◇10・31「子育て」企画MTG
10月31日夕方「子育て」企画ミーティングを開きました。
場所は渋谷宮益坂・南欧料理「タパス&タパス」
参加者は、落合さん、田中さん、奥さん、手島さん/みのりちゃん/ゆかりちゃん、
福田さん、工藤さん、中山 (あとNHK上田さんが13日イベントの取材にみえました。)
≪議題≫
1.子育ての考え方について
2.子育て新システムについて
3.12月のイベントについて
4.虐待についての取り組み
-------------------------
はじめに
”2030ビジョン”の取組みを中山代表が紹介
◇ 「“2030ビジョン”プロジェクトが目指すもの」
・20年後のビジョン/ありたい姿を皆で考える
・ビジョンを実現するために具体的な取組みと
2年後 10年後 20年後などのロードマップを描く
・ビジョンと具体策を共有するためにパンフレットのようなものを作成する。
~印刷は1000部ほどでも、ネットで閲覧&ダウンロードできるようにする
・市民の横のつながり、メディア、政党、団体などを通じてビジョンを共有したい。
~どういうルートがあるかを考えて取り組んでいきたい
当日の配布資料
◇ 2030年の将来像
・目指すのは「皆が希望を持てる幸せで持続可能な国」を目指す
~持続可能な社会の上で、
一人ひとりの生活がきちんと成り立っていることが大切
※クリックすると拡大表示されて、ちゃんと読めます
・すなわち「生まれ・育つ」⇒「学び・働く」⇒「充実した生活」の後に
「豊かな老後」を送り、次の世代に感謝されながら引き継いでいくこと
・このためには、老若男女が互いを理解し合い支え合っていくコミュニティ
が大切になってくる。
-----------------------------------------
1.子育ての考え方
・「社会全体で子育てをする」
○ 子どもを大切にする
○ ライフサイクル全体を通じて社会的に支える
○ 地域のネットワークで支える
⇒『子ども・子育てビジョン』そのものです。
・実現にあたっては
○ 連続的で切れ目のない、子育て・子育ちの仕組みがある
○ 「社会全体で子育て」を皆が共有し、
「家族会議」を通じて意見を反映していく
○ 結果として
子ども自身が「大切にされていると感じながら健やかに育つ」
⇒ 『にっぽん子育て応援団の主張』そのものですね。
2.子育て新システムについての意見交換
・2011年3月までに、子育て新システムが策定される予定。
盛り込んで欲しいこと、意見書を提出したい。
多くの現役お母さんの賛同を得たい。数が必要。
子育ての現場を利用している人の意見が重要。
その意見を集約して、メディアや企業、お母さんのサイトなどに
意見書の内容を拡散協力してもらう。
・ →12月のイベントで家族会議をしてはどうか?
有識者にも声をかけ、一参加者として参加してもらう。
・ 数がないと政治や行政を動かす力が弱い
民意だというムーブメントにすることが大切
・ 世間一般は子育て新システムの情報を知らない人がほとんど。
子育ての現場の人でも語られていない。育児をしている世代に届いていない。
子育て世代にとっては置いていかれている感がある。
・なぜこんなに急いでいるのか。という感もある
子育て新システムの策定内容は1月には決まってしまうだろう。
意見書が策定されてから情報を流すのではなく、
議論の過程から発信していく方が良い。
・難病や障害のある子どもが新システムからは除外されている。
「子ども・子育てビジョン」で語られていた政策は理想論とされ、
新システムではマイノリティへの政策が抜け落ちてる感がある。
・現在、子どもの発達障害が大きな問題になっているのにも関わらず、
発達障害を含め、マイノリティ系のことはまったく触れられていない。
・マイノリティへの対応は今回の新システム政策では触れない、
という意見があったらしいという話もある。
・いずれにしても、「子ども・子育てビジョン」と「新システム要綱案」では、
内容にかなりの差がある。
・・・”ありたい姿”と”基本制度”との違いという面もあるだろうが。
【参考】下の二つを見比べてください。
① 「子ども・子育てビジョン」 2010.1.29
② 「子ども・子育てシステムの基本制度要綱案」 2010.6.25
・ 家庭的保育などを含めた多様な保育による量の拡大、
幼保一元化の議論が中心になっている。
・ 幼稚園で、保育が必要な子供たちのケアがすぐに対応出来るかとい問題もあるが、
0~3歳時には保育園の分園でも十分対応可能であることや、
待機児童問題があるのは一部の商業都市に限られており全国的な問題ではない
・結局はお金の問題。
専業主婦の母達が家庭の中で育児に孤立して悩んでいる問題も、
父親が仕事で帰宅が遅いということが影響している。
・労働時間という問題がある。
日本では8時に帰宅する父親が7割だが、北欧ではわずか2%。
⇒何のために生きるかを、いま一度よく考えたほうが良い
※クリックすると拡大表示されて、ちゃんと読めます。
・幼保一元化による指導者確保の問題が一部指摘されいるが、
幼稚園と保育所の現職で、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を持っている
有資格者は74%以上(新卒では85%以上)で人材的な問題はなんとかなる。
【財政について】
~以下は、当日の議論を踏まえてデータも加えました。
・日本の家族関係予算をGDP比率で見たときに、
フランス、スウェーデンなどの3%に比べて、
日本は0.8%程度とかなり低い。 (2005年時点)
出典:平成22年版 子ども・子育て白書
