オーディオドラマ制作サークルpurplesounds@hotmail.co.jp過去作品は右側の「テーマ」から「作品」をクリックで表示されます。2024年10月27日(日)開催の M3-2024秋 に参加します。スペース番号は コ-21B です。
2年前の話ですが中古で買ったAM/FMステレオチューナーの軽修理を記事化します。TechnicsのST-G80Tです。特に機種にこだわりはなく、動きそうで安くて小さい奴をハードオフの店頭で探したらこれでした。背面のAMのループアンテナを取り付ける樹脂製パーツが欠品しています。というか別機種のアンテナが付いてるような。AMもFMも受信していてAF出力もあるので大した問題ではありません。困るのは液晶表示部のバックライトが切れていて表示が真っ黒な事です。よーく見ると表示しているのはなんとなくわかる。早速分解します。自分より前に誰かが開けた形跡はありません。バックライト部分には金属製の覆いが付いています。これをフロントパネルから取り外し電球を覗き込む所まではできましたが、電球の外し方がわかりません。灰色のソケットをひねると抜ける位置があるのか?とか、電球だけフロント側から引き抜けるのか?とかスマートな解決方法を考えましたが、正解は力任せに無理やり引き抜く、でした。本機には時計とACタイマー機能があり常時通電が前提の製品で電球なんて必ず切れるのに交換のことはあまり考えられていないのかな?と思っていましたが、電球の交換だけならパネルや覆いまで分解しなくても良いって構造でした。切れていたのは9.6V 0.27Aのスタンレー球。千石電商で12V用のT10ウェッジ球互換の特価品LED(270円)を買ってきました。前面だけ発光するものだと反射板(覆いの部分)が生きないので周囲も光るやつ。反射板やアクリルパネルを清掃した上で取り付けてみました。白色ではなくアンバー色にしたのでオリジナルに近い色のはず。定格より低い電圧で点灯させているせいか思ったより暗い。しかし明るすぎると文字以外の場所を透過して光ってしまい黒地にならないのでこんなものかな?自社製品のために自社で半導体を作るってのが今からすると良い時代ですね。5万円位する機械だったそうで、今はラジオを聞くだけの機械にそんな値段は出さないでしょう。通電直後は音が悪かったのですが、ケミコンの復活に伴いじわじわ音が良くなっていきます。受信機能には問題点を感じないので電球以外の部品交換はしていません。本機が発売された1980年代後半あたりはオーディオブームで日本の家電メーカーがつよつよだった頃。購入層もハイスペック志向だったので回路や機構名を誇らし気にデザインに入れていました。今は操作に必要な情報以外はあまり主張しないスッキリデザインがウケるのでこんなところにも時代を感じます。classAAか、何もかもみな懐かしい。(がんくま)
普段使いのスマホがOUKITEL WP6からWP35になりました。共にラギッドフォンと呼ばれるタフネススマホで10000mAhを超える大容量バッテリーとFHD(2408x1080pixel)解像度のディスプレイ搭載です。OUKITELは年に何回も新製品を出すメーカーですけれど、WP6を使っていた人が2024年の夏~秋あたりに同じ使い勝手を求めて乗り換えを検討するとWP35かWP39になると思います。※レンズとレンズ周りに保護フィルムを貼っています。WP35/39と同じ5G対応のMediaTek Dimensity 6100+(8コアSoC)を搭載した兄弟機は以下の通り。WP33PRO バッテリー容量 22000mAh RAM8GB+256GB 重量578g 画面解像度 2408x1080WP35 バッテリー容量 11000mAh RAM8GB+256GB 重量360g 画面解像度 2408x1080WP39 バッテリー容量 11000mAh RAM6GB+256GB 重量360g 画面解像度 2408x1080WP50 バッテリー容量 6500mAh RAM4GB+256GB 重量286g 画面解像度 1612x720WP52 バッテリー容量 6500mAh RAM4GB+256GB 重量281g 画面解像度 1612x720WP33PROWP35WP39WP50WP52WP33PROはWP35の1世代前のフラッグシップ機(でも同じ2024年発売なんだけど。SoCが更に上位のWP30PROという機種もあります)で外観のデザインや特徴が4G専用機のWP36と共通します。WP35とWP39は外観が微妙に違う他はほぼ共通で同一機種といっても差し支えない位です。WP39のほうが物理RAMが2GB少なく、カラーバリエーションもグレーとグリーンとブラウンの3色から選べるWP35に対しグレーとグリーンの2色展開。WP39のほうが安いですがWP35との価格差は4~5,000円程度しかありません。WP50はWP35/39とサイズは変わりませんがよりライト路線の下位機種、WP52はWP50のスタイリッシュ版で見た目が一般的なスマホとあまり変わりません(でもラギッドフォンです)。メモリ量と重さに不満が無ければWP39が最もコスパが良いと思います。WP6のスパルタンな外観デザインからするとWP35はだいぶオシャレになりました。WP6の発売当初は公式映像で油で揚げたりしていましたが今回そんな売り方はしていないようです(笑)。WP6仕様上は厚みも重量もごくわずかにWP35のほうが薄くて軽いはずですが、現物を手に持った感触ではサイズも重さも同じです。「筋トレスマホ」と表現していたWP6を毎日持ち歩いていた人なら違和感無く使えるでしょうが、一般的な170g前後のスマホから買い替えると「うっ!重い!」と感じるでしょう。重量が600gに迫るWP33PROはさすがに買う気になれませんでした。■WP6からWP35ヘ移行して良くなったこと☆USB Micro-B端子からの解放一番はこれに尽きます!!WP6最大の泣き所でMicro-B端子が壊れて充電不能になってしまうので何度充電端子基板を交換したことか。WP35はUSB-C端子になったのでPD充電器も使えますし、QIワイヤレス充電にも対応しています(ワイヤレス充電には非対応でした。訂正いたします)。USB-C端子には防水キャップが付いていますが、このキャップが外しにくいです。WP6と同様にUVC対応でアプリを入れれば外部ディスプレイとしても使えます。☆5G対応&対応バンド向上これから先3~4年使う可能性を考えると、さすがに4Gまでしか対応しないHelio G99やMT8788搭載機は今回の購入対象になりませんでした。Helio P70搭載のWP6はauのプラチナバンドへの対応が弱い欠点がありましたが、Dimensity6100+搭載機はdocomo/au/softbank共に主要プラチナ3バンドに対応しました。楽天モバイルはプラチナ2バンド対応です。技適認証もあります。☆RAM 4GBから8GBに後述しますがMediaTekのSoCがバックグラウンドアプリに厳しいのと、WP6で遊んでいたソシャゲも近年徐々に肥大化してメモリ4GBではたびたび途中で止まっていましたが、これで解決です。よほど3Dでぐりぐり動くゲームで無い限り、「原神」「ウマ娘」「ブルーアーカイブ」程度のゲームなら問題なく遊べると思われます。☆内蔵ストレージメモリの高速化コピーがだいぶ早くなりました。動作自体も多少キビキビしました。android14のアニメーションに慣れないので開発者オプションで切ってしまいました。☆Android14これも時代が進んでWP6のandroid9では使えないアプリがいくつかありまして改善しました。しかしマイナー機種のためBlackmagic Cameraは残念ながら使えません。☆カメラの性能アップWP6もWP35も同世代の高級スマホと比べるとカメラ性能がさほど高くありません。それでも廉価版のAndroid PADに付いてくるような内蔵カメラに比べるとだいぶマシで、SNSやブログにアップするスナップ写真は普通に撮れます。WP35はメインカメラがWP6の32MPから64MPに向上しただけでなく、白黒のナイトビジョンカメラと接写用のマクロカメラが付きました(WP6にもレンズが複数付いているように見えますがあれはイミテーションです)。デフォルトのカメラアプリの使い勝手も向上しており、特に気合を入れてアーティスティックな写真を撮りたいというのでなければ実用上の問題はまったくありません。☆顔認証指紋認証に加えて顔認証にも対応しました。しかも認識速度が爆速です。指紋認証と電源ボタンが共通になって使い勝手的にどうなの?と思いましたが悪くありません。☆スマートキー左側面に赤い独立したハードウェアキーが付きました。設定によりユーザーが使い方を変更できます(「設定」から上部のタブで「関数」を選ぶと設定アイコンがあります)。一度押し、二度押し、三度押しで動作を区別でき、スクショやライト、カメラ、音声レコーダー、特定のアプリなどを即時に起動できます。☆専用ケースが付いてくるWP6はむき出しで使っていました。個人的にはケース要らずで傷が付いても気にしないのがラギッドフォンの使い方だと思っていますが、WP35には透明保護ケースが付属します。ケースを付けると持った感じが少し大きく感じられ、本体裏面のすべり止め模様の意味が無くなるので個人的にはビミョーです。しかし日本で専用ケースを買うのは難しいと思うので欲しい人は多いはず。WP6と異なりカメラレンズ部分が凸部になっているので専用ケースを付けたほうが縁が盛り上がり机に置く時多少安心ではあります。液晶面には買った時から飛散防止で薄いフィルムが貼ってあります。WP6のゴリラガラスは丈夫でかなりの回数落としたにもかかわらず4年近く割れませんでしたが、最後の最後に打ち所が悪かったのかとうとう割れてしまいました。WP35には薄いフィルムの上からノングレアのフィルムを貼りましたがタップやスワイプ動作は良好です。ただし細かい部分の解像度は光沢タイプのフィルムに劣ります。■WP6からWP35ヘ移行して悪くなったこと★有線イヤホン端子が無くなった最近の傾向に沿って3.5mmミニジャックが消えました。Bluetoothイヤホンは確実性に劣り仕事で使っているヘッドホンが使えないので不便です。ネット配信用途でミキサーとの接続にTRRSを使いたい時もあり、USB-CからTRRSへの変換ケーブルを買って使うことになります。試してみたところUSB-C端子にアナログ音声は出ていないようで安価なDAC無しタイプでは音が出ません。DAC内蔵タイプは音が出ましたが、音声端子とは別に充電用のUSB-C端子が付いているタイプを使ってみたところ、音声出力と同時に充電はできませんでした。充電器を繋ぐと充電接続の認識はしますが、実際には放電が続きます。設定→システム→開発者向けオプション→メディアの「USBオーディオルーティングを無効化」をオンにすると充電しますが、当然音声出力はできなくなり充電速度も遅いです。もっとも私が買ったケーブルが非対応なだけで、充電と音声出力が同時にできる他の製品がある可能性もあります。★FMラジオ機能が事実上使えない上記の理由により標準搭載のFMチューナーアプリを起動してもアンテナとなる有線イヤホンケーブルの接続を認識できないためアプリが使えません。USB-C端子にイヤホンを接続しても駄目です。SoC自体には機能が備わっているのだと思われますが。★SIM2枚とMicroSDの同時使用ができなくなった2枚目のSIMとMicroSDが排他利用になりました。個人的にはauとdocomoを2枚挿ししていたのでちょっと痛いです。もっとも内蔵RAMがWP6の128GBから256GBに倍増しているので128GB以下のSDカードを入れていたなら困らないはずですが。MicroSDは2TBまで対応するそうです。★スピーカーの音量が下がった?どちらもモノラルスピーカーですがWP6は背面スピーカーでそこそこ大きな音で鳴らせました。屋外で他人に聞かせる時に一般的なスマホより大音量で使えて便利でした。WP35はスピーカーが下側になり、音量もパーソナル向けになったようです。他人に聞かせる時に大音量で、という用途にはWP33PRO/WP36のほうが向いています。★電池の持ちWP6のバッテリーが劣化しているので印象論に過ぎませんが、WP6の購入当時を思い出すとWP35のほうがバッテリー消費が早い気がします。性能が上がっているので消費電力も増えたかな。しかし普通のスマホとは比較にならない大容量なので、バックライトの利用を控えたり省電力モードで使ったりという面倒くさいことを考えずに使えるのは楽で良いです。一度満充電すればかなり頻繁に触っても2~3日は余裕で使えます。★お値段WP6購入当時より円安になっていることもあり購入価格がだいぶ上がりました。それでもAliexpressでOUKITELがセールをしている際に買えば3万円前後で買えます。Amazonで買うと結構高いです。ラギッドフォンの良い点はラフに扱っても気にならない所ですが、買い替えを躊躇するような値段の高級機だとこのメリットが出ないと思います。Aliexpressで買った場合、付属の専用急速充電器のACコネクタが中国欧州タイプなので使うなら変換が必要です。■バックグラウンド動作する常駐アプリが停止してしまう問題WP6と同じMediaTekのSoCなので同じように常駐系のアプリ(VPNとかネットワーク監視とか充電監視とか)が時間の経過と共に強制的にタスクキルされてしまいます。個人的には通信制限に使っているNoRoot Firewallが落ちて通信が遮断されたり、4G回線でアップロード・ダウンロードに1時間以上かかるような大きなファイルをやりとりしている最中にブラウザやダウンロードアプリが落ちて時間が無駄になるのが困りものです。WP6の時はシステムマネージャーにある電源の最適化と、PLAYストアからインストールできるActivity Launcherを使って隠しアプリであるDuraspeed(タスクキラー)を呼び出して設定していましたが、本機でも以下の手順でアプリ毎に設定が必要です。Dimensity6100+とAndroid14を搭載しているOUKITEL WP39/WP50/WP52も多分同じ方法だと思います。まずAndroid共通の設定で、設定→アプリ→アプリのバッテリー使用量から強制終了させたくない該当アプリを選んで、制限なし/最適化/制限の3つの中から「制限なし」に設定します。設定の一番上にある「設定」と「関数」を関数にするとアイコンの中にDuraspeed(タスクキラー)があります。※設定→アプリ→◯◯個のアプリをすべて表示(すべてのアプリ)→右上の3点メニューからシステムアプリを表示、でDuraspeedを表示する方法もあります。Duraspeedのアプリのリスト画面の中から該当アプリを選んでオンにします(◯が右側になる状態)。AndroidのタスクマネージャーでDuraspeedまたは何か適当なアプリを見て、右上の3点メニューから「管理」を選ぶとホワイトリスト画面に入れますので、リストの中から該当アプリの右側にある鍵マークをロックされた状態(ホワイトリストに追加)にします。Duraspeedの画面上部に機能全体をオフにするスイッチがありますが何故かオフにしても機能するようです。ホワイトリスト設定を忘れないで下さい。バックグラウンド処理しないアプリは設定する必要がありませんが、バックグラウンドでコピーやダウンロードを行うアプリは設定したほうが良い場合があります。Duraspeed画面の右上の3点メニューから制限記録を見るとタスクキルされたアプリとその時間が確認できますので、不調を感じたら調べてみると良いです。これとは別に開発者オプションの中にもいくつかバックグラウンド動作に関する設定項目がありますが、そこは元の設定のままでも上記の設定で今のところほとんど落ちなくなりました。メモリ8GB積んでるのにケチケチするなよとも思いますが、今までのMediaTek機と同様に回避手段があるだけマシかなとも思えます。 (がんくま)【関連記事】充電不能になったOUKITEL WP6のMicroUSB端子の修理
ムラサキノオトは2024年4月28日(日)に開催される音系メディアミックス同人即売会M3-2024春に参加します。スペースは「う-37a」(TRC東京流通センター第二展示場1階)です。頒布物の予定はサークル初となるオリジナル効果音集です。【収録内容】長距離フェリー船内音夏の夜の虫の音静かな住宅地ベースノイズ静かな地方都市ベースノイズバスの多い地方都市交通音畳の部屋の足音各種踏切音電車通過音一部の音は、通常ステレオ音声と共にダミーヘッドマイク収録したものも含みます(ファイル名とファイルサイズが共通のWAVは通常マイクとダミーヘッドマイクの同時録音です)。48kHzのデータWAVを入れたDVD-RまたはCD-Rになる見込みです。頒布価格は1000円程度を予定しております。頒布枚数は10〜15枚程度で、Boothでの販売は行わず今後も会場限定頒布です。単品なら効果音素材サイトで販売する可能性がありますが、先の話になるでしょう。◎4月26日更新情報船内音と街ベースだけでDVD-Rの容量が埋まりそうなので、鉄道関連の音は今回のディスクには入りません。畳の足音関係も次回以降に別ディスクになる可能性が出てきました。M3前日にまた更新します。◎4月27日更新情報畳と虫の音も収録容量が足りず、次回以降になりました。収録内容のリストを公開します。横須賀フェリーターミナル_有人カウンター付近_Binaural(客とフロントスタッフの雰囲気、エスカレーター、エレベーター).wav郊外の住宅地オープンノイズ_Binaural(無人では無い雰囲気、上空遠くに飛行機、鳥、庭木の揺れ、福岡県古賀市3月).wav郊外の住宅地オープンノイズ_Binaural(車通過、犬、鳥、人が作業をしている雰囲気。福岡県古賀市3月).wav郊外の住宅地オープンノイズ_Stereo(無人では無い雰囲気、上空遠くに飛行機、鳥、庭木の揺れ、福岡県古賀市3月).wav郊外の住宅地オープンノイズ_Stereo(車通過、犬、鳥、人が作業をしている雰囲気。福岡県古賀市3月).wav都市のベースノイズ_Binaural(道路に囲まれた静かな住宅地、路地裏、昼、車通過。横須賀市常葉中学校前).wav都市のベースノイズ_Stereo(道路に囲まれた静かな住宅地、路地裏、昼、車通過。横須賀市常葉中学校前).wav都市の交通音_Binaural(バスが多い交差点、人の気配、カートを引く音、盲人用信号薄っすら。福岡市JR博多駅前).wav都市の交通音_Binaural(中程度の交通量、昼間、横須賀市).wav都市の交通音_Binaural(交通量少ない、台車通過あり、夜。横須賀市).wav都市の交通音_Binaural(国道沿いで交通量多い、徒歩で通過する人、カラス、盲人用信号あり。横須賀市役所前).wav都市の交通音_Binaural(国道沿いで交通量多い、盲人用信号あり。横須賀市).wav都市の交通音_Stereo(バスが多い交差点、人の気配、カートを引く音、盲人用信号薄っすら。