ムラサキノオト
ムラサキノオトの一部過去作品をBoothで通信販売しています。 https://purplesounds.booth.pm/
次回のイベント参加予定は未定です。
  • 19Mar
    • ショットガンマイクのスポンジ風防あれこれの画像

      ショットガンマイクのスポンジ風防あれこれ

      SANKEN(三研)社製のガンマイク2種を入手しました。ステレオ・モノラル兼用タイプのCSS-5は、かつて効果音の屋外音ロケでよく使ったマイクです。大きくて重いマイクという印象がありましたが、久々に手にしてみると記憶よりも軽い?しかしゼンハイザー社MKH-416Pが175gなのに対してこちらは250gなので、かご風防に入れて竿の先に吊るすと重く感じるはずです。もう一本はCS-30と型番が付いていますが、こちらは検索しても情報がありません。このマイクの謎については後述します。CSS-5もCS-30も、グリップホルダーに取り付ける部分の外径はMKH-416Pと同じ19mmなので、かご風防に装着して利用する分にはなんの不都合もありません。しかし、かご風防って見た目に圧迫感あるのですよね。風の影響が少ない屋内の狭い現場や、天井が低く突起物が多い場所ではかご風防の大きさが邪魔になる時もあります。取材対象の方やディレクターが大げさ過ぎると感じてしまうとよろしくない。そんな時はマイク本体を挿し込むスリップオン型のシンプルなスポンジ風防です。ガンマイクは他のマイクと違い、屋外で手持ちのブームの先に付けて振って使う事が多いので、最低限このスポンジ風防が無いとマイクを振った時の風切り音が大きくて実用に耐えませんし、地面に置いたり何かに当たったりした時のマイク本体の保護のためにもガンマイクを使う場合は必ず欲しいアイテムです。ところで、この風防のことを現場で「ソフタイ」と呼ぶ時があるのですが、これは多分Rycote社の製品名SOFTIE(ソフティー)から来ているのだと思います。ゼンハイザーとRycoteはソフティー表記、SANKENはソフタイ表記になっています。SOFTIEはスリップオン型でもウインドジャマーのような毛足の長めのもので、RODE社の同等製品だとDeadCat(酷い名前だなあ)のような中〜強風用風防です。毛のないスポンジ風防をソフタイと呼んでよいのかやや疑問。正式には、ウレタンウインドスクリーンという名称です。今回入手したガンマイク2種は、このスポンジ風防をどうするかで少々悩みました。ゼンハイザーの説明ページによると、ガンマイク用の風防は音響管のスリットを全部覆わなければなりません。CSS-5とCS-30のスリット部分の長さは先端から20cm程度で、風防としては21〜22cmの長さが必要です。外径はCSS-5の場合22.5mmでRODE NTG1とほぼ同じ。CS-30は28mmあり、ガンマイクとしては異例の太さです。汎用品であるウィンドテック社のBG-2またはSG-70を買って、どうにかして削って穴を広げるか、と考えましたが、これらは1個あたり6〜7千円以上と結構なお値段で、そのまま使えるならともかく加工に失敗すると出費ダメージがでかい。そこで、とりあえず安い汎用品のスポンジ風防を買ってみました。アマゾンで2個1,500円くらいで買えるFloratekブランドの製品です。全長21.5cmあり、安価な製品の中では長くて助かります。CS-30と並べてみた所。この穴には入らないように見えますが・・・ちぎれない程度に引っ張りながら無理やり突っ込んでみたらなんとか入りました。何度か付け外ししているうちに少し伸びてきてなんとか使えそうです。破れ対策に予備を持っておきたい気がしますけど。CSS-5のほうは、ホルダー取付部との間に渡っている柱の部分から後ろ側にはスポンジが挿せませんので、柱の部分に印をつけてハサミで切れ込みを入れます。切れ込み長は微調整し、スリットを覆う部分まで挿せるようにしました。後端が広がります。取付部との隙間にスポンジを押し込みましたが、ここから風が入ると吹かれますから、念をいれるなら何か薄い素材で縛ったほうが良いのか。スポンジ装着後に並べてみました。一番下の短いマイクは比較用のRODE NTG1です。NTG1に付属してくるRODE純正のスポンジ風防(WSVM)と、今回購入したFloratekの風防を差替えて比較してみましたが、音質も風切り音の減衰具合にも大きな違いは感じられませんでした。MKH-416P純正品のスポンジ風防とは比べていませんが、使用を悩むほど極端に劣るとは思いません。以下はこの3つのガンマイクの使い勝手についての簡単な感想です。RODE NTG1105g/21.9cmと軽くてコンパクト。まともなガンマイクとしては廉価な部類で筐体がプラスチック製ですが、10年以上使っても壊れず丈夫です。乾電池で駆動できるNTG2よりもサイズ・重量、使い勝手ともにNTG1のほうが良いので、ファンタム電源が必ず使えるならNTG1のほうがお薦めです。MKH-416Pと音質を比較すると、416より低音を拾ってふくよかな音がします。一般的な意味でのマイクとしての音質は416よりむしろこちらのほうが良いです。しかし416や他の2本と比べるとガンマイクの本質である指向性の鋭さに劣りサイドの切れが甘いです。416は「芯」から少し外れると高域が落ちるので、使い慣れた人なら音だけでマイクが正確に対象に向いているかがわかるのですがNTG1にはそれがありません。逆に言えば、多少芯が外れてもそれなりに音を拾うので、ガンマイク初心者でも失敗が少ないマイクです。指向性のゆるさと普通っぽい音質を活かし、オーディエンスやガヤ録りにも向いていると思います。SANKEN CSS-5最大の特徴は通常のモノラル収録に加えてX-Y方式によるノーマル/ワイドのステレオ収録に対応していることですが、そのため250g/30cmとやや大きくて重いマイク。モノラルの普通のガンマイクとしては高域寄りのクリアな音質に感じます。指向性はじゅうぶん鋭く、周囲の邪魔な音を切って放送で聞きやすい音質で声を録る、という目的においてNTG1とは別格の性能です。難点は、配線に5ピンケーブルが必要なので、グリップにコネクタを内蔵しているタイプのかご風防では別配線が必要なことと、モノラル/ステレオを切り替えたい時はかご風防を開けてマイク本体を触らないといけないことです。CSS-5と416を抱き合わせてかご風防に入れ、CSS-5をステレオ専用にしてミキサー側でモノラル、ステレオを切り替えて使うツワモノ音声さんもいるそうです。私にゃそんな体力ありません。SIGMA SS-332にはCSS-5の5pinXLRケーブルが直結できるステレオのマイク端子とフェーダーがあった。SANKEN CS-30長さはCSS-5よりわずかに短い約29cm。重量は推測で190g〜200g位か?MKH-416Pより一回り大きいマイクです。サイドは416と比較してもスパッと良く切れ指向性がかなり鋭いマイクです。音質はCSS-5と同じ傾向でNTG1よりブライトな印象ですが、CSS-5よりは若干角が丸くてナチュラルな気がします。416よりもレンジが広く、とてもクリアーな音質で出力レベルも少し大きい。難点はこれに合うソフタイが無いこと。かつてNHKとSANKENで開発した試作マイク(NHK技研:「後方の感度を抑圧した狭指向性マイクロホン」)の写真が、これととても良く似ていてサイズも一致するので、もしかするとこれかもしれません。分解してみると、カプセルは3つあって、長い音響管の後端に1個と、下の基板の前方に1個、後方に1個。リンク先の資料にある音響管と二次音圧傾度型の合成方式に見えます。内部の隙間が大きいので、他のガンマイクより水濡れや埃、振動・衝撃に弱そうに見えてしまいますが、どうなのかな。リンク先の資料で「汎用性に欠ける」と指摘されたaudio-technicaのスーパー狭指向性マイクAT895/RK(中央)。他の3本よりも更にでかくて重い。ちなみにAliExpressで検索すると長いスポンジ風防もたくさん出てきます。ちゃんと届くかどうかは注文してみないとわかりませんが、安いです。(がんくま)

  • 08Mar
    • M-AUDIO PULSER-II のマイクホルダーを交換するの画像

      M-AUDIO PULSER-II のマイクホルダーを交換する

      スモールダイアフラムの小型コンデンサーマイク(俗にペンシルマイクと呼ばれるもの)は各社から出ていて、楽器を録ったり2本揃えてステレオ録音をしたりと小回りがきいて便利に使えるので持っていると重宝します。定番はAKGのC451Bですが、もう少し安い部類だとRODE NT5とかFOSTEX MC10STあたりでしょうか。当方が持っているのはM-AUDIOのPULSER2という製品です。いきなり本題から逸れてぶっちゃけると、個人的にはいまいちこのマイクの音質にピンときてません。しかし、使えないというほどのこともなく普通に録れます。定番品じゃないマイクを集めるのが趣味なので、OKTAVAのMK-012とか安く買える機会があればふらふらと買い替えちゃうかも。NT5は使ったことがありませんが、MC10STも使ってみるとうーん?という感じでKM184やDPAは高価過ぎて買えないので、やっぱりC451Bが無難な選択になるのですね。とはいうものの実はPULSER2の利用頻度、けっこう高いのです。というのも、マッチドペアだったので写真のように値段不相応に立派な(?)木のケースが付いてきまして、この中にマイク2本とホルダー、ステレオアーム、風防がきれいに収納できるから。もしかしたら同録の現場で声だけでなく、ステレオの環境音やガヤや楽器演奏を録るかもしれないなー、と思ったら、この木箱を持って行けばなんとかなる。A-BでもX-Yでも録れるし、小型であることを活かしてリップノイズや吹かれの多い人をマイキングでかわすこともできる。ピアノの高音低音を分けて狙ってPANを振ることもできる。さて、そのように便利に使っているうちに付属品の樹脂製マイクホルダーが折れてしまいました。左右とも同じ時期に折れ、手で少し力をかけると折れるので、樹脂自体の劣化が原因です。木箱にコンパクトにまとまる事で重宝しているマイクなので、今までと同様に木箱の穴にそのまま入るホルダーが欲しい。通販だと微妙なサイズ感がわからないので、秋葉原のトモカプロショップさんに木箱を持って行って現物を見てみたところ、K&MのMH1が使えそうでしたので買ってきました。なお、PULSER2の外径はΦ22mmです。MH1に付属するプラスチック製の5/8と3/8インチの変換ネジ(付属のステレオアームを使う場合、この変換ネジは不要です)を外すとなんとか元の穴にハマります。試しに元の下半身とMH1の上半身でキメラにしてみましたが、ネジ径や樹脂の厚みが違う上にうまく木箱に入らないので、MH1はそのまま使うほうが良いです。サウンドハウスの通販サイトの写真を見る限りでは、CLASSIC PROのMH25のほうが元のホルダーの形に近いように思われます。型番からしてΦ25mm用だと思い込んでいましたが後で調べてみるとΦ22〜25mm対応のようです。しかし前述のように現物を見ないと本当に木箱に入るかどうかはわかりません。MH1は使えます。おそらく、この製品を現在もお使いの方は同じトラブルをかかえているはずですが、参考になれば幸いです。NEEWERから小型のウインドジャマーが格安で出ているのでこのマイク用に使っていますが装着感が緩めで、効果はあるものの期待したほどではなかったです。屋外では微〜弱風までですね。(がんくま)

  • 11Aug
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      DOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(3)

      ■CP500のファン音対策前回まで書いてきたように頑張っていろいろと工作し、シネマプロセッサーをAVアンプの代わりに使える工夫をしたものの、どうにもならん所もあります。まずCP500自体がでかくて重く、六畳和室に19インチEIA規格の18Uラックはかなり場所を取り、設置場所の融通がききません。もっと広い部屋なら置き場所も工夫できそうですが、AVアンプと違ってリモコンが無いので手が届く範囲に置かねば、という弱みがあります。最大の問題は内蔵の冷却ファンの音です。一般家屋の和室なので屋外音の遮音はそもそも期待できませんが、ラックの設置位置がちょうど左耳の横になるので、よほど大音量のシーンでない限りCP500のファンの轟音が気になります。パッチ盤を入れて2ch再生時にCP500をスルーできるようにしたのはその対策でもあります(CP500には電源スイッチが無いが、フロントパネル内右隅のBYPASSボタンを押すと電源オフにできる)。しかしホームシアターとして根本的な解決にはなりません。轟音の原因であるフロントパネル裏側のファン2個を交換してみました。元々付いているファンはU.S.TOYO製のUSTF602024MW(DC24V 0.09A)で、これをジャンク屋で購入した山洋電気製 XF5459DF(DC24.5V 0.06A)に替えてみましたが、ほんの少し静かになっただけ。そもそもDC24Vの6cm角DCファンには静音型の選択肢が少なく、入手も難しいです。そこで、自作パソコン用の冷却ファンの中から6cm角ファンでは最も静音であろうOwltechのSF6-S1を2個購入し、再交換しました。ファンそのものは山洋電気の9S0612B4031(DC12V 0.03A)です。12Vファンなので、元ファンの電圧24VをMINMAXの超高効率DCDCコンバータM78AR12-0.5で12Vに下げて使います。7812やLM317Tを使うよりも発熱量が少ないはずです。PCファン用の3pinコネクタへの配線を途中で切ってM78AR12をはんだ付けし、2pinファンコネクタでフロントパネル内のファン電源に配線しました(回転数制御用の黄色線は使わないので絶縁処理)。ファンの厚みが元のファンから5mm増すので、取り付け用のM3ボルト8本を元の25mmから30mmへ変更。M78AR12はファンが取り付けてあるアルミカバーの内側に熱伝導両面テープで貼りました。改造前はファン速度が強弱2段階で変化した気がするのですが、M78AR12を入れたことで速度固定になったものと思います。この再交換により劇的に静かになりました。交換後はリア用のデジタルパワーアンプのファン音や、エアコンの動作音のほうが逆に大きく感じます。仕様上は元のファンの騒音が26dBであるのに対し、再交換後は5dBです。しかし回転数と送風能力も3600rpm/CFM14.8から1200rpm/CFM6へと減じていますので機器内冷却には問題が出る可能性があります。フロントパネル下部の吸気スリットにはスポンジを貼りました。エアフロー上は無いほうが良いのですが、生活部屋なのでホコリ対策でさほど目が細かくないもの(HIKARI FT5-30)を使用。液晶には不慮の打撃による破損防止のため保護用のプラ板も取り付けました。液晶裏のICは無風状態で指で触っても熱いと感じるものは無く、送風量の減少がさほど問題になるとは思えません。この液晶は当時良く見かけたEPSON白液晶で、設定からLCDコントラストを下げて暗くしていますが、バックライトが暗くなるわけではないので熱対策としては気休めかもしれません。ファン交換後はドルビーデジタル関連基板のあたり(写真の黄色部分)に熱がたまって内部温度が上昇します。冷房で室内温度を25~26度に保っていれば危機感を覚える温度にはならないが、気温が30度以上だと基板上のICチップ表面を触って熱いと感じるので、冷房無しで使うなら追加対策が必要と思います。天吊りプロジェクター保護の観点からも映画上映時は冷房利用必須としました。■HDMIスプリッターによるサラウンド再生CP500やDMA8plusはドルビー社の製品です。当たり前ですが一般的なAVアンプのようにはDTSやDTS-HDのデコードに対応しません。同社最新の民生用規格DOLBY True-HDのデコードもできません。そこで、BD-S6200のHDMI出力から音声信号を分離し、DTSやDOLBY True-HD等のサラウンド信号をデコードして、アナログRCA端子に出力するHDMIスプリッターの導入を検討しています。というか5月に中国の業者に発注したのだけれど、いまだに届かない。Portの綴りを間違ってるあたり元々あやしくはあるのだが・・・。DMA8plusの背面にはAnalog IN端子があり、RCAピンプラグからD-Sub25コネクタへの8ch変換ケーブルを作ってこのスプリッターを繋げば、filmボタンを押してCP500の6CH INPUTへ送られるはずです。ただし、おそらく出力電圧が民生レベルなので、DMA8plus自体でAC3デコードした時と音量差が気になる場合は8chプリアンプの追加が必要になるかもしれません(ちなみにDMA8plus自体は300mVリファレンス)。というか、前々回の記事に書いたCAT. NO. 685 BoardとこのスプリッターがあればDMA8plus要らないじゃないか、と言われれば実際その通りです。個人的にかつて幾多の感動を経験した映画館と、良くも悪くも限りなく同じ音ってのにロマンを感じているわけですが、これだけ面倒な手間をかけてわざわざシネマプロセッサーをホームシアターに使う人が世の中にそうそう居るとも思えません。CP500は時々ネットオークションでも見かけますが、DMA8plusやCAT.685基板は滅多に見ません。もし私と同じようにCP500を家庭で使いたい方がいたら、CAT.685基板の有無に注意してください。■念願のホームシアタープロジェクター用のペーパースクリーンは反射も強くて、EH-TW5200をシネマモードで使った場合でもなかなかに明るいですが、反射のための模様で画面中央が微妙にギラギラします。紙なので水平方向に若干波打っていて、左右にパンする映像ではヨレが目立ちます。しかし家庭内の壁面に固定設置して使う分には他に欠点が無く、軽くて設置も簡単です。購入した当時は現在よりもっと安くて、コストパフォーマンスはとても高いものでした。私のようなホームシアター初心者にはお奨めです。そもそも寝室兼用の六畳間に設置するには馬鹿げた規模のスピーカーやスクリーンです。人間は機材に圧迫されていわゆる「おきはんねいち(起きて半畳寝て一畳)」に近い状態。しかし、座椅子をフラットにして、寝ながら映画館並みの音響で映画が見れるのはとても良い。LDを自宅でプロジェクターに投影して見るのが昭和の頃の夢だったので、いつまでLDプレーヤーが動くか不明ですが、30年以上続いた平成を飛び越え、令和2年にしてようやく実現できました。今回、室内に放置されたまま有効活用できていない機材を活用しようと、いろいろと力技で突破しましたが、やっぱり普通に中古のAVアンプでも買ったほうがずっと楽でしたねえ・・・。コロナウイルス禍による仕事減が無ければ、ここまで時間と手間を費やしてやれなかったなあ。【参考資料】DOLBY Model CP500 User's Manual(PDF)DOLBY Model CP500 Installation and Alignment Manual(PDF)DOLBY DMA8plus Installation and User's Manual(PDF)(がんくま)DOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(1)DOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(2)

  • 08Aug
    • DOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(2)の画像

      DOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(2)