・ただし、2005年頃の子ども関係予算1兆5000億円に対して、
2010年度は 3兆4487億円となり、大幅に改善はされている。
(政権交替による子ども手当の影響が大きい・・・実効性はともかく)
出典:平成22年版 子ども・子育て白書
・いずれにしても、社会保障給付が高齢者に厚く、子どもには薄いという傾向がある。
・ただし、高齢者には90兆円が使われているのに、
子どもには3兆円しか使ってないという巷の伝説は正確ではない。
社会保障費総額は90兆円超であるが、このうちの高齢者向けは約60兆円。
また、国税の投入は30兆円に満たない。
・子育ては個人でやるものという概念が根強いのが問題。
介護保険政策導入時にも成功の鍵は当事者たちのパワー。
政治家や霞が関をを巻き込むことが大切。
3.12月のイベントについて
○イベントはプレ家族会議としたい。
・子育てをしていない世代にも参加してもらいたい。
~同じ島でやっているから他に広がっていかない。
・多様な世代やバックグラウンドの人に入ってもらって話し合う。
~子どもと年寄りが一緒にやるのが良い
~独居老人の見守りにも将来つながる
~障がい者も一緒で、多様な人たちを受けとめあう
・モデルケース的なものとして、メディアにも入ってもらう
○ 皆が情報を共有し、一緒に考え行動することが大切
・ 北欧の自治は自分たちの生活の中で考える
~議員は兼業、給料も少ない
~地方自治体の専業議員は役所の部局責任者となる。
・ 北欧は予算が地方にある。時間はかかっても日本にも根付くようにしたい。
~7割自治。地方に予算がある。
~日本は3割自治だから、気合が入らない。 他人事、国依存になる
・ 地域で活動するにしては、親の帰りが遅いのが問題
○ そもそも早く帰れるようにすべき
・ 給料が安いから、長時間労働になる。
~自給を高めれば、短時間労働で給与総額は変わらないはず
~時間が少なければそれなりに効率を上げる
~ 〃 〃 無駄な競争をやめて、異なる領域で努力するようになる
・ 住宅の負担が大きいから、長時間働いてローンを返そうとする
~住宅の新築・買い替え文化を変えればよい
~住宅保障制度を設けて、負担を下げれば良い
・ 教育費の負担も大きいから、せっせっと働く
~公教育を充実させて教育費を下げればよい
~全員が高等教育を受ける必要がなくなればよい
それぞれの持ち味が活かせる教育に転換すべき
4.虐待についての取組み
・ 「11月13日の児童虐待防止シンポジウム」 の取材が入ったので、
メンバー間の意見交換は行いませんでした。
・以前から話が出ているように、家庭訪問型子育て支援+アルファの
形態を広めていけるように、新たなやり方をさらに模索していく。
以上です。
次のミーティングは11月4日(木)渋谷
「子育て」+「はたらく」 をトータルで考えます。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
場所は渋谷宮益坂・南欧料理「タパス&タパス」
参加者は、落合さん、田中さん、奥さん、手島さん/みのりちゃん/ゆかりちゃん、
福田さん、工藤さん、中山 (あとNHK上田さんが13日イベントの取材にみえました。)
≪議題≫
1.子育ての考え方について
2.子育て新システムについて
3.12月のイベントについて
4.虐待についての取り組み
-------------------------
はじめに
”2030ビジョン”の取組みを中山代表が紹介
◇ 「“2030ビジョン”プロジェクトが目指すもの」
・20年後のビジョン/ありたい姿を皆で考える
・ビジョンを実現するために具体的な取組みと
2年後 10年後 20年後などのロードマップを描く
・ビジョンと具体策を共有するためにパンフレットのようなものを作成する。
~印刷は1000部ほどでも、ネットで閲覧&ダウンロードできるようにする
・市民の横のつながり、メディア、政党、団体などを通じてビジョンを共有したい。
~どういうルートがあるかを考えて取り組んでいきたい
当日の配布資料
◇ 2030年の将来像
・目指すのは「皆が希望を持てる幸せで持続可能な国」を目指す
~持続可能な社会の上で、
一人ひとりの生活がきちんと成り立っていることが大切
※クリックすると拡大表示されて、ちゃんと読めます
・すなわち「生まれ・育つ」⇒「学び・働く」⇒「充実した生活」の後に
「豊かな老後」を送り、次の世代に感謝されながら引き継いでいくこと
・このためには、老若男女が互いを理解し合い支え合っていくコミュニティ
が大切になってくる。
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1.子育ての考え方
・「社会全体で子育てをする」
○ 子どもを大切にする
○ ライフサイクル全体を通じて社会的に支える
○ 地域のネットワークで支える
⇒『子ども・子育てビジョン』そのものです。
・実現にあたっては
○ 連続的で切れ目のない、子育て・子育ちの仕組みがある
○ 「社会全体で子育て」を皆が共有し、
「家族会議」を通じて意見を反映していく
○ 結果として
子ども自身が「大切にされていると感じながら健やかに育つ」
⇒ 『にっぽん子育て応援団の主張』そのものですね。
・2011年3月までに、子育て新システムが策定される予定。
盛り込んで欲しいこと、意見書を提出したい。
多くの現役お母さんの賛同を得たい。数が必要。
子育ての現場を利用している人の意見が重要。
その意見を集約して、メディアや企業、お母さんのサイトなどに
意見書の内容を拡散協力してもらう。
・ →12月のイベントで家族会議をしてはどうか?