福岡市JR博多駅前).wav都市の交通音_Stereo(中程度の交通量、昼間、横須賀市).wav都市の交通音_Stereo(交通量少ない、台車通過あり、夜。横須賀市).wav都市の交通音_Stereo(国道沿いで交通量多い、徒歩で通過する人、カラス、盲人用信号あり。横須賀市役所前).wav都市の交通音_Stereo(国道沿いで交通量多い、盲人用信号あり。横須賀市).wav長距離フェリー_下船する客のガヤ_Binaural(オン移動。船内通路~舷側挨拶~連絡通路).wav長距離フェリー_乗船する客のガヤ_Binaural(オン移動。チケット確認~連絡通路~舷側挨拶~船内通路~エントランスホール).wav長距離フェリー展望デッキ_オープンノイズ_Stereo(ファンネルからの排気音、風が吹いている感じ).wav長距離フェリー展望デッキ_オープンノイズ_Stereo(出港準備~出港。ベースノイズ的。左側港、右側ファンネル。16分30秒~離岸サイドスラスター、19分20秒~後進、26分20秒~停止~前進、船客雰囲気あり).wav長距離フェリー展望デッキ_オープンノイズ_Stereo(後半に姉妹船と行き会い汽笛の交換).wav長距離フェリー展望デッキ_オープンノイズ_Stereo(後方向き。左側にファンネル、右側に海。風が吹いている感じ).wav長距離フェリー展望デッキ_オープンノイズ_Stereo(走行中。風の音を強調).wav長距離フェリー展望デッキ_ドア付近_Stereo(6F船内側のベースノイズ、水の音).wav長距離フェリー展望デッキ_ドア開閉_Stereo(船内からデッキへ、デッキから船内へ、ゆっくり開閉).wav長距離フェリー展望デッキ_ベースノイズ_Binaural(風と波、強風で策具が鳴る。敢えて風でマイクが飽和する感じを狙ったもの。左が風上。高所から飛び降りるシーンなどに混ぜると良いかも).wav長距離フェリー展望デッキ_ベースノイズ_Stereo(風と波、強風で策具が鳴る).wav長距離フェリー展望デッキ_舷側の波音Stereo.wav長距離フェリー船内足音_資料用_Binaural(階段を上る、カーペットの上を歩く).wav長距離フェリー船内足音_資料用_Binaural(階段を下る、カーペットの上を歩く).wav長距離フェリー船内足音_資料用_Mono(階段を上る、カーペットの上を歩く).wav長距離フェリー船内足音_資料用_Mono(階段を下る、カーペットの上を歩く).wav長距離フェリー船内音_4Fエントランス_ホールノイズ_Binaural(走行中).wav長距離フェリー船内音_4Fエントランス_ホールノイズ_Stereo(走行中).wav長距離フェリー船内音_4Fロビー_Binaural(走行中。船客ガヤ、テレビ音薄くあり).wav長距離フェリー船内音_4F客室ツーリストA_Stereo(上段の寝台の人が動く~ベースノイズ的、他人がいる気配).wav長距離フェリー船内音_4F客室ツーリストA_Stereo(船客がいる物音、会話の雰囲気).wav長距離フェリー船内音_5Fトイレ空調音_Binaural(走行中、ベースノイズ的).wav長距離フェリー船内音_5Fトイレ空調音_Stereo(走行中、ベースノイズ的).wav長距離フェリー船内音_5Fロビー_Binaural(走行中、ベースノイズ的、極めて微かに人の声).wav長距離フェリー船内音_5Fロビー_Binaural(走行中。無人。ベースノイズ的。船の振動による音).wav長距離フェリー船内音_5Fロビー_Stereo(走行中、ベースノイズ的、極めて微かに人の声).wav長距離フェリー船内音_5Fロビー_Stereo(走行中。無人。ベースノイズ的。船の振動による音).wav長距離フェリー船内音_5F客室ツーリストA_Binaural(走行中。カプセルホテル状寝室で左側が壁、客の物音あり).wav長距離フェリー船内音_5F客室ツーリストA_Binaural(走行中。深夜。客の物音、微かに寝息).wav長距離フェリー船内音_5F客室ツーリストA_Binaural(走行中。船内アナウンス。客の物音あり).wav長距離フェリー船内音_5F客室ツーリストA_寝台のロッカー開閉_Binaural(3回、左側壁、右側ロッカー).wav長距離フェリー船内音_5F客室ツーリストA_寝台のロッカー開閉_Mono(3回).wav長距離フェリー船内音_5F客室ツーリストA_寝台のロールカーテン開閉_Binaural(2回、左側壁、右側カーテン).wav長距離フェリー船内音_5F客室ツーリストA_寝台のロールカーテン開閉_Mono(2回).wav長距離フェリー船内音_5F客室前廊下_Binaural(走行中、ベースノイズ的).wav長距離フェリー船内音_5F客室前廊下_Stereo(走行中、ベースノイズ的).wav長距離フェリー船内音_6F廊下_Binaural(走行中、テレビ音声と船内エレベーターの音あり).wav長距離フェリー船内音_6F廊下_Stereo(走行中、テレビ音声と船内エレベーターの音あり).wav長距離フェリー船内音_エレベーター_Binaural(内部).wav長距離フェリー船内音_エレベーター_Stereo(内部).wav静かなホールノイズ_Binaural(極めて静かなベースノイズ、時々作業音が響く。横須賀フェリーターミナル待合室).wav静かなホールノイズ_Stereo(極めて静かなベースノイズ、時々作業音が響く。横須賀フェリーターミナル待合室).wav静かな地方の家の室内ベースノイズ_Stereo(室外の強風に揺れる窓や戸袋の音。正面と右側に窓).wav静かな地方の家の室内ベースノイズ_Stereo(極めて静か。風に揺れる窓の音微かに。後半屋外を車が通過).wav今回はフェリーの音を優先したため、かなり惜しい音が落ちてしまいました。夏コミ委託を目指してVol.2を作ります。ご興味のある方は当日ムラサキノオトのスペースをお訪ね下さい。(がんくま)
7年前にベルト交換修理をしたCDチェンジャーSONY CDP-CX350が不調になりましたので再び修理しました。■故障状況・OPEN/CLOSEボタンを押すと扉がオープンするが、CDを載せたトレー(テーブル)が十数秒に一回15枚分ほど左右に回転する現象を繰り返す。・再生ボタンを押すとテーブルが回転するがディスクをローディングできず再生不可能。・ディスプレイにTable Errorと表示される事がある。本機はCDプレーヤーとしては巨大なので極力いじりたくなく半年以上放置していましたが、CDを取り出している最中にテーブルが回転してパネルと扉の間にCDが挟まって1枚割ってしまい、このままではいかんと修理を決意。■原因追及ケースを開けて眺めてみました。再生ボタンを押すとテーブルが回転しローディング位置まで回っていきますが、ディスクを挟む白いクランプアームの位置と0.5枚分程わずかにズレがありローディングできないようです。テーブルがズレて止まった後、手で少し押して正確なローディング位置に合わせてやるとちゃんとローディングして再生することから、再生できない理由はテーブルが止まる位置がズレてしまうためだとわかりました。テーブルが勝手に回ってしまう症状についてはまだわからない。テーブルを回転させるゴムベルトか歯車、またはブレーキ?が摩耗しバックラッシュが出ているのかと思いましたが、少なくともゴムベルト2本は以前修理した際にSONY純正部品で交換しています。しかし可能性を絞り込むためにまずはゴムベルトを交換してみました。以前の修理の際に純正ベルトのサイズを測った記憶はあるのですが記録が探し出せません。現在のサイズから推測するとΦ45mmかと思いましたが、以前の記事に「純正品の直径を測ってみると、どちらも汎用品にあるサイズではない」と自分で書いているので汎用品で買えるΦ45mmではないはず。Φ40mmとΦ45mmの2種類を購入しΦ40mmで交換してみました。Φ40mmだとやはりちょっときつく、若干プーリー軸に負担がかかるかなあ、という感じですが使えます。しかし症状は一切改善しませんで原因がベルトでは無いと確認できました。本機は一旦テーブルを外して取り付けると電源投入時に自動的にテーブルを回転させて位置を認識するようになっています。その際にテーブルの位置を微調整する機能があったような、とネット上で入手した英文サービスマニュアルを眺めていると、初期化モードと自己診断モードがあるとわかりました。初期化(ALL ERASE)CLEARボタンを押しながら電源OFF。電源再投入後、ディスプレイに"ALL ERASE"と表示が出る。実行してみましたが症状変わらず。登録していたディスクの情報は全部消えます。自己診断(AGING MODE)診断モードには各種あるのですが、ここではテーブルエージングモードのみ書きます。1.電源ONしてOPEN/CLOSEボタンを押し、1番、2番、99番、100番、200番のスリットにCDをセットします。他のスリットにはディスクをセットしないこと。2.GROUP1とOPEN/CLOSEと+100の3つのボタンを同時に押します。3.エージングモードに入った場合は再生ボタンと一時停止ボタンのLEDがブリンクします(当方の機種ではEASY PLAYとMEGA CONTROLのLEDもブリンクしました)。4.再生ボタンを押すと扉が閉まってテーブルが回転し診断動作を開始します(写真は正常動作時で24回動作した表示例)。5.エラーが出た場合、エラーコードが表示されます。エラーが出ない場合は動作を繰り返すので、適当な所で電源ボタンを押して停止させます。診断の結果、Err 04が表示されました。サービスマニュアルのコード表によると"No table sensor input"すなわち「テーブルセンサーエラー」であることがわかりました。テーブルの裏側の板には切れ目があって、そこを赤外線?が抜ける様子を検出することでテーブル位置を認識するようです。センサー基板はこれで、テーブル裏の切れ目を認識すると思われる凹型のフォトセンサー4個に加えて、テーブルのスリットの隙間から赤外線を当ててディスクの有無を検出するらしいセンサーもあります。回路図によるとこの凹型のセンサー部品はRPI-1391という型式です(SONY部品番号 8-749-924-18 IC PHOTO INTERRUPTER RPI-1391(TABLE SENSOR))。型式で検索するとAliExpressでヒットしましたので輸入してみました。発注は10個単位でセンサー全部交換しても4個なのでそんなに要らないと思いましたが背に腹は変えられません。HongKong K.L.N Electronic Technology Co.,Ltdhttps://ja.aliexpress.com/item/1005003630899784.html10日ほどでRPI-1391が届きました。お値段は10個で1,863円と送料521円で合計2,384円でした。 回路図によるとセンサー基板からの信号はCN507という7pinコネクタに届きます。メイン基板上で探すとこれがCN507です。テスターで並びを確認すると写真の左側の電解コンデンサーがあるほうが1番ピンで、1 T.SENS12 T.SENS23 T.SENS34 GND5 +5V6 D.SENS7 T.SENS4のようになっています。テーブルが回転している間にアナログテスターで電圧を見るとT.SENSは一旦5Vまで振れたあとパルス状の振幅が減衰していくような挙動をしますが、2番センサー(T.SENS2)のみ出力がありませんでしたので、2番が怪しいと検討をつけました。■修理作業取り外したセンサー基板です。見やすい基板ですね。センサー2番は真ん中です。RPI-1391を取り外し、交換しました。5本足なので向きを間違える心配はありません。元通りに組み立てて動作確認をすると前述のディスク位置を迷うような動きをせず正常にローディングできました。これに気を良くして、ついでにベルトをΦ40mmから新品のΦ45mmに交換し、元通りに組み立てました。Table Error????センサーじゃなかったの????他のセンサーも交換してみましたが、テーブルエラーと迷い回転の症状変わらず。交換直後は動いていたのに、まさか、ベルトか?ベルトでした。ベルトをΦ40mmに戻すと正常動作に戻りました。今回の故障はエラーコードが表示されたので2番センサー死亡が直接の原因でしたが、サイズオーバーと思われるΦ45mmベルトを付けても同様にテーブルエラーが出るようです。ということは経年でベルトが劣化して緩くなっても出る可能性があります。なお、途中で書いたようにエージングモードにはテーブル以外にもディスクセンサーやローディングのチェックをしたりする各種モードがあり、サービスマニュアルを見る限りローディング位置やテーブルセンサーの微調整を行う方法もあるようです。今回はセンサー部品を交換しただけで調整は不要でしたが、部品交換前に調整をしてしまうと部品交換だけで修理できたはずが迷宮に入ってしまう可能性もあると思います。もし同一症状で修理をされる場合は、今回と同様にまず適切なサイズのベルトに交換し、それでもテーブルエラーが治らないならセンサーを調べて交換してみる手順を取ったほうが無難と思います(その後調べてみると海外サイトにテーブル回転用のベルトはΦ42mm/T1.2だという記述がありました。しかし外した純正ベルトを見るとT1.6に見えます)。無事元の場所に設置して正常動作に戻りました。当家ではSPDI/F光出力をSRC2496につないで鳴らしているので本機のアナログ出力を聴くことが無いのですが、今回ブロック図を見たところSONY製のCXD2587QというDSPチップに1bit-DACやフィルター、CDプレーヤー自体のマイコンやコントローラまで全部内蔵されているようで、またもや国産CDプレーヤーが全盛期だったころのSONYの工業生産技術の凄みを感じてしまいました。本記事を参考にした修理は自己責任でお願いします。(がんくま)【関連記事】SONY MegaStorage 300CD CDP-CX350 の修理
以前イヤーパッド交換で記事にしたサウンドハウス(クラッシックプロ)のCPH3000をその後も使っています。より高級なヘッドホンと比べると高域の解像度こそ劣るものの値段の割には良い音で気軽に使えるので利用頻度が高く、だんだんくたびれてきました。2017年に購入しているので7年ほど使っていることになります。ヘッドバンドの汚れがだいぶ目立ちます。人前に出すのがちょいとはばかられるレベルです。プラグの付け根のケーブルが伸びて断線しそうなのでテープで保護しながら使っています。もともと安価な製品です。気に入っているので同じ製品をまた買っても良いのですが、ドライバーユニットが元気なので使えるのに捨てるのも忍びない。■ヘッドバンドを洗ってみたイヤーパッドの時と同様に元ネタの〇ンハイザーのヘッドホン用の部品が使えないかな?と思ったのですがヘッドバンド部分は形が違っていて駄目そう。そもそも交換部品に2千円以上出すようなら新品のCPH3000を買います。まずは洗ってみることにしました。ヘッドバンドの革部分は外側から見えるL/R表記のプレートの裏側にある左右2本ずつ計4本の小ねじでメタルバンドに固定されていますのでまずこれを外します。このネジ回した記憶がまったく無いけど何故か最初からナメています。組み立てに使っている電動ドライバーのビットが#0番ではなくPH0なんじゃなかろうか?ワッシャー付きでプレートに止まっていますのでプレートも外れます。そのままでは革バンドが抜けないのでR側のハウジングを外します。スライダーの部品はクラッシックプロのロゴがある丸い円盤の下にパターンカッターの刃先を入れてぐるりと回すと外れました(接着剤で止めてあるだけ)。中に小ねじ2本があるので外すと分解できます。この部分は再組立て時にネジを強く締めつけると割れる可能性があります。締め具合を調整しようとして触る場合は注意してください。イヤーパッドを外してフェルトのシールを外し、小ねじ4本を抜きバッフル板を取り外してハウジングを分解します。予想と異なりドライバーユニット(振動板)の裏側がハウジング内に露出しておらず、バックプレート状の黒いプラスチックでバッフル板と一体化したケースに収まっています。本家の〇ンハイザーもこういう構造になっているのでしょうか?小さな基板(写真は右側基板ですが基板自体は左右共通)からはんだ付けを外してケーブルをハウジングの穴から引き抜きます。これで革バンドがメタルバンドから引き抜けました。ヘッドバンドの革部分は外側が本革で内側はスウェード調のボア素材です。本革部分は汚れてはいるもののわりと頑丈そう。スウェード調素材の内側にクッション材が入っているようです。触った感じではまだまだいけそう?人間の皮脂を分解する能力に優れていると思われる洗濯用の液体洗剤をぬるま湯に溶かし、ヘッドバンドを洗います。染料が溶け出してお湯が青くなりました。すすぎながらゆるゆると洗っているうちに内側のボア部分が剥がれて禿げ部分ができるかなという気配があり引き揚げて水気を取って乾燥させました。全体に色が褪せたものの黒っぽい汚れはだいぶ取れました。本革部分はやわらかめの歯ブラシで端のほうを洗えばもっと綺麗になったと思う。ボア部分は乾くと毛羽立ちが回復しましたが、やや荒れてしまいました。乾燥したら針金をヘッドバンド内に通します。(後述しますが)このバンドは多層構造になっていて、クッション材の真ん中にケーブルを通す溝がありますのでそこを通します。針金の先にケーブルの端をテープでしっかり止めて引き込みます。しかし、まだいけるかなと思っていたクッション材が洗ったせいなのか経年によるものか固着がぐずぐずで引き込んだケーブルに引き摺られてよれよれになってしまいました。指で戻したけど波打っています。元通りに組んで衛生的には改善したものの見た目はイマイチですね~。■ジャンク品を入手ここで思いがけずCPH3000のジャンク品が入手できてしまいました。色が赤で右側音出ずながら外装が綺麗なので送料込み980円なら買いです。到着したジャンク品の赤いへッドバンド、美品です。内側はもともとそんなに毛羽立っていない。CPH3000はイヤーパッドが外れやすいのが欠点(一旦外れ癖がつくとすぐ外れるようになる、外れたあと付け直すのが面倒)ですが、バッフル板にスポンジ付きの強力粘着テープ4個が貼られていてイヤーパッドが外れないように対策されていました。メーカーで施されたものか、前ユーザーが自分でやったものなのかわかりません。しかしなるほど確かに外れにくくなっています。故障原因を探るため分解しました。例のネジの+溝はやっぱりナメています。左側の基板の配線アップ。基板は右側と同じものですがヘッドバンドを渡るケーブルの配線が増えていてやや複雑です。故障原因は右側のドライバーユニット不良でした。横にすると鳴るのですが縦にすると鳴りません。バックプレート部分を爪で叩くと音が途切れるので、内部に断線しかかりか接触不良の箇所があるようです。黒いケースのネジを外して分解を試みるも接着剤で固定されていて破壊覚悟で割らないと開けられないのでドライバーユニット自体の修理は断念し、今まで使っていた青色のCPH3000からドライバーユニットを移植しました。外れ対策の両面テープも真似てイヤーパッドも今まで使っていたものを移植。音質を合わせるため最終的には壊れていない左側のドライバーユニットも青色のCPH3000から移植しましたが、7年使ってどれくらいドライバーがヘタっているのか興味があったので交換前に聴き比べてみました。しかし意外にも私の耳では違いがわかりませんでした(気のせいかな程度)。赤色のほうのドライバーユニットは保守部品としてストックしました。■ヘッドバンドを分解してみた実はヘッドバンドの内側のスウェード調部分を合成皮革で貼り替えようかと考えていて革バンドを外した時に型紙を取っていました。この構想はジャンク品が入手できたために未遂に終わりましたが後学のために縫い糸を切って中を調べてみました。CPH3000のヘッドバンドは外側から内側へ向かって順に、1.本革バンド2.メタルバンド3.セルロイド板(0.5mm厚程度の透明なプラ板)4.シール付きウレタンクッション材2枚(セルロイド板に貼られていて間にケーブルが通る溝を成す)5.シール付きウレタンクッション材(4のウレタンクッション2枚の上に蓋状に貼ってある)6.スウェード調フェイクファーと6層構造になっていて、洗った後ケーブルを通そうとした時によれよれになったのは5のウレタンクッションで、4のウレタンクッションはセルロイド板にしっかり貼り付いていてズレていませんでした。革を縫う手間を厭わないのであれば、外側の本革は染めQで塗って流用するか、古くなったズボンのベルトをリサイクルするかして、スウェード調部分はDAISOの合成皮革はぎれ等を使って革バンド部分を作ってしまう事も可能と思います。【関連記事】Classic Pro CPH3000のイヤーパッドを交換