      専用ケーブル製作祭りになった前回に引き続き、デジタル入出力の整備と再生音の調整を行います。■その他の音声ソースへの対応DMA8plusのデジタル入力は、入力1がシネマサーバー専用の8chデジタル入力で、入力2と3はBNCによるAES/EBU同軸入力、入力4がTOSLINKです。入力1も使いたいので、D-Sub25ピンからXLRキャノン4系統(AES/EBU8ch)への変換ケーブルを作り、カナレの110Ω-75Ωデジタル変換トランスBCJ-XP-TRCを使って同軸デジタルで入力できるように変更し、同軸出力付きのPCM2704 USB AUDIO I/Fを繋いであります。USBケーブルを挿しかえるとドライバ無しでLinux/Mac/Windowsパソコンからの音が再生できます。【DMA8plus 4xAES In Connector Pin Assign】DB-25 Pin Number, Default Signal Name01 AES Common02 CH1/2 Neg03 CH3/4 Pos04 AES Common05 CH5/6 Neg06 CH7/8 Pos07 AES Common08 N.C.09 AES Common10 N.C.11 N.C.12 AES Common13 N.C.14 CH1/2 Pos15 AES Common16 CH3/4 Neg17 CH5/6 Pos18 AES Common19 CH7/8 Neg20 AES Common21 N.C.22 N.C.23 AES Common24 N.C.25 N.C.※Common → XLR Pin1, Pos → XLR Pin2, Neg → XLR Pin3この結線は音楽録音や放送業界で使われるTASCAM/Digidesign/YAMAHAなどの他のAES8chデジタルスネークケーブルとはまったく違います。サンプル周波数とワードクロックは入力信号のCH1/2に追従します。このためCH1/2を使わずにCH3~8に信号を接続しても再生されません。入力2と3にはBDプレーヤーとLDプレーヤーの同軸デジタル出力が繋がっています。入力4には光ケーブルでBluetoothオーディオ受信機を繋ぎ、スマホやパソコン音声のワイヤレス再生に対応しました。LDプレーヤーのアナログ信号はパッチ盤経由でCP500のNONSYNC2に繋いであります。初期のLD盤にはデジタル音声トラックが無く、アナログトラックしかありませんが、このアナログ音声がドルビーサラウンド音声であればCP500内部のアナログデコーダーでちゃんとサラウンド再生されます。これに気付いたのは1983年発売の「スター・ウォーズ」国内初盤LDを再生した時で、同メディアにはドルビーサラウンドの表記がありませんが、サラウンド再生されました。調べてみるとドルビーサラウンド自体が1977年公開のこの映画を家庭用にリリースする際に開発されたらしい(ドルビーサラウンド表記が無いのはそのため?)。私はてっきりNONSYNC1/2は劇場内のBGM再生用だと思い込んでいました。■CP500による再生環境調整MENUボタンを押し、アライメント設定から再生環境に合わせて各出力chの音量やEQの設定をします。CP500の液晶画面は歴代のシネマプロセッサーの中でも格段に大きく、本体だけで設定を行うなら最も操作性が良いのではないかと思われます。アライメント設定画面に入るには数字4桁のパスワードが必要です。工場出荷時の初期設定は0000ですが、画面操作では本体を完全に初期化する方法が無いので、このパスワードが分からないと設定が変更できません。幸い、この個体は映画技術者の間で良く使われている番号で通りました。本体内にリセットボタンがありますが、これを押すことでパスワードも初期化されるのかどうかは未検証です。設定の手順は、本体に音響測定用のマイクを接続して校正し、以後は内蔵の基準信号と校正されたマイクでリスニングポジションから各スピーカーの再生音を調整します。背面のマイクコネクターはD-Sub9ピンで、これはドルビー純正の調整用マイク、特にサラウンド測定用に複数マイクを束ねるCAT.580マルチプレクサーを接続するための端子です。しかし1本のマイクを測定方向を変えながら使っても調整は可能です。この場合はマイクからの配線を本体内のCAT.681基板上のミニプラグジャックに挿すことになっていますが、背面のマイクコネクターにもこのミニプラグジャックとパラでシングルマイク用の配線が来ているので、これとパッチ盤をバランスで接続するケーブルを作成しました。【CP500 Mic In Pin Assign】Mic1はバランス仕様Mic2はアンバランス仕様MultiplexerはCAT.580接続用1 Mic1+ → tip2 Mic1- → ring3 Mic2 Signal4 Mic2 Ground5 N.C.6 Mic1 Ground → Sleeve7 Multiplexer V+8 Multiplexer gnd9 Multiplexer data調整時にはパッチ盤からTRS-XLRキャノン変換ケーブルを使ってRTA用マイクBEHRINGER ECM8000を延ばします。この測定用マイクのファンタム電源のON/OFFジャンパはCAT.681基板上にあります。ファンタム電圧は+15Vと低めですが、ECM8000は使えました。マイクの校正は、MENU→Alignment→Output Adjust→Calibrate SPLへ進み、まずリファレンス音圧(ロータリーフェーダーを7.0とした場合の音量)を設定します。画面中央に表示される音圧(SPL)のメニューから設定する音圧(通常、映画館では85dB SPLであるが、家庭用では70dBでも良いかもしれない)を選ぶとセンターチャンネルからピンクノイズが出ます。これを他の音圧計で測定し(時定数slow/特性フィルタC/音圧計のマイクはセンター方向の斜め上45度へ向ける)、スピーカーからの出力音圧が85dBになるようにアンプの再生音量を調整します。次に、CP500に繋いだマイクを同じ位置の同じ向きに設置し、画面中央上部の"Level:"に表示されるCP500での測定値が設定したのと同じ85dB SPLになるようにロータリーフェーダーで調整して、校正結果を記憶させます(接続したマイクの感度が極端に低すぎたり高すぎたりする場合はCAT.681基板上のボリュームRV1100で調整できる)。以後の調整はこのマイクを使って行います。Output Adjustではロータリーフェーダーを回してL/C/R/Ls/Rs/Msの各chからピンクノイズが出せるので、測定値が揃うように左下の上下矢印ボタンを押しながらフェーダーを回し、サブウーハー以外の出力音圧を調整します。この後に出力EQ設定を行うと測定値が変化するので、この時点ではおおよそで揃えておけば良く、EQ設定後に正確に調整します。EXITを押して結果を記憶させます。続いて各スピーカー別に出力EQを調整します。B-Chain Alignment→B-Chain Equalizationの順に進むと各ch別の27バンド(リアchは9バンド)EQ画面が出ます(AllbandとTreb/Bassを切り替えて簡易調整にもできます)。CP500に接続したRTA用マイクの測定結果が、画面に表示されているリファレンスカーブに近づくように各バンドの出力レベルを調整します(当家ではGEQをチャンデバ側で設定したので現状ではフラットにしています)。fullでRTA測定画面を拡大したりBYで調整結果を一時的にBYPASSしたりできる。設定が終わったらEXITを押して設定値を記録し、再びB-Chain Equalizationから次のchを選んで調整を繰り返します。サブウーハーchのEQ画面は他とは違い、フィルター周波数、Q、カット量の3つのパラメータを調整できるので、RTAの測定値を見ながら部屋の低周波共振ピークを探し、Freq、Q、Cutを調整してこの共振をカットします。全chのEQ設定が終わったら、再びOutput Adjustから正確な音圧調整を行います。フロント側を85dB SPLに、リア側を82dB SPLに設定します。続いてSubwoofer Levelボタンを押します。するとセンターチャンネルから再生されるピンクノイズを使ってRTA画面の0基準レベルがキャリブレーションされ、Digital Subwoofer Level調整へ移行しますので、サブウーハーから180Hz以下の帯域で再生されるノイズの平均値をRTA画面で+10dBに設定します。続いてOpt. Sw Levelを押し、同様に50Hz以下の帯域の平均値を0dBに設定します。最後にOpt. Sw Polarityを押し、サブウーハーの極性(位相)をチェックします。PolarityをINV(逆相)にした時に、RTA画面の低音帯域(20Hzから100Hz)の平均値が減少すればサブウーハーの位相がメインスピーカーと合っています。減少しない場合はサブウーハーの位相を逆にします。EXITを押して設定結果を記録します。アライメント調整にはここまで設定したBチェーンアライメント調整の他にAチェーンアライメント調整がありますが、Aチェーンアライメントはフィルム映写機と接続した場合の設定項目なので、映写機を使わないホームシアター用途では調整不要でした。この他、室内環境や再生機器に沿ってディレイを設定する機能もあります。背面RCAジャックから入力されるNONSYNC1/2chのデフォルト音量はCAT.681基板上にあるボリュームで調整できます。運用中の通常画面(FORMAT選択画面)に割り付ける項目のうち、Format60がNONSYNC1、Format61がNONSYNC2用の項目で、左右の信号はそのまま左右のフロントスピーカーに送られ、センターはミュートされ、左右の入力の差がリアのサラウンドchに送られます。初期のシンプルなアナログ式のドルビーサラウンドで、前述のスターウォーズのLDはこれで再生されました。Build Custom Format機能を使って、Format60/61のコピーからNONSYNC1/2からのドルビーサラウンドPro Logic再生用の項目を追加することもできます。ただし、Pro Logic用の設定で通常のステレオ音源を再生するとモノラルに聞こえるので、Pro Logic以外の音源を再生する用途には向きません。このカスタムフォーマット作成画面のメニューからは、入力信号のルーティングやデコーダーの選択、NRやビット変換の指定など、多くの細かい設定ができることがわかりますが、メインで使う入力が6CH INPUT(Format11)だと、ほぼいじる機会無し?つづくDOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(1)DOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(3)

  • 07Aug
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      DOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(1)

      新型コロナウイルス禍で緊急事態宣言が出て自宅でゴロゴロしていた2020年の4~6月にかけて、ホームシアターを作っていました。普通ならAVアンプを投入する所ですが、代わりに業務用のシネマサウンドプロセッサーを使うことで機材は全て自宅にあったものを流用できたため、新規でかかった実費は基本的にケーブル製作費とプロジェクター固定用の木材費だけ。しかし結構苦労しました。■システム構成プロジェクター: EPSON EH-TW5200スクリーン: ペーパースクリーン4:3 100インチフロントスピーカー: Professional Audio System(PAS) TOC STUDIO MONITOR-1リアスピーカー: Electro Voice S-80サブウーハー: YAMAHA YST-SW80(2台)フロント用アンプ: YAMAHA P2100(2台)リア用アンプ: ClassicPro DCP400シネマサウンドプロセッサー: DOLBY Laboratories CP500デジタルメディアアダプター: DOLBY Laboratories DMA8plusマトリクスアンプ: Audio-Technica AT-MX44パッチ盤: BEHRINGER PX-3000チャンネルディバイダー: BEHRINGER DCX24966ch電子ボリューム: 自作品ヘッドホンアンプ: 自作品BD/CDプレーヤー: SONY BD-S62003.5形HDMI液晶ディスプレイ: 自作品LDプレーヤー: PIONEER CLD-770レコードプレーヤー: SONY PS-150Bluetoothレシーバー: ELECOM LBT-AVWAR700USBデジタル同軸変換: MUSE PCM2704 DecorderHDMI分配器: KanaaN 1x2 HDMI splitter電源コントローラー: Panasonic SH-UD201ZEIAラック: SONY MU-R18B録画サーバー: Athlon5350+PT3+Linux Mint+Chinachuペーパースクリーンは7~8年前から部屋に吊ってありましたがプロジェクターが固定されていなかったので稼働回数は100回に満たず。プロジェクターも年に100時間未満しか使っていません。4:3用のスクリーンで下部の左右がフロントスピーカーに隠れますが、上部のみを16:9投影で使います。和室なので天井が弱く、重量分散のため木工でプロジェクターの天吊り枠から作ります。吊り金具もスクリーンと同じ時に買っていたものをようやく使用。設置場所が寝室を兼ね、寝ている間も頭上にプロジェクターがぶら下がっているので落下防止ワイヤーを張りました。プロジェクターにはHDMIが2本引いてあり、入力を切り替えてBDプレーヤーと録画サーバーの映像が出ます。BD-S6200は本体前面表示が低機能(CD再生中のトラックナンバーすら分からない)なので、HDMIを分配し、Raspberry Pi用の3.5型液晶とスマホ用の自在アームを使って機材ラック側に手元操作用の表示部を増設。プロジェクターにはアナログビデオ(NTSC)も配線しLDプレーヤーを映写できます。スピーカーは極端なフロント偏重です。これは映画より音楽再生やオーディオドラマ編集の利用頻度のほうが高いためです。PASのスピーカーは46cmウーハーとTADのベリリウムツイーターによるバイアンプ駆動の同軸2WAYで、もとはMA用のラージスピーカーですが、古くなってウーハーのエッジが固くなっているためか高音に比べて低音の再生がイマイチです。座椅子に座ると耳の高さになるように特注で作ってもらったスタンドに載せてあります。別の18インチサブローに載せる運用も考えましたが、スクリーンが見えなくなるので、代わりにヤマハのアクティブサブウーハーを左右に設置しました。一般論として低音は方向感が薄くなりますが、ステレオで音楽再生時、45Hzあたりから上だと気になります。よってフロントは High-L/R, Mid-L/R, Low(SW)-L/R の6chマルチアンプ駆動です。部屋が狭いので、リアスピーカーはサラウンド再生時のみの仮設とします。残念ながら各スピーカーが部屋に対して大きすぎ、ITU-RやJ-HDTVの規格に準拠した角度での設置はできません。■シネマサウンドプロセッサーCP500についてDOLBY CP500は1993年に発売されたシネマサウンドプロセッサー(以下シネマプロセッサー)です。本来は映画館に設置されている業務機で家庭用ではありません。従来のアナログ式ドルビーサラウンド(ドルビーSR)に加え、ドルビーデジタル(AC-3)に単体で対応できるフルデジタルシネマプロセッサーとして、後継機のCP650と共にフィルム映写からデジタルシネマへの過渡期に世界中のあちこちの映画館で使われていたもので、姿は見ずともこれの音を聞いていた人は多いはず。現在はデジタルシネマサーバーやDOLBY ATMOSの導入に伴いほぼ引退しており、うちの個体も映画館からの撤去品です。映画館で上映されるフィルム映画の音はフィルムの端にある"サウンドトラック"に光学的に焼き付けられていて、これを映写機(シネマプロジェクター)が読み取り、シネマプロセッサーがサラウンドの電気的な音声信号に復調し、パワーアンプ、スピーカーへと送られて音が出ます。しかし当家のような一般家庭に映写機やフィルムなどがあるはずもなく、どうにかして家庭用のBDプレーヤーやパソコンに繋がないと実用になりません。これを使えるようにするのが今回の話の主な内容です。なお、CP750やCP850といった新しいシネマプロセッサーは古いフィルム映写機に対応できませんので、フィルム上映を継続している映画館には今でもこの古いシネマプロセッサーが残っているものと思います。■DMA8plusとCP500の接続CP500の背面にはステレオRCA端子こそあるものの、AVアンプのようなサラウンド入力用のデジタル端子や多チャンネルRCA端子がありません。単体でドルビーデジタルに対応と言ってもそれはシネマプロジェクターと専用端子で繋いだ時の話で、民生用のマルチチャンネルサラウンドやデジタル音声信号は直接入力できません。以前から単体で使っていたデジタルメディアアダプターDOLBY DMA8plusは、CP500の入力機能を拡張し、デジタル(AES/EBU,TOSLINK)入力4系統とサラウンド信号のデコード機能、及びアナログ8ch入力とのセレクト機能を持ちます。これを使うことでCP500をAVアンプとして使えるようになります。写真引用元:https://www.worthpoint.com/worthopedia/dolby-digital-media-adapter-dma-plus-1823288228BD-S6200にはアナログ音声出力がありませんが、同軸デジタル音声出力をRCA-BNC変換ケーブルを使ってDMA8plusのAES/EBU入力に繋ぐとドルビーデジタルAC-3信号がDMA8plus内でデコードされ、L/R/C/S/Ls/Rsの6chサラウンド信号になります。これをAudioOut to CP端子からCP500の6CH INPUT端子に送ります。配線はD-Sub25ピン、メス/オスの専用ケーブルで、同じD-Sub25ピンを使うTASCAM等のアナログマルチケーブルとは配線の互換性がありません。しかしRS232C用のストレート・フル結線の延長ケーブルがそのまま流用できます。今回は秋葉原のCompuAceや千石電商で500円以下で入手できる"カモン 232MF-15"ケーブルを利用します。【DMA8plus - CP500 接続ケーブル結線表】DMA8plus AudioOut to CP / CP500 6CH INPUT / 232MF-15内部配線色01 L- / GND / 黒02 Rs+ / EXT3(Right Surround Channel External Input) / 茶03 Rs- / 赤04 Ls- / GND / 橙05 Re- / GND / 黄06 R- / GND / 緑07 Le- / GND / 青08 C- / GND / 紫09 GND / GND / 灰10 GND / GND / 白11 GND / GND / ピンク12 SW- / GND / ピンク黒13 GND / GND / ライトグリーン14 L+ / EXT0(Left Channel External Input) / 紫白15 Ls+ / EXT2(Left Surround Channel External Input) / オレンジ白16 Re+ / GND / 黒白17 R+ / EXT1(Right Channel External Input) / 茶白18 Le+ / GND / 赤黒19 GND / GND / 赤白20 C+ / EXT4(Center Channel External Input) / 橙黒21 Tied Input / GND / 黄黒(N.C.)22 N.C. / GND / 緑黒(N.C.)23 N.C. / GND / 緑白(N.C.)24 Subwoofer Pos output band‐limited to 300 Hz in Digital Media mode / EXT5(Sub Woofer Channel External Input) / 青白25 Tied Input / GND / 灰黒(N.C.)※N.C.=無接続。CP500側で配線できない信号。上記の結線表を見ると、DMA8plusからはバランス出力されますが、CP500の入力端子でコールド側がGNDに落ちアンバランス入力になることがわかります。DMA8plusとCP500の間にはオーディオ線の他にコントロール線が必要、とマニュアルに指示があり、1対1で接続するのであれば、こちらも同じ"カモン 232MF-15"が流用できます。これはCP500側の操作に沿ってDMA8plusの入力を自動的に切り替える為の配線ですが、DMA8plusをセレクターとして使っていると逆に使い勝手が悪くなるので結局外してしまいました。■DOLBY CAT.685 BoardさてこのCP500の6CH INPUT、実はノーマルのままでは使えませんで、本体内にオプションの拡張基板CAT. NO. 685 Boardが増設されている必要があります(CAT. NO. はカタログナンバーの略)。増設されていれば写真の赤枠の位置に装着されています。ここが空の場合は6ch外部入力が使えません。増設されている場合は電源投入直後に画面に表示されます。これは⊿シグマ変調のビンテージA/Dチップ(AD1879JD)が6ch分搭載されている基板です。DTSやSDDSといったドルビー以外のサラウンドを再生できた映画館のCP500には搭載されていたはずです。タンタルコンデンサが多用されているのが経年を考えると若干気になるところ。BD-S6200のデジタル信号はDMA8plusでD/Aされ一度アナログ信号になった後、CAT.685基板で再びA/DされてCP500内のDSPでサラウンド処理されます。つまり、CAT.685基板さえあれば、DMA8plusという専用ハードがなくてもCP500でサラウンド再生ができる、ということです。これについては後述します。■CP500の出力ケーブルとパッチ盤CP500からパワーアンプへの6ch出力端子はユーロブロックによるバランス出力で、これも専用ケーブルを作ります(オプションのCAT. NO. 683 Boardが入っている場合はクロスオーバー出力もできます)。考えた末に、CP500とAT-MX44の入力と出力はパッチ盤を通すことにしました。このため各ケーブルの片端はTRSまたはTSフォンコネクタとなります。無加工で使えるはずだった入力側のRS232Cケーブルも、途中で切断して合計12個のTRSコネクタを取り付けました。かなり面倒くさい作業でしたが、これでDMA8plusの出力をバランスのまま取り出せます。CP500の出力はパッチ盤を経由してリアスピーカー用のアンプとフロント側のマトリクスミキサーAT-MX44に入り、マルチアンプ駆動用の6chチャンネルディバイダーDCX2496とヘッドホン用のアンプに出力します。パッチ盤を間に入れることで、映画以外のステレオ音声を再生する時はCP500をスルーしてバランス接続できます。また、CP500の入力にDMA8plusではなくオーディオインターフェースのサラウンド出力を繋ぐこともできます。LDプレーヤーCLD-770とフォノイコライザー内蔵のレコードプレーヤーPS150の出力が出してあり、必要に応じてマトリクスアンプにパッチして各スピーカーやヘッドホンアンプに音を送ります。これらの音をオーディオインターフェースやレコーダーを接続して任意のレベルで録音したり、コンプやリバーブなどのアウトボードをインサートして通すこともできます。【PX-3000 24chパッチ盤 配線表】上段Out/下段In/接続モード01 DMA8plus out L/CP500 in L/NORMAL02 DMA8plus out R/CP500 in R/NORMAL03 DMA8plus out C/CP500 in C/NORMAL04 DMA8plus out S/CP500 in S/NORMAL05 DMA8plus out Ls/CP500 in Ls/NORMAL06 DMA8plus out Rs/CP500 in Rs/NORMAL07 DMA8plus out Le/CP500 in NONSYNC1L/NORMAL08 DMA8plus out Re/CP500 in NONSYNC1R/NORMAL09 CLD770 out L/CP500 in NONSYNC2L/NORMAL10 CLD770 out R/CP500 in NONSYNC2R/NORMAL 11 CP500 out L/MX44 IN1/NORMAL12 CP500 out R/MX44 IN2/NORMAL13 CP500 out C/MX44 IN3/NORMAL14 CP500 out S/MX44 IN4/NORMAL15 CP500 out Ls/DCP400 IN1/NORMAL16 CP500 out Rs/DCP400 IN2/NORMAL17 PS150 out L/N.C./THRU18 PS150 out R/N.C./THRU19 MX44 OUT1/DCX2496 IN1/NORMAL20 MX44 OUT2/DCX2496 IN2/NORMAL21 MX44 OUT3/HPA IN1/NORMAL22 MX44 OUT4/HPA IN2/NORMAL23 N.C./DCX2496 IN3/THRU24 N.C./CP500 MIC IN/THRUこの部屋にはセンタースピーカーが無いので、サラウンド映画再生時はセンタースピーカーの音をAT-MX44を使って左右chに振り分けます。サブウーハー用の音もAT-MX44で同様に左右に振り分けて一旦再ミックスし、DCX2496で分離され左右個別のサブウーハーへ送られます。2chステレオ再生時はAT-MX44の1/2chをパラで3/4chにもアサインし、ヘッドホンアンプに送られます。【AT-MX44マトリクスミキサーの働き】◆2chソース再生時1ch inを1&3ch outに送る(L)2ch inを2&4ch outに送る(R)1/2ch inをレベル調整に使用1/2ch outをDCX2496へ送る3/4ch outをヘッドホンアンプへ送る◆サラウンド映画再生時1&4ch inを1ch outに送る(L/SW)2&4ch inを2ch outに送る(R/SW)3ch inを1/2ch outに送る(C)1/2ch outをDCX2496へ送る3ch inをセンター音量の調整に使用DCX2496の先はPGA2311を使って自作したバランス入力仕様の6ch連動電子ボリュームで最終的な音量を落とし込みます。この電子ボリュームにより、システム全体を業務用のラインレベルでバランス伝送できるので、チャンネルディバイダーのS/Nを確保でき、また、電子ボリューム側で音量のリモコン操作を可能にしています。しかしリアスピーカーの音(Ls/Rs)はこの6chボリュームを通りませんから、サラウンド再生時はCP500のロータリーフェーダーだけが全体のバランスを保った音量調整になります。つづくDOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(2)DOLBY CP500を使ってホームシアターを作る(3)

  • 30Jun
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      HP XW4600でMac OS X 10.9.5を動かす夢を見た話