有識者にも声をかけ、一参加者として参加してもらう。
・ 数がないと政治や行政を動かす力が弱い
民意だというムーブメントにすることが大切
・ 世間一般は子育て新システムの情報を知らない人がほとんど。
子育ての現場の人でも語られていない。育児をしている世代に届いていない。
子育て世代にとっては置いていかれている感がある。
・なぜこんなに急いでいるのか。という感もある
子育て新システムの策定内容は1月には決まってしまうだろう。
意見書が策定されてから情報を流すのではなく、
議論の過程から発信していく方が良い。
・難病や障害のある子どもが新システムからは除外されている。
「子ども・子育てビジョン」で語られていた政策は理想論とされ、
新システムではマイノリティへの政策が抜け落ちてる感がある。
・現在、子どもの発達障害が大きな問題になっているのにも関わらず、
発達障害を含め、マイノリティ系のことはまったく触れられていない。
・マイノリティへの対応は今回の新システム政策では触れない、
という意見があったらしいという話もある。
・いずれにしても、「子ども・子育てビジョン」と「新システム要綱案」では、
内容にかなりの差がある。
・・・”ありたい姿”と”基本制度”との違いという面もあるだろうが。
【参考】下の二つを見比べてください。
① 「子ども・子育てビジョン」 2010.1.29
② 「子ども・子育てシステムの基本制度要綱案」 2010.6.25
・ 家庭的保育などを含めた多様な保育による量の拡大、
幼保一元化の議論が中心になっている。
・ 幼稚園で、保育が必要な子供たちのケアがすぐに対応出来るかとい問題もあるが、
0~3歳時には保育園の分園でも十分対応可能であることや、
待機児童問題があるのは一部の商業都市に限られており全国的な問題ではない
・結局はお金の問題。
専業主婦の母達が家庭の中で育児に孤立して悩んでいる問題も、
父親が仕事で帰宅が遅いということが影響している。
・労働時間という問題がある。
日本では8時に帰宅する父親が7割だが、北欧ではわずか2%。
⇒何のために生きるかを、いま一度よく考えたほうが良い
※クリックすると拡大表示されて、ちゃんと読めます。
・幼保一元化による指導者確保の問題が一部指摘されいるが、
幼稚園と保育所の現職で、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を持っている
有資格者は74%以上(新卒では85%以上)で人材的な問題はなんとかなる。
【財政について】
~以下は、当日の議論を踏まえてデータも加えました。
・日本の家族関係予算をGDP比率で見たときに、
フランス、スウェーデンなどの3%に比べて、
日本は0.8%程度とかなり低い。 (2005年時点)
出典:平成22年版 子ども・子育て白書
・ただし、2005年頃の子ども関係予算1兆5000億円に対して、
2010年度は 3兆4487億円となり、大幅に改善はされている。
(政権交替による子ども手当の影響が大きい・・・実効性はともかく)
出典:平成22年版 子ども・子育て白書
・いずれにしても、社会保障給付が高齢者に厚く、子どもには薄いという傾向がある。
・ただし、高齢者には90兆円が使われているのに、
子どもには3兆円しか使ってないという巷の伝説は正確ではない。
社会保障費総額は90兆円超であるが、このうちの高齢者向けは約60兆円。
また、国税の投入は30兆円に満たない。
・子育ては個人でやるものという概念が根強いのが問題。
介護保険政策導入時にも成功の鍵は当事者たちのパワー。
政治家や霞が関をを巻き込むことが大切。
3.12月のイベントについて
○イベントはプレ家族会議としたい。
・子育てをしていない世代にも参加してもらいたい。
~同じ島でやっているから他に広がっていかない。
・多様な世代やバックグラウンドの人に入ってもらって話し合う。
~子どもと年寄りが一緒にやるのが良い
~独居老人の見守りにも将来つながる
~障がい者も一緒で、多様な人たちを受けとめあう
・モデルケース的なものとして、メディアにも入ってもらう
○ 皆が情報を共有し、一緒に考え行動することが大切
・ 北欧の自治は自分たちの生活の中で考える
~議員は兼業、給料も少ない
~地方自治体の専業議員は役所の部局責任者となる。
・ 北欧は予算が地方にある。時間はかかっても日本にも根付くようにしたい。
~7割自治。地方に予算がある。
~日本は3割自治だから、気合が入らない。 他人事、国依存になる
・ 地域で活動するにしては、親の帰りが遅いのが問題