■Audio-Technica AT8415タイプペンシル型マイク向けのショックマウントで、井桁に掛けた2本のゴムベルト2か所でマイクを挟んで支持するタイプです。Audio-Technicaの同等製品にAT8415があります。いたってシンプルな構造ですが、ペンシルマイクの外径寸法はΦ19~23mmであることが多く、これを長時間保持できるか、が通販サイトの写真からはなかなか判断できず実際に買ってみるしかありません。今回購入したものも通販サイトに記載のマイクの対応寸法は25mm~38mmになっていました。複数の同等製品の中から製品レビューにRODE M5やNTG-5で使えた、と書いてあったものを選びました。実際に届いたものは19mmのマイクでも普通に支持できます。斜めや下向きにしても簡単に落ちることは無さそうです。ただし、ゴムが伸びてくると細いマイクの支持が難しくなる可能性があります。購入した商品は安価でしたが替えゴム(直径27mm)が付属。井桁部分は無負荷状態で14mm角です。わかりにくいけど少し外枠が小さい反対側から。TOA K4(Φ21mm)を装着したところ。SAMSON R21s(Φ22~34mm)を装着したところ。RODE NTG-1(Φ22mm)とDeadCatを装着したところ。上部にある謎のネジ穴は、オプションのポップガードを取り付けるためのもののようです。似た製品でポップガードとセットで売っている例は見たことがありますが、ここに取り付ける用のポップガードだけを単品で売っている例を見たことがありません。配信用途等でどうしてもホルダーにポップガードを付けたい方はセットで売っている店で買いましょう。【購入先】ZJMZYM BanDou Storehttps://ja.aliexpress.com/item/1005001425244816.html寸法 前後長55mm、地上高105mm、直径60mm(内径45mm)と55mm(内径40mm)の2つのリング重量 65g価格 205円(送料別)※記載の価格は購入時のもので現在の価格やショップページの画像とは異なります。備考 スタンド側のネジ溝は金属製で変換ネジは付属せず。予備ゴム4本付属。【使い勝手など】前後に強く揺するとマイクが飛び出す可能性があるため、ガンマイクのようにブームの先に取り付けて振り回すような用途には向きません。400gを越えるような重いマイクにも適さないでしょう。スモールダイアフラムの軽いマイクをスタンドやステレオバーに設置しての定点録音用にはかなり重宝すると思います。板ゴムを使ったAT8415よりもホールド性が高く、これは買って良かったです。ECM-8000やRTA-Mのような測定用の細身のマイクにも良いのではないでしょうか。(がんくま)【関連記事】中華マイクショックマウントあれこれ(1)中華マイクショックマウントあれこれ(2)中華マイクショックマウントあれこれ(3)中華マイクショックマウントあれこれ(4)marantz ZP-1のクッションマウントを交換する
■Neumann EA87タイプ超定番マイクNeumann U-87aiの純正ショックマウントEA87やRODE SM6などのようなマイク下部のコネクタパイプに刻まれたネジ溝を専用のナット(Bottom Screw)で固定用のフランジに締め付けるショックマウントで、スパイダータイプと呼ばれています。胴部分のサイズが上下で異なったり曲線だったりするタイプのマイクや、胴部分の真ん中に操作スイッチがあるタイプのマイクには前記事の汎用ショックマウントよりもこのタイプが向いています。しかしこのマウント向けのネジ溝を持たないマイクには買っても使えません。私個人はこのタイプのマウントに対応したマイクをあまり持っていません。CAD M179がこのタイプで購入時に同型のマウントが付属していました。しかしスタジオで他のマイクを吊るマウントとして改造してしまい部品が散逸してしまいましたので、今回あらためて購入してみました。お値段は約2500円とこれまで中国から輸入してきたマイクホルダーの中では最も高価でしたが、それでもU-87ai純正のEA87がマウント単体で5万円以上することを考えると超激安です(EA87はいくらなんでもボリ過ぎじゃありませんかねえ……)。色はシャンパンゴールドと黒があり、黒を購入。黒を選択したのは替えゴムの入手性が高く、塗装が剥がれた時に塗り直ししやすいためです。今回輸入した製品には専用のナット4種類が付属していました。実際にM179をマウントしてみるとM179付属のナットでは中華マウントのフランジの穴(直径27mm)をナットそのものが通り抜けてしまい固定できません。中華マウントに付属してきたナットの中から長さが適当なものを選んで締めるとしっかり固定できました。フランジ上面にはフェルトが貼ってありマイクの底面を保護します。意外なことに激安マイクとして有名なBM-800にもこのマウントが装着できます。同マイクにはナット用の溝があるもののナットそのものは付属していないので、こちらもマウント付属のナットを使って固定してみました。マイク本体よりマウントのほうが高価(苦笑)。U-87aは付属のナットのうち、一番長いナットを使って固定できました。おそらくRODE NT-2Aの他、MXL-V67GやMXL2003A等もこのマウントで吊れるのではないかと思います。国内で入手が容易で安価な汎用品としてはMXL USM-001が同等に使えるのではないかと思いますが、専用ナットは付属しません。【購入先】Century 3C Tech Storehttps://ja.aliexpress.com/item/1005005690402349.html寸法 長さ190mm 高さ125mm リング部直径115mm重量 353g価格 2432円(送料無料)※記載の価格は購入時のもので現在の価格やショップページの画像とは異なります。備考 全金属製。変換ネジと予備ゴムは付属せず。マイク固定用のアルミ製専用ナット4種類が付属。【使い勝手など】今回輸入した品はまだ実戦投入しておらず、触った感じと以前使っていたM179の付属品の印象になりますが、金属製で造りもガッチリとしていて固定もしっかりしており安心感があります。可動域が大き目なのでクッション性能も良好です。そこそこ重いマイクでも吊れるでしょうが、マウント自体も重いので軟弱なマイクスタンドだとおじぎをする可能性があります。クッションマウントとしては大柄なので持ち歩くとすれば収納方法がネックになるでしょう。また、マイクの底部で固定する構造上、垂直に立てたり吊ったりする使い方では問題ありませんが、横にしたり斜めに吊ったりする使い方だとマイクの重心と固定位置のズレが大きいのでゴム紐が緩いと斜めになったり外れたりします。今回輸入した製品の実測値で2本のゴム紐の円周は33cm(直径10.5cm)でした。(がんくま)【関連記事】中華マイクショックマウントあれこれ(1)中華マイクショックマウントあれこれ(2)中華マイクショックマウントあれこれ(3)中華マイクショックマウントあれこれ(5)marantz ZP-1のクッションマウントを交換する
■Audio-Technica AT8458aタイプ前記事の汎用品と似ていますがマイクを装着する部分が樹脂製になっていて樹脂の可塑性でマイクを支持します。金属製の汎用タイプよりもマイクに傷が付きにくく、とても軽いです。円筒を緩める2本のアームも無いので見た目がすっきりしています。Audio-Technicaの純正ショックマウントAT8458aやAT8449aに似ていますが、実際に取り寄せてみるとサイズが一段小さく、これもBM-800(マイク径Φ43.5mm)用と思われます。リング部分の内径は40mmでさらにゴム紐が数ミリ内側に突出します。Φ47mm程度まではなんとかいけそうですがそれより太いマイクを無理やり入れようとするとリングが割れるのじゃないかと思います。【購入先】Century 3C Tech Storehttps://ja.aliexpress.com/item/33011720598.html寸法 長さ160mm 高さ40mm リング部直径95mm重量 60g価格 309円(送料別)※記載の価格は購入時のもので現在の価格やショップページの画像とは異なります。備考 スタンド側のネジ溝は樹脂製で変換ネジも樹脂製のものが付属。予備ゴム付属せず。【使い勝手など】見た目は良く非常に安価ですがマイク径が細いBM-800/Seide PC-Me/iSK BM-700等以外には使えないと思います。支持部分を他のクッションマウントから流用して修理部品や改造部品として買うならありかも。特殊な用途として純正ホルダーの入手が絶望的なSenheisser MD422に使えましたが、断面形状が四角いマイクなので収まり具合が良くありません。3Dプリンターで専用のブラケットを作ったら良さそう。クッション性能に問題は無く、マイク径さえ合えば軽いので机上用のマイクアームや華奢なブームスタンド等での使用に向いていると思いますが、BM-800より重いマイクを吊って横向きに使うとすぐゴムが伸びそうです。(がんくま)【関連記事】中華マイクショックマウントあれこれ(1)中華マイクショックマウントあれこれ(2)中華マイクショックマウントあれこれ(4)中華マイクショックマウントあれこれ(5)marantz ZP-1のクッションマウントを交換する
■MXL-57タイプ(汎用ショックマウント)写真の品は激安コンデンサーマイクの改造で有名な中華マイクBM-800に付属してきたものです。同じ構造のマウントはありふれていて、Classic Pro MS-40/MS-50やMXLのマイク用純正オプション品MXL06/MXL-56/MXL-57等とほとんど同じです。内側にクッション材が貼られた円筒状の鉄板の弾性でマイクのケース部分を面でホールドします。取り付け取り外し時は2本のアームに力をかけて円筒を緩めます。上部と下部の直径が大きく変わらない円筒形状のサイドアドレス型コンデンサーマイクであれば汎用的に使えますし、安価なので使っている方も多いと思います。注意が必要なのはマイクの外径寸法に合わせて製品を選ばないといけない点です。中国の通販サイトで大量に売られている安価なショックマウントは大抵BM-800用で、同マイクはマイク径43.5mmとこの種のマイクとしては小型かつ軽量(ほぼ同様の外径のマイクにSEIDE PC-MeやiSK BM-700など)ですから、買ってもより大型で外径が太く重量のあるマイクには使えない場合があります。多少は無理が効く構造ではあるのですが、無理やり使えたとしてもマイク本体に負担がかかって変形やひび割れの原因となる可能性もあります。逆にもっと太いマイク用の製品を細身のマイクで使うと緩すぎて抜け落ちてしまいます。なにせサイズが違っても写真では見かけがまったく変わりませんので、通販サイトではサイズの記載があるショップを探して対象マイクの外径寸法と照らし合わせてから購入する必要があります。この手のマウントは元々安価なので、国内でメーカー指定のオプション品やClassic Proの同等製品を買うのも手です。こちらはRODE NT-2(初期型)用の純正品で構造は同じですが、上記のBM-800の付属品と比べると部材が太くややしっかりした作りです。こちらはStudio Project LSD-2の付属品です。このマイクはマイク径53mm重量953gと巨大で重く、明らかにマイクの重量にマウントが負けておりゴムが伸びるのが早いです。重量級マイク用のショックマウントRycote InVision USM(プラスチックが黒い方)ですら対応マイク重量は最大750gなので適合せず、長期間安心して使えるマウントが見当たらない状況です(でも利用頻度超低)。【購入先の例(多数あります)】Shop911108213 Store https://ja.aliexpress.com/item/1005002677998599.html寸法 長さ150mm 高さ60mm リング部直径95mm(BM-800付属品)重量 125~225g(当方所有品の実測値)価格 500~2500円位備考 スタンド側のネジ溝は安いものだと樹脂製。金属製の場合もある。変換ネジも付属したりしなかったり。予備ゴムは多くの場合付属せず。【使い勝手など】ゴム紐の伸びしろが大きくクッション具合は緩めです。見た目に高級感がありませんがショックマウントとしての実用性には特に問題ありません。欠点はゴム紐の調整が悪いとすぐマイクが傾いてしまう事と、円筒部分にロゴや段差、スイッチやエンブレム等の突起物があるマイクでは取り付け・取り外しの際に傷が付いてしまいがちな事です。構造が単純なのでほとんど壊れません(粗悪品は溶接がもげる)。劣化するのはまず2本あるゴム紐の輪で、次に円筒内部のクッション材(ゴムシートかスポンジかフェルト)です。ゴム紐が伸びてくるとクッションマウントの意味をなさなくなります。利用頻度が極めて低いマイクの場合はゴム紐をフックから外して保管しておくと良いでしょう。ほとんどの汎用ショックマウントでローソン100で売っている髪結い用のヘアゴム(メリー株式会社リングゴム標準サイズM No.5125)が無加工でそのまま交換用として使えます。DAISOのリングゴムNo.42(細、黒、6個)直径6cm・太さ0.3cmも少しきつめでゴムが太いですが使えました。本記事最初の写真に出てくるBM-800付属品のゴム紐を外して実測してみると円周30cm(直径10.5cm)と緩めで実際のサイズには幅があるようです(6〜10cmのゴム紐であれば概ね使えるが、大型で重量級のものになっていくにつれ上側が短く下側が長い紐になっていく傾向がある)。そのせいか100均のヘアゴム用ゴム紐は最初に付いてくるものより伸びやすい気がします。クッション材が劣化した場合は剥がして円筒内部の粘着層を除光液(シリコンリムーバー)等の溶剤でふき取った後、フェルト生地かウレタン生地をパワーエースの速乾アクリアで貼るか、ゴムシートをボンドG17で貼るかして修理しています。生地が薄いとマイクの傷の原因になりホールド性にも影響しますので厚みが薄くなりすぎないように気を付けます。他にはスタンドに取り付ける角度を決めるヒンジ部分がすり減ってきて締めてもすぐ緩むようになったりします。ビニールシートなど挟むと一時的には使えるようになりますが、そこまで使えばさすがに交換でしょうね。(がんくま)【関連記事】中華マイクショックマウントあれこれ(1)中華マイクショックマウントあれこれ(3)中華マイクショックマウントあれこれ(4)中華マイクショックマウントあれこれ(5)marantz ZP-1のクッションマウントを交換する