      2020年6月、世の中がIntel MacからApple Silicon(Arm)へ移行の話題で沸き立っている中、Core2DuoでMavericksを動かす話。なんでわざわざMavericksなのかと言えば使いたいハードとアプリが最も安定して動くからで、ニッチな需要に拠る夢である。2013〜2014年レベルの話で新しい情報は一切無い。現在はUEFI対応マザーボードでCloverEFIを使ってMojaveやCatalinaをよりバニラに動かすのが主流なので、Windowsで使わなくなった古いレガシーBIOSのハードで、現行のMacProが対応しない古い拡張カードを使うために仕方なく夢を見る、という自分の目的に沿う古い情報が探しにくくなっていた。今回書くChameleonではなく、Clover EFIをLegacy Bootモードでインストールの話は機会があればまたいずれ。■インストール対象機Hewlett-Packard(HP) XW4600 Workstationハードウェア情報・BIOS ver.1.34 Rev.A・Intel X38 Exprsss チップセット・CPU Intel Core2Duo E8500@3.16GHz・DDR2 SDRAM PC2-6400E 8GB・HDD HGST HUA722010CLA330 1TB SATA 3.0Gb/s・PCI Express 4スロット・PCI 3スロット・USB2.0・Realtek HDaudio(ALC262)・NIC Broadcom 5755・FireWire(PCI拡張カード)Windows Vista世代のタワー型デスクトップ機でグラフィックボードは元々付いていたnVIDIA Quadro NVS 290をAMD Radeon HD7750 1GBに挿し換えてある。以下「本機」と記述。■XW4600のDSDTを取得するOSX86 Hackintoshで良く出てくる DSDTや SSDTって何?(FREE WINGの Androidと Windows、中国語の便利ソフト)http://www.neko.ne.jp/~freewing/software/osx86_hackintosh_whats_dsdt_ssdt/上記のページ記載の情報に従い、Read Write Everything(RWEverything)を使ってWindows7上で実機からDSDT.amlを取得した。DSDTを編集する(Boot macOS)https://bootmacos.com/archives/109/実機から取得したDSDTは、そのままではUSBの挙動などに不都合が出るので編集を行う。Chameleon時代の情報ではあるが、XW4600の機種固有の話やパッチの内容についてはこちらの記事が詳しい。olitudo.net/blah/posts/HP xw4600 Workstation as a Hackintoshhttp://solitudo.net/blah/posts/HP_xw4600_Workstation_as_a_Hackintosh/TonyMacの該当機種スレッド。上のページよりやや情報が古い。Guide 90.5% Success - HP XW4600 Mountain Lion 10.8x - NEED YOUR HELP FOLKS!https://www.tonymacx86.com/threads/guide-90-5-success-hp-xw4600-mountain-lion-10-8x-need-your-help-folks.92353/同じくTonyMacから。このリンク先には2011年時点の編集済DSDT.amlがあるが、これはそのままで問題なく動いた。Patched DSDT for HP xw4600https://www.tonymacx86.com/threads/patched-dsdt-for-hp-xw4600.19551/ドイツ語の関連情報。更新日時は新しいが、ここに掲載のDSDT.amlはUSBがハングアップする。HP XW4600 WORKSTATION – WAS IST DAMIT NOCH MÖGLICH?https://www.hackintosh-forum.de/forum/thread/35567-hp-xw4600-workstation-was-ist-damit-noch-m%C3%B6glich/?pageNo=2■BIOSを設定する本機のBIOS設定は自作機用マザーボードと比べるといじれる箇所が極端に少ない。・HDDはAHCIにする。・VTdを有効にする。・パラレルポート(LPT)は無効に。・シリアルポート(COM)も無効に。・オンボードNIC(Broadcom 5755)も無効にして、代わりにTP-LINK TG-3468(RTL8168B) PCI-Express x1 NICを挿した。■UniBeast/MuitiBeastによる初回インストールMavericksのインストーラーはPCI-Expressな別のMacProで以前から使っているものを使用。UniBeastはMavericks用のものを使い、1パーテーション、MBRオプション、HFS拡張でフォーマットした16GBのUSBメモリーで作成。ブートローダー指定はキメラしか選択できなかった。ついでにMultiBeastや必要なツール類も入れてXW4600で起動。あっさりMavericksのインストールまで進む。OSのインストール中はPS/2キーボード、マウスを認識しないのでUSBキーボード、マウスを使うと良い。インストール後のMultiBeastでは、本機用にパッチを当てたDSDT.amlを指定し、Thard Party SATAを外し、PS2KEYとVoodooHDA2.7.2、RTL8111Cを加えた。これもあっさり完了できてなんだ簡単じゃん、と思ったのだが・・・。■USBメモリーからしか起動できないUSBを抜いてHDDから起動しようとすると、boot0:GPTboot0:testboot0:testboot0:done以下怒涛の文字化け画面になってしまい起動できない。「4kセクター問題」というやつか?と思いif=booth1をやってみたが変わらず。ディスク修復をやっても変わらず。パーテーションを切り直しても変わらず。GPTが問題か。XW4600は時期的にUEFIブートに非対応で、レガシーBIOS(MBR)ブートしないといけないようだ。実際にネット上にあるXW4600で夢を見る話は大抵古いChameleonブートローダー前提の話ばかりなので、UnlBeast+Chimeraではなく今となっては古い手法であるChameleonを試してみることにした。UniBeastにより、この時点でUSBメモリーからなら起動できるMacOS環境を実現しており、以降のカメレオン版USBインストーラーの作成はこの環境下で行った。■Chameleon版のブートUSBメモリーを作るUniBeast用とは別のUSBメモリー(USB2.0/8GB)をディスクユーティリティでフォーマット。オプションはUniBeastの時と同じ。このメモリーは何らかの理由でHDDから起動できなくなった場合の復旧用にも使うので専用のものを。Mavericksのインストーラーをアプリケーションフォルダに入れ、ターミナルから下記コマンドを実行してMavericksインストーラーをUSBメモリーに入れる。ここまでは通常のMacと同じ作業。$sudo /Applications/Install\ OS\ X\ Mavericks.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MAV --applicationpath /Applications/Install\ OS\ X\ Mavericks.app --nointeraction※MAVはフォーマット時に付けたUSBメモリーの名前。名称未設定は打ち込みにくいので何か付けたほうが良い。OS X MavericksのブータブルUSBドライブを作り、クリーンインストールをする方法(オーケーマック)http://okaymac.com/2014/01/09/how-to-create-os-x-mavericks-bootable-usb/以降、上記で作ったインストール用のUSBメモリーを、Chameleonを使ってレガシーBIOSブートに対応するインストーラーになるように改変する。全体の流れは下記のサイトを参考にした。英文だが画面写真が豊富なので必見。[Guide] AIO Guides For Hackintoshhttps://www.insanelymac.com/forum/topic/298027-guide-aio-guides-for-hackintosh/【用意したもの】・Chameleon v2.2か2.3のバイナリー(v2.3svn r2838を使用)・Chameleon Wizard 4.4・Hacintosh Vietnum Tool(必須ではない。後述。)・Extra.zip※これら必要な各ファイルの入手先は元記事からリンクされているが、Chameleonそのものはリンク切れなので単品で検索し、最新版(といっても2013年頃だが)をダウンロードしておく。こことか、こことか。・Pacifist 3.6.2ダウンロード後インストールしておく。・MBRブートのHDDから起動するためのインストーラー用パッチOSInstall(MBR)+ OSInstall.mpkg 10.9.xhttps://www.osx86.net/files/file/3724-osinstallmbrosinstallmpkg-109x/10.9用をダウンロード。途中で解凍して使う。Mavericksのインストーラー(Install OS X Mavericks.app)を右クリックし、[パッケージの内容を表示]→[内容]→[SharedSupport]を開き、InstallESD.dmgをダブルクリックしてイメージをマウントする。ターミナルで下記のコマンドを使い、非表示ファイルのBaseSystem.dmgをOS X Base Systemとしてマウントする。$open /Volumes/OS\ X\ Install\ ESD/BaseSystem.dmgディスクユーティリティを開き、[復元]タブを選択してOS X Base Systemを[ソース]の項目にドラッグアンドドロップ。先ほど作成したUSBメモリーのパーティションを[復元先]にドラッグアンドドロップ。双方が枠内に表示されたら[復元]をクリック。※元記事の画面写真がわかりやすい。復元が完了したら、USBメモリーのOS X Base Systemパーティションに移動する。同じ名前でマウント中の別のパーティションと間違えないよう注意すること。フォルダウィンドウ上でスペースキーを押すとポップアップでパーティションのサイズが確認できるので、USBメモリー側のパーティションであることを確認して以下の作業を進める。System/Installationフォルダを開き、Packages(エイリアス)を削除。デスクトップ上にマウントされているOS X Install ESDパーティションを開き、Packagesフォルダ(実体)をUSBメモリーのSystem/Installationフォルダへコピーする。USBメモリー上のコピーされたSystem/Installation/Packagesフォルダーに移動し、BaseSystemBinaries.pkgを右クリックしてPacifistで開く。Pacifistがファイルの読み込みを完了したら、Contentsリストの中にあるmach_kernelをUSBメモリーのパーティションのルートフォルダにドラッグアンドドロップでコピーする(Extracting Files…の表示が出る)。Chameleonを開き、[インストール先の選択]でUSBメモリーのパーティションを選んで[続ける]をクリックしインストールを実行。Extra.zipを解凍し、出来たExtraフォルダーをUSBメモリーのパーティションのルートフォルダにコピーする。これはChameleonがブート時に必要とする初期ファイル群である。Chameleon Wizardを開き、[SMBios]タブを選択して編集。Premade SMBiosの欄の[Select]をクリックして、リストからMacPro3,1のSMBiosを選択し、[Save As]をクリックして、USBメモリー上のExtraフォルダーにSMBios.plistを保存。なお、SMBiosは前述のDSDTの情報入手先の中にXW4600用に編集したplistを置いてある所もあるが、とりあえずMacPro3,1で起動はできる。HDDで常用する方は後に設定する。正しく機種設定する (SMBIOSの設定)https://www.google.com/amp/s/bootmacos.com/archives/122/ampMBR方式のHDDにインストールするため、USBメモリー上のインストーラーにMBRパッチを適用する。ダウンロードしたパッチを解凍し、中にあるOSInstall.mpkgをコピーして、USBメモリー上の/System/installation/Packagesフォルダー内の同名ファイルを上書き(置き換え)する。同様にOSInstallもコピーし、USBメモリー上の/System/Library/PrivateFrameworks/Install.framework/Frameworks/OSInstall.framework/Versions/A/フォルダー内の同名ファイルを上書き(置き換え)する。以上でインストール用のUSBメモリーが完成。■作業中にUSBポートを認識しなくなり詰む上記の作業中、Hacintosh Vietnum ToolをUniBeastで起動中のOSにインストールしようとしたら失敗してUSBポートを認識しなくなり、USBマウスが操作不能になった。PS/2キーボードが繋がっていたのでキーボード操作はできたが、PS/2マウスの手持ちが無く詰み。MacOSはWindowsのようにマウス無しですべての操作ができるようにはなっておらず、MacOSのインストールなのにPS/2マウスが無いので先に進めないというHackintoshでしか経験できない状態に。仕方なくUniBeast用USBメモリーで作業用のMavericksを再インストールした。結論から言えばUSBメモリーの作成とインストールに関しては、単品のChameleon WizardがあればHacintosh Vietnum Toolのインストールは不要だった(HDDインストール後には入れた)。■MavericksをHDDにインストールする作成したChameleon版のブートUSBメモリーで起動し、メニューからOS X Base Systemをハイライト表示させ、起動フラグに-V -fを入力して実行。インストールウィンドウが表示されるので、Bluetoothキーボード/マウスに関する通知が表示されたら、スペースキーを押してメニューバーから[ユーティリティ]→[ディスクユーティリティ]を選択。OS XをインストールするHDDのパーティションを選択し、[消去]タブに切り替えて、次のオプションを指定する。フォーマット:Mac OS拡張(ジャーナリング)名前:適当に好きなドライブ名をつける。[消去]をクリックするとHDDがフォーマットされる。フォーマットが完了したら、ディスクユーティリティを閉じ、OSインストールを継続する。インストール先にフォーマットしたHDDのパーティションを選択し、[インストール]をクリック。Mavericksのインストールが終了したら再起動するので、ブートローダーのメニューでインストール済のHDDを選択して起動。■OSインストール後の設定続いてUSBメモリー無しでも起動できるように、HDDにChameleonブートローダーをインストールする。Chameleonを開き、左下に[カスタマイズ]のボタンが出るまでクリックし、カスタマイズの画面でインストールオプションを次のように設定する。Chameleon Bootloader→Install Chameleon In the chosen partition.Modules→FileNVRAMにチェックインストール先にHDDを指定してブートローダーをインストールする。続いてChameleon Wizardを開き、[org.chameleon.boot]タブに移動して起動フラグの設定を行う。何度かの試行錯誤と、該当機情報スレッドを参考に下記のように設定した。※本機はグラボを標準搭載のnVIDIAからRadeonへ挿し替えている。UseKernelCache: YesSystem Tvpe: 1-DesktopRestart Fix: YesPrivate Data: YesGenerate P-Sta.: YesGenerate C-Sta.: YesSkip Intel GFX: YesSkip nVidia GFX: YesATi Config: EulemurUse ATI ROM: YesPCIRoot=1DSDT.amlはファイルを指定[Save As]をクリックしてHDDのルートにあるExtraフォルダに設定ファイルcom.apple.Boot.plistを保存する。[SMBios]タブを開き、USBメモリー作成時と同様に設定を行い、[Save As]でHDDのルートにあるExtraフォルダに設定を保存する。Core2DuoのデスクトップはiMac11を指定すると良いらしいが前述のようにMacPro3,1で動く。テキストエディタで直接SMBios.plistいじって遊んでみたり。kext Wizardを使ってkext(OS機能拡張)を導入、管理する。本機の機種固有で追加導入しているのは次の4つ。RealtekRTL8111.kextBCD5722D.kext(ただしBIOS設定でオンボードNICは停止中)ApplePS2Controller.kextVoodooHDA.kext■VoodooHDAと起動フラグについてXW4600の内蔵オーディオはさほど珍しくもないRealtek ALC262だが、今のところ音が出せたのはVoodooHDA(2.9.2)を使う方法だけ。VoodooHDA 2.9.2(sourceforge)https://sourceforge.net/projects/voodoohda/files/ただし、本機では起動フラグに-f(ignore cache)を指定するとVoodooHDAが内蔵オーディオを認識しなくなるので、指定しない(Chameleon Wizardのboot flagsの項目で-fのチェックを外す)こと。なお、VoodooHDA使用時はChameleon Wizardの中でHDA/HDEF/HDAUの設定をしても無意味だった。起動時に認識されている内蔵オーディオの情報。VoodooHDAで認識するのはLine-out(Green Rear) 出力としてで、背面音声出力端子とフロントパネルの音声出力端子の排他選択で音が出る。入力はCD(ATAPI)のみでLine-inは認識しない。本機の用途では本体内蔵のオーディオ機能をシステム音の再生程度にしか使わないので、これで問題なし。AppleALC+Liluも試してみたが、今のところ上手くいっていない。これらは使用方法がClover EFI前提になっており、Clover用の設定をcom.apple.Boot.plistに記述しても認識しなかった。そもそもYosemiteより後でないと使えないという話もある。XW4600やChameleonの時代(2013年頃)はAppleHDAにALC262用のパッチをあてたり、AppleRealtekを使ったりする方法が普通で、AppleALC+Liluはまだ一般的ではなかったのだと思う。本体のオンボードオーディオを認識させるのには結構手こずったのに比べ、拡張カード類は何のトラブルもなくあっさり認識した。■PCIバスが使えるIntel MacPCI-BUSに増設された拡張カード類。これらのカードはIntel CPUを搭載したMacProがPCIバス非搭載だったためにメーカーの動作サポートがPPC(G5)対応OSのLeopard(OS10.5)で止まってしまっていてMacintosh用としては価値が無い。しかしWindowsでは現在でも使える。PCI-ExpressなIntel MacProにPCI拡張シャーシを増設するという方法で使うことも可能ではあろうが、入手性でも金額的にも今となっては現実味がない。つまり、事実上Windows用のPCを使ってMacOSの夢を見ることでのみ、実用の道が残っている。XW4600にはPCIバスが3本あり、この用途に向いていた。後継のHP Z400は2本なので、カードの数が多い場合はXW4600のほうが都合が良い。ただし、Z400のほうがメモリーやCPU交換の対応幅が広く拡張が柔軟かつ安価で済む、UEFIに対応しているといった利点がある。■その他の問題点と今後の課題・Windowsとデュアルブート化本機は特定のアプリを使用するための専用機で、Windowsとのデュアルブートは可能だが必要性が無い。現状でもSATAケーブル差替えで旧Win7環境がブートできるのでそれで良い気がする。・USB3.0への対応コピー時間短縮のためこれは是非やりたい。PCIeスロットへ拡張カードを増設で実現できそうだが、OSが古くチップセットを選ぶため、FlescoLogic FL1100搭載のカードを入手する必要がある。CENTURYの「ポートを増やしタイ CIF-USB3P4FL」が使えそう。・FireWireポート本機にはフロントパネルに造り付けのFireWireポートがあるが、これを何故か認識しなくてしばらく悩んだ。なんのことはない、FireWire機能はオンボードではなく、PCIバスにFireWireカードを挿して配線する必要があっただけである。他のPCではオーディオインターフェース接続にまだ使っているFireWireだが、本機では必要無さそう。・内蔵NICの活用オンボード搭載のBroadcom 5755はBCM5722D.kext導入で使えるらしいが、本機ではスリープ後に自動復帰しないという情報もあり追求していない。PCIeバスの空きが足りなくなったら真面目に検討するかも。・Clover EFIのLegacy Bootモードを使ったインストールへの移行今回の話は古い機械で古いOSを使って古いアプリを使う話なので、今のところChameleonで実用上の問題が無いが、これはかなりレトロな手法なので、Cloverにしたほうが現在あちこちに書かれているハック情報が活かせるだろうなあ、とは思っている。ま、所詮夢の話なんですけどね。インストールにあたり引用、参考にさせていただいた情報元、ツール類の製作者の皆様に感謝します。(がんくま)

  • 27Jun
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      真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(3)

      前回の修理で半世紀ぶり?に音を取り戻したレトロな真空管ラジオをさらに少し整備します。■実用へ向けて仮スピーカーからオリジナルのスピーカーへ戻すため、元の出力トランスが付いていた所の内側に新しいトランスを取り付ける。スピーカーのフレームにコーン紙を突き破らないように卓上ボール盤で慎重に穴を開け、M3のネジ溝を切ってトランスを取り付けた。端子は入力12kΩ:出力4Ωを使用。元設計より若干出力管に無理をさせていることになる。元のスピーカーは仮のスピーカーより口径が大きいが出音はハイトーン。電解コンデンサーも新品に交換した。元のブロックコンデンサーはシャーシ上に残し、すでに交換済の10μF/50V(D)以外のうち、20μF/350V(A)を33μF/450V(日ケミKMH)に、10μF/350V(B)を10μF/450V(日ケミKMH)に交換した。部品はシオヤ無線で購入し、受信コイルのハトメ穴を使ってシャーシ内にラグ板を設置して配線。やたら目立つ黄色いコンデンサーはPARC AUDIOの1.0μF/400Vのメタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサーで、これはたまたまMC76の修理で残っていたものを1μF/350V(C)の代品として使用したもの。本来はスピーカーのネットワーク用の部品である。元の配線は単線にビニール皮膜なので見た目がヨレていても位置はビシッと動かないが、新しく使った皮膜線(左上から右下へ通る薄紫色の線)はその辺にあったテキトウな撚り線だったので柔らかく、なにやら頼りない感じがする。容量に問題は無いのだけれど。電解コンデンサー類交換後の+B電圧は交換前より安定している。チューニングの軸受には錆が出ていた。回すと鳴くので金属ブラシで錆を落としてモリブデングリースを塗布した。キャビネットのプラスチック製の窓とシャーシの周波数指示針、背景板はスプレー式のガラスクリーナーで拭き、電源トランスや金具で錆が出ている箇所には錆止めの転化剤を塗布。錆転化剤が向かない所には薄く機械油を塗布した。いよいよシャーシをキャビネットに取り付ける。この機械、底面のネジ穴通りに組み付けるとシャーシ位置がフロントパネルから見て左に寄る。うーむワイルドだ。ツマミが大きいから隠れるけど。外見は修理前とさっぱり変わらないが修理完了。いつか本格的にレストアするかもしれないが、今は製造当時のオリジナルのまま、長い時間の積み重なりを感じる風貌である。■リスニングブーンと軽いハム音を伴って良く鳴る。キャビネットの印字が擦り切れているが、電源スイッチを入れた所がFULL(ハイトーン)で、右に回すとハイカットされMED.→LOWと三段階の音質調整ができる。単純に高域を切って相対的に低音が聞こえるようになるだけなのでMED./LOWでは聴感上の音量が落ちる。周波数安定度は思ったより高く長時間つけっぱなしでも放送がズレることは無い。晒黑的がんくま@gankuma_電源つまみを右に回すと3段階で音質調整。1000kHz以上の感度が低い気もするが、ひとまず修理完了とする。 https://t.co/rbCtreqONX2020年06月05日 03:29ボリュームには全くガリが無く動きもスムーズで、左側に回し切るとスイッチでPUに切り替わり、背面PU/E端子からの外部音声入力となる。3〜4回切り替えてみたもののラジオが混信したハム音が鳴るだけであったが、何度も回していると接触が回復し背面入力に切り替わるようになった。スマホのイヤホン端子からワニ口クリップを伸ばして繋いでみると、ラジオに比べて入力レベルが低く設定されているのか音量があまり上がらない(ラジオ側に外部入力の音量を調整する機能は無い)。普段聞いているような音楽をこのラジオで鳴らすと、すごくラジオ音質になる。人の声の帯域がぐっと持ち上がっていて低音、特にキックはスカスカでベースも弱い。路地裏で人家の中にラジオが鳴っているのを聞くと声がとてもよく聞こえるが、まさにあの音だ。1W程度の出力ではあるが、昔のように部屋の仕切りが障子やふすまだった頃は、この一台で家中どこにいてもラジオが聞こえたのではないか。このラジオが今までこの窓から見てきた光景は、どんなものだったのか・・・。日本の南極観測隊とタロ、ジロのニュースや、世界初の人工衛星スプートニクのニュース、水爆実験や伊勢湾台風、時の皇太子御成婚といったニュースが、リアルタイムでこのラジオから流れたのであろうか。2020年に67年前の機械を修理しつつ、当時の家庭や人々の生活はどんな具合だったのだろう?と想像するのは、逆に考えれば2087年に今年発売のiPhone12を修理しているのと同じだ。「それは東京オリンピックがウイルスで延期された年でねえ・・・」などと語るのはその時80歳になっている今の中学一年生、という未来の話で、その頃の世の中がどうなっているのかなかなか想像がつかない。ま、その頃iPhone12は実用的に使えないだろうな。今回の修理は真空管ラジオとしては最小限の手数で、修理慣れした方からすれば長文を費やして書くほどの内容じゃないと思われるだろうが、自分にとっては久々のラジオいじりで楽しかった。半世紀以上前のラジオの仕組みは現代から見れば大変シンプルなものだが、それだけに工夫次第で必ず修理出来て、今のラジオと同様に放送が楽しめるのが、とても素晴らしい事だな、と思った。(がんくま)真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(1)真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(2)