○ そもそも早く帰れるようにすべき
・ 給料が安いから、長時間労働になる。
~自給を高めれば、短時間労働で給与総額は変わらないはず
~時間が少なければそれなりに効率を上げる
~ 〃 〃 無駄な競争をやめて、異なる領域で努力するようになる
・ 住宅の負担が大きいから、長時間働いてローンを返そうとする
~住宅の新築・買い替え文化を変えればよい
~住宅保障制度を設けて、負担を下げれば良い
・ 教育費の負担も大きいから、せっせっと働く
~公教育を充実させて教育費を下げればよい
~全員が高等教育を受ける必要がなくなればよい
それぞれの持ち味が活かせる教育に転換すべき
4.虐待についての取組み
・ 「11月13日の児童虐待防止シンポジウム」 の取材が入ったので、
メンバー間の意見交換は行いませんでした。
・以前から話が出ているように、家庭訪問型子育て支援+アルファの
形態を広めていけるように、新たなやり方をさらに模索していく。
以上です。
次のミーティングは11月4日(木)渋谷
「子育て」+「はたらく」 をトータルで考えます。
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●10/24「子育て応援フォーラム」
10月24日(日)
にっぽん子育て応援団 のフォーラムがありました。
『子どもが輝く心豊かな社会を目指して』
~「子ども・子育て新システム」で実現するの?!~
場所は東京田町、「女性と仕事の未来館」
240名入る会場がほぼ満席に!
”2030ビジョン”MLメンバーもたくさん参加していました。
NHKでも紹介されました。
◇ NHKニュース
勝間さんが録画した動画 (にっぽん子育て応援団HPより)
◇ユーストリーム(前半)
■ 7年後の未来: 2017年の子育て (イメージ ビデオ)
・ 男性の育休がとりやすい
・ 夫婦で子育て、共に過ごす時間が多い
・ 子育てひろばでのつながり、地域の人たちとのつながり
・ 家庭訪問、産後ヘルパー、一時預かりなど多彩な支援
・ 子どもの成長に寄り添って丁寧にかかわってくれる子ども園
・ 無理なく働ける環境、働き方に応じたサービス
・ 子育て支援の財源は市町村にダイレクトに
・ 子どもたちに借金を残さない。当事者の声を聞いて子育て支援を工夫
・ ベビーシッターをする大学生の増加
「イクメン予備軍」が結婚できる男性の勲章
■「子育てがしやすい環境」に必要なもの 勝間団長
「お金」と「時間」と「将来の希望」が必要
◎ 政府でしかリードできない課題を解決する
・ 正規、非正規均等待遇の実現
・ 長時間労働規制
・ 公教育の充実、少人数学級制度、教育プログラムの柔軟化
◎ 一人ひとりができること
・ 問題を個人で抱え込みすぎないこと
・ 現状を説明し、まわりに愚痴ではなく、問題解決の手助けを得る
・ 個人の課題から、社会への視点を広げる働きかけ。 まずは情報共有から。
■新システムの勉強会に寄せられた声マトメ 松田妙子さん
○ 新システムへの期待
・ 地域の実情にあった取組みが展開でき、当事者や現場の声が届きやすくなる
・ 多様なサービスが展開でき、利用者の選択肢も増える
・ 自分が受けられる給付が権利としてはっきりする
・ 「保育に欠ける」から脱却して、すべての子どもの成長を支える仕組みになる
・ 子育て支援に使われる財源が一元化されて明確になる
● 新システムへの不安
・ 市町村間の格差が拡大しないか、行政とNPOが理解しあえるか
・ 利益本位になって質が落ちないか、ナショナル・ミニマムは確保されるか
・ 権利ばかりが強調されて、人と人との結びつきやつながり、支えあいが
薄れてしまわないか
・ 乳幼児期中心で、子どもの成長全体を支える支援になっておらず、
親の都合が優先しているのではないか
・ 本当に必要な財源が確保できるのか
◎不安を払拭し、期待を現実のものとするために
・ 当事者が政策決定の過程にきちんと参画する仕組み
・ 市町村や地域のNPOを支援する中間支援的な取組み
・ 柔軟でかつ質がきちんと保障される基準の策定と国によるナショナルミニマムの確保
・ 多様な主体によるサービス供給を底上げする支援とサービス確保の責務
・ 利用者の自己決定のサポートや地域の支え合い活動を支えるコーディネーター
・ ワークライフバランスを一緒に推進
・ 学童期の支援や、特に配慮を要する子どもの育ちの支援も一緒に推進
・ 社会全体でそれぞれの主体が負担を分かち合う仕組み
★ 具体的な提案
・ 国と地方それぞれに「子ども・子育て会議」を設置