中国の通販サイト、AliExpressで購入できた安価なマイクのショックマウント(サスペンションホルダー)5種類について書いていきます。今回はスタジオで使うコンデンサーマイク用が対象で、ガンマイク用のショックマウントについては過去記事に書いています。純正品のショックマウントが高価で数を揃えるのが難しいとか、中古でマイクを買ったがマウントが付属しなかった、といった事情がある方の参考になるかも?なにせ、現物を見ないとわからない事が多すぎます。■AKG H85タイプデザイン元と思われるオリジナルのH85はC414/214やC3000B等のXLRコネクタ部分が円筒状にマイク下部から突き出すテールパイプ形のマイクに使われているAKG純正品のショックマウントです。AKGのマイク以外にも同様にテールパイプ形状を持つ他社のマイクやペンシルマイクにも使えて意外と万能。今回輸入した製品はAKG純正品(以下本物と記す)と見た目が似せてあるものの構造は別物でした。本物はマウント部分を回転させると中の機構が動いて締め付け部の筒の中にゴム板を付けた接触部分3本がせり出し、3点でテールパイプをホールドする複雑な仕組みです。輸入した製品はマウント部分の穴に漏斗状のパーツがはまっていて、これを下部からポリタンクのキャップのようなパーツで締め付けると漏斗状のパーツが潰れて口径が狭まり、面でマイクをホールドします。しかし締め付けても4本溝が切ってある漏斗状のパーツの上部が潰れるだけでホールド力は弱く、ゴムで支持する本物と違って表面がツルツルなABS樹脂なのでマイク径Φ22mmのマイク(M-AUDIO PULSER-II)でも締め付け後にマイクに力をかけると滑って回転してしまいます(115gと軽いマイクなので抜け落ちることは無さそうですが)。もっと重量があるAT4050/CM5(510g、マイク径Φ53.4mm、テールパイプ部の外径Φ18mmとΦ21mmの段付き)を載せてみると正立状態ではかろうじて使える気がしますが、逆さに吊る用途では抜け落ちてしまいます。未締時の漏斗状パーツの内径は24mm~25mm程度ですから、このショックマウントが使えるのはせいぜい支持部の外径が22~26mmの範囲のマイクだと思います。AKG C3000Bのテールパイプ部の外径はΦ23~25mmとテーパーがかかっていてAT4050より太いので少しマシです。販売元はこのマイク用として売っているのでAT4050で使おうと思うほうがイリーガルではあります。対策として厚さ1mmのゴムシートを横67mm縦22mmの短冊状に切り出し、AT4050をセットした段階で下側から漏斗状のパーツの隙間に押し込みました。この状態で締め付けるとマイクは完全に固定され、逆さまに吊っても横向きにしても抜ける気配がありません。短冊ゴムを一緒に持ち歩くのがやや面倒ですが、これで使いたいと思います。ところで中国の通販サイトでは以前から本物のH85とまったく同じ構造の3点支持型マウントも売られています(いわゆるデッドコピー)。今回購入した簡易型?より高価ですが、こちらは本物同様に支持部の外径が19mm~26mmのマイクに対応します。しかし本物と同じで使っているうちに内部のプラスチック機構が割れて壊れてしまう欠点があります(以前は私も本物を使っていましたが割れると修理不能でした)。たまたまかもしれませんが中国製デッドコピーは買ってすぐ割れたという話も聞いています。今回輸入したものは樹脂の材質が本物より若干軟質で構造も単純なので本物と同じ壊れ方をする心配は無さそうですが、漏斗状のパーツが割れると修理不能でしょう。ゴムを挟んで締め付け量を控え目にすることで長持ちしないかなと思っていますが案外すぐ壊れるかもしれません。【購入先】Shop1102718092 Storehttps://ja.aliexpress.com/item/1005006170390421.html寸法 長さ170mm 高さ65mm リング部直径105mm重量 95g価格 1930円(送料無料)※記載の価格は購入時のもので現在の価格やショップページの画像とは異なります。備考 スタンド側のネジ溝は樹脂製で変換ネジも樹脂製のものが付属。予備ゴム付属せず。【使い勝手など】固定さえできれば普通に使えます。他のショックマウントと比べてマウント部分を支えるゴム紐が短く本数が多いのでマウント具合は固めです。別記事にした別EA87タイプと同様にマイクの底部を固定する仕組みですが、こちらのほうが斜めや横吊りでも安定しやすいです。軽くて持ち運びにも向いていますがサイズは大き目です。AT4050では次の記事に出てくる汎用タイプを使うとロゴ部分に傷が入ってしまうのでこのマウントを使いたい。購入先の商品説明を良く見ると今回輸入したAKGタイプの他にLEWITT LCT240/440やAustrian AudioのOC-18、TLM102/103のようなテールパイプが短いマイクにもマッチしそうな241タイプがあり、そちらは3点支持のように見えます。そっちで良かったかもしれません。どんなものかは買ってみないとわからないんだけど。(がんくま)【関連記事】中華マイクショックマウントあれこれ(2)中華マイクショックマウントあれこれ(3)中華マイクショックマウントあれこれ(4)中華マイクショックマウントあれこれ(5)marantz ZP-1のクッションマウントを交換する
某社の放出品で新品不良と判断されたらしいSHURE SRH840が安価に売られているのを見つけました。SRH840はモデルチェンジして現在は2代目になっていますが入手したのは旧モデルです。まともに買えば2万円以上する高級ヘッドホンなのですが箱や付属品の交換用パッドも付いてお値段は4千円ほど。旧モデルはネック部品がプラスチック製で破損しやすい傾向があるようで、入手したものも破損していましたがまだ原型を保っており使える状態でした。3Dプリンター用のデータサイトに該当部品のデータがあり、3Dプリンターを買う良い機会かな、と思ったりもしましたが・・・。こちらのブログに「ATH-M50用のヘッドバンドがそのまま使える」とあり、私もこちらの記事に沿って交換してみることにしました。SHURE SRH840の折れたヘッドバンドを修理する。(ねこじゃらし。)https://nekojarashi.net/repair_srh840/■ヘッドバンドを輸入するAliExpressにはATH-M50用のヘッドバンドを売っているショップが複数あります。写真を見る限り同じ商品もあるようですが少し違うように見えるものもあり値段もバラバラです。販売数が多くて値段がこなれているショップから買ってみました。最近のアリエクはスピード配送ですと昔よりだいぶ到着が速く5日で届きました。Small CE Store https://ja.aliexpress.com/item/1005001586118236.htmlATH-M50純正品は合成皮革部分にでかでかとメーカーロゴがありますが取り寄せたものにはありません。スライド部分のバンドも金属製で造りは普通に良いと思います。純正品と比べたら耐久性や細かい部分の造作が劣るのかもしれませんが。■交換作業まず入力ジャックがあるL側から。イヤーパッドを外し、ネジ3本を外してハウジングを分解。この時、外したネジを不注意で近くに転がしておいたところドライバーユニットの磁力に吸着されてしまい中央のドーム部分が凹んでしまいました(写真は透明なのでわかりにくいですがネジを取り外した後も凹んだ振動板)。ラジオペンチで慎重にネジを取り外し(一般的なヘッドホンより磁力が強い感触)、周囲から空気が入らないように目張りをしてから中央部分にゴムホースを当てて口で吸い、無事ドームの凸部が回復。幸い音に影響は無かったですが破れていたら悲惨でした。ネジや金属物は吸着されてしまうので離れた場所に置く!極性を間違えないようにはんだ付けを外す前に写真に記録し、ヘッドバンドを渡る側のケーブルのはんだ付けを外してハウジングの穴から引き抜きます。ネジ4本を外してハウジングのパーツを2つに分け、ハンガーアームの爪を抑えているピアノ線を抜いてアームを取り外します。取り外したアームの先のプラ部品は外せるようです。しかし、もしかすると3Dプリンターで欠損部品を作って元のヘッドバンドを再利用する日が来るかもしれないので移植しませんでした。新しいハンガーアームを取り付けます。プラワッシャー1枚程度のぐらつきがあるかな?と思いましたが、最後まで組み立ててみるとぐらつきは無く本当にぴったりです。ハウジングのパーツには向きがありピアノ線を押さえる突起があります。ハウジングの向きや天地を間違えるとすべての作業がやり直しになるのではんだ付け前に良く確認します。ヘッドバンドを渡るケーブルは元のそれより見た目細いですが、内部のリッツ線の太さ自体はさほど変わらないように見えます。オリジナルのケーブルは赤色と胴色で新しいものは緑色と胴色なので、赤であった所に緑をはんだ付けします。リッツ線の先端は最初から半田メッキ処理してあるのでショートしないように付けるだけ。ハンガーアームを押さえるピアノ線はほとんど効いていませんが無いよりマシ?実際にはアームが折れない限り抜けることはないでしょう。SONY MDR-CD900(無印)にMDR-CD900STのイヤーハンガーを付ける場合と同様にハウジングの縁にケーブルが通っていた穴が残ります。元のヘッドバンドに戻す場合も視野に入れビニール系接着剤で塞ぎましたが、実際にはこの穴はハウジングの外側なので音響的には塞いでもまったく意味がありませんでした。続いてR側を分解します。こちらは配線がシンプル。分解中に破損しかけだったプラ部品が崩壊してハンガーアームが脱落してしまいました。風前の灯だったようです。こちらも極性を間違えないように注意してはんだ付けしなおします。組み立てて左右から音が出るか、位相が合っているかをチェック。■修理完了最初からこういう製品でしたよ、と言われてもまったく違和感の無い仕上がりです。途中でも書いた通りハウジングのぐらつきもなくピッタリです。装着感で言えば交換前の元のヘッドバンドのほうがホールド感が高く高級感がありましたが、交換後は全体にコンパクトになり取り回ししやすいです。家庭用ではなく録音現場で使う身としてはこちらのほうが使いやすい気がします。上の写真でアームの脇にある小さな白い丸が塞いだ穴で、接着剤が乾いた後は透明になるので目立ちません。装着時に真横から見たロゴが斜め後ろ上がりになりますが、それはそれでかっこいい!(ということにしておこう)。実用上問題が感じられるほどの音質変化もありません(もっと耳が良い人が聞くとどうだか知りませんが)。高価なヘッドホンだけあって高音から低音まで一通りちゃんと出ます。若干高音が刺さる感じがあり、MDR-CD900STより密閉度(遮音性)が高く、低音の厚みや全体的な音の鮮烈度はSennheiser HD25ほど強くなく優等生的な音、という印象です。本記事を参考にした修理や改造は自己責任でお願いします。(がんくま)
私の所有品ではなく講師で行く学校の機材ですが、2年ほど前から不調(Rch NGの貼り紙あり)なまま放置されています。使ってみると実際にMAIN OUTのRchが出力されません。マイクをつないで録音に使うも基本的にヘッドホンで聴くだけの利用なので困らなかったようですが、手に取って振るとなにやらカラカラ音がします。開けてみると出てきたのは電解コンデンサーの外装部分。一部アルミが露出しているので最悪ショートする可能性もありました。メイン出力のXLRコネクタ付近にある電解コンデンサーのようですね。手持ちの同容量の電解コンデンサーに交換します。本機はフロントパネルを外さずに基板の両面にアクセスできるので楽です。壊れていたのはRchだけでしたがそちらだけ交換だと左右で音が変わる可能性があるのでLch側も交換しました。修理後、問題なく音が出ることを確認。破損していた電解コンデンサーには防爆弁がありません。天板を見ると内側に向かって凹んでいましたが、おそらく内圧が高まって膨らんだ後、吹き飛んで急激に圧力が抜けて凹んだものと思われます。故障の原因はわかりませんが、UMC404HDのメイン出力をミキサーのマイク入力端子にXLRのストレートケーブルでつないでうっかりファンタム電圧をかけてしまった可能性が高いです。学生には故障を避けるためにマイク端子に機材を繋ぐ際はファンタム電源をオフにして、接続先の機材を確認してから操作するように周知しました。電解コンデンサーのラベルにあるKSDは中国メーカーのようですが、検索してみると廉価版のDVDプレーヤーやBDプレーヤー、家庭用ゲーム機で障害事例がいくつかあります。しかし今回の故障の原因はこちらの不手際でメーカーに責任はありません。まあ交換に使ったのもJAMICONなのですが。動作チェック中、キャノンのライン出力にしては出力が弱いと感じ、他にも壊れている箇所があるのか、と修理機とは別の正常品を同様にチェックしてみると、そちらも同じレベルです。クイックスタートガイドを読んでみたところ、しれっと最大出力+3dBuと書いてあります。入力は+20dBuまでいけるのに・・・。個人的にNJM4580の印象が強いベリンガーですが、現行機種の本機ではNJM2122とAD8694になっていました。NJM2122は低飽和型の低電圧(±2~7V)オペアンプで、ライン出力のオペアンプらしきAD8694もデータシートを見たところ、max5.5V単電源の4chオペアンプで最大出力電圧は2.6V程度らしく、キャノンのバランス出力が付いてはいるものの出力レベルは民生機相当のようです。最近ではここに+4dB仕様のレコーダーを繋ぐことは稀でパワードスピーカーをつなぐ場合が多いでしょうし、USBバスパワーで動作する事を考慮するとそういう設計になるのでしょう。A/DとD/Aは24bit/192kHz対応のCS4272でUSBクラスコンプライアント対応です。本記事を参考にした修理は自己責任でお願いします。(がんくま)
100均で買える素材を使ってコンデンサーマイクのケースを作りました。簡単な作業です。当サークルはオーディオドラマ制作サークルなので、自宅やスタジオの外の施設で録音する際にマイクをケーブルやレコーダーなどの他の機材とともにバッグに入れたりコンテナの中に入れたりして運んでいきます。重い物で押し潰されるような場所には置きませんが、ソフトケースに入れた程度では不安ですし、移動中の天気が良いとも限らず雨のしぶきがかかったり、湿度が高い場所にしばらく置いておかねばならない可能性もあります。利用の前後数日そのまま放置になる事もありますし、付属品だけ別の場所に散逸して見当たらなくなるのも嫌です。そこでタッパーウェアに入れて持ち運ぶ事にしています。専用の防湿庫が無い場合、このケースである程度長期保管をすることも可能でしょうが、厳密に言えば乾燥のしすぎもマイクにはあまり良くないそうです。それでも多湿な場所に常時置いておくよりはマシと思います。■買ってきたもの・タッパーウェア(※タッパーウェアは米国タッパーウェア社の商標なので今回買ったものはタッパーウェアではなく「密閉できる食品保存容器」なのですが、本記事中では便宜上類似製品も含めてタッパーウェアと表記しています。)・クッション材(セルローズ吸水マット)・フリーザーパック・シリカゲル(手持ち品を使いましたが100均でも買えます)■タッパーウェアを選ぶ荷造り荷運び事情からすると可能な限り小さいサイズにしたいのです。しかし小さすぎるとマイクが入りません。100均に現物を持って行けないのであればあらかじめマイクの寸法を測り、巻き尺を持って行って測って買いましょう。勘で買うと失敗します(今回も失敗しました)。今回入れるマイクはAudio-TechinicaのAT4050で、インターネットで検索して調べたところ太さ53.4mm長さ185mmとなっています。概ね長さ20cm以上、深さ6.5cm以上あれば入る感じです。Seria店頭で見たところいくつか使えそうなものがありますが、こちらを選びました。山田化学株式会社 No.1540 WHITY PACK1600本体:ポリプロピレン、蓋:ポリエチレン本体及びラッピングには寸法記載がありません。ほとんどのタッパーウェアは逆台形をしており上側が広く下側が狭いですから下側の寸法が重要です。本製品も上側は縦21.5cm横13cmと一見余裕があるように見えますが、下側は実測で縦19.5cm横11cmとギリギリです。深さは7.3cmあり、薄手のクッション材を敷く余裕があります。■クッションを敷く輸送中の振動を緩和するため箱の下面にはクッションが欲しいので「セルローズ吸水マット(厚手)」を切って敷くことにしました。製品サイズが縦22cm横15cm厚さ0.8cmなので、タッパーウェアの底面サイズに合わせて縦19cm横11cmでカットします。試しに敷いてみると角が浮きましたので4隅を斜めにカットしました。100均調達にこだわらなければ機材箱の内張りに使うスポンジでも良いかと思いますが、私の経験だと100均のタッパーウェアは数年で割れることが多く、その際に作り直すことになります。セルローズ吸水マットの耐久性が不明なので、4~5年経っても使える物かどうかはまだわかりません。■防湿材を入れるジッパー付きで密封できる「デザインストックバッグ フルーツ(M)」(amifa) にマイクを入れ、シリカゲル「なんでも除湿シリカゲル5g(有)坂本石灰工業所」を封入します。シリカゲルは100均でも調達できると思いますが、虫除け成分や香料成分が入っているものは揮発してダイアフラムに付着する可能性が高いので避け、食品添付用の純粋なシリカゲルにしましょう。容量は小型のもの1~2袋で足ります。入れて安心するのではなく定期的に交換するか干して乾燥させる事が重要です。タッパーウェアの中なのに密閉ビニール袋に入れるのは、中で転がった際の擦り傷防止と水分が混入した状態で蓋を閉める可能性があるためです。外出して持ち歩く必要が無ければ袋は不要でタッパーウェアの中にマイクと共にそのままシリカゲルを入れれば良いです。ジッパーの耐久性やビニールの厚さだと定番品のZipLockが優れていますが、そのぶん固くてタッパーウェアが狭いと入れにくいかもしれません。より完全を期すなら袋状のエアーキャップに包んでから袋に入れると良いでしょう。■付属品を収納しようとしたら・・・さて、ここまでは順調でしたがショックマウント(サスペンションホルダー)を入れようとしたら入りません。あちゃー、マイク本体のサイズは気にしていたのにマウントは漠然と入るだろうとしか考えていなかった。分解しても入りませんでした。もしこの記事を見て作る方がいらっしゃいましたらマイクホルダーのサイズも測って計算に入れておきましょう。1本ずつ持ち出す可能性を考えてマイク1本、マウント1個を1つのケースに入れるつもりでしたが、やむなく方針を転換し、マイク2本とマウント2個をそれぞれ別のケースに入れることにしました。荷運びを考えるとこのケース3個にはしたくないので。それでもマウントは分解して知恵の輪のように組まないと2本分収まりません。撤収を急いでいる時や話しながら片付けている時はこれだと紛失の可能性もあるのだけれど致し方なし。収納の都合を無視すれば分解しなくて良いようにもう少し大きい箱にするかマウントのみ小さい箱2個にする手もある。側面にテプラを貼ると完成です。(がんくま)【関連記事】(本記事中に出てくるショックマウントの詳細)中華マイクショックマウントあれこれ(1)
