audio-technica AT8441のゴムを張り替える
AT8441はAT4040/4050/4060用の純正ショックマウントです。ただし初期型で、使う側からするとこのマウントの評判はあまり良くなく、逆さまにすると落ちるなどホールド性に問題があるとの意見がありました。その後純正品はAT8449を経て現在はAT8449aになっており、ホールド性の不安は聞かれなくなりましたので、おそらく現行のAT8449aでは問題が解決しているのではないかと思います。AT8441ではマイクの保持を平ゴムベルトで行います。AT8449もAT8441と同じくマイクの保持を平ゴムベルトで行います。AT8449aは現物を見たことがありません。写真で見た限りではホルダー部分が明確にテールパイプを保持する構造になったようです。なお、メーカーには純正ショックマウントのサスペンションゴム交換を行うサービスがあります。しかしAT8441も対象なのか、AT8449/8449aだけなのかはわかりません。本記事を参考に自分で作業をされる場合は自己責任でお願いします。■ゴム紐のみを交換する場合交換に使ったのは百均ショップのセリアで購入した「HAIR RUBBER BANDロングゴム中タイプ全長約100mm SRLG-043-1(株式会社ブレイズ)」です。一般的注意としてヘアゴム用のゴム紐は元々付いていたゴム紐よりソフトで伸びやすく耐久性が低い場合が多いです。元のゴム紐は5年使えたけどヘアゴムで張り替えたら1年で伸びた、になる可能性があります。困った時にすぐ張り替えられるのが利点なので耐久性を気にする方は高耐久な素材を探してください。実際に今回使ったゴム紐もすぐ伸びますのであまりお薦めはできません。太すぎるとホルダーの穴に入らないのですが同じ百均のゴム紐でももっと良いのがあるはず。他に必要なのはゴム紐の両端をカシメてリングにするためのゴム留め金具です。元々付いているものを丁寧に外せば再利用もできますが、今回は手芸用品店やメーカーサイトを含む各種通販で入手できる日本紐釦貿易(Nippon Chuko)の「ゴム留め金具ブラックニッケル 3×10mm A16-3 BN」を使用しました。作業前はゴム紐が緩みきっていて枠から外れてしまいます。ゴム紐を外す前にゴムがどの順番に穴を通っているかを確認したら、元のゴムをカシメの所で切って抜き取ります。抜いた交換前のゴム紐の全長は87cmでしたが、これは伸びて緩んでからの長さなので新品はもっと短いはずです。新しいゴム紐を元通りの順番で穴に通してテンションを確かめます。最初ゴム紐の長さを69cmにしてみましたが、AT4050は重いので1〜2回吊るとすぐ伸びて後から6〜7cm位切りました。ゴムの質で調整が必要ですが60〜64cm位ではないかと思います。ゴム紐だけを交換する場合、長さが決まったらゴム紐の両端を留金具でカシメます。ラジオペンチでそのままカシメると傷だらけになりました。見た目が気になるなら布かテープを巻いて締めるか、または熱収縮チューブを被せると良いでしょう。■平ゴムベルトを交換するマイク本体をホールドする平ベルトのゴムバンドリング(直径5cm、幅7〜8mm、厚さ0.8〜1mm)は2本あり、このうち下側の1本はゴム紐を外した時でないと交換できません。下の写真は交換前、天地を逆にした写真です。海外ではAT8441/8447/8449のメーカー純正補修キットとしてゴム紐とゴム留め金具と平ベルトリング2個のセットが"P11669"と称して売ってあります。Audio-Technica P11669 Rebanding Kit for AT8441 AT8447 AT8449 Shockmount Bandshttps://www.pixelproaudio.com/products/audio-technica-p11669-shockmount-rebanding-kit/また、平ゴムベルトリングのみを"AT8415RB"として売っています。Audio-Technica AT8415RB Shockmount Bands for AT8449A, AT8415, and AT8441 (4 Pack)https://www.bhphotovideo.com/c/product/283357-REG/Audio_Technica_AT8415RB_AT8415RB_Replacement_Bands.html型番から想像するに、これはスモールダイアフラムマイク用のショックマウントAT8415の十字になっているベルトと共通です。手元にAT8415があったので確認してみると確かに同じものです。販売が4個単位なのはそのせいでしょう。同じものを市販品で入手するのは難しそうです。千石電商に直径5cm、幅5mm、厚さ0.5mmの平ベルトリングが売られていますので店頭で現物を見てみましたが、カセットデッキの回転メカ用で純正品に比べると薄くて細くて柔らかく、マイク固定用に使うとすぐ伸びそうでした。オーディオテクニカに問い合わせたところ、海外では補修用製品として販売しているが、国内では「AT8415用 ラバーバンド」の名称で部品として代理店経由またはサービスセンターから代引き直販で入手が可能(お値段は1本220円)とのことです。送料と代引き手数料を負担して取り寄せてみました(具体的な直販方法は同社にお問い合わせ下さい)。下側の平ゴムベルトを交換するためにはゴム紐を半分外す必要があります。ゴム紐の交換と同時にやるほうが良いです。交換後。だいぶ伸びてゆるゆるだったのがわかります。上側のベルトは切り込みに挿してあるだけなのでゴム紐をカシメた後でも交換できます。交換後、ベルトが対角線に張り出した部分がAT4050胴体の溝を支える効果が増したように感じます。下側もベルトが張り付くのでマイクの出し入れがしにくい。逆さまにしてみました。ゴムベルトがしっかりマイクの胴体を締め付けているので、マイクが落ちる気配は感じられません。結局、マイクのホールドがこのベルト頼りになっている構造なので、ベルトが劣化してゆるゆるになると「逆さまにすると抜け落ちる」状態になってしまうのですね。クッション性能は素晴らしいのですが、マイクの取り付け取り外しもやりにくいので、やっぱりAT4050にはAKG H85のほうが使いやすいなと思います。長年AT8441や8449を使っている方は平ゴムベルトの交換をお薦めします。(がんくま)【関連記事】中華マイクショックマウントあれこれ(1)