・ 国と地方が役割分担し、責任を持ってサービスの質と量を確保
・ 基礎自治体と現場の支援者を支える中間支援、人材育成を強化
・ 現場給付、特に個人給付以外の取り組みへの財源の確保
・ 社会全体で必要な負担を分かち合う
---------------------------------------------------
■ パネルディスカッション: コーディネーター 堀田 力 団長
詳しくは、動画をご覧ください。
◇ユーストリーム (後半) (にっぽん子育て応援団HPより)
〇 岡本さん (NPO法人フラットスペース金剛 代表理事)
・ NPOなどのメンバーのいよいよ出番がきた
~地域のオバチャンも活躍できる
・ 「ええとこどり」だけはできへんで
~負担とセットで
〇 山田正人さん (横浜市副市長)
・ 市町村がんばります
・ 使い勝手の良い財源を
・ 事務が大変にならないように
〇 木村裕香さん (NTTドコモ 人事部 ダイバーシティ推進室長)
・ 切れ目のないサービスが求められる
~ 保育・幼稚園と小1の間に壁があって働けない
・ スピードが必要
~ 7年後、10年後はともかく、それまでの間どうするの?
〇 中島圭子さん (連合 政策部長)
・ すべての子どもへのチャンス
・ すべての子ども・子育てを対象にポリシーを持って確実に進める
〇 榊原智子さん (読売新聞東京本社 生活情報部)
・ ホンモノの”子育ての社会化を”
~ 高齢者は家族中心→ 介護保険制度になったが
なぜ、子どもの支援、福祉は貧しいのか?
・ 最も弱い立場の子どもや親の下支えがしっかりしていること
~ 典型的な家族から洩れている、ひとり親、弱い立場の子と親に目線を合わせて!
~ ナショナルミニマムを確立する
〇 駒村康平さん (慶応大学経済学部教授)
・ 新しい時代に合った社会の仕組み
・ 地域つくり→孤立の防止
・ 財源とサービスの確保
・ 正しい情報と議論への参加を!
~これ一つでは完成しない ⇒議論して皆でつくっていく
■ 会場との意見交換
〇 子どもが主語になっているかのかという不安がある
・ 子育てする大人の視点が強く、子ども中心でない感がある
・ 日本の児童福祉は「特別に事情のある子どもに支援をする」であったが、
現在もその事情は変わっていない。
・ 待機児童の解消、サービスを増やします という量の拡大が先行している
⇒子どもに保障されるべき育ちの環境、質の議論をきっちりすることが必要
・ 民間企業だったら、お客様視点で取り組むのは当たり前
子どもの意見を聞くのはなかなか難しいが、自分たちが外に出て行き体感すべき
・ 信頼できる大人との愛着形成を結ぶことが重要であり、ソフトの質が大切
〇 学校崩壊、学級崩壊がどこから来ているのかを突き詰めたほうがよい
・ 格差が受験戦争をさらに生む
・ 子育ての前に親育てが必要だ。 お受験の一方で子育てできない親もいる
・ 発達障害を早く見つけて対応することも必要。保育園もその端緒になる。
〇 子どもの時から子育てを経験することが大切
・ 自分の子供を抱っこするのが初めてという親をなくしたい
⇒大学生にベビーシッターをさせるとか考えたら良い
〇 措置の必要な子どもなど、仕組みからこぼれる子どもをどうするか
・ 措置から契約に切り替える流れの中でこぼれる子どもが出てくる
・ 子どもが中心であるべきなのに、親が契約する形になっている
・ サービスを市場に全部ゆだねることで良いのか
・ 子どもの福祉の場をサービス競争の場にしてはいけない
・ あくまでも公的なフレームに基づくのが基本
〇 子どもは社会全体の公共財であるという考え方を持つ
・ OECDでは、子どもの幼児教育にお金を投資したほうがリターンが大きいという
科学的に検証しながら、子どもの育ちを進めている。
(日本は、どんぶり勘定で、声の大きい人の言いなりになっている)
・ どの程度の幼児教育が必要かをきちんとやるべき
・ 日本はフランス型で、家族会議をベースに進めるのが良さそうに思う。
〇 子どもの変化に気づくこと
・ 子どもに向き合う時間の余裕、心の余裕が必要
(共働き、地縁・血縁なし、通勤時間もかかる、という環境)
・ ボランティアも含めた「外に頼る」部分も持って、自分が本当に大切なことを守る
〇 親を含めて環境をどう整えていくかが大切
・ 子どもは特別な事情を抱えながら育っていくもの
~それに大変さを感じる親を支援していく
・ 子どものことを良く分かっているのは身近にいる地方の役所
・ いっぽう、子どもの将来を良く考えているのは国の役人?