2007年発売と今更な機種ですが、2022年の2月頃に筑波のハードオフで中古品を購入。常設機として使い始めました。Windows11 64bitDriver Version 2.07rc1(最新)Fiemware Version 1.02(最新)2022年夏頃から・再生音に時々パチッとノイズが出る。・PCからUSBを通しての認識が時々外れることがある。という症状が出始めました。最初のうちは電源を入れなおせば使えたので気にしておらず、古いドライバとWindows11の相性があまり良くないのかな、と思っていました。が、さらに半年経つと症状が完全に悪化。①電源ONして約20秒後に電子ノイズ混じりのザーッという耳障りなノイズが出る。②再生音にパチパチバチバチと激しくグリッチノイズが混じる。③PCからUSBを通しての認識が外れる頻度が極端に増え、まったく認識されない時がある。※ノイズはMONITOR MIXをCOMPUTER側にした場合に聞こえてINPUT側にすると聞こえない。電源を入れなおしても症状が改善されず、まったく使い物にならなくなってしまいました。ネットで検索すると国内外で同様にグリッチノイズが発生する例があるようですが修理に成功したという話は見当たりません。おおむね10年くらい前の話でその時点で使うのを諦められてしまったのかもしれません。■対策の結果、使えるようにはなったが・・・US-1641の内部。最も面積が大きいのが緑色の「アナログ基板」で、入力のXLRコネクタ、入出力の増幅部と電源のレギュレータIC等が載っています。AC100VをDCに整流する茶色の「パワー基板」。SPDIF/MIDI/USBインターフェースと本体の制御マイコンが載った緑色の「メイン基板」。背面のTRSフォンジャックが付いた上下2段の茶色い「出力ジャック基板」。アナログ基板の上にある小さな「9ch入力ジャック基板」。この他に「ヘッドホンアンプ基板」とフロントパネル裏の入出力ボリュームが並んでいる「コントロール基板」の合計8枚の基板があります。分解前は電源部分の電解コンデンサーかレギュレーターICが劣化して電源の電圧が下がったり、リップルかスパイク状のノイズが乗るようになったハードウェア故障ではないかと想像していました。アナログ基板のレギュレーター部にオペアンプの電源となるオーディオ用のA+12V/A-12VとA+5V、デジタル汎用+5Vと+3.3Vのテストポイントがあったので測定してみたところ、A+12V(TP12) +12.59VA-12V(TP11) -12.03VA+5V(TP10) +5.00VD+5V(TP14) +5.06VD+3.3V(TP16) +3.36Vと電圧は正常範囲で、オシロスコープで波形を見てもリップルやスパイクノイズは見られず、いきなりアテが外れてしまいました。ちょうど症状①の「パチパチザーッ」というノイズが出ている状態だったので、色々と調べてみます。・1chは必ず出て非常に大きなノイズ。・2chは出たり出なかったりだが出れば1chと同じ音。・3chにはノイズが出ない。・4chには電子ノイズ的な雑音が出るが、音量は1-2chと比べると低い。・メイン基板の電源ケーブルを抜くとノイズが消える。・メイン基板からアナログ基板へのフラットケーブルを抜いてもノイズが消える。・上記2本のどちらかのケーブルを抜いた状態で電源ONしてもノイズは出ない。このため、アナログ基板上にあるICがノイズの原因である可能性は極めて低いと思います(まったく可能性が無いわけではない)。メイン基板には機種名のシールが貼ってあるFLASH ROM内蔵マイコン(ATMEL ATmega8515 TQFP)の他に、USB通信ICのNXP ISP1583BS、SPDIF通信ICのAKM4114VQと、内蔵クロック用の水晶発振器等が搭載されています。アナログ基板のレギュレーター部から汎用5Vと3.3Vが4Pinフラットケーブルで配線されており、安定化用にそれぞれ47uF/16V(C57)と47uF/10V?(C56)の表面実装型電解コンデンサーがあります。4pinコネクタの左側にある2pinのコネクタはフロントパネルのUSB LEDへの配線用です。テストポイントの電圧は正常ですが、波形にはほんの僅かにノイズがあるようにも思われました。しかし測定ノイズかな?と思う程度で、これが原因だという核心が持てません。とはいえUSBの認識が外れるのは明らかにこの基板上のICの動作に起因していると思われるので、対処療法としてC56とC57の2つの電解コンデンサーを交換してみます。なお、基板上に指で触って暖かいと感じるようなICはひとつもありません。元々付いていたものよりも容量を増やし、100uF/25Vに交換しました。交換後、②と③の症状は出なくなったように思われます。しかし、①の症状は相変わらず発生します。メイン基板には各種クロックのテストポイントがあるのでオシロスコープで見てみましたが、ノイズ発生時と正常時で変化が出るようなものはありませんでした。MCLKを見ると本機種はUSBを接続しない単体起動時にfs96kHzになるのではないかと思われました(96kHzx256=24.576MHz)。私が通常利用している時はfs48kHzかfs44.1kHzでしか使っていないので、96kHz動作にノイズの原因があるのだろうか、とUSB接続で96kHzに切換えて再起動してみましたが、USBで認識している状態であれば96kHzでも起動時・再生中共にノイズは出ませんでした。はっきりとした原因がわからずもやもやしますが、その後3週間毎日使い続けても②と③の症状は一切出なくなりました。ノイズが出るのはPCと接続が無く単体で電源ONした時だけで、起動時にUSB経由で認識した後ならPCをOFFにしてもノイズは出ません。念のためメイン基板上の他の4.7uF/25Vのコンデンサ5個(C25/C27/C38/C39/C41)を10uF/50Vに、アナログ基板上の5V/3.3Vレギュレータの出力平滑用C268/C271 47uF/10V?を同容量品で交換しました。残念ながら①の症状が改善しませんが、私は本機をUSBで繋がずに単体で使うことは通常無いので実用上の問題は無くなりました。US-1641の出力にアンプやスピーカーを常時つないでいる場合はPCの電源を入れずに本機の電源を入れた時に爆音ノイズで機器を痛めてしまう可能性があり気持ちの悪さは残ります。USB通信が確立しない場合に何らかの理由でメイン基板側からI2Sで送られたノイズのデータをAKM4384ETが忠実に再生しているのではないかと思うのですが、こうなると自分の手には余ってしまい原因を追及することができません(後述)。■内部各所を見てみる本機は24bit96kHzに対応した多ch入出力のUSBオーディオインターフェースとしては発売当初から4万円を切った廉価機でした。後継機のUS-1800は同じ構成で更に廉価になり3万円を切っています。アナログ入力部は2SA1048/2SA1084/2SC5395とNJM4580によるディスクリートです。A/DはAKM5381ET、D/AはAKM4384ET、オペアンプはBEHRINGERの機器でも多用されるNJM4580で、やはりこれを大量使用するのが廉価機の音質とコストのバランスでは最適解なのかなと思います。9ch/10chはフロントパネルから見ると上下にTRSジャックが並んでいるのでステレオで使いたくなるのですが、良く見ると単品基板の9chとアナログ基板上にある10chでは使われているコンデンサー等に差異があるようです。背面のTRS入力はNJM4580受けですが9ch/10chだけはハイインピのギターを接続する想定のためかNJM072BD受けになっていました。これも分解して眺めてみるまでわかりませんでした。個人的な感想ですがアナログ基板は良く練られて作られているように見え、値段以上のものがあると思います。他方、アナログ基板以外は必要最小限という感じ。ヘッドホンアンプ部。ここはとてもシンプルです。回路図を見る限り後継機のUS-1800のほうが良くなっているように思います。さほど不満があったわけではないのですが、せっかく開けたので蓋を閉める前にコンデンサーを交換改造してみました。フロントパネルを外さなくてもネジ3本外せば基板だけ引き抜けるので作業はしやすいです(でもランドは弱い)。SAMXCON 22uFをMUSE BPに。高域と超低域が出るようになりましたが、若干堅苦しい音になりました。元々付いていたSAMXCONも中低音が気持ちよく聞こえてシャラシャラ感の薄いFineGoldといった感じで悪くは無かったです。SAMXCON(萬裕三信電子有限公司)は香港のメーカーで歴史が長く、廉価機とは言えTASCAMが採用しているので信用があるのでしょうか。改造は気分転換ということで。修理にあたり出力音を録音していて気付いたのですが、本個体は通電直後や96kHzに切り替えた時に若干音にビビリが付く傾向がありました。極めて僅かですが音量も変動しました。経年によるものかもしれませんが、再生音を録音に使う場合は通電後5~6分は何らかの音源を再生してからのほうが安全と思います。本体内蔵のクロックは若干丸い落ち着いたトーンの音で、SPDIFから外部クロックを入れたほうがシャッキリして輪郭のある音になります。TASCAM製品の常として現行機種では無い古い機種のドライバーサポートが早々に打ち切られてしまうので本機種もWindowsではかろうじて使えますが、最近のMacでは使えません。ここだけはなんとかして欲しいと昔から強く思っています(新製品でも他人にお奨め出来ない)。■TASCAM US-1800のノイズ問題からUS-1641と機能がほぼ同じ後継機US-1800についても調べてみたところ、同様にグリッチノイズが出る例があることがわかりました。US-1800はネット上で回路図が入手できますので眺めてみました。US-1641がAC電源内蔵なのに対してコストダウンのためか外付けAC-DCアダプタを内部で分圧・昇圧するようになっているようで、この電源部の汎用5Vを作る回路の素子(Q3 RSL020P03 MOS-FET)がショート破損してしまい、5V動作前提のマイコン(ATmega8515)に12Vが印加されることでじわじわと焼けてしまうのがノイズの原因だそうです。引用元: Tascam US-1800 not working(Sound On Sound)ノイズが出るようになったUS-1800では付属のDC12Vアダプタの代わりにDC9Vアダプタをつなぐと何故か正常に動く、とか、内部からプラスチックが焼けるような匂いがする、とか、開けてみるとマイコンの上に貼ってあるシールが茶色になっている、といった悲しい報告が散見されます。こうなってしまうとATmega8515をリワークで貼り換えて何らかの手段でFirmwareを焼き直さないと完全に使用不能になってしまいますが、買った値段を考えるとそこまでする人はそうそういないでしょう。US-1641の場合、内部が焼けているという話は見かけません。しかし以上の話から推測するに、もしかするとUS-1800と同様にマイコンが「壊れかけ」なのかもしれません(現物を見る限りメイン基板用の5Vを作っているのは一般的な三端子レギュレータNJM7805DLで、見ている間は正常電圧でしたが)。US-1800の回路図を見るとADCのデータはISP1583BSへ直接流れますが、DACデータは必ずATmega8515経由で、しかも1-2chと3-4chは経路が異なります(3-4chはパラレル出力された後シフトレジスタを通ってシリアル化される)。US-1641も同じでしょう。この辺にも1-2chと3-4chでノイズに違いが出る原因があるのかもしれません。いずれにせよこの推測が当たっていてATmega8515内部の問題だとすると完全修理はちょっと厳しい。気休めで最新Firmwareを焼き直してみたものの症状は変わらず。まだ3週間使えただけなので、今後再び症状が進行する可能性もあり得るな、と思っています。こうして調べてみるとUS-1641やUS-1800のレビューに「ドライバが不安定」と書かれているのは実際にはドライバには問題が無く、ハードウェア故障だったのではないでしょうか。私の個体は電解コンデンサーの交換により現状まだ使えていますが、もっと症状が進んだ個体ですと同じ修理方法を試しても改善しないかもしれません。US-1641/US-1800をまだ使っている方は、少しでもノイズや認識不良の現象が出たら即座に利用を止めて内部の電源電圧を確認し、症状が軽いうちに修理されることを推奨します。また、中古機の場合、通電確認だけ音出し確認無しだと状態がわからない機種として考えたほうが良いでしょう。※本記事を参考にした修理や改造は自己責任でお願いします。(がんくま)
USB-AudioとBluetooth機能を搭載した中国製の安価なミキサーBOMGE BMG-04Dを購入しました。ここで言う所の中華ミキサーとは、欧米の既存音響ブランドが設計したものを中国が製造したOEM製品ではなく、現地ブランドが自社製品として設計製造したものです。数年前の『YAHAMAes事件』(見た目がYAMAHA MGシリーズにそっくりな中国製アナログミキサーがYAHAMAesという紛らわしいブランド名で販売されていたがYAMAHAから訴えられたらしく消えた。ただし作っていたと思われるメーカーはD*b*a Audioというオリジナルブランドで今なお健在)以来、ネタとして面白おかしく追っていましたが自身で購入に至ったのは本機種が初めてです。しかし、思わぬ落とし穴が・・・。【スペック】2ch Mic/LINE入力(+48Vファンタム電源対応)2ch LINE/RCA入力2ch XLR/TRS/RCA出力USB-Audio/Bluetooth-Audio録音・再生機能(条件付き)USBメモリーへの録音・再生機能内蔵DSPエフェクトUSB電源端子によりモバイルバッテリーやバスパワーでの動作可能デザインは悪くないと思う。小型軽量で、BEHRINGERやMACKIEやPHONICなどの各社から出ている小型ミキサーと似たような製品です。BMG-04Dは2021年頃には既に販売されていたらしく、後継はBMG-04F。違いはDSPエフェクトの数が24個に増えたのと外形デザインが少し変わった程度で大きな違いは無い模様。説明書も共通です。BMG-04D/Fと同じく筐体がプラスチック製で6ch入力のBMG-06D/Fと、鉄製で10~12chのBMG-10M/BMG-12Mがあります。最も安いBMG-04Dは送料込みで6千円程度。AliExpressで買うとセール時4千円台ですが送料を考えるとAmazonで買っても似たような価格で、ならばと3日で届くAmazonで購入。都内から発送されて注文から3日で届きました。■開封横から見るとこんな感じ。電源端子がMicro-USBであることに耐久性の不安がありましたが、届いたものはUSB-Cになっていました。USB-CからUSB-Aへの変換ケーブルとUSB電源アダプター、英文説明書が同梱。日本語(がちょっと怪しい)説明書はAmazonの商品ページから誰でもダウンロード出来ます。付属のUSB電源アダプターは高容量タイプで、試しにスマホで使うと7Wクラスで充電できましたが結構発熱します。早速通電しBluetoothで鳴らしてヘッドホンで聞いてみると、ちゃんと音がでるし想像以上にホワイトノイズが少ないです。ヘッドホン端子が3.5mmのミニジャックですが、マスターフェーダー(MAIN OUTのボリューム)とは完全に独立していてC-R LEVEL的な使い方もできそう。1-2chがコンボジャック入力のMic/Line inで、3-4chがLine in/USB-Audio in/Bluetooth inの排他切換。1-2chのファンタム電源スイッチがchごとに独立していることや、3-4chに全入力に対応するHA Gainがあることにも好感が持てます。ボリューム部品が基板直付けでケースには止まっていないため、ツマミが若干グラグラしますが、コネクタ類のぐらつきは皆無で抜き差しに不安を感じません。早速マイクを繋いでみました。出音は普通のオペアンプの音という感じで特に良いという気はしませんでこんなもんか?内蔵エフェクトが16種類ありますが全部ディレイ系でPLATE/HALL的なものは無くカラオケ用という感じ。電源のUSB-Cと本体上面のUSB-A端子はつながっていて、背面のUSB-C端子の横のDIP SWでPCと接続するかUSBメモリーを挿して使うかを切り替えます。PCとUSBで接続すると"JieLi-BR21-spker"という名前の2in/2outのUSBクラスコンプライアントデバイスとして認識され、DAWで再生や録音も一通りできました。■アナログ出力のレベルが低い?ここまでは良かったのですが、同じように廉価な小型ミキサーの定番機種、BEHRINGER UB502と比較するとTRS/XLRメイン出力のレベルがだいぶ低い気がします。音はBMG-04DよりUB502のほうがシャリっとした印象ですが、それ以前に音量がでかいのでどうしても印象が良くなります。ポータブル測定器のPHONICのPAA3を使って測定してみました。PAA3の入力インピーダンスが不明ですがハイ受けと思われますので3KΩ以上と思います。取説記載値によるとUB502のメイン出力のインピーダンスは約120Ω(ただしアンバランス)、BMG-04Dも120Ω(バランス)です。出力を調べる前に1ch XLR Mic inにSGから1kHzの正弦波を入力し、Peak(以下PK) LED(赤)が点灯するレベルを調べます。両機種とも入力ボリュームや出力ボリュームを上げずとも入力レベルが一定値を超えると点灯しますのでPK LEDはHAの飽和を示します。UB502はHA GAINを左側回し切りのMinimum時に+2dBmを超えるとはっきり点灯しますが、そこから聴感上で歪みを感じるまでは3~4dBm位のマージンがありました。BMG-04Dも同様にHA GAINを左側回し切りの時、+2dBm入力でかな~り薄暗く点灯し始め+3dBmで暗く点灯、+4dBmではっきり点灯しました。ただし聴感上の音は+2dBmでも若干歪みを感じます。両者とも入力PK LEDはしっかり機能していますがBMG-04Dは点灯すると確実にレベルオーバーです。続いて出力レベルを測定。UB502の本体のメーターは思ったより正確で、当家の実測で0位置の緑LEDは出力値+0.6dBuから点灯し始め、出力ボリュームセンタークリックの12時位置で+4.6dBu、更に入力ゲインを上げていくと+6.5dBuで6位置の黄色LEDが点灯し、+18.4dBuでCLIPの赤LEDが点灯しました。BMG-04Dのメーターは省略されていてPKの赤LEDとSIGNAL(以下SIG)の緑LEDしかないので規定レベルがわかりません。試しにUB502と同様にマスターボリュームや入力ボリュームをセンター位置に合わせて使おうとすると入力PKが点灯するレベルでもメイン出力が低すぎてSIG LEDすら点灯しません。マスターボリュームのセンタークリックには特に意味が無いようで、基本的に右側に回し切って使うようです。SGの出力を上げていくとSIG LEDは出力値0dBuから点灯し始め+1dBuで明るく点灯、そこからマスターボリュームを右側へ回し切っても+2.6dBuで、更に入力を上げていって+5.5dBuでPK LEDが点灯し始め+7.5dBuで明るく点灯します。XLR OUTの出力音を聴いている限り+7dBuより上だと聴感で歪みを感じるので、右側回し切りの時、入力と同様にPK LEDの表示は正確ですが+4dB機器としては出力性能がしょぼいです。0VU=+4dBuでVU計を振らせた場合、+3VUから先は歪んでしまうということですし、取説記載記載の定格ではXLR出力で+28dBu(@120Ω)まで出ることになってますが、とてもそんなレベルには行きそうにありません。UB502のほうがだいぶ出力に余裕があります。USB-Audio側はどうでしょうか。3-4ch(USB/Bluetooth in)のHA Gainが0位置(10時)で3-4chボリュームとメイン出力ボリュームが共にクリック(12時)の時、USB接続したDAW内のOSCで1kHz正弦波を出力すると-6dBFSからミキサー本体のPK LEDが点灯し始め、0dBFSで明るく点灯します。BMG-04Dから音を送る場合もミキサー本体のPK LEDが点灯する時にDAWのメーターが0dBFSになります。しかしメイン出力ボリュームを右側へ回し切りだとDAW側では本体のSIG LED点灯時でもrmsで-7dBFS(peak-3.5dBFS)、PK LED点灯時でrmsで-2.4dBFS(peak0dBFS)になってしまうので、USB経由で録音する場合は出力ボリュームをセンタークリックか、それ以下で使ったほうが良いことになりますが、そうするとアナログ出力がかなり低い状態になってしまいます。ちぐはぐ感があります。■分解してみた保証が効かなくなるとわかってはいるのですが、中を見てみたい誘惑に勝てず分解してみました。裏蓋はネジ4本を外せば簡単に開けられます。