ネットで見かけたこのニュース。
青森市のローカル企業「スーパー福や大野店」が営業を終了し、マエダ(むつ市)へ事業譲渡するというもの。よくあるスーパーの「身売り話」である。
全国のローカルスーパーの経営は、今とても厳しい。
競合相手がいない田舎の“閉鎖商圏“ならともかく、ほとんどの地域は飽和状態で、大手のスーパーがシェアを独占している。
私は家業のスーパーを倒産させてしまったが、調子がいい時も厳しい時も、その過程で『買収話』が飛び込んできたものだ。M&A会社は常に暗躍する…。
👤「大切な店を人の手に渡してたまるか!なんならこちらが買ってやるわ」
向こう見ずの私は、こんな誘いに全て背を向けてきた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
今振り返って、「あのとき事業を売却しておけば、倒産や破産しなくて済んだのに…」などと悔やんでも“後の祭り″である。
まあ、私はその時々に迷うことなく断ってきたのだから、今の境遇はすべて“身から出たサビ″、過去は変えることができない。
☝️このローカルスーパーの社長も、耐えられないほどの思いを胸に、大切に育ててきた事業を人手に渡すのだろう。
おそらく店を売っても、大金が手に入るわけではなかろう。借金の返済に充てて自分の店の後始末をする。そして残った店(設備)や従業員、そして常連客を含めた「資産」を売却先の新たなオーナー会社に委ねることになる。
この社長は私のように、根拠もないのに「まだやれる!」と我を張って、終いには会社を倒産させて迷惑をかけるような馬鹿な経営者とは違う。閉店や売却は「敗北」ではない。
見た目ではお世辞にも“ハイカラ“なスーパーとは言えないが(失礼🙏🏻)、勇気ある撤退を決断したこのローカルスーパーに敬意を表したい。
【小林久ホームページ】