある。今月中、今期中、年内まで…。期限を区切るからこそ、人は決断し、行動し、あるいは諦める。
👤友人の弁護士が、こんな話をしてくれたことがある。
「離婚でも訴訟でも、年末や年度末ギリギリで和解することが多いんだよ」と。今は、まさにその“年末”である。
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コロナが落ち着いて久しいが、様々な理由で“倒産件数”は高水準のままである。原材料や光熱費の値上げが続く一方で、それを価格に転嫁できない下請け企業も多い。
活況なショッピングモールを横目に、かつての賑わいを失った商店街は多い。今年廃業したローカルスーパーも、前年比大幅増のニュースを聞いた。
「経営が厳しい」
「明るい兆しが見えない」
「人手不足で仕事を受けられない」
「値上げに応じてもらえない」
「融資の返済が重くのしかかる」
こうした言葉を、今年ほど多く聞いた年はなかった。
そして行き着く先は、『資金繰りがキツい』『この年を越せるだろうか…』という、あまりにも現実的な不安(恐怖)だ。
経験者なら分かると思うが、「お金の悩み」は、本当に身も心も削る。
👥経営者同士で話すと、決まって出る言葉がある。
「生まれ変わったら、サラリーマンになりたい」
もちろん“お勤め人”にも苦労はある。それでも、だ。
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金融機関も、いつまでも甘くはない。はっきり言わないまでも遠回しに伝えてくる。
👤「年末までの成績を見て、来年の融資を考えます」
(=次は締めますからね、の意)
👤「年度末に、融資を抜本的に見直しましょう」
(=徹底的に回収します、の意)
担当者は、上司から「年内にあの社長にきちんと伝えておけよ!」と言われて来ているのだから仕方ない。
☝「年が越せない(泣)」 これが中小企業の現実なのである。
この時期(年末・年度末)は、移動中に電車がよく止まる印象がある。信号機の故障や動物の侵入だけが理由ではあるまい。だから私は“何が起きてもいいように”2時間ほど早く家を出るクセがついた。
私の家業であるスーパーマーケットが潰れたのも「年の瀬」だった。
「これ以上納品して、年明けに潰れたら売掛金が回収できない」そう判断した問屋から、一斉に納品を止められた。
結果は――撃沈。まさに「そうは問屋が卸さない」(苦笑)。
☝️もし皆さんの周りに、少し元気のない中小企業の社長さんがいたら、おせっかいでも構わないので、「たまには、メシ(酒・お茶)でも行こうよ!」などと声をかけてあげて欲しい。
その一言が、人の命を救うこともある。
私もそうでしたm(__)m
【小林久ホームページ】
