唯一裏から見える正方形のICは基板にANT表記があるのでBluetoothかな、と思いましたが、ここだけ別基板になっています(後述)。謎だったのは基板にLGR表記があるにもかかわらず3線ではなく2線しか配線されていない所。表側の各ボリュームのツマミとTRSフォンジャックをパネルに取り付けているナットを外し、裏側から基板をケースに止めているネジを外しましたが外れません。コネクタ類が並んでいる場所のシールを剥がすと表側から隠しネジで止めてありました。なるほどコネクタがぐらつかなかったわけだ。これはこれで好感のもてる設計ですね。基板全景。集積度もそこそこ高く基板の質はさほど悪くないと思います。はんだ付けも微妙な部分がないわけではないが、値段からすると概ね良し。電解コンデンサーは中華1073クローンのAlctron MP73x2でも使われていたSUQIAN HUAHONG Electronic Industrial Co,Ltd(宿迁华虹电子工业有限公司) CD110が大半で、少しだけHyncdz(Shenzhen Hongyuan Nachuan Electronics Co.,Ltd 深圳市宏远纳川电子有限公司)製が混じっています。各所のアナログ信号増幅用オペアンプは全部JRC4558のようです。音を聴いた時点でも典型的なオペアンプの音だな、と思いましたが納得です。BEHERINGERは同様の用途でひたすらNJM4580を使うので音の傾向が違います(4580のほうがやや派手)。USBの+5Vから正負15Vを作っていると思われる箇所。ICはMC34063ACです。USB入力から正弦波を再生するとごくわずかに音が揺らぐので、ここが原因なのかPCから供給している電圧が悪いのかは不明ですが電源の安定度が少し弱い印象を受けました。同じICが出力XLRジャックの裏にもう一つあります。ファンタム電圧用でしょうか?しかしMC34063ACはデータシート上だと+40Vまでしか出せません。ここはコネクタ類の下になる所で、コネクタが後付けになっています。回路を追うなら外さないといけません。最も大きなICはTaiwan Memory Tech.のT62M0001AというSRAM内蔵のDSPです。内蔵のディレイエフェクトをかけているものです。横のICはSTCの11F04eという8bitマイコンです。購入前はUSB AudioにBEHRINGERのXENYXと同じようにV2902(PCM2902の中国版)を使っているのかなと思っていました。しかしそれらしきICは見当たりません。実際には最初に裏側から見えた小さなチップがBluetooth/USB-Audioの統合チップでした。JieLi(珠海杰理科技)という中国のファブレスメーカーのチップです。なるほどこのロゴはJCではなくJLか。デバイス名が"JieLi-BR21-spker"なのも納得。型番が読めないので(チップ表面の文字列はロット番号であって型番ではないらしい)ほぼ同等品と思われるICのデータシートをいくつか読んでみましたが凄く多機能です。上記はAC6925Aの例ですがなんとFMチューナーの機能も内蔵しています。これで液晶にFMと書いてある理由がわかりました。この部分だけ別基板になっているのは、このチップ用の汎用基板なのではないかと思いました。シルク印刷のANTはFMアンテナ用なのでしょう。USB/Bluetoothで鳴らせる廉価なホームオーディオ用アンプ用のICをミキサーに転用しているようです。より小規模のAC6963Aでもこれ。ところでデータシートを見ていて気になったのが、アナログ出力こそ2ch Stereo DACになっているものの、入力が1ch ADCでモノラル仕様な点。あ、そういえばあの配線・・・。RCA端子の下あたりから延びるLchとGNDだけの配線、追うとUSB/BT基板のマイク入力(モノラル)につながっていました。え、もしかすると再生系はステレオ音声だけれど、USB/Bluetoothヘ送れるのはモノラル音声だけってこと???そういえば、このミキサー、1-2chにもPANのツマミがありません(一見PANのように見えるのはDSPエフェクトへのSENDです)。■衝撃の事実が判明確認してみました。PC側では2in(L/R)として認識されるけど、DAW上の1-2chには1ch/2ch/3chがモノラルミックスされた音がデュアルモノで送られて、4chの音は行かない(3chへの漏れ音程度は行くが、3-4chをL/Rステレオ音声としてPCへ送ることは不可能)という事実が判明しました。つまりこのミキサー、Bluetooth/USB-Audioインターフェースとして使った時は絶対にモノラル録音しかできません。ああ・・・同人オーディオドラマの現場録音用に1-2chをパラでDAWに送って録音する目論見がここで完全にハズレてしまった。販売ページには「ステレオレコード」って書いてあるのになあ。USBで繋いだ時にゲイン感がちぐはぐなのも、ライン入力端子ではなくマイク端子だとわかればなるほどとも思う。配信用やビデオ会議用にBluetoothやUSBへモノラルで出力する用途ならこの仕様で使えると思いますが、まともなミキサーとして使うにはアナログ出力も弱いので、残念ながら当家では使いみちが無くなってしまいました。(がんくま)
まあ何でも良いんですけど、それだと身も蓋も無いので。このご相談は今まで何度か受けていて、ぶっちゃけ「歌を録りたい、セリフを録りたい、楽器を録りたい、屋外で電車の音を録りたい、ネットで配信したい、ビデオ会議の音質上げたいetc.」といった質問者が求めている用途によって回答が変わります。今回はそのように用途を限定せず、録音や音響に興味を持つようになってなんとなく最初の機材が欲しいのだけど、という漠然とした状況を想定した話。個人の持論にすぎませんがご容赦いただけますと幸いです。■最初の最初の1本何も機材を持たない初心者から「最初に1本マイクを買うとしたら何が良いですか?」と聞かれると、私はBEHRINGER XM8500(3,980円)を推しています。XM8500推す理由は典型的なダイナミックマイクで値段の割に音質が良く頑丈で、後に他のマイクを買ってもMC用や効果音録音用(高価なマイクを投入するのに躊躇するような場合もあります)に使い道が残って無駄にならないからです。このジャンル「ステージパフォーマンス用のダイナミックマイク」の永遠のベストセラーはSHURE SM58(12,500円)で、これはこれでやはり信頼性も高く音も良く素晴らしい製品です。XM8500はSM58をベンチマークした製品と思いますが初心者としてはXM8500のほうがずっと買いやすいですね(驚くべきことに円高だった数年前までは1,780円で売っていた)。SM58歌やMCに使う見込みがなく楽器や効果音を録る機会のほうが多そうなら、SM58よりも更にオールマイティーに使えるSHURE SM57(12,109円)も推します。インストアライブやFMラジオのゲスト演奏等の楽器録音にはこのマイクが良く使われます。風防を付ければ声も録れます。SM57ある程度実務経験のある方はおわかりかと思いますが、単体のマイク自体の周波数特性・感度の優劣と、そのマイクで録音した声が放送波やネット動画などで配信された先のテレビ受像機やパソコンのスピーカー、安価なイヤホンから聞こえる時の聞きやすさや話の内容の明瞭度は一致しません。自分のヘッドホンやスピーカーで聞いた時により高音質な良い音がするマイク=視聴者が聞きやすいマイクとは限らず、防音されていない部屋鳴りや雑音の多い場所からの配信用としては今でもこの手のハンドマイクを口元に寄せて録るのが最もハッキリ聞こえる結果になる場合が大半です。ニュース映像に出てくる記者会見の現場で、次に紹介するラージダイアフラムのマイクが使われているのを見ない理由です。■コンデンサーマイクが欲しいスタジオの写真でこのような縦型のマイクを見たことがあり、声優や歌手の声はああいうマイクで録るもの、と漠然と思っている方もいるでしょう。専門的には「サイドアドレス型ラージダイアフラムコンデンサーマイク(LDC)」と言い、ダイナミックマイクより感度が高くて小さく繊細な音も拾えますので実際にスタジオで使っています。こういったスタジオ用マイクを買う際に意識しておかないといけないのは、感度の良いマイクは静かで反響の少ない部屋で使わないと余計な音も拾いますし、周辺機材にもグレードの高いものを要求しますので、宅録用途だとマイク単品だけ高級品を買っても片手落ちでトータルクオリティが上がらない点です。最初の1本というよりは前述のXM8500のようなマイクを買って次の2本目かなあ、とも思います。それでも声優志望の方が自宅練習用に、またエンジニア志望の方が歌や朗読やシチュエーションドラマで声を録りたいから、と「最初にコンデンサーマイク(ラージダイアフラム)を買いたいのですが何が良いですか?」と聞かれることもあります。個人的にはAudio-TechnicaのAT4040(34,800円)かMXLのMXL2003A(20,800円)を推しています。AT4040MXL2003Aこの2つのマイクの良い所は常に初心者需要があって中古の価格があまり下がらない点です。録音初心者が2~3年使って録音を覚え、その段階で売り払って次のマイクを買うとしても、オークションで売ればそこそこの値段で必ず売れます。買った値段と売った値段の差額を考えると実際に費やしたお金は年間3〜4千円に過ぎません。そう考えると異様にコスパが良いマイクです。AT4040にはAT2020、MXL2003AにはMXL-V67GやMXL770という更に安いマイクがあります(AT2020とMXL-V67Gは私も使いました)が、これらはLDCとしては最安値のクラスで中古の値段が上がらないので将来的に売却すると考えると意外とコスパが良くありません。使い潰すつもりで買いましょう。AT4040の音は地味に聞こえるかもしれませんが、しっかりとマイキングしないと良い音で拾いません。声優やヴォーカルであればマイクのスイートスポットにしっかり声を当て続ける技術が要り、少し向きが変わると録り音が変化してしまいます。これと比べると同じジャンルのマイクの中で最も有名なNeumann U87ai(410,311円)は少しばかり芯を外れていてもそこそこの音で録れてしまうので、初心者エンジニアや初心者声優がどちらを使ったほうが技量が上がるかは明白です。U87aiU87aiは誰もが認める良いマイクですが、マイクだけ高価なものをポンと買っても前述のように周辺機材や録音環境、録る人の技量が追い付いていなければ宝の持ち腐れになります。こんな高い機材を使ってこの程度の音でしか録れないのか、では本人の評価も下がってしまいます。録り音が悪いのをマイクのせいにして次々買い換えるよりも、AT4040のような素直なマイクで「良い音になる録り方」をじっくり研究するほうがスキルアップできます。MXL2003Aも同等価格帯の製品の中ではRODEのマイクより高域の癖が少なく、より安価な低位機種より密度がありつつ素直な音で後加工がしやすい良マイクです。落ち着いた外観でマイクに詳しくない人から「このマイク本当に大丈夫?」と不安に思われる可能性が低いのも利点です。■最初から2本欲しいオーディオドラマやボイスドラマでは「掛け合い芝居」を自然に録るために同じマイクを2本以上使って録音するのが一般的です。しかし前述のAT4040やMXL2003Aであっても2本買うと結構な金額です。仲間同士で同じマイクを1本づつ買って録音の時は持ち寄るとか借りるとか工夫できれば良いですが、1人で2本買うのは躊躇してしまうのではないでしょうか。そんな時、第3の選択としてスモールダイアフラムのコンデンサーマイク(SDC)、いわゆるペンシルマイクはいかがでしょうか。このジャンルのマイクの定番品としてはAKG C451B(1本57,300円)やSHURE SM81-LC(1本52,900円)がありますが、最初の万能マイクとして買うには高価なので、入門用として検討できる安価な製品はMXL CR21 pair(2本セット14,800円)になります。これならラージダイアフラムのマイクを1本買う値段よりも安く2本買えますね。MXL CR21 PAIRCR21 Pairは厳密には特性を合わせたステレオペアではないそうですが、オーディオドラマのセリフや効果音を録るなら問題にならないでしょう。スポンジ風防が付いてこないので別途購入が必要です。C451BSM81-LCスモールダイアフラムのマイクはラージダイアフラムのマイクと比べると振動板が小さいので低音に弱く高音に強い、吹かれに強い、等価雑音レベルが高い(ややS/N面で不利)といった特徴があります。澄んだ高音など金物系の録音に強いのでドラムのハイハットやシンバルの録音に使われます。CR21は新しい製品で同等製品の中では比較的低音まで拾いますしローノイズです。コンデンサーマイクなのでXM8500やSM58のようなダイナミックマイクより感度が高く、少し離れたオフ目の音でも良く拾います。個人的にオーディオドラマのセリフはヴォーカル録音よりもややオフ目で録音したほうが良いと思っています。日常生活で話相手は目の前10cmや15cmでは喋っていませんし、すべてのセリフを近い距離で録ると、いざ演出上必要な時に近寄る芝居が効かなくなってしまいます。近年のアニメやボイスドラマではやたら近目の(オンマイクでの)声収録が一般化しているので、残念ながらこれに慣れてしまったリスナーやディレクターが増えてしまいました。息芝居・囁き系、舐め音などの目の前っぽい近い音のリアルさを捉えるなら確かにラージダイアフラムのマイクのほうに分があります。しかし音声シチュエーションドラマ作品で流行の「バイノーラル録音による耳舐め」はスモールダイアフラムで録っていますから(ダミーヘッドマイクはすべてスモールダイアフラム)、音的にあれが良いと思えるならペンシルマイクでも何も問題は無いはずです。ペンシルマイクは軽くてマイキングもしやすく(セリフ録りで吹かれる場合は真正面や斜め下から口元を狙うのではなく、斜め上から口元を狙ってみて下さい)、効果音や楽器の録音にも使えるし、2本持っているとステレオ録音やピアノ録音(高音部と低音部で2本マイクを使うのが一般的)もできます。しかし手で握るような用途ではグリップノイズが入りやすいので、ステージパフォーマンス用のマイクとしてはダイナミックマイクのほうが向いています。機材にお金をかけられないが、最初に2本マイクが欲しい人のチョイスとしてはありだなと思います。■ショットガンマイクが欲しい最後にガンマイクです。今までの3種のマイクに比べると特殊で、他のマイクにはない狭指向性を生かして屋外で人の声や鉄道の音を録りたい、といったように欲しがる人の用途が限られます。なので一部の人々を除き最初に買うマイクにはなりにくいです。「最初に買うガンマイクは何が良いですか?」には結構答えるのが難しい。そもそも入門用の安価な製品がほとんどありませんし、マイク本体とは別に防風用のウインドスクリーンやグリップ(ショックマウント)、ブームポール等にも投資が必要なので、初心者が買う最初のマイクとしては高価になりがちです。定番品はSennheiser MKH-416P48(123,800円)ですが完全な業務用製品で高価です(それでも以前の半額位にはなっています)。丈夫で長持ちするマイクなので、最初からこのマイクで一生食っていくと決めれば買って損はしませんが、どんなものだか知りたいな程度の方にはオススメしづらいです。MKH-416P48これより廉価かつ新品で買える製品はSennheiser MKE600(39,200円)、またはRODE NTG-1(39,640円)ですが、これらもやや高価でガンマイクとしては中庸の性能です。MKE600RODE NTG-1入門用として中庸の性能の品を買うなら、割り切ってSONY ECM-670/671/672/673(32,660円)の中古品を買うと良いと思います。これらは長年業務用ビデオカメラの付属マイクに使われ数が出回っていますので中古価格が安く1万円程度で買えます。中距離録音用ガンマイクとしては平均的な性能でMKH-416P48と比べると指向性が緩いですが、中国製の安物ガンマイクを買うよりも高品質です。後に仕事用にもっと良いマイクを買ったら予備マイクにすると良いでしょう。また、もし中古で動作品が入手できるならSANKENのガンマイクも高性能です(明瞭度の高い音がします)。SONY ECM-673🎤🎤🎤🎤🎤筆者自身が最初に手に入れたマイクはAIWAのDM-68Aというダイナミックマイクで、昔、アルバイト先の放送局で廃棄される時にタダで譲り受ました。現代はこれより高性能なマイクがたくさんありますが、良い出会いだったと思います。30年経った今でも使おうと思えば使える品質で音が録れます。SHURE SM58と比べると近接効果と指向性が緩やかでナチュラルな音です。AIWA製マイクロホン CM-12 / DM-68A 録音音質の比較 - YouTube初心者にも買いやすいマイクということでコスト面を切り口にしましたが世の中には沢山のマイクがあってそれぞれに個性があります。皆様にも自分を育ててくれる最初の1本のマイクとの素敵な出会いがありますように※文中の価格は2023年9月時点のインターネット検索値です。(がんくま)
