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【紹介】「何が「田母神」を生み出したのか」山田朗講演録発行

国連・憲法問題研究会報告第45集発行

何が「田母神」を生み出したのか
自衛隊と歴史修正主義

山田朗

2009年6月発行


■08年10月末、航空幕僚長田母神俊雄が「更迭」された。だが、日本国家による植民地支配・侵略戦争を正当化する歴史観は自衛隊内で“蔓延”し、改憲派は田母神を「英雄」として持ち上げている。「田母神問題」の背景には何があり、市民はどうするべきなのか。田母神が「そんなの関係ねぇ」と暴言を吐いたイラク派遣名古屋訴訟で原告側証人として証言し違憲判決に貢献した山田朗さん(明治大学教員・軍事史)が講演。B5版56頁


◎目 次
田母神問題の底流/伝統を欲する自衛隊/戦前のプロパガンダの焼き直し/「人種差別撤廃」の狙い/日本被害者論のウソ/植民地支配美化論のマヤカシ/平等ではない五族協和/あらゆることがコミンテルンの陰謀/三国同盟の重要性/国家指導者を救った東京裁判/現行防衛政策への批判/軍隊化への自衛隊内のマグマ/軍事大国となった日本/急速な海外展開機能向上/背景に自衛隊の変質/「田母神」が英雄に/市民としてできること

○質疑応答

○資料


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【呼びかけ】成田プロジェクト発足の呼びかけ

「いま成田空港で何が起きているのかプロジェクト」(略称:成田プロジェクト)発足の呼びかけ


 成田空港では、B滑走路(暫定平行滑走路、2180メートル)を北に延ばして2500メートルにする計画が急ピッチで進んでいます。延伸工事は住民が慣れ親しんだ入り会い地「東峰の森」を破壊して進められ、成田国際空港会社は当初の予定よりも半年早く今年十月には供用を開始するとしています。
 わたしたちは、成田空港をめぐり何が起こっているかを検証し、社会に訴え、問題解決に取り組むプロジェクトの発足を広く呼びかけます。当面、次のような取り組みを進めたいと考えています。


(1)B滑走路の2500メートルへの延伸とその十月供用に対して、人権・生存権や環境、安全性の観点から問題点を明らかにし、声明を出したり国土交通省や成田空港会社に申し入れるなどの運動を行ないます。
(2)成田空港の現状や問題点を広く市民に知らせるための映像表現やネットを使った活動を行います。
(3)航空機事故、騒音・低周波被害、環境汚染、グローバル社会のなかでの空港といったテーマについての研究会・学習会を開催します。


 もしB滑走路が2500メートルに延伸されるならば、ジャンボのような大型機が離着陸することになり、空港会社は年間の発着回数を二本の滑走路を合わせて現在の二十万回から当面は二十二万回に、最終的には三十万回に増やすと言っています。B滑走路の南端には農を営む人びとが暮らしており、いっそうすさまじい騒音と排気ガスが、さらにはさまざまの事故の危険性がその人びとを襲うことになります。これは、現地で生活する人びとに対するあからさまな人権や生存権の侵害であると言わねばなりません。
 空港会社は、公団を引き継いでいるわけですから、公団が現地や周辺の住民、反対同盟と取り交わした約束や協定を誠実に守らなければならない立場にあります。そうした約束を反故にしながら、B滑走路の延伸を強行し、また全国の一坪共有者に権利返上を求める動きを強めていることは、許しがたい行ないです。

 さらに見逃せないのは、空港会社が3月にA滑走路で起きた米フェデックス貨物機の炎上事故を理由にして、大型機が飛べるようにB滑走路の延伸を早め安全運航につなげると言っていることです。初めての死者を出したこの事故は、開港前から問題視されていた空港立地の地理・気象条件そのものを根本的に再検討するべき必要性を示しています。こうしたことをまったく顧みず滑走路の延伸と発着回数の増大だけを追求するのは、安全性無視もはなはだしい態度です。