■末松副大臣のコメント
〇 長時間労働を下げて、子どもの力を上げて、しかも日本としてお金を稼がねば
ならないというのは大変だな~というのが率直な感想
〇 松田さんのマトメ発表資料は良くできている
〇 縦割りでやってきたことを、いろんなステークホルダーのコラボでやる
その仕組みをつくるのが新システムに求められている
〇 地方と国とのやり方、ナショナルミニマムを守りながら
〇 障害の人やいろんな人に対応できる肌理の細かさが大切
〇 人との絆の結び合い、愛がはぐくまれるような仕組みをしっかり提示したい
これがチルドレンファーストの原理
○ きれいな絵を描いても、絵で終わってはいけない。
⇒ 不退転の決意で予算を確保したい。
■パネラーの皆さんの提言
〇 社会保障目的税を導入して財源を確保 (フランスではCSG)
○ 乳幼児だけでなく、20歳未満までを対象に考えること
○ 量の拡大だけではダメ、質も大切
○ 最初から完璧なものはできない。 やりながら良くしていけばよい
○ 日本版の家族会議を導入する
○ 市町村への丸投げは絶対やってはいけない
○ 柔軟な発想が大切 (原理主義ではいけない)
○ 「コップの中の嵐」にしない。 皆が自分のこととして関わること
○ 働き方の問題を解決することが必要
~ 17時に子どもが帰ってきて、19時半まで一人で留守番させるのは異常
○ 知らないことを知って、自ら考えていくこと
○ 年よりも、若い人のことの現状を知り、サポートして欲しい
○ それぞれの地域のニーズに応じて自由度を持つこと
○ システムにビジョンがいる
○ 何とかしなければという想いで進んできたが、
自分たちの問題として勉強し、具体的に進むようになってきた
○ コップの中は、まとまってきて嵐は収まりつつある。
○ 今後は外に出て、人にどう伝えていくかが大切
⇒草の根封建オヤジを何とかしなければならない。
(子育ては母親の仕事・・・という認識を変えねばならない)
----------------------------------------------------
■ 樋口恵子 団長のお話
○ 今の少子化は女のストライキ
・ もっと産みたいのに、仕事と両立しようとしたら一人しか産めなかった。
・ 長い間 子どもを産む女が締め出されてきた
○ 子ども・子育て新システムは、これまでの社会を変える
・子どもを持ったからこそ社会と繋がり親も子供も一緒に育って行ける
・ 国がブレずにしっかりと続けていけばいずれは実現する
・ 子どもがいたら、
○ 結婚して辞めなくても良くなれば、女性の生き方も変わる、
・ 結婚が増える、子どもも増える
・ 結婚、出産が早くなる
○ 子ども本位を大事にする
・ 「保育に欠ける」というような従来の考え方を変えたい。
・ 「満1歳過ぎたら社会の中で見守られ、社会人として育つことは子どもの権利」
ということを法律に入れるべき。
・ 新システムには、障害児やひとり親などのことが少ないと感じる。
~すべての子どもの権利である
・ 人生100年社会の最初の土台の5~6年をつくっていく、子育て・子育ちに
にどんなものが入ったら良いかをきちんと考えたほうが良い
・ 良質の保育者や幼稚園教諭がしっかり子どもたちを見る
・ それを皆が、社会が支えるというようにしたい
-------------------------------------------------
以上
素晴らしいフォーラムでした。
民間の子育て支援の人たち、政府や霞が関の皆さん、行政、メディア、の方々、
そして普通の市民などいろんな人たちが、「子どもが輝く社会をつくろう!!」
という想いを共有できたと思います。
この想いを行動につなげていきたいと思います。
よろしくお願いします。
----------------------------------------------
フォーラム終了後の懇親会も、いろんなバックグラウンドの人たちが
40人ぐらい集まって、盛り上がりました。
にっぽん子育て応援団の、奥山さん、松田さん、當間さん、小原さん、皆さん、
パネラーの岡村さん、木村さん、質問をしていた 中野さん、田中さん、
参加されていた、福田さん、工藤さん、ほか沢山の皆さま
ありがとうございました。
にっぽん子育て応援団 のフォーラムがありました。
『子どもが輝く心豊かな社会を目指して』
~「子ども・子育て新システム」で実現するの?!~
場所は東京田町、「女性と仕事の未来館」
240名入る会場がほぼ満席に!