以下の情報は2023年9月時点の実例です。譲渡方法は変遷しますのでAvidのWebサイトで最新の方法を確認するようにしてください。実例中で行ったのはPro Tools Ultimate Perpetual Licenseの譲渡です。Perpetual Studio Licenseの譲渡も同様に行えるはずですが、金額やリンク先などが一部異なります。サブスクリプションライセンスの譲渡は行えません。ライセンス譲渡はAvidアカウント内の製品登録情報の書き換えで行われますので、譲渡する側とされる側は2人ともAvidにアカウントの登録がある前提です。■大雑把な流れ1.譲渡する側とされる側双方で必要な情報を用意2.iLokから譲渡する製品をdeactivateしてiLokアカウント内(クラウド)に戻す3.AvidのWebサイトからライセンスの再登録申請の書類(PDF)をダウンロードして必要事項を記入4.Avid shopサイトでASC(Avid Support Code)を購入(事実上の譲渡手数料)5.ASCの番号を使ってAVIDのカスタマーサービスに再登録申請のケースを開く6.申請内容に不備がなければAvid側作業で申請から5営業日程度で譲渡完了■譲渡に必要な情報【譲渡する側(前所有者)が準備】・製品が登録してあるiLok ID・Avidアカウントに登録しているメールアドレス・Avidアカウントに登録している氏名と住所・電話番号(※必須ではない)・印鑑・譲渡する製品のSYSTEM IDSYSTEM IDはAvidアカウントの自分の製品リスト("View My Products")から見るか、iLokマネージャーに自分のアカウントでログインしていれば確認できます。【譲渡される側(新所有者)が準備】・Avidアカウントに登録しているiLok ID・Avidアカウントに登録しているメールアドレス・Avidアカウントに登録している氏名と住所・電話番号(※必須ではない)・印鑑・費用11,550円と支払い手段(クレジットカード、paypal、Google Payのいずれか)・AvidのWebサイトへアクセスするためのパソコンとWebブラウザ※スマートフォンでのアクセスは推奨しません。・ドキュメントスキャナー(コンビニ複合機でもOK)・ASC番号(後で説明します)■どちらがAvidに手数料を支払って申請をするか中古売買やオークション等で店舗を介さず見知らぬ人同士で直接ライセンスを譲渡する場合、どうしても氏名やメールアドレス等の個人情報を共有することになります。基本としては譲渡する側(前所有者)が手数料を払って手続きをするよりも、譲渡される側(新所有者)が主体的に手続きをすることをお勧めします。何故なら、譲渡する側が手続きをする方法ですと譲渡される側のiLok IDやAvidアカウントの登録情報を知ってしまうので、一旦ライセンスを移行し代金が支払われた後で再びライセンス移行を申請して取り返す事が可能であるからです。実際に売買を行って作業を始める前に、当事者間で作業手順や支払いのタイミングを話し合ってトラブルを避けるようにします。なお、手続き途中に書類を郵送する場合は、譲渡される側の住所氏名を譲渡する側へ伝える必要があります。■譲渡する側の作業元の持ち主は、iLokマネージャーを使ってライセンスをiLokからdeactivateしてiLokアカウント内に戻します(対象製品を右クリックしてdeactivateを選択実行する)。以下のライセンス再登録に関するページを開き、下の方にあるリンク先から「Avid オーディオ製品 再登録申込用紙」のPDFをダウンロードします。Avid Pro Tools オーディオ製品の再登録方法は?https://avid.secure.force.com/pkb/articles/ja/faq/en363631「Avid オーディオ製品 再登録申込用紙」(直リンク利用は非推奨)https://resources.avid.com/SupportFiles/PT/Avid_Audio_TOO_form_202307_JP.pdfPDFの3ページ目が提出する申込用紙ですので上半分に必要な情報を記載し、印刷・捺印します。記入内容に間違いが無いか確認できたら、譲渡先に郵送します(届いた届かなかったトラブルを避けるために受け取り確認ができる簡易書留やレターパックを利用すると安心です)。■譲渡される側の作業「Avid オーディオ製品 再登録申込用紙」のPDFの1~2ページが手続き方法の説明書になっていますので、あらかじめダウンロードして熟読しておきます。この用紙で手続きができるのは、・Avidハードウェア製品(本記事では対象外)・ProTools HD/UltimateではないVersion9以降のProTools Studio、プラグインとその他のオーディオ関連ソフトウェア・ProTools HD/Ultimateソフトウェアの3つです。ProTools HD8以前ですとライセンスがiLokアカウント内にある場合はASCを用いずに他人のiLokとの間でライセンストランスファー(有償)が可能で本記事の対象外とします。Ultimateの手続き方法は2ページ目に記載があります。譲渡元から書類が手元に届いたら内容を確認し、必要な前所有者の情報が全て記入されているかどうかを確認します。確認できたら記入の練習用にコピーを取っておくと良いでしょう(最終的にはPDFかPNG等の画像データとしてAvidへ提出することになるので、捺印したあとすぐスキャンして以後の作業は画像ファイルに記入していく手もあります)。AvidのWebサイトへ行き、自分のアカウントでログイン。「Avid オーディオ製品 再登録申込用紙」のPDF記載のURLからAvidショップサイトヘ行き、ASC(Avid Support Code)を購入します。ASCとはAvidに有償サポートを依頼するための権利で一般的な技術サポート等にも用いられるものです。本来はライセンス譲渡専用の手続きや手数料ではありません。※ASCの説明 https://www.avid.com/ja/learn-and-support/single-incident-support購入するASCは譲渡対象製品により異なりますので、PDFを確認し、間違って別製品用のASCを購入しないように注意します。以下に記載のURLと価格は2023年9月現在のものです。Pro Tools Ultimate用のASC(\10,500+税)http://shop.avid.com/ccrz__ProductDetails?sku=AR-AV-ASCPTH-00ProTools Studio用のASCはこちら(\4,400+税)http://shop.avid.com/ccrz__ProductDetails?sku=AR-AV-ASCPTL-00支払い方法はクレジットカード、Paypal、GooglePayのいずれかに限られます。Avidショップサイトは重くて反応が悪く途中で反応が無くなったりします。根気がいります。無事ASCが購入できたらAvidから電子メールが届きますが、そこに再登録申込用紙へ記入が必要なASC番号は書かれていません(SKUとOrder No.のみ)。【ASC番号の確認方法】Avidアカウントへログインし、"View My Products"(私の製品を見る)の中にASCがあるかどうかを確認します。無い場合は「まだダウンロードしていない製品」をクリックするとあります。アクティベートボタンを押すと自動でダウンロードコードが入りますので「製品の登録」をクリックします。"View My Products"に戻ると下記のようにASCが表示されているので、開くと9桁のサポートコードが見えます。これを再登録申込用紙に記入します。以上で必要な情報が揃いましたので、間違えないように再登録申込用紙に記入して完成させ、アップロードできるようにPDFやPNGのような画像データにします。会社や自宅にドキュメントスキャナーが無い場合はコンビニの複合機でスキャンしてUSBメモリー等で持ち帰ります。PDF記載のURLから"Using Your ASC"(ASCを使用する)画面へ行き、有効なASC番号を入力しSubmit(提出)します。http://avid.force.com/ASC/ASCWebToCaseHomePageJAサポートケースの入力フォームが開きます。前述のようにこのフォームはライセンス譲渡専用ではなく問い合わせ汎用です。プルダウンメニューで順次DAWから"ProTools Ultimate Software"を選び、必須項目をすべて記入します。国と言語にJapan/Japaneseが選択できるので、私の場合は名前や内容を日本語で書きましたが、その後の返信は外国人の担当者名ですべて英語で来ました。一応Avid側が対応してくれて日本語でやれましたが、本来は英語利用が前提のようです(と言っても書類自体が日本語なのだけれど)。添付ファイルの追加をクリックして画像データ化した再登録申込用紙をアップロードします。私は最初スマホ(Android)のChromeでやっていましたが、PDFをアップロードできませんでした。最初からパソコンのブラウザを使ったほうが良いと思います。次へをクリックして登録内容を確認するとケース(事案)として登録され、ケース番号が発行されます(ライセンス譲渡専用のサービスではないので問い合わせの1つとして扱われます)。ケースとして登録したという英文のメールが届き、このメール中のURLや、単一サポート案件のページにケース番号を入力することで「ケース詳細」が表示できるようになります。ケース登録の確認から1~2時間後に、Avidカスタマーサポートの担当者から「内容を確認したのでライセンス移行作業を進める、5日以内に連絡する」という受理確認の文面の英文メールが来ました。申請したのは水曜日の昼頃で、週末は営業日に含まないと思っていたので火曜日か水曜日あたりに連絡が来るのかなと思っていたら、日曜日に日付が変わった頃の午前1時くらいに「作業を完了した、ケースはこちらで閉じた」という英文メールが来ました。早速Avidアカウントの製品リストを見ると譲渡されたSYSTEM IDのライセンスが増えており、製品のダウンロードリンクもあります。自分のiLokアカウントにも表示されているのでアクティベートもできました。ライセンス売買であれば、この確認ができた段階で譲渡成立です。■ProTools永続版のライセンス譲渡のゆくえ2022年春以降AvidはProToolsの永続版の販売を停止しましたのでProToolsを新規で買う人の選択肢はサブスクリプション版購入以外になく、どうしても永続版を手に入れようと思えば本記事のように永続版ライセンスを持っている人から譲渡してもらう他に手段がありませんでした。しかし本記事執筆当日の2023年9月22日にAvidから永続版ライセンスの再販開始案内が出ました。よって今後、本記事に沿ってライセンス譲渡を行う需要は減るものと思います。例外は古いProToolsでしか動かない古いハードウェア(HD core/accelカード等)を使いたい場合に、その頃のバージョンから継続して維持されていたライセンスを含めて譲ってもらう場合や、DTMを辞める方から市価より安く譲ってもらえる場合と思います。本記事は2023年9月時点の内容ですので、実際に譲渡を行う際にはAvid公式Webサイトで必ず最新情報をご確認下さい。(がんくま)
オーディオドラマ 「タイトル:新作はまだか」Release:2023.04.30 M3-2023春(予定) (第2展示場2F ク-04b) ステレオ イベント価格500円2019年のMUR-014「ラストパート」から4年ぶりのサークルの新作になります![ジャケット][試聴ファイル]トラック1(mp3)[あらすじ]世間の批評などで自信を失くし、まったく本が書けなくなってしまった小説家、緒方文彦。普段は姪っ子のしょうこに半ば養われつつ毎日を過ごしていた。ある日訪れた本屋で自分の作品のファンだという川上瀬奈と出会い自分の内情を打ち明けると、彼女の父が経営している喫茶店で勧められるまま新作の執筆作業を始める。マスターやそこに集うお客など、店で起こる出来事に触れながら徐々に意欲を取り戻し新作を書き上げていく文彦。ただ、瀬奈の様子が以前と違うようで・・・ちょっと立ち止まった大人に送るヒューマンストーリー。[キャスト]緒方文彦:小西駿貴川上瀬名:辻本早耶香瀬名の父:塚多知樹緒方しょうこ:葉理喫茶店の店員:杉宮加奈本屋の店長:くろ。喫茶店の客:がんくま、杉宮加奈、くろ。辻本早耶香スタッフ脚本:くろ。録音、編集:がんくま音楽:ジルジャケットデザイン:渡辺浩彰(VODALES)(くろ。)
■事の顛末(作業だけ知りたい方は飛ばしてOK)先日、100均のイヤホンを改造して秋月電子のECMカプセルを内蔵した簡易ダミーヘッドマイク(リアルヘッドマイク?)を使い、入浴時の音のバイノーラル録音を試みました。以前製作したファンタム電源をプラグインパワーに変換し、マイク入力をバランス出力するアダプターをタッパウェアに入れて防水したものを利用しました。記事内容とズレますが、この録音はなかなか良かったです。水対策としてカプセル表面もスポンジで覆いましたが、これが逆に音をすっきりさせ、耳元に近い水の音や身体や髪を洗う時の手先の移動感がリアルに収録できました。イヤホンケーブルがシールド線ではないので電磁波の影響がノイズになりやすいのが難点でしたが、高価な本格的ダミーヘッドマイクを水濡れで壊すわけにはいかないので。で、録音に使っていたMARANTZ PMD561のヘッドホン出力を聴きながら成功を確信していたのですが・・・。30分以上長回しで録った挙句に最後の瞬間に焦ってレコーダーを落下させてしまい、電源が瞬断しました。拾い上げた時点で再起動がかかっていたので即座にファイルリストを確認しましたところ、ひとつ前の録音までしか残っていません。貸し切り風呂のその日最後の枠を使っていたので、失意の中そのまま撤収して引き揚げるしかありませんでした。■録音したのに残っていないWAVファイル録音を開始後に停止ボタンを押さなかった音のファイルは本当に残っていないのか?落下瞬断後のPMD561が再起動し、最新ファイルが残っていない事が確認された時点で、それ以上の録音をして新しいファイルでカードが上書きされることが無いようにSDカードは抜いていました。帰宅後これをWindowsパソコンで見てみましたが、やはり長回しした録音ファイルは存在しませんでした。ICレコーダーの仕組み上、録音が回っている間は本体のメモリーにデータが記録され、録音終了時にWAVやMP3のファイルに書き出される仕組みだと思われますので通常はこの時点で諦めです。しかしダメ元でUndeleteをかけてみたところ、RecorderRec.TMPという削除ファイルがあることが判明しました(フォーマットはFAT32)。このSDカードは当日録音の前に完全フォーマットをしていたので現地での録音以外のファイルはヒットしないはず。録音中の一時ファイルであった可能性が高いです。電源瞬断時に録音は回っていたので、再起動時に残っていた(ファイル末尾が閉じていない)一時ファイルが自動的に削除された可能性があります。そこで、まずこのRecorderRec.TMPを復活させました。元のSDカード上に復活させると元のカードの内容を壊してしまうので、別のドライブにリカバリします。ファイルの容量は長回ししていた時間に見合うサイズ(604MB)です。■バイナリエディタとSoXでWAVファイルを復元する試しにこの復活したファイルの拡張子を.WAVや.AIFFに書き換えてみましたが、残念ながら再生できませんでした。そこでバイナリエディタで中を見てみました。先頭にはヘッダ情報らしきものが見えます。8000h以降は何かのデータで普通に考えればここから先はPCMのRAWデータではないかと思われます。ヘッダ部分は録音ボリューム設定などのPMD561固有の録音一時情報が含まれているようです。そこで、このヘッダ部分(0000hから7FFFh)をカットして残りのデータ部分を別ファイル(input.raw)に保存しました。SoXのWin32版バイナリをダウンロードしてきました。https://sox.sourceforge.net/sox.htmlこれを展開した作業用フォルダに書き出した別ファイルをコピーします。録音時に指定していたフォーマットは48kHz/24bit/Stereoと記憶しておりましたので、soxにコマンドラインでフォーマットを指定し、RAWからWAVへ変換します。C:\temp>sox -t raw -e signed-integer -b 24 -r 48000 -c 2 input.raw -t wav output.wav【引数】-t 音声フォーマット-e エンコード形式-b ビット数-r サンプリング周波数(データレート)-c チャンネル数soxにより引数で指定したヘッダファイルが付与されてWAVファイルとして書き出されました。再生してみたところ、失われていた録音データが復活しました。100%完全では無かったかもしれませんが95%程度は復旧できたと思います。録音末尾はノイズでしたのでDAW上でカットしました。復元したファイルのヘッダ部分。WAVフォーマットでは0x64617461("data")の後に波形のサイズ、それに続いてPCMデータという構造です。こちらはPMD561で録音に成功している別のWAVファイルのヘッダ部分。PMD561に限らずICレコーダーの内蔵バッファメモリは短時間のキャッシュ用なのでSDカード上に断続的にRAW PCM DATAを書いている可能性があり、同じ手法でセーブできなかった録音ファイルが復活できるかもしれません。その際は、復活が必要なファイルを追加録音やファイル操作により上書き破壊したりしないように即座にSDカードを抜く、録音した時のフォーマット(サンプリング周波数、ビット数、チャンネル数)を覚えておく、リカバリファイルを同じSDカード上に作らない、MP3のような圧縮音声フォーマットは避けてWAVで録る、といった点に注意しなければいけません。本記事を参考にした作業は自己責任でお願いします。(がんくま)
