【呼びかけ】成田プロジェクト発足の呼びかけ
「いま成田空港で何が起きているのかプロジェクト」(略称:成田プロジェクト)発足の呼びかけ
成田空港では、B滑走路(暫定平行滑走路、2180メートル)を北に延ばして2500メートルにする計画が急ピッチで進んでいます。延伸工事は住民が慣れ親しんだ入り会い地「東峰の森」を破壊して進められ、成田国際空港会社は当初の予定よりも半年早く今年十月には供用を開始するとしています。
わたしたちは、成田空港をめぐり何が起こっているかを検証し、社会に訴え、問題解決に取り組むプロジェクトの発足を広く呼びかけます。当面、次のような取り組みを進めたいと考えています。
(1)B滑走路の2500メートルへの延伸とその十月供用に対して、人権・生存権や環境、安全性の観点から問題点を明らかにし、声明を出したり国土交通省や成田空港会社に申し入れるなどの運動を行ないます。
(2)成田空港の現状や問題点を広く市民に知らせるための映像表現やネットを使った活動を行います。
(3)航空機事故、騒音・低周波被害、環境汚染、グローバル社会のなかでの空港といったテーマについての研究会・学習会を開催します。
もしB滑走路が2500メートルに延伸されるならば、ジャンボのような大型機が離着陸することになり、空港会社は年間の発着回数を二本の滑走路を合わせて現在の二十万回から当面は二十二万回に、最終的には三十万回に増やすと言っています。B滑走路の南端には農を営む人びとが暮らしており、いっそうすさまじい騒音と排気ガスが、さらにはさまざまの事故の危険性がその人びとを襲うことになります。これは、現地で生活する人びとに対するあからさまな人権や生存権の侵害であると言わねばなりません。
空港会社は、公団を引き継いでいるわけですから、公団が現地や周辺の住民、反対同盟と取り交わした約束や協定を誠実に守らなければならない立場にあります。そうした約束を反故にしながら、B滑走路の延伸を強行し、また全国の一坪共有者に権利返上を求める動きを強めていることは、許しがたい行ないです。
さらに見逃せないのは、空港会社が3月にA滑走路で起きた米フェデックス貨物機の炎上事故を理由にして、大型機が飛べるようにB滑走路の延伸を早め安全運航につなげると言っていることです。初めての死者を出したこの事故は、開港前から問題視されていた空港立地の地理・気象条件そのものを根本的に再検討するべき必要性を示しています。こうしたことをまったく顧みず滑走路の延伸と発着回数の増大だけを追求するのは、安全性無視もはなはだしい態度です。
いま地球温暖化をはじめ地球環境問題が重要な課題になっているとき、石油燃料を大量消費してCO2などの排気ガスを撒き散らす航空機をどんどん増やしてよいのでしょうか。こうした視点からも、空港の拡張・新設や滑走路の増設・延伸が問い直されるべきです。
私たちは、成田空港をめぐる多くの矛盾や問題点があらためて浮き彫りになっている現在、現地で暮らす住民、空港利用者を含む市民、社会運動やNGOに関わる人びとが一緒になって成田空港のもたらす問題を考え、社会に広く訴えるための活動を始めたいと思います。みなさんの積極的な参加と協力を呼びかけます。
つきましては、この呼びかけの呼びかけ人になってくださる方(三〇〇〇円)、賛同してくださる方(一〇〇〇円)を募集します。
郵便振替用紙にご記入の上、お申込ください。また、カンパもよろしくお願いします。
【呼びかけ人】
浅井真由美(労働情報編集長)、大野和興(地球的課題の実験村共同代表)、梶川涼子(成田バスツアーの会)、鎌田慧(ルポライター)、白川真澄(「ピープルズプラン」編集長)、高木久仁子、高橋千代司(三里塚一坪共有者)、中里英章(成田バスツアーの会)、花崎皐平(哲学者)、藤川泰志(みさと屋)、水原博子(成田バスツアーの会)
【連絡先】〒101-0061東京都千代田区三崎町2-13-5影山ビル 協同センター・労働情報気付 ファクス:03―6675―9097
【郵便振替】 00170-2-263094 成田プロジェクト
呼びかけ人 三〇〇〇円、賛同 一〇〇〇円