”2030ビジョン”MLメンバーもたくさん参加していました。
NHKでも紹介されました。
◇ NHKニュース
勝間さんが録画した動画 (にっぽん子育て応援団HPより)
◇ユーストリーム(前半)
■ 7年後の未来: 2017年の子育て (イメージ ビデオ)
・ 男性の育休がとりやすい
・ 夫婦で子育て、共に過ごす時間が多い
・ 子育てひろばでのつながり、地域の人たちとのつながり
・ 家庭訪問、産後ヘルパー、一時預かりなど多彩な支援
・ 子どもの成長に寄り添って丁寧にかかわってくれる子ども園
・ 無理なく働ける環境、働き方に応じたサービス
・ 子育て支援の財源は市町村にダイレクトに
・ 子どもたちに借金を残さない。当事者の声を聞いて子育て支援を工夫
・ ベビーシッターをする大学生の増加
「イクメン予備軍」が結婚できる男性の勲章
■「子育てがしやすい環境」に必要なもの 勝間団長
「お金」と「時間」と「将来の希望」が必要
◎ 政府でしかリードできない課題を解決する
・ 正規、非正規均等待遇の実現
・ 長時間労働規制
・ 公教育の充実、少人数学級制度、教育プログラムの柔軟化
◎ 一人ひとりができること
・ 問題を個人で抱え込みすぎないこと
・ 現状を説明し、まわりに愚痴ではなく、問題解決の手助けを得る
・ 個人の課題から、社会への視点を広げる働きかけ。 まずは情報共有から。
■新システムの勉強会に寄せられた声マトメ 松田妙子さん
○ 新システムへの期待
・ 地域の実情にあった取組みが展開でき、当事者や現場の声が届きやすくなる
・ 多様なサービスが展開でき、利用者の選択肢も増える
・ 自分が受けられる給付が権利としてはっきりする
・ 「保育に欠ける」から脱却して、すべての子どもの成長を支える仕組みになる
・ 子育て支援に使われる財源が一元化されて明確になる
● 新システムへの不安
・ 市町村間の格差が拡大しないか、行政とNPOが理解しあえるか
・ 利益本位になって質が落ちないか、ナショナル・ミニマムは確保されるか
・ 権利ばかりが強調されて、人と人との結びつきやつながり、支えあいが
薄れてしまわないか
・ 乳幼児期中心で、子どもの成長全体を支える支援になっておらず、
親の都合が優先しているのではないか
・ 本当に必要な財源が確保できるのか
◎不安を払拭し、期待を現実のものとするために
・ 当事者が政策決定の過程にきちんと参画する仕組み
・ 市町村や地域のNPOを支援する中間支援的な取組み
・ 柔軟でかつ質がきちんと保障される基準の策定と国によるナショナルミニマムの確保
・ 多様な主体によるサービス供給を底上げする支援とサービス確保の責務
・ 利用者の自己決定のサポートや地域の支え合い活動を支えるコーディネーター
・ ワークライフバランスを一緒に推進
・ 学童期の支援や、特に配慮を要する子どもの育ちの支援も一緒に推進
・ 社会全体でそれぞれの主体が負担を分かち合う仕組み
★ 具体的な提案
・ 国と地方それぞれに「子ども・子育て会議」を設置
・ 国と地方が役割分担し、責任を持ってサービスの質と量を確保
・ 基礎自治体と現場の支援者を支える中間支援、人材育成を強化
・ 現場給付、特に個人給付以外の取り組みへの財源の確保
・ 社会全体で必要な負担を分かち合う
---------------------------------------------------
■ パネルディスカッション: コーディネーター 堀田 力 団長
詳しくは、動画をご覧ください。
◇ユーストリーム (後半) (にっぽん子育て応援団HPより)
〇 岡本さん (NPO法人フラットスペース金剛 代表理事)
・ NPOなどのメンバーのいよいよ出番がきた
~地域のオバチャンも活躍できる
・ 「ええとこどり」だけはできへんで
~負担とセットで
〇 山田正人さん (横浜市副市長)
・ 市町村がんばります
・ 使い勝手の良い財源を
・ 事務が大変にならないように
〇 木村裕香さん (NTTドコモ 人事部 ダイバーシティ推進室長)
・ 切れ目のないサービスが求められる
~ 保育・幼稚園と小1の間に壁があって働けない
・ スピードが必要
~ 7年後、10年後はともかく、それまでの間どうするの?