■Windows11(64bit)でLUB-SC2+SDT-9000を使う方法はないのか?結論から書くと条件付きで使えました。条件とは「等速再生ができないのでWaveDATによる音楽再生には向かないが、内容のキャプチャはできる」という点です。等速再生ができないボトルネックがLUB-SC2側にあるのか、使用したPCのスペックを上げれば解決する問題なのか現時点では不明です。【使用機材】・ノートパソコン HP ProBook450G3 Windows11Pro 64bit(21H2 build 22000.918)・SCSIインターフェース Logitec LUB-SC2 USB-SCSI変換ケーブル・SCSIテープドライブ SONY SDT-9000Adaptec AHA-2940シリーズ(AIC-78xx)やSYMBIOS LOGICの53C875等を使ったSCSIインターフェースカードには探せば64bit版ドライバが存在するので、情報を集めてインストールすれば64bit版Windows10/11でそのまま動作するようです。等速以上でDDSDATを使いたい場合はそれらを使うと良いでしょう。ただし古い規格であるPCI-BUSが付いたマザーボードが必要です。PCI-BUSが無い現在の一般的なデスクトップ機やノートパソコンでも使えるUSB-SCSI変換ケーブルでは唯一RATOCの製品(U2SCX)が64bit版Windowsでそのまま使えますが極めて高価です。LUB-SC2の場合64bit版のデバイスドライバが無いのが最大の問題で、これは解決できませんでした。SCSI ID=0で使う「USBディスクモード」であればWindowsの標準ドライバでUSB大容量記録装置として認識するのでMO/HDDは使えますが、テープドライブを使うための「SCSIエミュレーションモード」用のドライバが無いのでSDT-9000は動きません。前回の記事で書いたVista用のドライバを解凍してDPinst.exeを実行しても「64bit版のインストーラーが必要です」と表示が出て先に進めません(互換性のトラブルシューティングで過去のOSを設定しても同じ)。よってそのままWindows11で使うことは残念ながら不可能です。■仮想32bit環境の構築次善の策として、Windows11上に仮想PC環境を作って32bit版のWindowsを動かすという方法があります。現時点でWindows11に対応する比較的メジャーな仮想PC環境は下記の3つです。いずれも試してみました。1.Windows HYPER-V2.Oracle VM VirtualBox3.VMwareWindows HYPER-VはWindowsの標準機能で実行速度も速く利用の敷居が低いものの、ホストPCのUSBポートに接続した機器をゲストOSから直通で使う「USBパススルー」の機能が無く今回の用途では使えませんでした。VirtualBoxとVMwareは個人の非商用利用であれば無償で使える仮想環境で、どちらもUSBパススルーの機能があります。VirtualBoxではSDT9000DATToolやWaveDATを動作させるまではできましたが、高確率でLUB-SC2がSCSIのタイムアウトエラーでハングアップしてしまい、対策を試みたものの解決できませんでした(後述)。そんなわけで以下はVMwareで使う説明になります。仮想環境では実機よりも実行速度が遅くなり、メモリやディスク容量などのリソースも余分に要りますのでホストPCにはそこそこハイスペックな製品が必要です。今回使用したHP ProBook450G3はCorei7-6500U(2.5GHz)、RAM16GB、SSD512GBx2、USB3.0x4portという構成です。【大雑把な手順】1.Windows10(32bit)のインストール用イメージ(ISO)を作る2.VMware Workstation Playerをダウンロードしてインストールする3.共有フォルダを作る4.LUB-SC2のVista用ドライバをインストールする5.正常に動作させるための各種設定を行う6.動作検証■Windows10のISOパッケージを作る【参考記事】Windows 10 の ISO ファイルを作成する必要なのは32bit版のWindowsです。Windows7か8の32bit版でも良いと思いますがXPや2000のようにもっと古いOSだとファイルシステムの互換性や新しめのデバイス認識で問題が出ると思います。USB3.0のドライバが標準実装されたのがWindows8以降です。令和4年時点だとWindows10は現行のOSですが、10年経つとだいぶ古くなっているはずで、ましてやそれ以前のOSは・・・という気がします。ISOファイルが出来たら自分でわかるフォルダに保存しておきます。■VMware Workstation Playerをダウンロードしてインストールする【参考記事】VMwareにWindows10をインストールするVMwareのダウンロード先からWindows用のVMware Workstation Playerのインストーラーをダウンロードしてきます。個人の非商用利用であればVMware社への登録は不要でダウンロードできます。今回利用させていただいたのはVMware(R) Workstation 16 Player(16.2.4 build-20089737)です。インストーラーディスクイメージファイルに前項で保存しておいたWindows10のISOファイルを指定します。インストールにあたってのポイントは以下の通りです。・インストール中はネットワークを切っておくほうが良いネットにつないだままだとWindows10のインストーラーがアップデートを読みに行きかなり余計に時間がかかります。また、ローカルドメインが作れずメールアドレスが必要になります。ここで作る仮想環境はDAT専用で他の作業はしないと割り切って下さい。LANやWi-Fi接続を切らずとも、仮想マシン設定でネットワークアダプタの「接続済み」のチェックを外しておけば良いです。・仮想ディスクはシステムが入っているC:ドライブとは別のSSD/HDDに作成したほうが良い高速化のためです。遅いDATを使うのに高速化は不要と思われるかもしれませんが、DDSDATを安定動作させるために高速化が必要です。容量はDATをキャプチャして1~2本毎にホストPC側へデータを移動させる使い方なら最小設定容量の60GBで足ります。別ドライブに作成しないと使えないという事はありませんでホストOSと同じドライブに作っても普通に動きますが、仮想ディスクを置くドライブに空き容量の余裕が無いとゲストOSがクラッシュしますので容量が圧迫されないように注意します。・メモリは8GB以上、CPUコア数も増やすミニマムな環境で良いと考えず、高速で動かせるようにする必要があります。メモリは8192MB以上を指定します。VMwareやVirtualBoxではインストール時のコア数でゲストOSが構成されるのでシングルコアにしてインストールすると後から増やす必要が出た時の手動作業が大変煩雑です。プロセッサコア数は最大の4コアにして必要で無ければ後から減らす方向で。・USBはホストPCのポートに合わせて最大速度でUSBの互換性はUSB3ポートがある新しいPCであればUSB3.1を選びます。LUB-SC2+SDT-9000はUSBの速度が遅いと不安定になる傾向があり、USB2.0しか搭載していないPCやXP等の古いOSを使いたい場合を除き、LUB-SC2の対応速度に合わせてUSB2.0や1.1を選ぶ必要はありません。なお、VMwareとWindowsのインストール中はLUB-SC2を抜いておきます。・サウンドカードは後から設定できるサウンドカードは高速化のチェックに有用です(音切れを無くす方向へ設定を詰める)が、後から設定ができるのでインストール中は「接続済み」のチェックを外しておけます。初回起動時に起動音の再生で割り込み処理が多発して重くなるのを防げます。インストール後の話ですが、WaveDATの場合は音の再生にDirectSoundやASIOが指定できるので、USBパススルーでPCM2704などの枯れたDAをつないで鳴らしたほうがVMwareのエミュレーションでオンボードのサウンド機能を鳴らすより軽かったです。・不要なポートは追加しないシリアルポートやパラレルポート、汎用SCSIポートは不要なので追加しません。・Windows10の不要な機能はできるだけ切るインストール中に出てくる使用状況の送信などの6項目も不要なので全部オフにします。【参考記事】VMware Playerはこのホスト上でネストされた仮想化をサポートしていません【VMware】仮想マシンの動作を軽くする方法■共有フォルダを作る【参考記事】VMware ToolsをインストールするVMware Playerの共有フォルダの設定方法 | 仮想マシンソフトインストールができたら、ゲストOS側のCD/DVDにVMware ToolsのISOを読み込んでインストールします。続いてホストOS側とファイルのやり取りをするための共有フォルダを作ります。クイックアクセスに登録するかデスクトップにショートカットを作成しておくと良いでしょう。■LUB-SC2のVista用ドライバをインストールする前回の記事を参考に、ゲストOS上にLUBSC2_WVD100.EXEを展開してインストールします。Windows10のインストール時にネットワークを切り忘れた場合はアップデートでセキュリティレベル(DEP)が上がって展開ができません。その場合は管理者実行したコマンドプロンプトからLUBSC2_WVD100.EXEを実行するなどして下さい。DPInst.exe自体も署名がないので2回警告が出ますが無視してドライバ2つ(LUBSC22K.SYSとLUBSC2X2.SYS)をインストールします。一度ゲストOSを再起動してからSCSI ID=1〜6に設定したSDT-9000とLUB-SC2をUSBポートに挿すと画面上に検出したUSBデバイスをホストPCとゲストPC(仮想マシン)のどちらに認識させるかのメニューが出ますので、ゲストPCのOSを選択するとLUB-SC2とテープドライブがデバイスマネージャーに認識されるはずです。【参考記事】VMware Workstation Pro16仮想マシンでUSBデバイスをパススルーする方法■正常に動作させるための各種設定を行うさて、この状態でSDT-9000はLUB-SC2のSCSIエミュレーションモードで接続されているはずなのでSony Tape ToolやWaveDATのSPTIモードで操作できるはずです。しかし重いので動作を軽くする高速化と、LUB-SC2ドライバのハングアップを防ぐための電源の設定、SCSI要求ブロック(SRB)のタイムアウト値の設定を行います。ゲストPCの動作速度を上げる・ゲストPCのWindows右クリック→システム→システムの詳細設定→詳細設定→パフォーマンス→視覚効果「パフォーマンスを優先する」にチェック→詳細設定→仮想メモリ「ページングファイル無し」にする仮想環境の中で仮想メモリを使うのは速度的に無駄、ということで(仮想マシンのメモリ量設定を増やすほうが良い)。以下は更にパソコンに詳しい人向けの処置ですが良く見かける設定です。"C:\Users\(ユーザー名)\Documents\Virtual Machines\(仮想マシン名)\(仮想マシン名).vmx"をテキストエディタで開き、末尾に下記のメモリ設定を書き加えてディスクI/Oのアクセスを軽減する設定にします。MemTrimRate = "0"mainMem.useNamedFile = "FALSE"sched.mem.pshare.enable = "FALSE"prefvmx.useRecommendedLockedMemSize = "TRUE"MemAllowAutoScaleDown = "FALSE"ただし、ホストPCの実メモリが少ない場合は逆効果になる可能性があるそうです。【参考記事】Windows11を見据えたVMware Workstation 16 Playerの設定メモDAT専用環境であればネットワークや印刷関連など不要なサービスが多数ありますのでネット上の記事を参考に「コンピューターの管理→サービスとアプリケーション→サービス」から不要なサービスを止めておくとさらに動作が軽くなります。【参考記事】【2021年最新】Windows10 不要サービス停止で高速化・軽量化!電源の設定DATキャプチャ中は丸2時間以上PC操作をしなくなるのでスリープ等で電源が落ちてしまうのを防ぐ設定です。ホストOS・ゲストOSの両方に設定します。・Windows右クリック→電源オプション→スリープ次の時間が経過後、PCをスリープ状態にする(電源に接続時)を「なし」にする。→電源の追加設定→追加プランの表示で高パフォーマンスを選択→プラン設定の変更を開き、コンピューターをスリープ状態にする「適応しない」→詳細な電源設定の変更を開き、次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る「なし」次の時間が経過後スリープする「なし」USB設定→USBセレクティブサスペンドの設定「無効」以上の設定ができたら「変更を保存」します。LUB-SC2のハングアップ防止設定・Windows管理ツールからレジストリエディターを開きます。左側の階層メニューから以下のリンクを開きます。コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\diskIoTimeoutValue 初期値の60(10進数)から180(10進数)ヘ変更TimeOutValue 初期値の65(10進数)から180(10進数)ヘ変更設定値は60~190の範囲で単位は秒数です。デフォルトの60/65のままだとイベントビュアーのWindowsシステムログに「デバイス \Device\Scsi\LUBSC2X21 のドライバーは、操作がなかったためのポートのタイムアウトを検出しました。関連付けられたバスはすべて、条件を解除するためにリセットされました。」というエラーを残しSCSIバスがリセットされてLUB-SC2がハングアップします。ハングアップ時は回転ヘッドが停止するのでデッキ内のテープが擦られ続けることはありませんが、仮想環境を再起動してLUB-SC2を挿しなおすまでSCSI操作が一切通らなくなります(SDT-9000を利用中のアプリの終了もできなくなります)。IoTimeoutValueはインターフェースのタイムアウト値で、ストレージ装置のタイムアウト値であるTimeOutValueの設定値に優先する、という説明を見かけました。私の環境でいろいろと試した限りでは、どちらか片方の設定値だけでも85以上になっていればハングアップ現象は出ないようでしたが、この値はホストPCの性能によりけりの可能性があります。(訂正)どちらか片方だけの設定でも良さそうですが値は150〜180位あったほうが良いようです。ホストPCの性能やSCSIターミネーターの相性も関係する可能性が高いです。ゲストOSにLUB-SC2+SDT-9000しかつながない場合は最大値の190にしていても特に実害は無いと思います。ちなみにVirtualBox(VirtualBox-6.1.36-152435-Win)+Extention Packではこの値を変更してもなんら変化が見られずLUBSC2X2のハングアップが起こり続けました。それ以外には特に不具合が無かったのですがVirtualBoxでの運用を諦めたのはこの一点によるものです。VMware Workstation Playerでは変更後明らかにハングアップしなくなり設定が有効であることが確認できました。デバイスマネージャー上の各デバイスの認識IDは・Logitec LUB-SC2 USB-SCSI Adapter デバイス NINJAUSB\VID_0789&PID_002B\6&1b28487a&0&00・Logitec LUB-SC2 デバイス USB\VID_0789&PID_002B\5&12c8f4c0&0&2・SONY SDT-9000 SCSI Sequential Device デバイス SCSI\Sequential&Ven_SONY&Prod_SDT-9000&Rev_12.2\7&28bab05b&0&000400となっていましたので、PIDからレジストリ内を検索すると他にもいくつか設定項目を発見できます。LUBSC2x2(タイムアウト値を設定する箇所なし)コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\NINJAUSB\VID_0789&PID_002B\7&20cde9cf&0&00LUBSC22K(タイムアウト値を設定する箇所なし)コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\USB\VID_0789&PID_002B\6&30c5d09c&0&6SDT-9000コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\SCSI\Sequential&Ven_SONY&Prod_SDT-9000&Rev_12.2\7&28bab05b&0&000400\Device Parametersこの中にある、SrbTimeoutDelta 初期値:300(10進数)はSRB値なので関係すると思い増やしてみました。しかしこの値が秒数だとするとデフォルトでIoTimeoutValue/TimeOutValueの最大値を上回っているので意味が無く、ここは初期値のままで良さそうです。変更後レジストリエディタを終了したら念の為ゲストOSを再起動してLUB-SC2を挿し直します。■動作検証検証にはSDT-9000DATToolとWaveDATを使用し、60分、90分、120分のDATを30本ほどキャプチャしてファイル化しました。取り込み速度はABS Time読みの実測でDUMPDATが1分を1分5~6秒、WaveDATの音声同時再生無しで1分を1分23~24秒でDUMPDATのほうが高速です。VirtualBoxで試した時はDUMPDATが1分を1分7~8秒とVMwareよりごく僅かに低速でしたが、これは設定で高速化をした場合の結果で、USBポート設定を2.0にしていたりと設定で高速化を試みない初期インストール状態だと1分を3分30秒かけて読んでいましたので、やはり仮想環境の高速化は大変重要です。LUB-SC2+SDT-9000を本物の32bit環境で使うと問題なく等速再生できるので、遅い原因は仮想環境側にあると思われます。よりハイスペックで高速なホストPCを使うともしかすると等速再生が可能なのかもしれません。個人的に過去DAT資産のキャプチャ・WAVファイル化が目的でリアルタイムで音を再生する必要が無いのでこれで実用ですが、音楽鑑賞用や録音用に等速再生が必要な場合、LUB-SC2を仮想環境で動かす方法は向いていないと思います。WaveDATで音声を再生すると等速以下なので音が繰り返しになってブチブチとノイズが乗ります。テープの冒頭部分にあまりにも読み取りエラーが多いと、DUMPDATでは最後まで取り込みはするものの有効なデータが残らない場合がありました。WaveDATではマニュアル記載の設定にしたがいエラーを無視する設定が有用ですが、読み取り精度が悪いテープを音声再生すると再生が止まったりゲストOSが不安定化してリセットがかかったりする場合がありました。この場合LUBSC2X2のバスリセットエラーは出ませんが、dwm.exeがUnkown Hard Errorを出し、画面が何度か明滅してConnected Devices Platformユーザーサービスが予期せぬ原因により終了しました、というエラーが記録されています。等速再生ができない状態で読み取り精度が悪いと再生負担が大きいようです。ヘッド清掃で改善する場合もありますが、中に何が入っているかをちょっとだけ確認する場合を除き音声同時再生無しでファイル化という使い方にとどめておいたほうが良いです。【参考記事】[VMWare] SCSIディスクのタイムアウトの件Hitachi Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(HP-UX用)4.1.6 I/Oタイムアウト値についてデータの破損とディスク エラーのトラブルシューティング のガイダンスSCSI ミニポート ドライバーのレジストリ エントリWindows用iSCSIサービスを最適化する方法Windows における USB- よくあるご質問(Usbstor/USAStor/USB123の違い)WindowsでディスクのI/O優先度を設定する方法VistaのタクススケジューラーとLow Priority I/Oインターネット上で参考にさせていただいた情報源の皆様に感謝いたします。LUB-SC2と同様に32bit版のドライバしかない他のUSB-SCSI変換ケーブルでも、VMwareを使って同様にWindows11で動作させられる可能性があります。Microtech製の変換ケーブルにはかつて64bit版ドライバが存在したという情報がネット上にありますが、現在ダウンロード可能なものはどれもアヤシイです。今どき需要が無いのはわかりますが本当は64bit版ドライバが欲しいところ。(がんくま)【関連記事】令和4年のDDSDAT(1)Windows10(32bit)+LUB-SC2+SDT-9000