〜食品ロスと貧困を救う仕組みは日本でもできる?
ニューヨークの街角に、誰でも使える冷蔵庫が置かれ、中には野菜やジュース、缶詰が並んでいる。名前は「コミュニティー・フリッジ(地域社会の冷蔵庫)」
余剰食品を寄付でき、必要な人が持ち帰れるシンプルな仕組みだ。地域住民やNPO、スーパーなどから寄付された食品が並び、食品ロス削減と、物価高で生活に苦しむ人を支える取り組みとして広がっているという。
ルールは、
・賞味期限内の商品であること
・必要な分だけ持ち帰ること これだけ。
匿名性があるため、支援を受けることへの心理的なハードルも下がる。地域の助け合いを可視化した仕組みと言えるだろう。
--------------------------------------------------------
もっとも、日本にこうした取り組みが無いわけではない。すでに困窮家庭に食料品を届ける「フードバンク」や、地域の子どもたちに食事を提供する「子ども食堂」等が全国で広がっている。
余剰食品を活用しながら、地域で支え合うという点では、考え方の“根っこ”は同じである。
スーパーでも食品ロス対策は頭の痛い問題である。生モノは無理でも、乾物や飲料ならリスクは少ない。
食品流通の慣例で「返品制度」があるが、返されたメーカー側もその処理に困ることが多い。それなら少しでも世の中の役に立ちたいと思う企業も多いはず。
--------------------------------------------------------
一方で、日本で「街角の冷蔵庫」をそのまま導入するとなると、いくつか現実的な課題も見えてくる。
①それを食べて、もし事故があったら誰が責任を取る?
最大の問題は食品安全と責任の所在だ。もし寄付された食品が原因で食中毒が起きた場合、誰が責任を負うのか?品質管理を誰が担うのか?という問題もある。
日本の食品衛生の基準は厳しく、ここを曖昧にしたまま広げることは難しいだろう。
②その冷蔵庫の周りの治安が悪くなる、近所はやめて!
もう一つは、日本特有の文化的な側面だ。「自由に持っていっていい」と言われても遠慮してしまう人も多いし、逆に一部の人が必要以上に持ち帰る光景は想像に難くない。
☝️やることには賛成だが、自分の家のそばではやって欲しくない。
いわゆる『NOT IN MY BACK YARD (NIMBY)』という本音が飛び出してくる。
これを始めたのは人権派弁護士が主宰するNPOである。
NYは日本の比ではない“イチャモン”がつくはずだ。
そんな中で100ヶ所も「社会の冷蔵庫」を設置する行動力には敬服する。
元スーパー社長として感じるのは、食べ物は「商品」であると同時に「資源」でもあるということ。NYの冷蔵庫は、それをどう地域で循環させるかという問いを私たちに投げかけている。
私も長年地域貢献をしてきたつもりだが、「何かあったらどうする?」というお決まりの理由で、様々な取り組みが立ち消えた記憶は多い。
👤「事なかれ主義」で止まる社会より、「まずはやってみよう」という社会の方が、少しだけ優しい気がする。
─────────────────────
📘元・倒産社長 小林 久 公式サイト
【失敗から学ぶ経営学】
倒産から再起した経験をもとに、
講演・執筆・経営相談を行っています。
▶ 講演テーマ・実績・お問い合わせはこちら
https://www.kobayashihisashi.com
─────────────────────



