  • 24Jun
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      真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(2)

      前回に引き続き、リサイクルショップで入手した古いST管ラジオを修理します。■抵抗、コンデンサー類のチェックと交換ペーパーコンデンサは小学校の頃に読んだアマチュア無線の製作記事や、古い真空管のアンプなどでオイルコンとして見かけた事があるが、自分の世代では既にセラミックやマイラーが普通になっておりほとんど馴染みのないパーツ。経年で絶縁特性が落ちるのが問題だそうだ。ペーパーコンデンサの絶縁抵抗(おんにょの真空管オーディオ)https://65124258.at.webry.info/201608/article_15.htmlああ、シャーシを外した時に埃まみれの飴のようなものがキャビネットの床に付着していたが、あれが溶け落ちたパラフィンか。シャーシ裏を見ても確かに溶けて床板に触れた跡がある。ペーパーコンデンサは全部交換しよう。シャーシ上に屹立している、4つの電解コンデンサーA〜Dがまとまったブロックコンデンサーは、容量を測定したところDを除けば一応使えそう。【ブロックコンデンサーの容量実測値】表示値→実測値A 20μF/350V→30.04μF ESR:0.32ΩB 10μF/350V→17.54μF ESR:1.29ΩC 1μF/350V→1.33μF ESR:3.2ΩD 10μF/50V→Leak ESR:0.92Ω巻線抵抗の数値を読もうと洗剤で汚れを拭ったら表示が消えてしまった。では、と水だけ付けたティッシュで擦ってもかすれてしまう。テスターで測ってみたところ微妙に抵抗値が増えている傾向があるものの、極端に異常な数値は見られないので抵抗はそのまま使う。真空管用の高耐圧部品のストックが無いので買い集めるために秋葉原へ。ラジオの部品を買いに秋葉原へ来た、というのは何十年ぶりか。1950年代の部品は現代のE12系列やE24系列になっている部品と数値が合わないが、数値が厳密な箇所は局発・同調回路くらいなので、回路図を見ながら適当にマージンをとって現代的な数値の部品に置き換えた。ペーパーコンデンサの置換に使う400〜630V耐圧のフィルムコンデンサーは下記で入手できた。☆秋月電子高圧フィルムコンデンサー緑色のルビコンのメタライズドポリプロピレンコンデンサが中心で、単価は最も安いが種類は少ない。☆海神無線高音質の抵抗やコンデンサーにこだわるオーディオマニアに一目置かれる店。シルバードディップマイカコンデンサは耐圧も高く、自社特注品もあり他店より容量の種類も多いが容量の大きいものは高価。☆シオヤ無線、三栄電波、瀬田無線茶色の松下製またはFARAD製メタライズドポリエステルフィルムコンデンサーの250〜630V耐圧のものが入手できる。特にシオヤ無線は高周波系の部品に強く、いわゆる昔のラジオ少年が慕った秋葉原の部品屋そのものである。普段オーディオの修理ばかりしているので、今回久々に買い物ができてとても嬉しかった。☆千石電商茶色の東信工業のAC用メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー2EMMSSACがある。AC250V耐圧品だがDC630Vで使用可。安価で小型。☆若松通商NTKやシーメンスの400〜630Vフィルムコンデンサーの在庫がある。容量によってはチューブラータイプもあるので元の部品と近い姿の実装を気に掛けるなら良いかも。☆マルツ電子FARAD製の400V〜630Vメタライズドポリエステルフィルムコンデンサーや、500Vマイカコンデンサー、高耐圧セラミックコンデンサーがある。地方からの購入で通販先をまとめたい場合は最も良さそう。真空管ラジオ修理用の高周波系部品やスピーカーは前述のシオヤ無線の他、ラジオセンター2階の池之谷ラジオ商会、菊地無線電機で手に入るみたい。出力トランスは前回書いたように1階の東栄変成器で購入。配線は昔懐かしい空中配線・空中絶縁で、ニッパーで元の部品のリード線を切って取り外し、交換。小学校や中学校の頃は実体配線図を眺めながらラグ板や隣の部品にリード線を絡めて部品を付けていたのを思い出す。この時代の配線は漠然と絹巻線のイメージだったが実際にはビニール被膜線(単線)が一部に使われている。しかしこの被膜の耐熱性はあまり良くない。はんだも半世紀以上前のもので表面に溶けたパラフィンと埃が混じった汚れが付着しており新しいはんだが乗りにくく、リレークリーナーを綿棒につけて汚れを落としつつ、必要に応じてペーストを使った。リークでNGだった電解コンデンサー10μF/50Vはuniconのチューブラー型で真空管下に配置を移して新調。電源トランスの一時側に付いていた0.05μFはAC規格のフィルムコンデンサーECQUL 0.1μF(ECQU2A104ML 秋月電子で10個250円)に交換。aitendoで売っている台湾TENTA社製の275VAC規格のフィルムコンデンサも同様に使える。青いほうは三栄電波で購入したムラタの耐圧2kVセラミックコンデンサ0.0033μF。整流管の下にある、スピーカーの出力トランスとパラに入っているコンデンサーは回路図では0.003μFだったが実機では0.005μFが入っていた。0.0047μFを付けた。ボリュームに付いていた100pFのみ適当な手持ちが無かったので容量を測った上で再利用。高電圧がかかる所ではないのだけれど本当に豆粒のような積セラを付ける気になれず。そのうちマイカでも買ってこよう。パディングコンデンサの445pFやIFT内の150pFは動作確認の結果次第で交換判断なのでそのまま。部品が小さくなってすっきりしたな。【取り外したペーパーコンデンサの容量実測値】表示値→実測値0.0001μF(100pF)→94pF0.00025μF(250pF)→646pF0.00025μF(250pF)→630pF0.003μF→0.005μF0.005μF→0.013μF0.01μF→0.008μF0.01μF→0.021μF0.05μF→0.125μF0.05μF→0.086μF0.1μF→0.133μF切れていたパイロットランプはシオヤ無線で6V0.15Aのものを入手して交換。↓同じように真空管機材を修理する方が読んでいたら、言うまでもないことだがトランジスタ回路よりも高電圧なので感電には注意。部品交換中は通電していないだろうが、動作確認中に何十年かぶりに感電した。びっくりしてラジオを落としたりぶつけたりすると壊れる可能性がある。■いよいよ本格通電配線をチェックし、まずは整流管KX-12FK以外を挿して通電。ヒーター、パイロットランプも点灯し異常無いのでいよいよ整流管を挿し、+B電圧をモニターしながらスイッチオン。晒黑的がんくま@gankuma_記念すべき初回通電の様子。さあ、どうなった!? https://t.co/pTT5UN9tTF2020年06月03日 19:39音が出た!チューニングを回すとラジオ放送も受信できた。おそらく半世紀の間、埃に埋もれていたであろうラジオが元の機能を取り戻した瞬間。IFTやバリコンも生きているし、ボリュームも大丈夫そう、とホッとする。初回通電時は+B電圧が198〜202V前後と思ったほど上がらず、音も割れていたが、2回目以降は電圧も224V〜231V〜247Vと徐々に上がり、音割れもしなくなった。最初に電圧が低かったのはブロックコンデンサーのリークではないかと思われる。何度か通電しているうちに自己回復したのだと思うが、電圧は結構変動していて265Vになることがある。放送波は全体の感度こそ低いものの至近局はかなりの大音響。AGC が無いので入感が強い局と弱い局の音量の落差が激しい。それでも夜間は韓国の放送局も聞こえていた。つづく真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(1)真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(3)

  • 21Jun
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      真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(1)

      リサイクルショップで入手した古いラジオを修理した。ネット上には先輩諸氏による多くの有用な情報があり大変参考になりました。感謝いたします。この修理はとりあえず鳴ればいい、というスタンスであり、美しく完全なレストアとは違いますが記録。修理対象のラジオ、ナショナル製BX-715。2018年2月頃に埼玉県草加市のリサイクルショップで入手。5千円位だったような。買った理由は電源コードがオリジナルのままで、背面の隙間から中を見たら完全に埃を被っていたから。アンティーク雑貨目的で中を掃除したり、修理を試みたりされていないということで、ならば必要以上に破壊されていたり、部品が欠損していたりしないだろうと思ったので。(追記)後日発見した購入当時のメモによると価格は3980円。購入時、店員が埃を掃除機で吸い取ろうとしたので慌てて止めた、とあった(苦笑)。裏蓋を開けた。6W-C5/UZ-6D6/6Z-DH3A/6Z-P1/KX-12FXの典型的なST管5球スーパーである。全体に埃が2〜3mm位降り積もっている感じ。スピーカーの手前の埃が一部飛んでいるのは、入手直後にそこに回路図が残っているかどうかを私が調べた跡。内部に落ちていたシリアルナンバーのシール。音屋の家に来るべくして来た番号(笑)同形機種を修理した方のページによると、昭和28年(1953)年頃発売で、BX-710と中身は同じ物らしい。710が普通に販売されたもので715は月賦販売専用機、つまりローンで購入されたもの。外見や型番で購入方法がわかるって今では考えられない仕様だ。wikipediaによると1953年は朝鮮戦争休戦の年で、戦後日本が独立を回復して2年余、NHKが初のテレビ放送を行った年で、全国に雨後の筍のように民放ラジオ局が開局した年でもある。かの有名なラジオドラマ「君の名は」の放送が1952〜1954年で、史上空前のラジオブームの最中だったようだ。松下電器 ラジオ製造・販売機種 年代別リスト(真空管ラジオのデータベース)http://www.kyo.co.jp/~mikosa/history/national.htmナショナル BX-715(ラジオの館)http://oomaguro.eco.coocan.jp/radio/radio125.htmナショナル BXー715 真空管ラジオの修理(ラジオ工房)http://radio.eucaly.net/a/R/national-BX-715.html日本のラジオの変遷と放送史の概要(戦後編)(1945-69)(日本ラジオ博物館)http://www.japanradiomuseum.jp/intro2.html大卒の初任給が9,000円の時代の12,500円ということは、現代の金額に換算すると25〜27万円位の感覚か。■まずは分解清掃この機種は周波数表示針部分(糸掛け駆動部)がシャーシと一体化しており、つまみを抜いてキャビネット底面のネジ3本を外すと楽にシャーシが取り出せて作業性が良い。スピーカーもナット4本を回せば内側に外れるので、キャビネットから機能部分を完全に取り出して作業ができる。予想通り、埃を見る限り誰かが先に手を出した形跡無し。これだけ埃が積もるまで何十年かかるのか?掃除機と刷毛とエアブロアーを使って埃を除去。真空管は中性洗剤と布で慎重に汚れを取った。バリコンは下手に薬剤を使うと良くないそうなのでブロアーで入念に羽根の間の埃を吹き飛ばした。キャビネットの内側も埃を除去して綺麗にはなったがくしゃみと鼻水が止まらない。古いもの独特の鼻につく匂いもきつい。↓キャビネットに貼ってある回路図はちゃんと読める。半分剥がれているので剥がしてスキャンしたかったが破れそうなのでやめた。糸掛けの方法についてのメモ。糸はわりかししっかりしていたのでそのまま使った。本体下面に貼ってあった特許や新案番号の紙。この紙は埃に晒されていないので他の紙に比べて白さが残っている。シャーシの裏側。部品を交換した形跡が無い。真空管にもペーパーコンデンサにも全部ナショナルのマークが付いているので、この機械の発売当初の姿のままなのだと思う。■スピーカーと出力トランスST管時代のラジオはスピーカーの出力トランスのコイルが断線している場合がとても多いそうなので、最初に調べたらやっぱり断線している。スピーカーのコイルには導通があった。コイルには高雄捲線工業所というメーカー名と、ORIENTAL ⑧ というブランド名?がある。前掲のページによるとこれは交換品だとか。確かにこのコイルにはナショナルのマークが無い。覆い紙には判別が厳しいが"32.11??"のような文字が見える気がする。もしこれが年号なのであれば昭和33年頃に一度交換しているのかもしれない。だとすると当時であっても販売後わずか数年で断線していたということ?この6P-53Hというマグネチックスピーカーは口径6.5インチ、インピーダンス3.2Ωなので、入力12kΩ:出力3Ωというトランスがあれば良いが、後日ラジオセンター1階の東栄変成器で購入できたのは入力7/10/12kΩ:出力4/8Ωのもの。T-600/22K 1.5Whttps://toei-trans.jp/?pid=91217203元のトランスよりサイズが小さく、そのままでは付かない。とりあえず修理用の仮スピーカー(8Ω)を接続。■電源トランスの電圧を確認する真空管をすべて抜いて通電の準備をする。電源コードの導通を調べたらACプラグ部分で断線、というか中で線が外れておりそのまま挿すとショートしかねない危険な状態だった。ヒーター回路とパラで点灯するパイロットランプも球切れ。しかしヒューズは健在。もしかするとリサイクルショップでも一度コンセントにつないだかもしれないな。だが通電はしなかったはず。だとしたらこの機械にとっては幸運だったと思う。もし通電していたら下手すりゃ燃えていたと思うし、どのみち出力トランスが断線しているから音は出ず、出力管に負担がかかったはずである。ACプラグの配線を修正し、電源トランスの一次側に断線が無いこと、二次側にショートが無いことを確認し、真空管を抜いたままで通電。電源トランスの出力電圧を測定すると、ヒーター電圧7.04V、B電圧278V。無負荷なので妥当な値と判断。復活への第一関門を通過した。つづく真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(2)真空管ラジオ ナショナル BX-715 修理記(3)

  • 19Jun
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      SONY MU-R201の修理

      はい。買ってしまいました。先日IBANEZ SDR1000の修理をした時の疑問、同じ機種と言われているSDR1000とMU-R201はどれくらい違うのか。それを確かめたくなったのです。ハードウェアとしての音質は同じはずなので実用性というよりは完全な好奇心。両機を並べた写真って意外と無いのでは?こうして眺めるとフロントパネルのデザインも事前の想像以上に違います。電源スイッチとバイパススイッチの位置は完全に逆だし、電源スイッチ自体もSDR1000はプッシュ式でMU-R201はシーソー式。メーターとボリュームの並びや蛍光管は同じだと思っていたけれど、実際には位置が違う。色やボタンのデザインも勿論違う。知らなきゃ普通に別機種に見えます。■片ch音出ず今回購入したMU-R201は故障品で2chの音が出ないとのこと。コピーではない実物の説明書付でした。うちのSDR1000よりだいぶ使用感があり何度か開けた形跡もあります。内部も煙草煙か油で少々煤けた感じ。各部電圧および1chの動作は正常。2chの音は電源オフ時やバイパスボタン押下時には正常に出ていますが、通電すると(出力リレーが切り替わると)出なくなります。しかしインプット側のプラグを抜くなどするとエフェクト音が一瞬聞こえます。メーターは2chの音が出なくても入力ボリュームに反応して両ch同じように振れるので、メーター以降のどこかが死んでいる模様。同じ時期に真空管ラジオの修理を行ったことから、昔懐かしいシグナルインジェクターを作り原因究明に利用しました。小回りがきくのでなにかと便利。目視で気になるような半田不良も数か所あり修正しましたが、今回も主要な故障原因ではありません。原因は2連ボリュームの片側死亡です。しかもDRY側EFFECT側の2つ共、同じように死んでいました。1ch側が0Ωの時でも2ch側はメガΩです。ボリュームをショートさせ、正常に2ch側の音が出ることを確認。症状から想定できる原因の一つではあったけれど、ボリュームが2個同時に同一故障で死ぬ確率は低いよな、と最初にフェーダールブをひと吹きし、出力リレーからさかのぼって回路を調べていったので、自分が最初に否定してしまった結論にたどり着くまで時間がかかりました。エフェクト音が一瞬聞こえるのは1chの音がA/D経由で回るから。故障しているボリュームはALPS製の10KΩAカーブ2連です。SONYの部品番号だと下記になります。RV104 1-237-306-11 RES, VAR, CARBON 10K/10K(DRY)RV105 1-237-306-11 RES, VAR, CARBON 10K/10K(EFFECT)このボリュームは直径6mmの半月型軸で軸長が長く、基板取り付け角度も水平ではなく垂直なので、普通の水平取り付けタイプのボリュームではツマミ位置が合いません。サービスステーションで問い合わせれば或いは在庫があるかもしれませんが、80年代の製品かつ特機扱い(ソニーは民生機と業務機の修理窓口が違います)の可能性があるので、今回は汎用部品での修理を試みました。■2連ボリュームの比較と加工ALPS製2連ボリューム(RK16312)は三栄電波で買えますが、事実上これとほぼ同じ仕様のものも各店で見かけます。千石電商でALPHA製RV16A01F-10-20S-A10Kを、マルツ電子でLinkman R1610G-RB1-A103を購入しました。この2つを見比べましたが、ぱっと見外観だけでは区別できないほど似ています。売価はLinkman製が最も安く、ALPHA製、ALPS製の順に高くなりますが、音質はLinkmanのほうが良いとか。買ってきたパーツのギャングエラーを測定した結果ALPHA製のほうが左右差が少なかったので採用。元の部品を外して比較します。ボリューム軸の長さは元が35mmで新品は20mmでした。新品はパネル取り付け用端子なので基板用取り付け用に加工が必要です。パイプカッターで古いボリュームの軸を先端から15mmでカットし、切断面を削って平らにします。ボリューム軸を延長するためのジョイントを使って、このように軸を延ばす作戦です。このジョイント(カップリング2P)は千石電商、門田無線、西川電子等で売っています。元部品の軸が使えない場合は軸付きのものもあります。配線用端子の先端を切り落とし、ハトメ穴にL字に折った0.8mmのスズメッキ線をはんだ付けして、基板取り付け用の足にします。ボリュームの基板は軸のボルトでシャーシに固定されるので、ここに編線や細い単線を使うと基板が不安定になります。ボルトは古いものを流用。ボリュームを基板にはんだ付けしてシャーシに取り付け、ジョイントを装着してみると・・・、軸を固定するネジがシャーシやメーター基板と干渉してボリュームが回りません。ボリュームを二度と取り外す必要が無ければジョイントを接着剤で止めれば良いのですが、そうもいかず。鍋頭ネジを西川電子で調達したイモネジ(ホーロー)M3x3mmに変えました。しかしまだメーター基板に干渉するので、奥側は更にネジ端を削って2.5mm位に加工し、ようやく回るように。念のためネジゆるみ防止剤を塗りました。■その他の細かい問題点動作チェック中にフロントパネルのEDITボタンを押した後の戻りが渋く、押されっぱなしになる時があること、また、蛍光管下のマイナスボタンの反応が悪いことが判明し、パネル裏の基板を外してEDITボタンの軸にプラスチックグリースを塗布し、マイナスボタンとEDITボタンのマイクロスイッチに接点復活剤を注入しました。1ch/2chのレベルメーターの表示にバラツキがあったので調整しました。レベル切り替えスイッチを+4dBに、INPUTとDRYをMAX、EFFECTをMINにして、47kΩの抵抗を信号とGNDの間に挿入したアンバランスケーブルを使いOSCから1kHz 0dBの基準信号を入れます。両chの出力電圧が同じ+4dBになることを確認しつつ、基板上のMETER LEVELと書いてある半固定抵抗を回して両チャンネルが等しく0dBで点灯するようにしました。RCAのINPUTコネクタの2chにプラグ挿した状態で揺すったり、コネクタ部分を内側から触ると音が途切れます。前のユーザーはRCA入力でこの機械を使っていたのではないかと思われます。目視では半田クラックが見えませんが、コネクタ取付部の半田修正をして解決。ボリューム基板の入力側からのシールド線取り付け部分も若干接触が怪しい気がしますが、症状が出なくなったので修理完了としました。■故障原因のボリュームを分解してみた2個同時故障が珍しいので1個分解してみました。なにか高電圧でもかかって焼けたのかなと思いましたが、目で見る限り焼けた痕跡は無いです。そもそもボリュームの前にコンデンサ入ってるしな。抵抗体の表面をクリーニングしたり、接触バネを調整したりしましたが抵抗値がMΩ状態なのは変わらず。外側の導体と両側の端子間は0Ωですが、内側の導体と真ん中の端子間がMΩです。腐食かなあ??■MU-R201とSDR1000の比較再びメイン基板の部品番号が同じなので、同じ基板です。DRAMや電解コンデンサーが同一容量の別製品になっていたり、基板裏に一か所セラミックコンデンサが追加されていたりしましたが、同じものです。ROMのバージョンは1.2になっています。SRAMはまったく同じです。SDR1000もMU-R201もメモリーバックアップ電池の電圧は残っていました。後発のHR-MP5はすぐ電池が減ってしまうのになあ。極めてレアですが、MU-R201にはリモートコントローラー(Lexicon 480LのLARCのような)が存在しました。もしかすると、このリモコンへの対応の違いが両者のROM内に存在するかもしれません。一方、SDR1000とSDR1000PLUSのほうはROMしか違わないのじゃないかという気がします。天板にあるブロック図の比較。デザインは違いますが内容は同じです。実際の基板を見ても、入力回路のモノラルステレオの切り替えリレーはSDR1000にもありますので、MODE8~9はソフトウェア的に実現できると思う。モードやプリセットの違いについてはSDR1000の記事を読んでみて下さい。個人的には設定値ボタンが設定項目ボタンから離れた蛍光管下左右にあるMU-R201よりも、右手で操作しやすい位置の上下にあるSDR1000のほうが操作性が良いと感じます。メーターもボタンもMU-R201よりSDR1000のほうが大きく、3つのボリュームの間隔もわずかながら広いです。■音の比較修理後の実機を通し、DRY側MAX、EFFECT側MINにして元音を録音。MU-R201 DRY ONLY(flac)SDR-1000 DRY ONLY(flac)★モード0の場合両者で設定できる内容が同一のため、個体差を除けば音はほぼ同じはず。MU-R201のプリセット16番"BRASS SOLO"と、その設定値をコピーしたSDR1000の比較。DRY側MIN、EFFECT側MAX。MU-R201 BRASS SOLO(Preset 16) EFFECT ONLY(flac)SDR-1000 BRASS SOLO Setting EFFECT ONLY(flac)★モード6の場合MU-R201のプリセット06番"FLASH PANNING"と、その設定値をコピーしたSDR1000の比較です。DRY側MIN、EFFECT側MAX。SDR1000側の設定範囲が狭く(下の写真でLEDが点灯しているボタンが設定可能で明らかにMU-R201のほうが多い)、音に違いが出るはず。MU-R201 FLASH PANNING(Preset 06) EFFECT ONLY(flac)SDR-1000 FLASH PANNING Setting EFFECT ONLY(flac)(がんくま)