 いま地球温暖化をはじめ地球環境問題が重要な課題になっているとき、石油燃料を大量消費してCO2などの排気ガスを撒き散らす航空機をどんどん増やしてよいのでしょうか。こうした視点からも、空港の拡張・新設や滑走路の増設・延伸が問い直されるべきです。
 私たちは、成田空港をめぐる多くの矛盾や問題点があらためて浮き彫りになっている現在、現地で暮らす住民、空港利用者を含む市民、社会運動やNGOに関わる人びとが一緒になって成田空港のもたらす問題を考え、社会に広く訴えるための活動を始めたいと思います。みなさんの積極的な参加と協力を呼びかけます。
 つきましては、この呼びかけの呼びかけ人になってくださる方(三〇〇〇円)、賛同してくださる方(一〇〇〇円)を募集します。
 郵便振替用紙にご記入の上、お申込ください。また、カンパもよろしくお願いします。


 【呼びかけ人】
浅井真由美(労働情報編集長)、大野和興(地球的課題の実験村共同代表)、梶川涼子(成田バスツアーの会)、鎌田慧(ルポライター)、白川真澄(「ピープルズプラン」編集長)、高木久仁子、高橋千代司(三里塚一坪共有者)、中里英章(成田バスツアーの会)、花崎皐平(哲学者)、藤川泰志(みさと屋)、水原博子(成田バスツアーの会)

【連絡先】〒101-0061東京都千代田区三崎町2-13-5影山ビル 協同センター・労働情報気付 ファクス:03―6675―9097

【郵便振替】 00170-2-263094 成田プロジェクト
呼びかけ人 三〇〇〇円、賛同 一〇〇〇円

【報告】外国人排斥を許さない6・13緊急行動

外国人排斥を許さない6・13緊急行動


6月13日、京都で「在日特権を許さない市民の会」(在特会)など排外主義右翼によるヘイト・スピーチと街頭デモに抗議するため、「外国人排斥を許さない6・13緊急行動」のデモとビラまき情宣が取り組まれた。
 この排外主義右翼は、4月11日の埼玉県蕨市で、不法入国を理由として両親が強制送還され、一人日本に残されることになった中学生をもターゲットとした「犯罪外国人追い出しデモ」をおこなった人々である。在籍する中学校前で実名をあげて出て行けと叫ぶような卑怯で卑劣な排外主義の街頭への台頭に対する憤りから、今回の緊急行動は出発した。

 これまでインターネット上ではマスメディアではあまり目にすることのない外国人など社会的少数派への差別的・攻撃的な言説が多々見られてきた。現在まだその動きはヨーロッパでのネオナチなど移民排斥運動ほど規模は大きくはないが、街頭で「日の丸」を掲げてのヘイト・スピーチがくりかえされるのをただ傍観するわけにはいかない。この思いは緊急行動の呼びかけにナチスに抵抗したルター派牧師のマルティン・ニーメラーの言葉が付記されたことからも伝わる。
 この呼びかけから二週間足らずで賛同団体・個人は760人を越え、当日のデモには300人近く、情宣行動にも100人以上の参加があった。

 午前11時、三条河川敷での集会では、難民支援運動や労働運動からのアピールや、入管法改悪に対する訴えなどがあった。集会後、「これ以上息苦しい朝を迎える前に」「自由の敵に自由を許すな」、マンガ『ヘタリア』のキャラクターをあしらった「外国人排斥反対」などの横断幕を掲げ、四条河原町を往復するデモに出発。「外国人排斥を許さないぞ!」「生きる権利に国境はない!」「ともに生きるぞ!」と訴えて歩いた。いろいろなプラカードが掲げられ、準備したビラの受け取りもよく、注目を集めた。

 デモの後、2時ごろからは排外主義右翼のデモコースである河原町通りに沿って三条アーケード前、蛸薬師、四条河原町四つ角に分かれてビラまき情宣をおこなった。
 用意した二千枚のビラはすでに数が少なくなっていて、おもにマイクでのアピールをおこなった。四条河原町を排外主義右翼の150人ほどのデモ隊が通過する時には、それぞれ四方から抗議の声・シュプレヒコールがあがった。
 「日の丸」を掲げて「外国人は出て行け」「京都市は朝鮮人をたたき出せ」などと叫ぶことは、単に「表現・言論の自由」として許容されるべきではない。しかも、排外主義右翼は緊急行動の賛同者に賛同の理由を問いただす“恫喝”電話をかけてきている。緊急行動の以後も、それぞれの場で「ともに生きる社会」をめざす努力・営みが必要だ。 (P)



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(写真は実行委員会ブログからの転載)