  • 16Jun
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      PreSonus Central Station の修理(2)

      前回のリモートコントローラーCSR-1の修理に続き、後期型本体の修理を試みました。■ACアダプターの購入欠品していたACアダプターは汎用品を購入しました。STD-15026(ATS040T-A150)15V 2.67A出力です。トモカ電気ラジオデパート店で購入。このアダプターを使うことで、特にノイズなどは感じません。■本体の修理本体の構造はフロントパネルとリアパネルの二つのコの字型の金属板で内部の基板を固定する仕組みで分解のためには全てのツマミやジャックのネジ止めを外す必要があります。メイン基板は2段で、下基板にはNEC製の12Vリレーと、その駆動用の表面実装トランジスタが大量に並んでいます。基板裏にオペアンプ。上基板には制御用マイコン(ATMEL AT90S8515)、リモートコントローラとの通信IC(Ti SN75165B)、メーター表示用DSP(ALESIS AL3101CG)、メーター表示用A/D(ALESIS AL1101G)、デジタル入力用のD/A(AKM AK4117VF,AK4396VF)、低周波増幅とローパスフィルタ用のオペアンプ(MC33079など)、制御信号や表示信号を変換するシフトレジスタ(74HC595D)が載っています。背面パネルのアナログ音声ジャックも別基板で、各基板はフラットケーブルやピンコネクタで接続されています。フロントパネル裏のピークメーター基板にはLch/Rchで各30個、合計60個のLEDが付いていて5ピンのケーブルで上基板とつながっています。このうち音量で言えば低い方から8個以上が点灯しっぱなしです。メーター自体はオーディオ信号に反応しますが信号があっても無くても常に下位8個は点灯し、唯一、通電直後だけは左から11個目まで点灯した後に一旦すべて消灯し、それからLchのみ8個以上が点灯します。本機にはメーターの校正機能があり、基準信号入力時にキャリブレーションボタンを2秒以上押すと、そこを-18dB(真ん中15個目のLED)に合わせられます。しかしどのようにキャリブレーションを使っても下位8個が消せません。当初はLchのみ異常でしたが何度も通電しているうちにL/R両方同じ現象が起こるようになってしまいました。このメーターは出力ボリュームやMUTEボタンとは無関係で、常に入力音量を表示し続けます。デジタル入力でTOSを選ぶと高域の無いピンクノイズのようなもさっとした音が出っぱなしだったので、最初はそこを疑いましたが回路を追った所、D/Aして一旦アナログ音声にしたあと、メーター表示のためだけに再度A/Dしていることが分かり無関係でした。■電源の不安定さ対策前回書いたように、後期型は単一電圧から複数の電圧を取り出すために前期型より電源回路が複雑化しています。電流モード昇圧コントローラーTPS40210によりFET Si4480dyをスイッチングしてトランスで分圧し、逆流防止のショットキーダイオードSS26を介してオペアンプ用の±15Vと制御系用の+5Vを取り出しています。前期型は7815と7915による正負電源でした。壊れると入手が難しい。自分で作れる人には簡単な回路なのですが。[参考]前期型電源のピンアサイン(gearslutz)前期型用の互換電源+5Vをオシロスコープで見るとノイズがあります。ハムのような短く規則的なものが出る時と、長周期の非常に低周波なノイズが乗る時があり、後者が出るときは点灯したままのメーターが明滅します。短いものだと点滅はせず点灯しっぱなしです。メーター表示用のA/D AL1101Gもこの5Vで動いているので、このノイズの影響でLEDが消えないのだろうか?まず、電源回路の電解コンデンサー(Chang製)を5V系以外も含めて全て交換してみました。アースの面積が広い多層基板で、はんだシュッ太郎では部品を抜くのが厳しく何箇所かランドを破損してしまいました。これの修理後に電動はんだ吸い取り機を購入。しかしノイズは消えません。基板を押すとノイズが変化するので、基板の端に並んでいるチップ部品のはんだ付けを全てやり直しました。すると電源の不安定さやデジタル入力のノイズについては改善しました。しかしメーターは依然として下位LEDが点灯したまま。■メーター表示回路を追う本機のメーター表示は上基板のヘッドホンとラインアウト用のオーディオ回路からA/D AL1101Gと、DSP AL3101CGを経由してマイコンAT90S8515に送られ、そこからシリアル信号でメーター基板のシフトレジスタ74HC595Dに送られる仕組みになっています。AL1101GとAL3101CGは本来音声機能もあり、このシリーズだけを使った音響機器もありますが、本機ではDSPによるメーター表示機能のみを使っており音は出力しません。原因切り分けのためにAL1101G周辺のパターンをカットしてみました。・AL1101Gの音声入力を切る→下位点灯の状況変わらず。・REF INを切る→音声表示のレベルが上がってしまう(切る前よりメーターが上の方で振れる)。・VAを切る→下位点灯したままで、音声入力への反応がなくなる。・VDを切る→LEDが全点灯する。・MTROUTを切る→下位8ビット点灯したまま。・AT90S8515のRESETをLOWにしてリセットかけてみる→反応変わらず。通電直後は全消灯、その後下位点灯。MTROUTを切る、すなわちAL3101CGの入力を切っても下位8個が点灯したままということは、マイコン側やLEDドライバ側でなければ、AL1101CGのA/DデータをDSP処理してシリアル通信でマイコンへ送っているAL3101CGには原因の可能性がある。一方、通電直後に一旦LEDが全消灯することから、LEDやLEDを駆動しているシフトレジスタ74HC595Dには異常が無いと思われる。AL3101CGを交換して現象が同じならマイコンに原因がある可能性が高まるが、AT90S8515のファームウェアを読み書きする手段が無いので交換は不可能。eBayにAL3101CGとAL1101Gの出品があったので発注してみました。3月6日に発注して到着は4月10日過ぎ。まずAL3101CGを交換してみました(この修理の後、クリームはんだを購入しましたorz)。が、下位8個点灯の状態は変わりません。ということはマイコンか?(泣)。どうせなら、と原因の可能性は薄いと思っていたAL1101Gも交換するべく取り外しました。取り外しているのでMTROUTが無いのですが、この状態で電源を入れるとメーターが全点灯します。MTROUTをGNDに落としても変わりません。前回と反応が違うなあ・・・と、通電直後にキャリブレーションを押すと下位8個の点灯状態が消えた。あれ?治った??しかし、新しいAL1101Gを貼り直すとL/Rともに表示が振り切ります。全点灯継続ではなくピーキーに振れている感じです。発振しているのかなあ。C19/20/58/59の無極性10uF/35Vを触ると乗ったり乗らなかったりしたので、これを交換したり、いじくり倒しているうちにまったく音声入力に反応しなくなりました。MTROUTを触るとメーターが反応するので死んだのはAL1101GでAL3101CGは生きているようです。はっきりとはわかりませんが、AL3101CGかAL1101Gのどちらかが表示異常の原因であったようです。メーターの動作は正常に戻ったものの音声信号には反応しません。AL1101Gの取り寄せにまた時間がかかるけれど、どのみち普段これのピークメーターを見て作業しているわけではないので、ひとまずこれで修理を中断し組み立てることにします。半年も分解したままだと組み立て方を忘れてしまう。■スピーカートリムのボリュームにご用心上基板に合わせて下基板のカップリングの47uF/50V無極性コンデンサーもMUSEに交換しました。横幅、高さともに微妙に元のChangより増え、特に高さ方向は余裕がなくギリギリです。この交換は音質対策だったのですけれど、実のところスピーカー調整用のA/B/Cの6個のボリュームのせいで音が悪くなっていたようで、ここをグリグリすると音質が改善しました。ジャンク品だったので長いこと通電していなかったからでしょうか。ここはスタジオ運用上、一度設定すると極力触りたくないボリュームではありますが、音質対策のために年に1回はグリグリ動かすことをオススメします。(がんくま)

  • 15Jun
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      PreSonus Central Station の修理(1)

      小規模スタジオ用モニターコントローラーのベストセラー機種、PreSonus Central Stationを修理しました。この機種は現行品なのでメーカーで修理を受け付けてくれると思うのですが、今回の個体は元々スタジオで使っている別個体の部品取り用に購入したジャンク品で、修理できないならできなくてもいいか、という程度の試みです。本記事公開時点では修理未完部分があります。この製品には前期型と後期型があって、スタジオで使っている前期型はDC+5Vと±15Vを5pinのコネクターで本体に供給する専用のACアダプターを使います。電源スイッチが無いので設置先のスタジオでは常時点けっぱなしでした。ジャンク品として購入したほうは後期型で、一般的なDCプラグで+15Vを供給する単電圧の汎用ACアダプターになっています。背面ではありますが電源スイッチが付き、単電源12〜18Vから正負15Vを含む複数の電圧を作り出すために内部の電源回路が複雑化しています。残念ながら元々付いていたACアダプタは欠品していて、本体の他にリモートコントローラーのCSR-1と、接続ケーブルが付属しました。以前からスタジオで使っていた前期型のCSR-1のガリが酷いのでジャンク品の物と交換したところ、ガリが取れただけでなく再生音質が向上しました。CSR-1が無傷で使えた時点でこのジャンク品は元が取れましたが、今回、このCSR-1の劣化したボリューム交換を試みます。CSR-1自体の前期型と後期型に電気的な違いはありません。本体もそうですがツマミの色が少し違います。前期型は少し紫がかった青で、後期型はより青味が強い感じ。■故障内容のまとめ【前期型のリモートコントローラ(CSR-1)】・マスターボリュームのガリが酷い。【後期型の本体】・ACアダプターが欠品している。・通電すると電源が不安定で時々切れる。・L-chのメーターの下位側が信号が無くても点灯しっぱなし。・R-chのメーターの下位側も時々点灯しっぱなしになる。・デジタル入力にノイズ?■CSR-1のボリューム交換過去にも何度か分解し、音質劣化の原因がA10kΩの4連ボリュームであることは知っていました。が、この部品は国内の部品店で入手できません。海外の掲示板によるとPreSonus(US)から取り寄せた方がいるそうですが、日本の代理店が同じように取り寄せてくれるかは疑問です。国内で入手できるもっと小型の4連ボリュームを取り付け、リード線で基板に配線する方法も考えましたが、今回は中国からほぼ同一の部品を輸入しました。取り寄せたのは台湾ALPHA製A10kΩの4連ボリュームでノンクリックタイプのもの。抵抗値やアルミ軸の加工でバリエーションがあり、なるだけ似ているものの在庫を持っているショップを探して注文しました。本体にも同じものが付いていますが交換したのは劣化しているCSR-1側だけです。Central Stationが2台あるので、将来の交換に備え4個発注。しかし、送ってきたのはB100kΩの4連で軸の形も違っていて使えません。注文通り正しいのを送ってくれと念押しして返品手続きを行い、やっと正しいものが届きましたがこの間三ヶ月を要しました。増えてる1個はプレゼントだそうです(苦笑)。元のボリュームと比較すると軸が長いです。部品の座面から軸の先端までの長さは元の部品で15mmでしたので、先端を切って16.5mmにしました。こちらオリジナルこちらが先端を削ったものです。もっと削れば同じ長さにできますが、ツマミを取り付ける歯形の部分が短くなりすぎるとすぐ外れてしまうのでこの程度で止めておきます。ボリュームは12本の足で多層基板に付いているので、取り外しの難易度がやや高いです。この4連ボリュームはアナログ信号がそのまま通っているのでスタジオの再生音質に大きく作用します。交換によりガリが取れただけでなく、音が滑らかで細かくなっていることに気付かされます。毎日過酷に使い続けていたため、ボリュームの劣化でだいぶ音が荒くなっていたようです。利用頻度が高いスタジオは要注意です。トークバックのプッシュスイッチ(下の写真左側の真鍮棒の裏にあります)にはリレークリーナーを、ボリューム(C10K)にはフェーダールブを注入してガリ対策。これらはガリが発生しても困るのが録音ブースにいる役者や歌い手だけなので、彼らが文句を言わなければ意外とそのままになりがちです。ボリューム交換前後のツマミの高さを比較。交換後。個人的には許容範囲ということで。つづく(がんくま)

  • 12Jun
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      Classic Pro CPH3000のイヤーパッドを交換

      音屋の間で『音屋』と暗喩されるサウンドハウス、音屋でこの会社を知らない者はいない。品揃えは多く、出荷は早く、高価な音響機器だけでなくPAやスタジオで使う変換コネクタやラックなどを格安で用意してくれる所が素晴らしい。自分もよく利用している。そんなサウンドハウスであるが、千葉県成田市の物流団地内にある実店舗へ行ったことがある音屋はあまりいないと思う。広いショールームに展示してあるデモ機に触れる他、対面式のカウンターで在庫商品を注文し、持って帰ることができるのだ・・・。 そこで買ってきたのがCPH3000というヘッドホン。この商品自体については検索するとヘッドホンマニアな方々のページに色々と書いてあるので詳しく述べません。色こそポップだけど見た目はアレだね、という話は他所で読んでね。個人的には値段相応以上に良い音だと思います。一つのヘッドホンで全てをまかなうわけじゃなし、使い分けです。そして被って首を振ってもキシキシ音やカチカチ音がしないのが気に入っています。録音ブース内で使うと音漏れより気になる時あるんですよ、ヘッドホン自体が鳴る音。成田まで行ったのはそれを確かめるためで、上位機種のCPH7000よりこちらのCPH3000のほうが振っても音が鳴らなかったから買ったのです。で、2年ほど便利に使っていたのですが、イヤーパッドがすぐ外れるようになってしまいました。このパッドはパッド自体の"くせ"で装着するようになっているので、くせの部分がゆるく変形してくると外れやすくなるのですね。このベロの部分が、この目立たない溝にはまっているだけ。サウンドハウスのページで交換部品を探すも見当たらず。もとが3〜4千円位のヘッドホンなので、パッドが劣化したら買い換えろ、ということなんでしょうが、本体に問題がないので捨てるのは忍びない。そこで、誰しもが考えるであろうこと。アレの交換用イヤーパッドはこのヘッドホンに付かないのか??■輸入してみたなお、アレのメーカー純正消耗部品のイヤーパッドは最初に検討から外れました。純正パッドの値段で新品のCPH3000が買えます。ア○ゾンで検索するといくつか互換品の候補が出ます。なお当然ですがOver Ear用ではなくOn Ear用を探さないと根本的なサイズが合わない。これが良いかなあと思ったのだけれど、うーん、千円ちょっとか。値段的には出してもいいのだが、納期二週間以上(当時。記事を書くために今見たら一ヶ月以上になっている)ってことは中国から送ってくるんだなァ多分。だったら直接中国の業者に発注するか、とAliExpressで検索してみると、うわ、たくさんある。しかも安い!送料込みで300円代からってこれ原価いくらなんだろ。「勢い耳!」はOn-Earの自動日本語訳なんだけどなんかツボ。本来なら数を売ってて海外からのフィードバックが多い商品を選ぶべきですが、密林で買おうかと思っていたものに似ているこちらの商品を選びました。お店はEarSoft Storehttps://aliexpress.com/store/4687118この手のヘッドホン周辺グッズの専門店のようですね。一組買っても400円位か。消耗品だから二組買っておこう。それでも900円しないし。発注してすぐに先方からもなるだけ早く送るよ、と確認のメッセージが来た。実際に注文から発送まではとても早かったが、現地を出てから日本に届くまでまでは新型コロナウイルスの影響でいつもより少しだけ時間がかかり、5月16日注文で21日に中国を出発、6月10日に自宅に届いた。開封するとちゃんと2組4個入ってた。右側の元々CPH3000に付いていたものと比較すると、左の輸入品は中央部分の布地の色が鮮やかなオレンジ色からシックな茶色に。この茶色はブルーよりホワイトモデルに合いそう。大きさは微妙に小さい気がするけど、前のが伸びているだけかもしれない。周囲のベロの部分が長い(広い)。なんかに似てると思ったらアワビだなこりゃ。見た目の厚みはさほど変わらないが(写真ではベロの部分の硬さで元のほうが高く見える)、指で押すと新しいほうが気持ち薄く感じる。エクセーヌ状の生地は新しいほうが細かくしっとりした肌触りだが、これも経年で元のが劣化しただけかも。こっちが新しい輸入品。こっちが元付いていたほうです。■実装タイム元のやつも何度か付けているのだけど、とんでもなく付けにくいんだこれが。ベロの部分を溝にひっかけてグルリと円周にはめるだけなのだけど、さっき溝に入れた所から次々に外れていく感じ。最初は溝に引っ掛けつつ、最後は引っ張ってベロを溝に被せ、ギターのピック状のもので溝に押し込みます。ベロ部分が交換前のものより柔らかく、ここが経年で固くなったのが外れやすくなった原因かもしれない。で、一度付けたら自然には外れなければ良いのだけれど、装着具合が悪いとすぐ外れるし、繰り返し付けていると生地が伸びてくるし、と、どうにも好きにはなれない仕組みです。この付けにくさが交換部品を用意しない理由だったりして。交換後の感想。耳触りは新しい輸入品のほうが良い。圧迫感も新しいほうが少ないのに、遮音性はわずかに新しいもののほうが高く、その分低音の印象が増して高い方のヌケが落ちた。まあ、細かいレベルの話で、交換翌日には忘れている程度の微妙な違いという印象です。汚れたり破れたりしてももう一組あるので安心ですが、出来れば付け直しはしたくない。当ブログの結論としては「アレのやつは付く。が、付け替えにはちょっと苦労する」です。■後日談(2021.3.13追記)交換後も何度か外れたり付けたりを繰り返しましたが(丁寧に使っていれば外れないのですが、なにせ使い方が荒い)、換装9ヶ月目にしてベロの部分が裂けました。あまり丈夫なものでは無いようです。予備も含めて買っていて良かった。安価なので、輸入される方は複数個買っておくほうが良いと思います。(がんくま)

  • 11Jun
    • 電動はんだ吸い取り機を中国から輸入してみたの画像

      電動はんだ吸い取り機を中国から輸入してみた

      電動はんだ吸い取り機を家電で例えるとすればそれは自動食器洗い機ではないか。何を言っているのかよくわからないが、買いました。Pro'sKit SS-331H私もだいぶ長いこと半田ごてを振り回して生きてきたが、この手の製品を買うのは初めて。今までは普通にはんだ吸い取り線、手動式吸い取り機、はんだシュッ太郎と進化し、特にシュッ太郎はかなり良い働きをしてくれたが、アース面の広い多層基板相手では敗退する場面が増えた。しかし電動はんだ吸い取り機はわりと高価な工具なのである。HAKKOやgood、HOZANなどの国産メーカーの製品は吸引銃とポンプ部が一体型のポータブルタイプでも2万円以上、分離型のステーションタイプだと6~14万円する。あると良いことは知っていても、5千円程度で買えるシュッ太郎と違って趣味で買うには躊躇するお値段なのも確か。このPro'sKit SS-331Hは吸い取り部と真空ポンプ部が分離したステーションタイプにして販売価格は$69程度(購入当時で7,300円くらい)と、日本製の価格を知っていると本当に使えるのか不安を抱くような値段だ。中国の通販サイトで買えるが日本への送料が2,500〜3,000円ほどかかるので、トータル1万〜1万1千円位。しかしこれなら私でも買えるかも。Pro'sKitは台湾新北市を本拠とする工具メーカー、プロキットインダストリーズ社(寶工實業股份有限公司)のブランドで同社の工具はマルツ電子でも扱っており、私も以前から薄刃ニッパーを愛用していた。[製品情報、説明書ダウンロード]https://www.prokits.com.tw/Product/SS-331H/製品紹介を見ると、電源の仕様がAC220〜240Vで日本で使うには昇圧トランスが要る。しかし、レビュー動画を見ていたら、[レビュー動画]Pro'sKit SS-331 Desoldering Station Review(YouTube)Pro's Kit SS-331 Universal Voltage Update(YouTube)二つ目の動画にあるように、現行モデルはユニバーサル電源化され、AC100Vから使えるらしい。ただし、どこにもその記載がなく100Vでの動作は無保証(本来120V対応のSS-331Eという別モデルがあるけど売価がだいぶ高い)。本体のカラーは緑基調のものと薄紫色のものと2種類選べるようで、ZD-8915という型番で売られているものも外見は異なるものの中身は同じものらしい。見た目はわりかしかっこいいと思う。AliExpressやBanggoodにはSS-331Hを売っている店がいくつかある。ユニバーサル電源になったのは最近らしいから、「2019年新モデル」と明記されているものを選ぶ。発注したのは、YXEC Storehttps://ja.aliexpress.com/store/4932001という店。理由は値段がそこそこ安いこと、SS-331Hの販売数が多く、海外からのフィードバックが多数あること、取り扱い商品から、はんだ付け用品の専門店と判断でき消耗品の追加購入ができること、などによる。折しも新型コロナウイルス(COVID-19)で国際物流に大きな影響が出ていた時期(2020年5月)であり、注文後すぐにお店から「DHLが使えないので別の運送業者を使うが、到着が遅くなるかもしれない」と英語でメッセージが来た。発送までの間も「住所をgoogle翻訳してみたが合ってるか確認してほしい」などと何度か英語でやりとりがあったが、この店はメッセージのレスポンスが速く積極性を感じる。5月1日に注文、7日に発送通知、到着は22日であった。中国からの輸入品の定番、ビニール袋の上から黄色い粘着テープでぐるぐる巻き。外箱には220Vとあるが、送り状に110Vと手書きしてあるので、店員はわかっているものと思われる。本体と付属品一式。穴径の違う3種類(1.0/1.2/1.5mm)のコテ先と穴径別の掃除用針金、交換用のフィルター(大1小2)が付属。コテ先の先端は埋めてあるが360度にして吸引すれば開く。電源コードは変換コネクタ付きで海外仕様のものが付属するが、普通の3極ACコードなので手持ちの適当なものを流用。通電前に電源確認のため一旦分解した。分解の手順は、まずフロントパネル両脇の色付きのプラスチック枠を外す。側面側に3ヶ所爪があるので、マイナスドライバーでつなぎ目を前後にこじってフロント側に押し出すようにすると外れる。枠が外れたら穴の中にあるネジ4本を外すとフロントパネルが外れる。この時、配線やホースが繋がっているので強く引っ張らないこと。稀に白いシリコンホースの取り付けが悪く気密性に難がある場合があるみたい。ケース下面の4本のネジを外す。これでフロントパネル、下側、上側の3ピースになるが、それぞれ配線で繋がっているので注意。電源ユニットを外してみたが、レビュー動画のように100~250V対応のシールは貼られていなかった。しかし通電してみると100Vで動いた。温度の可変範囲は160度から480度までで上昇は早い。通電から360度以上になるまで1分〜1分半ほど。アスタリスクを押すと華氏表示で吸引銃部分をつながずに通電するとエラー表示が出る。ステーションタイプなので吸引銃部分はコンパクトで軽い。スイッチを押してバキュームすると本体側の青いLEDが点灯。360度に設定して適当にジャンク基板から部品を外してみたが、DIP ICや三端子レギュレーターは普通に外せるが、大きなスナップコンデンサやヒートシンクを外すにはカロリー不足を感じる。吸引銃のヒーターは90Wとのことだが、マズル(ヒーター部分)及びコテ先ともに細くて熱量の保持力に不足感がある。なんとなくだけどシュッ太郎のコテ先のほうが溶ける気がする。しかし、普通の片面基板や多層じゃない両面基板ではスコスコと綺麗に吸える。これは楽だ。晒黑的がんくま@gankuma_台湾メーカーのはんだ吸い取り機Pro's Kit SS-331H参考動画。 https://t.co/RUTC71tZZQ2020年06月10日 19:17温度設定がプッシュボタンなので、基板にコテ先を当てたままでちょっと温度を変えたい時に不便。つまみなら片手で回せますがね~。しばらく操作をしないと自動的に待機モードで200度設定になる(ボタンを押して復帰)。設定した温度は記憶しており電源を切っても忘れない。コテ先はヒーターのスリーブ部分を外して交換。コテ先のチョイスが結構重要なので、時々電源を切って交換すると思われ、よって電源スイッチが背面なのは作業効率が良くない。いつでも背面スイッチに手が伸ばせる場所に設置するのでなければ、レビュー動画にあったようにフロントパネルにスイッチを移植したほうが使いやすいはず。コテ先は消耗品として追加で買っておかないとなー。買う時に一緒に買っておけば良かった。吸引銃を接続する部分はアマチュア無線機のマイク端子と同じもの。吸引銃自体も消耗品として3千円程度で購入できる。ピンアサインはマニュアルに載っているので、マズルが太い他の吸引銃を取り付けることも可能かもしれない。AliExpressで売られている他の吸引銃。某社の製品に似てるなあ。https://ja.aliexpress.com/item/32867107745.htmlhttps://ja.aliexpress.com/item/4000337147680.html吸い取ったハンダが溜まる部分はレバーアクションで外れるが結構固い。当たり前だが使用中は熱くなる。付属するコテ台は重量があるけれど、保持金具の取り付け部に節度感が無く裏返すだけで簡単に外れてしまう(差し込み部分に自己融着テープ巻けばいいかも?)。コテ先とマズルをリングにひっかけて保持する仕掛けだが、よそ見をしながらだと挿しにくく、HAKKO 663のほうが安全で使いやすい。もっとも、慣れの範疇で使えないというほどのことは無い。より高価な吸い取り機を使ったことがないので比較ができないが、電動はんだ吸い取り機初心者として過剰な期待を抱いてはいけませんで、「手動式の半田吸い取り機ではたちうちできない相手にも簡単に勝てる」とまではいかなかった。しかし購入価格からすれば充分実用的だと思う。うまく吸えない時は一度新しいハンダを流してから吸う、で大抵のものはいける。消耗品も入手できるし、趣味で使うなら買う意味はあると思った。というか無い生活には戻りたくない。あ〜〜自動食器洗い機も欲しいなあ。(がんくま)※本記事公開時点で、メーカーも販売店もSS-331HのAC100Vでの動作を公式には認めていません。100Vで使用した時の耐久性も不明です。また、古い在庫を引いた場合は100Vで動かないと思われますし、今後もユニバーサル電源のままなのかどうかもわかりません。AC100Vで動かなくても返品の理由にはできないと思うので、もしこの記事を見て購入を検討される場合はその点にご注意ください。

  • 10Jun
    • IBANEZ SDR1000の修理の画像

      IBANEZ SDR1000の修理

      IBANEZ SDR1000はデジタルリバーブ初期の名機SONY MU-R201と同じものである。ネットを検索するとそのような話が出てきます。私もずっとそう思い込んでいました。しかし、この話はおおむね正しいが一部間違っている。実は今回修理するまでそれを知らずにいたのですね。個人的にMU-R201と言えば思い出すのが沖縄です。私が1990年代~2000年代初頭に使っていたリバーブはYAMAHAのREV7とSPXシリーズ、SONY DPS-R7、Lexicon 300と480Lだったのですが、唯一、沖縄の放送局へ出張に行った時だけは使えるリバーブがMU-R201しかありませんでした。DAWをノートパソコンで動かすことはまだできない時代で、CDや6ミリテープの音をスタジオの卓に出して、実機でリバーブをかけながら6ミリにダビングし、鋏で切って音楽を編集していた時代です。他のデジタルリバーブはプリセット名が英語で表示されるのに対し、MU-R201は数字のみ。説明書が無いので、あてずっぽうで目的の響きを探すしかありませんでした。手元にあって良く使う機種なら覚えたのでしょうが、たまにしか無い沖縄出張のたびに、あ~でもないこ~でもないと設定に悩んだ記憶があります。音質よりも、そっちの苦手意識のほうが記憶に残りました。それから10年以上経って私は東京へ引っ越しました。引っ越し翌日、近所のリサイクルショップに行ったら見慣れぬアウトボードがラックケース入りで並んでいました。ギター演奏に縁が無かった私はIBANEZ(アイバニーズ)というメーカーすら知らなかったのです。値段は7千円かそこらだったか。それが今回修理したSDR1000です。その店で楽器系の品物は浮いた存在で、一年経っても売れ残っていました。私も知らないエフェクターを買う気がなく静観していましたが、こりゃ自分以外に買う可能性がある人いないなと思い買い求めました。この機種がMU-R201のOEMであることを知ったのは買ったあと。沖縄の時はあまり意識しなかったリバーブの音質は、少し硬い印象で透明感があってとても良いと思いました。最近4、5年ぶりに通電しましたら、BYPASSだと音が出るもののエフェクトをかけた音が出ません。メーターの振れ方も元気が無い。修理のために初めてラックケースから取り出しました。■NO EFFECT RETURN製造はソニー筑波(SOTB)。MU-R201は放送局や音楽スタジオでも定番の一つだった業務機なのに、民生オーディオと接続できるRCA端子と、+4dB/-20dBの切り替えスイッチが付いているのが珍しい。中はけっこう気合の入った造りで熱意を感じます。1986年発売だそうですがこの機種専用のカスタムチップが多く、コンデンサーも昔のMUSEやスチコンが豪勢に使われています。個人的にMUSEの音はさほど好きではないのですが、この機種に関して言えば、すっきりした透明感のある音質に寄与しておりとても合っていると思います。MU-R201は経年で半田クラックが出るらしく、このSDR1000にも確かにそれっぽい所が散見されるが、今回の症状とは関係ないと思われ。前後に入っている銅製のバーの根本にもヒビっぽいものが見えますが、まだ完全に割れている状態にまではなっていません(このバー必ずしもGNDではありませんので注意)。基板にブロック名や電圧が書いてありますので、まずは電圧を測定。各+12V/-12Vや、制御系の+5Vとオーディオ系の-5Vは正常ですが、オーディオ系の+5Vが+2.4Vしかありません。パターンをたどるとこの+5Vは+12VからIC302(78M05A)で作っています。出力を切り離すもICからは電圧が出ません。+2.4Vは他所から回ってくる電圧のようです。78M05(500mA出力)は廃番らしく在庫が無かったので、NJM7805FA(1A出力)に差し換えました。幸いにも壊れていたのはここだけで交換後は問題なく動作しました。クラック気味の箇所も半田修正して完了。■SDR1000とMU-R201、プリセット設定の比較SDR1000は00~29までが書き換え不可能なプリセットで、30~99が書き換え可能なユーザーメモリーです。MU-R201は00~99の全チャンネルにプリセットがあります。つまり両者のプリセットメモリーの内容は一致しません。MU-R201のメモリー○番が使える!と聞いて同じ番号を呼び出しても結果は異なります。良く見るとボタンの数や配置、名称も違っていて、MU-R201にあるプリセットとユーザーメモリーを個別に呼び出すボタンがSDR1000にはありません。MU-R201の英文サービスマニュアルがネット上にあったので、SDR1000の30~99のプリセットをMU-R201と同じにしてみよう、と思い立ちました。設定してしまえば、同じ機械だし同じ音が出るだろう、と考えたのです。これは数字の羅列である設定値をボタンを使って延々と打ち込んでいく根気のいる作業です。しかし慣れれば操作性はそんなに悪くありません。チャンネルのリンク機能など、良く考えられているなと思いました。ボタン操作をしている間にも音が変わっていくので、説明書を読みながらこの作業をするとリバーブやディレイの良い勉強になります。デジリバ初期の製品なのでdmprやroundにあたる設定は無いし、EQも特性・周波数固定の4バンドでレベルが±12dBの範囲でいじれるだけですが、その分迷いがない。しかし、すぐに打ち込めないプリセットがあることがわかりました。MU-R201のエフェクターのアルゴリズムパターンであるMODE1~9のうち、MODE8と9がSDR1000にはそもそも存在しないのです。MODE8と9は1chと2chをカスケードで接続する場合に、片chずつ別のエフェクターとして動作させる設定です。SDR1000はこの使い方を最初から省いているようです。設定値にも更に細かい差異がありました。MODE2(Plate)の時、Eary Reflection Time(E REF T.)の最大値が、MUR-201が733msecまで延ばせるのに対し、SDR1000は572msecまでしか設定できない。MODE3(Gate Reverb)とMODE4(Reverse Reverb)の時、MU-R201は音色調整でSPREAD値が使えるが、SDR1000ではこの値に相当するSIZE値が可変できない。MODE5(Dual Delay)の時、リピートの回数指定REPEATがMUR-201では0〜20回だが、SDR1000でこれに当たるTAPは1〜23回で、リピート無しの設定ができない。そしてMODE6(Auto Panning)、ここが最も違っていて、4バンドEQを別とすると、MUR-201では6種類のパラメータを触れるが、SDR1000ではリバーブタイムなどが触れず3種類だけ。このためMU-R201のMODE6のプリセットは、SDR1000での再現性が低い。00~29に入っているプリセット値もMU-R201とは違います。MU-R201には"MechaVoice"のように声や音を積極的に変えてしまう音響効果的なプリセットがありますがSDR1000のプリセットにはこの手のものが無く、PAや演奏用に声や楽器にかけるリバーブが中心という感じです。SONYとIBANEZの客層の違いという所でしょうか。同じものと言われるけれど、改めて調べると結構違いがあるのだなあ、という感想でした。この件について調べていくうちに、MU-R201のOEMとしてSDR1000が後に出たのではなく、先にIBANEZの依頼で開発されたSDR1000が発売され、それをSONYが自社ブランド製品として売り出したのがMU-R201らしいと知りました。なるほど、だからSDR1000の説明書に「この機種はソフトにもハードにも多くのブレークスルーを組み込んでいる」とか「独立した"2つの"チャンネル設定ができる初の機種」と誇らし気に書いてあるのか。利用説明でもカセットMTRと繋ぐことが想定されていてRCA端子が付いているのも頷けます。MU-R201の発売後、MU-R201相当のプリセットやモードを追加したのがモディファイ版のSDR1000PLUSということか。なにやら超兄貴っぽいが80年代的未来感に溢れるステッカー。真のデジタルステレオリバーブとして最初の製品だったドヤ感もにじみ出ている。こうなると今更ですがMU-R201を触ってみたくなります。設定さえできれば音は同じと思われますが、MODE6が気になるなあ・・・。(追記)後日SONY MU-R201を修理しましたので、SDR1000と音の比較を行っています。→SONY MU-R201の修理(がんくま)

  • 27May
    • Cubase/Nuendoの「いくつかのコンテンツが読み込めませんでした。」エラーについての画像

      Cubase/Nuendoの「いくつかのコンテンツが読み込めませんでした。」エラーについて

      タイトルのエラー「いくつかのコンテンツが読み込めませんでした。体験ライセンスの期限が切れています。」は、体験版をインストールした後にその期限が切れてしまった時、起動時に毎回表示されます。私の場合は、Caleidoscopeでした。Caleidoscopeとは何ぞや、と思ってプラグインマネージャーを見に行ったがそんな名前は無い。毎回表示されるのもうざいのですが、OKをクリックしていれば実害はないので放置していました。しかし、新型コロナウィルスの影響によりオンライン授業でDAWの画面を映すことになり、カッコ悪いので消したいなあと思い調べましたが、検索しても意外とわかりません。といっても結論から言えば消す方法は簡単です。Windowsならば、スタートメニューからSteinberg Library Managerを起動し、"CUBASE/NUENDO"の中からCaleidoscopeを選択し、右側のボタンから"REMOVE"を選んで"Move to trash"でゴミ箱へ送るだけ。"DETAILS"をクリックすると対象となる音色ファイルの名前や所在地がわかります。そんなことも知らんかったのかい!と言われそうですが、古いバージョンを使い続けている私がネットを検索して参考にした中に、この情報は無かったので書いておきます。同じように困っている人がもしいたら参考になれば幸いです。Steinberg Library Managerがインストールされていない場合は、単体でダウンロードしてインストールできます。Mac OS Xもサポートされています。◆STEINBERG LIBRARY MANAGER ダウンロードページhttps://japan.steinberg.net/jp/support/content_and_accessories/steinberg_library_manager.html以上で問題は解決なので、ここから先は読む必要ないのですけれど、私が解決方法にたどり着くまで無駄に試したことをいくつか。×eLicenser Control Centerでメンテナンス作業を行う。C:\ProgramData\Syncrosoft\SeLicenser.selをリネームする。→Caleidoscopeは音色であってアプリやプラグインではないので無意味だった(そりゃそうだ)。×HALion SEやPadshopを削除する。→プラグインが消えても音色自体の期限切れが原因なのでエラーは残ったまま(そりゃそうだ)。×Cubase/Nuendoの初期設定ファイルを削除して新調する。やり方は、スタートメニュー→アプリケーションデータフォルダーから設定フォルダ(C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Steinberg\)を開いて、エラーが出るアプリのフォルダ名をリネームする。すると、再起動した時にプラグインをすべて新規に読みに行き、エラーが出る。実のところ、CaleidoscopeがPadshopの音色であることはここでわかった。で、"Remove"を選んだが何故か消えなかった。消したかったエラー表示は消えないのに他に必要だった設定がたくさん消えた。何度も書いているように、これらはすべて「いくつかのコンテンツが読み込めませんでした。体験ライセンスの期限が切れています。」エラーについて検索したら出てきた情報でした。たぶん、Steinbergへの問い合わせも多かったのではないでしょうか。そのせいでライブラリマネージャーが出来たのかもしれません。↑検索するとなぜかこの手のややこしい説明ばっかりヒットする。なお、C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Steinberg\アプリ名の中の初期設定ファイルはフォルダをリネームして元のファイルを保持していたので、問題が無事解決した後で元の名前に書き戻して復旧しました。ショートカットキーの設定やテンプレートなどの記録ファイルはこのフォルダの中に入っているのですね。再インストールの時にあらかじめコピーしておくと移行が楽です。(がんくま)

  • 12Mar
    • 中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(3)の画像

      中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(3)

      本ブログ記事で日本国内でも使えるように改造して使用したKD-908D智能脉冲电池充电器に付属の英文説明書を翻訳した文章を掲載する。なおこのページの内容は2020年2月販売の製品に添付されていた英文説明書の他に、その元になったXWシリーズ充電器の英文説明書、AJ-618系他機種の商品説明などから欠落部分の追補を行っており、意訳部分もあるので元の英文も参照のこと。【注意】本文章は個人利用のために作成したものを公開しているだけで、メーカーが発行したものではありません。ここに記載の日本語説明を根拠にメーカーや販売店へ問い合わせることはお控えください。本文章の内容の正誤や、この文章を参考にして発生したいかなる被害についても本ブログの著者は責任を負いません。充電器取扱説明書信頼できるサービスを提供するために、充電器は正しく適切に取り扱う必要があります。 設置と操作の前に、この説明書を注意深く読んでください。 警告とその詳細には特に注意を払うものとします。 充電器に損傷を与える可能性のある条件と操作に注意してください。 身体的傷害を引き起こす可能性のある条件および操作に対しては、明確に警告を行うものとします。 充電器を使用する前に、すべての通知をよく読んでください。製品を正しく操作できるように、この説明書をよく読んでください。特に充電器を使用する前に、個人の安全を確保するため、すべての「安全上の注意」をお読みください。1.概要WLシリーズのスイッチング電源パルス急速充電器は、12V、24V、36V、48V、60V、62V、72Vおよび84Vの単一電圧バッテリーパック用に当社が設計および製造をしています。インテリジェントなコンピューターチップは、パルス幅変調(PWM)の高度な技術とプロセス全体の制御に使用されています。本シリーズの製品は、小型サイズ、安全性と柔軟性、高い変換率、安定した出力電流、大容量設計、長時間(【訳者注】長寿命?)などを特徴としています。短絡保護、逆接続保護、過熱保護、低電圧保護が備わっています。定電圧および定電流充電能力により、定電圧充電状態からフローティング充電状態まで確実に移行できるため、充電工程の中での電力浪費と電解液の損失を減らすことができ、バッテリーの過熱と電解液の泡立ち(バブリング)を防ぎます。結果として、バッテリー寿命が大幅に延長されます!2.技術仕様型式:WL-12-50WL-24-30定格入力電圧:AC150V-250V定格動作周波数:50-60Hz変換効率:93%±3%動作温度範囲:-30度~35度Current asisted regulation(充電電流量調整つまみ)Power supply(電源供給表示)State analysis(状態解析表示液晶)Manual repair(手動修復)Automatic charging(自動充電)Real time monitoring(リアルタイム状態表示液晶)Lithum battery(リチウム電池充電)Ordinary battery(通常バッテリー充電)【訳者注】Lithum battery/Ordinary batteryのスイッチの向きが写真と逆の場合がある。液晶に表示される中国語メッセージの意味■实时监控 REAL TIME MONITORING 状態表示(下側の液晶)・充电模式 Charging Mode 充電モード・恒流 Constant-Current Charging 定電流充電・浮充 Floating-Charging フローティング充電・空载 No-Load 無負荷・恒压 Contant-Voltage Charging 定電圧充電・涓流 Trickle Charging トリクル充電【訳者注】右下の電池のグラフ表示アニメーションは充電状況の%表示ではなく、単に充電動作を示しているだけ。■状态分析 STATE ANALYSYS 解析表示(上側の液晶)・无负荷或满电轻载 No-Load or Light-Load 無負荷または満充電、軽い負荷 ・迸行适配电流充电 Adapting Current for Charging 充電用の電流を調整中・以恒定电压充电中 Charging with Constant-Voltage 定電圧で充電中・即将满电迸行浮充 Floating Charging To Be Full Soon 充電完了間近のためフローティング充電中・微电流补充或满电 Microcurrent Complement or Full Charge 微小電流による補充充電、または完全充電状態3.動作モード定電流モード:バッテリー電圧が充電器のプリセット電圧より低い場合、動作モードは定電流充電モードであり、充電器からバッテリーに一定の充電電流が供給されます。 このモードでは、バッテリーと充電器の両方が適切に保護されています。定電圧モード:パルス幅変調(PWM)の採用により、充電電流と出力電圧を正確に制御できるため、バッテリーを完全に充電でき、過充電にはなりません。トリクルモード:バッテリー電圧がプリセット値まで低下すると(【訳者注】プリセット値に近付くと、の間違いと思われる)、充電電流はプリセット値まで徐々に減少し、充電器は定電流モードまたは定電圧モードからトリクルフローティング充電モードに移行します。 充電が完了しても、バッテリーはフローティング充電モードに設定できます。[空载: 無負荷モード]充電器本体に充電負荷が接続されていない場合、LEDスクリーンには電圧のみが表示され、消費電力は約2Wです。[恒流: 定電流]バッテリー電圧が充電器の設定電圧よりも低いことを意味し、充電器はバッテリーとバッテリー充電器の両方を維持するために一定の充電電流を供給します。[恒压: 定電圧]高度なパルス幅変調(PWM)テクノロジーで、充電器の電流と出力電圧を正確に制御し、過充電を回避します。[浮充: フローティング充電]バッテリーがフル充電されると、充電器は充電を停止しますが、バッテリーに一定のフローティング電圧と小電流を供給します。[涓流: トリクル充電]バッテリーの電圧と電流が設定された電圧と電流の値に近づくと、フローティング電流が少しずつ流れます。自動充電モードでは充電完了(フル充電)を意味し、フローティングモードでも充電できます。4.複数の保護機能過熱保護:本機は本体の動作温度が105℃を超えると保護目的で電流出力をカットして自動的に動作を停止します。温度が約80℃を下回るか、電源が10分間シャットダウンされると充電工程を再開できます。短絡保護:偶発的な短絡の場合、本機は電流出力をカットして自動的に停止し警告音が鳴ります。正しく接続されると充電工程が再開されます。逆接続保護:充電器とバッテリーの+極と-極が正しく接続されていないと、本機は電流出力をカットして自動的に停止し警告音が鳴ります。正しく接続されると充電工程が再開されます。低電圧保護:単一セルの電圧が1.5V未満の場合、本機は充電を開始せず、警告音が鳴ります。この機能は、バッテリーと充電器の間の電圧の不一致(相違)によって引き起こされる可能性がある過電流による損傷を防止します。5.安全上の注意1.充電器の内部には危険な高電圧部分がありますので、機器が故障した場合は、お近くの販売店またはメーカーにお問い合わせください。2.高温・高湿度になる環境下や、可燃物や爆発物がある場所では使用しないでください。3.冷却ファンが停止した状態で充電器を使用したり、冷却孔を塞いだりしないでください。4.故障を避けるために、機械に雨や水が入らないようにしてください。5.専門の技術者以外の方が、機械を開いたり、使用目的を変更したりすることは固く禁じられています。守られない場合は重傷を負う可能性があります。6.充電操作手順1:バッテリーの定格電圧が充電器の出力電圧(12V/24Vなど)に適合していることを確認してください。手順2:充電器とバッテリーを出力クリップを使って正しく接続します(極性を間違えたり短絡したりしないこと)。手順3:AC電源の電圧が充電器の入力電圧仕様(AC150~250V)に適合していることを確認してください。手順4:充電器の電源コードをコンセントのAC電源につなぐことで充電が開始されます。充電中にインジケーターが点灯し、冷却ファンが作動しているかどうかを確認します。手順5:充電器が正常に動作しない場合は、すぐに電源コードをコンセントから抜き、AC電源、バッテリー、充電器との間のすべての接続ケーブルを確認します。7.バッテリーの保護に役立つ注意事項バッテリーの寿命を延ばすために、バッテリーを放電させすぎないようにします。鉛蓄電池は、まめに充電・放電するよう常時使用することが推奨されます。12Vのバッテリーが過剰に放電してしまうと(電圧10V未満)、バッテリーは大きなダメージを受けます。加えて充電器も充電時に過電流が流れるために保護機能が働きます。これはバッテリーの電圧が10Vを下回って深刻な状態となっていることを示します。次回バッテリーを使用する時はこの点に良く注意してください。8.簡単なトラブルシューティング●充電開始後わずか数分、またはもっと短い時間で、バッテリーが完全に充電されたと表示される。1.過電流保護・過熱保護の状態になっていないか、また、低電圧保護がバッテリー側の不適合な電圧によるものかどうかを確認します。背面の冷却ファンが回転しているかどうかも調べます。2.バッテリーが過剰に消耗しているか、またはすでに完全に充電されている可能性があります(一旦バッテリーを放電させた後に再度試すか、他のバッテリーを使ってテストをしてください)。3.バッテリー調整液か、蒸留水を追加します。4.充電器からの出力クリップが、バッテリーの電極に正しく接続されていることを確認します。●充電中にバッテリーシェルが過熱する、または長時間充電を行ってもバッテリーを完全に充電できない。1.バッテリーに短絡があるかどうかを確認します。短絡があると充電電圧が充電器のプリセット電圧に到達できなくなります。2.バッテリーに0.3A以上のリーク(漏れ)があります。3.バッテリーに欠陥がある素材が使用されているか、製法上の問題があります。4.バッテリーを交換し、再度テストします。●すべてのケーブルが正しく接続されているにもかかわらず、充電器から警告音が鳴る。または動作しない。1.バッテリーを調べて、電力不足(不適合電圧)による低電圧保護が働いていないかどうかを確認します。2.長時間不適正な状態に置かれたことや、内部抵抗の増大によりバッテリーの耐用年数を越えている。3.充電器をコンセントにつながず、バッテリーだけを接続した無負荷状態の場合も警告音が出るかどうかを確認します。4.バッテリーを別の物に交換して、もう一度テストします。(訳者による追加部分。元のメーカー説明書や商品説明には言及無し。)●すべてのケーブルが正しく接続されているにもかかわらず、液晶画面が明滅し、カチカチと動作が間欠して充電できない。背面の冷却ファンも回転しない。1.電源の電圧が充電器の入力電圧仕様(AC150~250V)より低すぎる可能性があります。電源コードをコンセントから抜き、電源の電圧が適合していることを確認します。2.電圧が仕様より低い場合は正常に動作せず、故障の原因となります。充電器の入力電圧仕様と消費電力容量に対応したステップアップトランスを用意して、コンセントの電源電圧を昇圧します。長期間使用されていない車両用バッテリー、オートバイ用バッテリー(小容量)の場合、充電時に充電インジケーターが点灯しない場合があります(内部抵抗が大きいため、電流が流れにくい状態)。この場合、大きなバッテリー放電(電力消費)を同時に行うことで充電できます。これにより充電器側に欠陥があるかどうかを判断でき、充電インジケータが点滅します(通常の場合、充電インジケーターが消灯してから完全に充電されるまで約1時間の間はフローティング充電を続けることができます。この時点でバッテリーは良好な状態にあり、自由に使用できます。充電インジケーターが点滅しなくても、充電器は実際にはトリクルフローティング充電モードでバッテリーを充電しています。 バッテリーの電圧が下がり、再度バッテリーからの大きな電流要求が検出されると充電インジケーターが点滅します)。特記事項:1.リークのあるバッテリーを最初に充電する場合は、充電中に手動で充電状況を監視する必要があります。過充電と電解液の泡立ちを避けるため、充電1回目と2回目はバッテリー本体の温度上昇が見られた場合、即座に充電を停止しなければなりません。この温度の上昇は、バッテリーが充電前にすでに満杯であるか、使用に影響しない程度のリーク(漏れ)があることを示します。2.充電器がバッテリーを充電している間は、背面の冷却ファンが常時回転していなければなりません。3.より良くバッテリーを保護するために、バッテリーの種類や状態に応じ、フロントパネルのつまみで充電電流量を調整できます。たとえば、充電前の電流が30Aの場合、25Aに減らすことをお勧めします。同様に、25Aの場合、20Aに減らすことをお勧めします。この20%のマージンは、バッテリーのみならず充電器をもより良く保護します。急いでバッテリーを充電する必要が無い場合、充電電流は10分の1、すなわち10Ahのバッテリーであれば、1Aの充電電流で充電することをお勧めします。【訳者注】本機は自動充電モードで使用した場合、バッテリーの状況に応じて充電電流を自動的に調整しますが、一般的な鉛バッテリーの場合、充電電流の設定はバッテリー容量(Ah)の10分の1が基本です。急速充電の場合はこれを増やしますが、バッテリー本体の温度上昇や電解液の沸騰・減少に気をつけねばなりません(過充電により水素ガスが発生すると、引火爆発する危険性があります)。電解液の補充口が無い密閉式のメンテナンスフリー(MF)型バッテリーの場合は、ガスの逃げ口も無ければ電解液の補充もできない構造なので、急速充電をしてはいけません。充電時間の目安(バッテリーの状態や充電電流の設定によって変動します)型式: XW-10入力電圧: AC220V±25%,50/60Hz定格電圧: 6V,12V定電流充電電流: 6V 5A±10%,12V 8.5A±10%定電圧充電電圧: 6V 7.0A-7.3v,12V 14V-14.8V型式: XW-20入力電圧: AC220V±25%,50/60Hz定格電圧: 12V,24V定電流充電電流: 12V 10A±10%,24V 7A±10%定電圧充電電圧: 12V 14V-14.8V,24V 27.5V-29V型式: XW-20S入力電圧: AC220V±25%,50/60Hz定格電圧: 12V,24V定電流充電電流: 12V 12A±10%,24V 7A±10%定電圧充電電圧: 12V 14V-14.8V,24V 27.5V-29V型式: XW-30入力電圧: AC220V±25%,50/60Hz定格電圧: 12V,24V定電流充電電流: 12V 22A±10%,24V 18A±10%定電圧充電電圧: 12V 14V-14.8V,24V 27.5V-29V 型式: XW-40入力電圧: AC220V±25%,50/60Hz定格電圧: 12V,24V定電流充電電流: 12V 25A±10%,24V 23A±10%定電圧充電電圧: 12V 14V-14.8V,24V 27.5V-29V9.充電モードについて:手動と自動自動充電モード(AUTOMATIC REPAIR):12Vバッテリーを充電する場合、充電電圧の範囲は13.8V〜14.3Vです。手動充電モード(MANUAL REPAIR):12Vバッテリーを充電する場合、最大充電電圧は16V程度です。●自動充電モード使用の利点このモードでは、バッテリーを接続し充電器をコンセントにつなぐだけで、手作業による細かい調整操作不要で充電を開始できます。 充電電流はバッテリーの状況に応じて自動的に調整され、事前に設定された電圧レベルに達すると自動的に充電を停止します。操作が簡単で大変便利です。通常の利用では自動充電モードの仕様を強く推奨します。●手動充電モード使用の利点中古のバッテリー、0℃未満のバッテリー、または比較的低容量のバッテリーを充電する場合、バッテリー自体の大きな内部抵抗により小電流のトリクルフローティング充電の状態になってしまう場合があります。 このような状況では、これらの問題のために特別に用意された手動充電モードが推奨されます。ただし、手動充電の場合は充電状況を慎重に監視し、バッテリーシェルでわずかな温度上昇が見つかったら、すぐに充電を停止してください。●低温時の充電に関する推奨事項冬季、気温0℃未満の状況では、最初はバッテリーが満充電になるまで自動モードで充電し、その後さらに手動モードで30分から1時間充電することをお勧めします。これにより、バッテリーが機能的に最適な状態になります。(がんくま)中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(1)中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(2)

  • 11Mar
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      中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(2)

      倍圧整流(倍電圧整流)とはなんぞや、という点については次のサイトを参考に。単純に言えばAC100V入力をAC200V入力として使えるということ。【参考】倍電圧整流回路動作について(コーセル株式会社)https://www.cosel.co.jp/technical/qanda/a0020.html楊子平(@hn12v1_jp)さんからもお聞きしていたが、やや古いPC用電源などでAC110V/220Vの切り替えが付いているものは中にこの回路が入っていた。具体的な改造例としてはこんな具合。【参考】SOPUDAR SPD-240Whttp://nice.kaze.com/av/sopudar_spd-240w.html【注意】以下分解していますが、内部に高圧部分があり感電の危険があるので、くれぐれも電気の知識が全く無い人は分解しないこと。絶対にコンセントやバッテリーに接続したままで分解しないこと。封印を切って分解改造した時点で製品保証が無くなります。改造は自己責任で。KD-908Dの封印は簡単なものだが触るとボロボロになるシールで綺麗には剥がれない。20年1月ということは先月製造か、すごく新しいな~(この改造をした時はまだ2月だった)。エイヤッ!ケースの中は、ほぼこちらの動画AJ-618D, автоматическое зарядное устройство12-24в.で事前に見た通りだったが、基板のバージョンは動画の中のAJ-618 v5.0からAJ-618 v6.3になっている。1907は2019年7月ってことだろうか?基板にAJ-618と書いてあるからにはAJ-618を出しているANJINGが元機種なんでしょうね。この製品には製造番号が無いのだが、基板には2019年12月のシールが貼ってある。また、よく見るとPWM制御のIC(UC3842a)がDIPからフラットパッケージになっていたり、電源のMOS-FETが2SK956から2SK2654になっていたりして、いくつか部品も減っている。表示部分や電流量は別として、充電機能自体の基本的な構成はおおむね次のサイトで紹介されているのと同じようなものではないか。【参考】Switching charger for car batteries, sealed lead-acid, VRLA batteries and gel batterieshttp://danyk.cz/nab_ab_en.html整流部分はいたってシンプルでヒューズとブリッジDiと電解コンデンサーと抵抗だけで他には何もない。ブリッジDiの型番はKBL-610で6A品。ヒューズの定格は読めないが、改造しても消費電力は変わらないのでショートさせない限り切れないはず。改造前の状態で電解コンデンサーのプラス/マイナス間の電圧を計測すると、AC117V時でDC157.5V、AC102V時DC136.7Vであった。見たところ入力電圧の切り替えに対応したパターンなどは無く、電圧下限は元設計の動作マージンで動いているだけのような気がする(外箱にある「美規」は米国規格のこと??)。もちろんDC136.7Vでは正常に動かない。これを倍電圧整流へ改造しDC270~280V位にできれば使えそう。倍電圧整流ではコンデンサの電圧保持力が足りないと電圧が稼げないので、元の全波整流回路の4倍程度の容量のコンデンサーを付けることになっている。【参考】モータの鳴らし方byHanDen 回路編 第10回 整流回路http://blog.handen.net/archives/3881339.htmlもともと付いているのは100μF/450Vなので、470μF/200Vあたりが欲しいが、秋月電子八潮店の通常在庫品の中でこれに使えそうなのはルビコンの390μF/180Vか820μF/180Vしかなく、390μFは低背品で直径が太かったので、大は小を兼ねる、と細身の820μFを買ってきた。お値段は1本550円なので2本で1,100円。充電器自体の購入価格が3,499円であることを考えると、ちょっと高いと感じてしまう。横に並んでいる840μF/400Vは特価品で1本50円だったが、もちろんサイズが大きすぎて使えない(のに、あまりの安さについ買ってきた)。前述のように古いPCの電源には同じ回路を採用している例が多いので、捨ててもいいジャンクのAT/ATX電源を持っていたら使えるコンデンサが取れるかもしんない。もともと付いている電解コンデンサを取り外し、パターンを一箇所カットしてジャンパ線を飛ばし、基板上にある既存のスルーホールを利用して新しい電解コンデンサ2本に配線する。既存の穴にはAJ-618の古いバージョンの基板を見ると抵抗やコンデンサが付いているがこの製品では省かれている。無くても動くものはどんどん削られてしまったらしい。電解コンデンサーはとりあえず養生テープで貼ったが外れて中で転がるとショートするのでそのうちアルミ板か強力両面テープで固定しよう。放熱板に絶縁シートが使われていないので感電の危険もある。赤字部分が変更箇所。改造により整流後の電圧はAC101V時でDC280Vとなった。改造前の回路に換算するとAC209Vを入力しているのと同じだが、それでも海外規格の220Vより低いのか。しかしこれで目論見通りステップアップトランス無しでそのままコンセントにつないでも正常動作するようになった(逆に220V地域では使用できなくなったが)。充電もちゃんとできる。改造後の弊害として、起動時のコンデンサへのチャージ電流が増えたので電源コードをコンセントに挿したときに火花が飛ぶようになった。また、逆にコンセントから抜く時はスパッと電源が切れなくなって断末魔の挙動がある(液晶画面が数回明滅する)。そこで数日後、インラッシュ対策で再度改造を行った。電解コンデンサを日米商事で1個110円で調達できた470μF/200V2個に交換し、FUSEとブリッジDiの間にパワーサーミスタ(5D2-07LC)を追加。サーミスタを取り付けるべく基板のパターンをもう一箇所カット。高熱になるのでハンダ付け面積を稼ぎ、足も長いままとした。5D2-07の最大コンデンサ容量はAC100V時で400μFとされており、多少不安はあったがその後半月ほど充電を繰り返しているものの今の所問題は起きていない。整流後電圧はAC102V入力時で276Vと4V下がった。充電器なので、電圧さえ大幅に低下しなければリップルは気にしない、と、波形は見ていない。この再改造で火花はおさまったが電源を切る時の断末魔挙動は変わらず。本機の自動充電の動作は電圧が低い間は「恒流(定電流)」で充電し、充電電圧が13V台になると「恒圧(定電圧)」充電、充電終了電圧である14.4~14.5Vに近付くと「浮充(フローティング充電)」となり、続いて充電完了状態である「涓流(トリクル充電)」となるか、または「無負荷」となりPOWER SUPPLYの赤色LEDが消灯。その後は12.7~12.8Vをしきい値としてバッテリー電圧が下回ると充電状態に復帰するようである。正常動作中は充電状況に応じてファンの回転数が変わり、ゴーという音はするが、amazonのレビューにあったようなカチカチという音が連続して耳障り、という状況にはならない。充電電流を10Aレンジがある安物テスターで測ってみた。無負荷無電源時にバッテリーに接続すると0.05A流れる(説明書にはコンセントにつながないと充電器自体が2W消費するとある)。コンセントに電源コードをつないで、液晶表示上は4.0A充電していることになっているが、テスター表示では2.2A程度しか流れてない。テスターリードが細いせいかもしれないが、充電電流表示については水増し疑惑がある。表示上は13Vで20A流せるのかも?しれないが、実際に260Wの能力があるのかはかなり疑問である。簡易ではあったが充電波形をオシロで見てみた。瞬間的なピークを持つ大きな波と電圧は小さいがより周波数の高い波の2つがあるように見える。これがダブルパルス充電と言うものか。とりあえずハムやリップルではない波を確認できたので、それで良しとする。充電切替を通常バッテリーからリチウムバッテリーに切り替えると充電電圧表示が12.5Vに下がる。通常バッテリーで自動充電から手動充電に切り替えると16.1Vになる。手動充電で電流を多めに流せば急速充電ができるはずだが、うちのバッテリーは密閉型のメンテナンスフリー鉛バッテリーなので、自動充電以外のこれらのモードや、24Vバッテリーへの充電は試していない。今のところ液晶表示で10A程度まで流している限りではトラブルやバッテリーの発熱の経験は無い。パルス充電によるものか、バッテリー容量の回復(充電・放置後の電圧向上)も確認できている。他に気になる点としては、ショート検出保護機能が働いてない可能性がある。海外の動画では無負荷でも充電クリップを接触させると警告音が鳴っているが、うちの個体では鳴らない(鳴らないだけで電流が流れないのならいいのだが、要注意だ)。説明書にはショート保護の記述があるが、amazonJPの商品説明には無い。逆接続検出機能は働いており警告音が鳴る。この機種(と類似機種)は日本以外の国ではベストセラーというか、かなりの台数が出回っているようだが、記事に書いた通りで日本国内でそのまま使うには難がある。全自動充電器なので、本来なら「買って説明書もロクに読まずに電源つなげばすぐ使えるでしょ?」という性質の製品なのだが、日本においては、そういうお気楽な使い方を求める人は高くても国内メーカーの保証付きの製品を買うほうが良く、この製品はお勧めできない。一方、自己責任で理解して使う人にはコスパとても良い製品だとも思った。次回、日本語説明書です。(つづく)※2020年3月21日追記MonfaraのMF-2Cという中国製全自動充電器があって、下記のレビュー記事にある内部写真を見た限りではこれもAJ-618系統の基板に見える。が、この充電器を無改造のまま国内電圧AC100Vで使っている方は複数いらっしゃるらしい。なので、定格入力電圧範囲外とは言え、必ずしも改造しないと国内では使えないというわけではなく、個体差やロット違いで動く場合もあるのかもしれない。【参考動画】Monfara MF 2C 12v/24v充電器(中華製)【内部写真】Зарядка для автомобильных аккумуляторов Monfara mf-2c — просто, дешево и работает※2020年9月23日追記その後も快調に使用できている。改造さえできれば安定している。ただ、説明書にもあるが完全に放電している(本機をコンセントに繋がずにバッテリーに接続してもバッテリーの電圧で起動しない)バッテリーだと、無負荷になって入っていかない。説明書にあるように同時に負荷をかけてみようにも電圧が足りないので、GSの充電器で少し充電して電流が流れるようになってからこの充電器を使っている。本機と同型のANJING AJ-618Dに、AC110V台湾専用機があることが判明した。これが入手できればそのまま日本でも動く可能性が高い。でも、お値段が$1000以上だったので買う気はおこらないが。その広告に、次のような記述があった。品牌 ANJING;型號 AJ-618D國標;型號 AJ-618D美規;型號 AJ-618D歐規;型號 618D英規+3元;電池類型 鉛酸電池;輸入參數 220v;輸出參數 12v、24v;前記事に購入時の外箱写真を載せたが、そこには「美規」と書かれていた。やはりこれはアメリカ向けのように思う(の割には117Vだと不安定だったが)。台湾仕様がどれにあたるかは不明だが、「歐規」がヨーロッパ仕様、「英規」がイギリス仕様(他の欧州諸国とコンセント形状が異なる)なのはおそらく間違いない。國標は中華人民共和国国家標準(GB)か?中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(1)中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(3)

  • 10Mar
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      中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(1)

      久々に音響機器やパソコンと無関係なネタです。本記事で紹介するKD-908Dの日本語説明書が読みたい方は中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(3)へ。半年以上動かさなかった自動車のバッテリーが完全に上がってしまった。電圧を測定した所なんと4.5Vしかない。完全な過放電状態である。自宅にある古い充電器は充電電流も少なく時間がかかるし、弱ったバッテリーを修復できるというパルス充電器を新調することにした。amazonで通販購入したのがこちら。Fanatical purchasejp全自動パルス バッテリー充電器 (バイク~ミニバン・小型船舶・大型トラック) 大電流 20A 12V/24V兼用 バッテリー診断機能付 維持充電方式 長期保証1年https://www.amazon.co.jp/dp/B082CXRX1D/うちの車のバッテリーは70Ah(57412)だが、これなら7A以上流せて全自動。国内メーカーのパルス充電器が8,000円~のところ、これは3,499円で買える。ちょっと気になる所もあったがまあいいやとポチり。以下に商品説明を転載する。●パルス充電でサルフェーションを除去しバッテリーのパワーを復活させる。●車のバッテリーを外さず繋いでコンセントを差し込むだけで誰にでも簡単充電●バイク~ミニバン・小型船舶・大型トラックに対応●バッテリー接続時火花がでない安全仕様●充電完了後も長期つなぎっぱなしや自然放電も自動検知し最善の充電を行い過充電の心配なしのトリクルパルス充電●2段階のバッテリー診断で充電初期段階で充電可、不可を診断し充電後半にてバッテリーの充電状態を分析しバッテリーをきっちり診断でバッテリー不良を見逃さない●ダブルパルス充電で劣化したバッテリーを長寿命にする。●6つの保護回路(逆接続・バッテリー不良・電圧確認・過電流・高温・タイムオーバー)で安全・安心【使用上の注意】●本製品をご使用前に取扱説明書をよく読み十分に理解された上で使用してください。取扱説明書には重要事項の説明が記載されています。記載内容に従わず使用した場合、重大な事故につながります。●タバコなど火の気がないところ、風通しの良い所でご使用ください。火の気の近くや風通しが悪いと、バッテリーが過熱、爆発することがあります。●バッテリーの温度が体温より温かい時は、冷ましてから充電を開始してください。本製品が過熱、発火したり、バッテリーの液もれ、過熱、爆発の原因となることがあります。●子供、乳幼児にはてをふれさせないよう注意してください。けがや感電することがあります。●木くず、可燃性オイルなど可燃物の周辺で使用しないでください。万が一引火した場合、傘の原因となることがあります。●バッテリー充電の接続は次の手順で極性に注意して行ってください。充電器側+赤クリップ→バッテリー側+端子、充電器側-赤クリップ→バッテリー側-端子、確実に接続しなかったり、極性を間違えて接続した場合に本製品が過熱、発火したり、バッテリーが過熱、爆発する原因となることがあります。●充電中にバッテリー充電クリップを取り外さないでください。車両火災、感電、爆発の原因となることがあります。●直射日光課下や発熱体の近辺など高温の場所、湿度の極端に高い場所、雨、雪等の水分のかかる場所、ほこりの多い場所や化学性ガスの被害をうけやすい場所では使用、保管はしないでください。漏電、感電、過熱、爆発、故障の原因となることがあります。●以下のバッテリーには充電しないでください。ニッカドバッテリー、ニッケル水素バッテリー、リチウムバッテリー、一次電池(アルカリ・ニッカド)、乾電池等●定格出力: DC12V 24V/20A(最大電流)●適合バッテリー: DC12V/24v(開放型・密閉型・AGM)鉛バッテリー●適合バッテリー容量: 6~200Ahちなみにこちらが昭和な時代から使っているGS製充電器。ポリスイッチとヒューズ以外に何の保護機能も無い。これはこれでインテリジェントな充電器が不良と判断するバッテリーであろうととりあえず充電ができるし、充電初期の電流計の針の振れ方で内部抵抗の様子がわかるので捨てられないものだったりする。さて、ちょっと気になる所というのは購入者レビューが芳しくないことだ。ユーザー評価は★★★3つで、レビューに曰く、「チャージランプが点滅して、液晶ディスプレイの謎の中国語がちらちらして、充電されなかった」「開封したら本体が傷だらけ」「取扱説明書的な紙は全て英語な上に使い方、エラー等の表示の詳細説明は皆無。バッテリーのチェックは可能でしたが肝心の充電は全く出来ず」「内部のリレーが高頻度でカチカチとうるさく、室内でバッテリー充電する場合うるさくて安眠の妨げになる」などなど。これに対し、船舶用に陸電100Vで使っている、ちゃんと充電できた、という意見もあるにはある。液晶表示が簡体中国語なのが日本人視点では印象悪いんだろうなきっと、でも自分は平気だし、などと思っていた。この時点では。商品は送料無料であっという間に届いた。外箱には「快盾(KuaiDun)」というブランド名と、佛山快盾科技有限公司というメーカー名が印刷されている。「智能脉冲充电器」とは「インテリジェントパルス充電器」という意味。開封すると充電器本体と英文マニュアル、中国語と英語による保証書、合格証(QC Pass)が入っていた。前述のGS製充電器である程度充電済みの予備バッテリーを用意し、レビューにあったように本体の電源コードをコンセントに挿し込まずに(本機種には電源スイッチが無い)充電コードのみをバッテリーにつなぐと火花が飛んだ。火花が飛ぶこと自体はまったく不思議なことではないが、火花が飛ばない安全仕様って書いてなかったか??パネル面に12Vの緑色LEDが点灯し、液晶画面に電圧がちゃんと表示された。なお、液晶の視野角は意外と狭い。この状態で充電モードスイッチをAUTOMATIC REPAIRに、バッテリー種類をORDINARY BATTERYにして電源コードをコンセントに挿すと自動で充電を開始するはずなのだが・・・カチカチと音がしてPOWER SUPPLYの赤色LEDと液晶パネルが明滅するだけ。背面のファンもちょこっと動こうとするが回転はしない。まさにレビューにあった「バッテリーの状態表示だけはできるが充電はしない」「謎の中国語がチラチラするだけで動作せず」という状態だ。試しに本来充電を目指している過放電バッテリー(電圧4.5V)に接続するとバッテリーの状態表示すらしてくれない。過電流保護機能が働いているのだろうか?よくわからないので英文説明書を読んでみた。ん!?定格入力電圧がAC150V~250Vになってません??これでは日本国内の電灯線電圧100Vでは使えないじゃないか。しかし、この説明書自体も項目が繰り返しになっていたり、文章が途中で欠落していたりで内容がやや怪しく、どうも別の製品のセカンドソースらしいのだ。この説明書の元になったであろう充電器の説明書はたぶんこれ。User Manual. Model: XW-10. XW-20. XW-20B. XW-208. XW-30. XW-40. (PDF)また、実際に購入した個体のパネル面に記載の型式はKD-908Dだが、ネットで調べてみると同じ説明書を使っている中国製充電器が他にも多数あることがわかった。ANJING,KKmoon,LUNDA,Monfara,Ungfu...などなど複数のブランドからAJ-908D,LD-618D,AJ-618D,AJ-618E,AJ-618F,MF-3S,JC-030などの型番で販売されている。外観は同じものもあれば違うものもあるが使用方法や説明はみな同じ。例の中国語液晶パネルが無いものも含めるともっと多くの類似機がある。本体背面のシール記載の定格電圧は"~220V"になっており、最低電圧は書かれていない。amazonJPで売っているものだからきっと日本の電圧にも対応しているだろう、レビューにも陸電100Vで動いたとあるし、と疑いもせずに買ったのだが、冒頭の商品説明をもう一度読みなおすと、どこにも入力電圧の値が書かれていない。海外通販サイトの同型機種の説明に、動作電圧をAC130V~と書いてあるものがあるので、試しに手持ちのAC100VをAC115Vに上げるステップアップトランス(容量600VA)を通してみたら動いた。電源が間欠することもなくLEDや液晶も連続点灯する。バッテリーにつなぐとちゃんと充電動作する。この時、壁のコンセントのAC電圧は102Vで、これがトランスで117Vに上がっていた。なるほど、これが日本国内で動いたり動かなかったりした理由か。壁コン電圧が高い所なら個体によっては動いた事もあったのかもしれん。電流はパネル面のつまみで調整できるのでバッテリー容量の1/10の7Aにした(3~4A程度まで絞れる)。テスターで充電電圧を見ている限り、液晶に表示される電圧は概ね正しい(手持ちのテスター表示より0.1Vほど高い)。この状態で充電しながら様子を見ること20時間ほどはちゃんと動いた。しかし、ふと気付くとまたPOWER SUPPLYが消えており、電源コードを一旦抜いてつなぎ直すと再びカチカチと電源が間欠。数分間放置してからつなぐと正常に動くが、また数分すると間欠。どうやら117Vでも電圧が低すぎるみたい。辛うじて動いたけど長時間使っているうちにどこかの部品に負担がかかった可能性もある。海外のサイトを見る限り、ディスプレイが中国語なのは英語でも指摘があるが、amazonJPのように「使えない」というレビューは一切無く、ちゃんと動くらしい。やはり対応電圧の下限が日本に合わないことが原因としか思えない(日本は世界で最も家庭用AC電圧が低い国だからね)。220Vへ昇圧できるステップアップトランスを買うか?いやいや、それだと充電器本体より高くて本末転倒だ。やはりこのまま動作不良で返品するしかないのか・・・?ツイッターでこの話を書いていたら、楊子平(@hn12v1_jp)さんから電源部分を倍圧整流に改造してみては?とご意見をいただいた。返品しても3,499円だしなあ。ここはひとつ、飲み代1回分で遊んだと思えばいいか、と思い開けてみることにした。(つづく)中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(2)中国製全自動パルスバッテリー充電器を日本で使う(3)

  • 19Jan
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      ZOOM F8で録音したWAVファイルをCubase/Nuendoで処理すると変だ(解決済み)

      今回の問題は確かに存在する(した)のですが、レアケースなため大半の人々には問題にならないものと思われます。もしかすると同じ悩みを持つ人がいるかもしれないので書き残します。■どういうこと?Nuendo6の最終バージョン 6.0.7 をWindows10で長い事使い続けているのですが、ここ2、3年ほど、プロジェクトファイルを開きなおした時に一部のWAVファイルが読めなくなる現象に悩まされていました。昔はこの現象に悩んだ記憶が無いので、てっきりWindows10かHDDをSSDに変更したことによる影響か?と思ったりしていたのですが、検証してみた所、これはBroadcastWAVの特定のMETA情報の有無によるものではないか、と思われます。具体的な例を見てみます。44.1kHzのWAVファイルを2本用意して、新規プロジェクト(48kHz/16bit)にオーディオインポートします。WAVファイルとプロジェクトのサンプルレートが異なるので、インポート時に下のようなオプションが出ます。赤枠内のどちらか、またはどっちにもチェックを入れると、元のWAVファイルからインポート時に変換されたWAVファイル(以下、便宜上"内部生成WAVファイル"と記述します)がプロジェクトフォルダー内にできます。ここでは、「プロジェクト設定に適合」にチェックを入れたので、44.1kHzから48kHzに変換された内部生成WAVファイルが自動的にできます。下記のように2本のステレオトラックが出来て波形が表示されました。もちろん、音も出ます。441k16b_ME-01 は普通にダウンロードしてきた音楽WAVファイルです。441k16b_SE_ZOOM_F8-01 はZOOM F8で録音したSEのファイルです。これを更に、「トラックの変換」機能を使って元ファイルを残したまま、モノラルトラックへ分割してみます。下の画面のようになりますね。波形も出ていますし、ソロで再生しても各トラックしっかり音も出ます。ロケの同録をディレクターが編集したものをWAVでもらったりすると、1chがカメラマイク、2chがピンマイクのステレオWAVになっていて、これをモノラル2トラックに分割する、といった使い方を、整音では普通に行います。ここでも、モノラル化した音は内部生成WAVファイルとしてプロジェクトフォルダー内に自動的に保存されます。この時点のプール画面を見てみると、ふむふむ、/Audio/Split/ というフォルダにモノラル化されたWAVが出来ていますね。すべてのWAVファイルは波形も表示されていて何の問題もなく再生されています。なので、編集したりミックスしたりは普通にできます。ミックスダウンすれば音も別ファイルに正常に書き出されます。よし、今日の作業はこの辺にしておこうか、と、プロジェクトを閉じます。で、再度開くと・・・、所在不明のファイルが発生している。エエ、ナンデ??プール画面を見てみる。さっきまで波形などが正常に表示されていたはずの内部生成WAVファイル3つは、波形が空白になって状況が「?」表示になっています。編集画面上でも灰色のブロックになってしまって波形表示されず、音も出ません。該当のWAVファイルはプロジェクトフォルダ内に存在していますので、読めなくなっているファイルを「所在不明のファイルを検索」画面から「場所」で指定してみますと、無情にも「形式が不適切」と警告されて読めません。実際にNuendo以外の再生ソフトで問題のWAVファイルを再生させても再生できません。プロジェクトをいったん閉じて再度開くと内部生成WAVファイルが読めなくなるこれが今回の取り上げる問題です。■原因を追究するさて、さきほどの画面でも2つのWAVファイルのうち、上のほう、音楽のWAVは再度開いた際もちゃんと波形が出ています。色々調べてみた結果、この現象、私の環境においては手持ちの「ZOOM F8」という録音機で録音したファイルで起こることがわかりました。サンプリング周波数やビット数、ステレオ・モノラルには関係がありません。使っているSDカードにも左右されません。ZOOM H4で録音したファイルでは起こりませんでした。インポートしたWAVファイルをMediaInfoで比較してみます。これは、正常な内部生成WAVファイルができる441k16b_ME.WAVこちらは問題が起きるZOOM F8で録音した441k16b_SE_ZOOM_F8.WAVで、META情報が表示されています。ZOOM F8はBroadcastWAV形式でファイルを作り、その中にはファイルの作成者や、録音時のタイムコード等の情報が含まれます。これは、再生異常になる内部生成WAVファイルを読ませたものです。赤枠部分に表示されるはずのPCMのフォーマット情報が出ない反面、元のF8ファイルからのMETA情報は表示されています。正常に再生はされないものの、データ自体は書き出されています。変換されたのでfsは48kHzでモノラルのはずですが、META情報は最初のファイル生成時のままで食い違っています。この辺が原因なのだろうか?なお、ここで注意すべきことは、読めないのは内部生成WAVファイルだけであって、元のF8の録音ファイルはちゃんと再生されて音も波形も出る、ということです。元のF8のWAVファイルから「サンプルレートを変換する」「トラックの変換を行う」「WAVファイル(イベント=サウンドクリップ)に対してプラグインの適用をして、その結果を反映させる」といった内部生成WAVファイルの書き出しをして、かつプロジェクトを一旦閉じて再度開かないとこの問題は発現しません。ちなみに、一旦閉じる前には波形表示や再生が正常ですが、この段階で内部生成WAVファイルを別の所に保存してもダメです。作った時点でWAVは既に壊れているが、閉じるまでは一時作業用の別ファイルになっているようなのです(同じ処理を大量にやる場合が多いので、さすがにオンメモリですべてやっているとは思えない)。正常動作している間に「選択イベントから独立ファイルを作成」しても結果は同じで、ここで作成した独立ファイルも後から読めなくなりますが、音が出ているうちにオーディオミックスダウン(バウンス)で別ファイルに書き出したものはプロジェクトを再度開いた際にも正常です。BroadcastWAVファイルに含まれるMETA情報、BEXTチャンク、iXMLチャンクが悪いのでしょうか?試しにNuendo6自体でBEXTチャンク、iXMLチャンクが含まれるWAVファイルを作って読ませたり、既存の別のBroadcastWAVファイルを読ませたりしてみましたが、この問題は起こりませんでした。また、これはNuendo6だけで起こる現象ではなく、Cubase5でも起こりました。しかし、一方でCubase10.5では起こりませんでした。つまり、Nuendo6ではZOOM F8が書き出す新しいBroadcastWAVのMETA情報の処理の一部に対応しきれていないが、その後のバージョンではこの問題が解決している可能性が高いと思われるのです。さっさとNunedo10にしろし。BWF Meta Edit (http://bwfmetaedit.sourceforge.net/)というソフトでBroadcastWAVのMETA情報が閲覧編集できるので、これを使ってF8のファイルを見てみました。Tech情報Core情報(の一部)これを一部消して反応を見ようとしたのだが、なぜかうまく消えてくれない。昔からあるWAVから不要なMETA情報をむしり取るソフトStripWAV (https://www.lightlink.com/tjweber/StripWav/StripWav.html)を使ってみます。このソフト、インストール時の初期設定のままだと開いたファイルからMETA情報をむしって保存する所まで一気にやってしまうので、META情報消したくない場合はうっかり放り込まないように注意しましょう。Optionsから"Auto-Strip On Open"のチェックを外し、Quick Strip Optionの設定で、下図のように Quick Strip をしないように設定してから使います。Quick Stripのままだと、「META情報消すとファイルの頭に0.186秒の無音が付くけどいい?」という警告が出て実際に時間が増え、0.186秒音が後ろにズレてしまいます。Clean Quick Strip Onlyか、Slow Stripだとズレません。META情報を取り去ったWAVをインポートした結果、ZOOM F8で録音したWAVファイルをインポートしてから閉じて開いても、ちゃんと表示され内部変換WAVファイルの問題は発生しません。プール画面でも正常です。しかし、この結果からすると、同じMETA情報形式のWAVファイルならZOOM F8のものだけでなく他のファイルでも同様に起こるはずです。かつ、META情報の中には個人的に非常に重要なタイムコード情報が入っています。現場ロケでカメラのタイムコードとシンクロさせたり、Nuendoに取り込み後、録った時間軸に沿ってクリップを自動で移動させたり(「移動→元のポジション」)する際に必要な情報です。なので、できれば消したくない。また、記事としてより正確を期するなら、RIFFのWAVEフォーマットとその拡張仕様、BWF-Jの仕様を理解してより細かい検証をするべきでしょうが、実用上、今回の追求はここまでで。やはり、さっさとNunedo10にしろという神の啓示だな。(がんくま)