〇 中島圭子さん (連合 政策部長)
・ すべての子どもへのチャンス
・ すべての子ども・子育てを対象にポリシーを持って確実に進める
〇 榊原智子さん (読売新聞東京本社 生活情報部)
・ ホンモノの”子育ての社会化を”
~ 高齢者は家族中心→ 介護保険制度になったが
なぜ、子どもの支援、福祉は貧しいのか?
・ 最も弱い立場の子どもや親の下支えがしっかりしていること
~ 典型的な家族から洩れている、ひとり親、弱い立場の子と親に目線を合わせて!
~ ナショナルミニマムを確立する
〇 駒村康平さん (慶応大学経済学部教授)
・ 新しい時代に合った社会の仕組み
・ 地域つくり→孤立の防止
・ 財源とサービスの確保
・ 正しい情報と議論への参加を!
~これ一つでは完成しない ⇒議論して皆でつくっていく
■ 会場との意見交換
〇 子どもが主語になっているかのかという不安がある
・ 子育てする大人の視点が強く、子ども中心でない感がある
・ 日本の児童福祉は「特別に事情のある子どもに支援をする」であったが、
現在もその事情は変わっていない。
・ 待機児童の解消、サービスを増やします という量の拡大が先行している
⇒子どもに保障されるべき育ちの環境、質の議論をきっちりすることが必要
・ 民間企業だったら、お客様視点で取り組むのは当たり前
子どもの意見を聞くのはなかなか難しいが、自分たちが外に出て行き体感すべき
・ 信頼できる大人との愛着形成を結ぶことが重要であり、ソフトの質が大切
〇 学校崩壊、学級崩壊がどこから来ているのかを突き詰めたほうがよい
・ 格差が受験戦争をさらに生む
・ 子育ての前に親育てが必要だ。 お受験の一方で子育てできない親もいる
・ 発達障害を早く見つけて対応することも必要。保育園もその端緒になる。
〇 子どもの時から子育てを経験することが大切
・ 自分の子供を抱っこするのが初めてという親をなくしたい
⇒大学生にベビーシッターをさせるとか考えたら良い
〇 措置の必要な子どもなど、仕組みからこぼれる子どもをどうするか
・ 措置から契約に切り替える流れの中でこぼれる子どもが出てくる
・ 子どもが中心であるべきなのに、親が契約する形になっている
・ サービスを市場に全部ゆだねることで良いのか
・ 子どもの福祉の場をサービス競争の場にしてはいけない
・ あくまでも公的なフレームに基づくのが基本
〇 子どもは社会全体の公共財であるという考え方を持つ
・ OECDでは、子どもの幼児教育にお金を投資したほうがリターンが大きいという
科学的に検証しながら、子どもの育ちを進めている。
(日本は、どんぶり勘定で、声の大きい人の言いなりになっている)
・ どの程度の幼児教育が必要かをきちんとやるべき
・ 日本はフランス型で、家族会議をベースに進めるのが良さそうに思う。
〇 子どもの変化に気づくこと
・ 子どもに向き合う時間の余裕、心の余裕が必要
(共働き、地縁・血縁なし、通勤時間もかかる、という環境)
・ ボランティアも含めた「外に頼る」部分も持って、自分が本当に大切なことを守る
〇 親を含めて環境をどう整えていくかが大切
・ 子どもは特別な事情を抱えながら育っていくもの
~それに大変さを感じる親を支援していく
・ 子どものことを良く分かっているのは身近にいる地方の役所
・ いっぽう、子どもの将来を良く考えているのは国の役人?
■末松副大臣のコメント
〇 長時間労働を下げて、子どもの力を上げて、しかも日本としてお金を稼がねば
ならないというのは大変だな~というのが率直な感想
〇 松田さんのマトメ発表資料は良くできている
〇 縦割りでやってきたことを、いろんなステークホルダーのコラボでやる
その仕組みをつくるのが新システムに求められている
〇 地方と国とのやり方、ナショナルミニマムを守りながら
〇 障害の人やいろんな人に対応できる肌理の細かさが大切
〇 人との絆の結び合い、愛がはぐくまれるような仕組みをしっかり提示したい
これがチルドレンファーストの原理
○ きれいな絵を描いても、絵で終わってはいけない。
⇒ 不退転の決意で予算を確保したい。
■パネラーの皆さんの提言
〇 社会保障目的税を導入して財源を確保 (フランスではCSG)
○ 乳幼児だけでなく、20歳未満までを対象に考えること
○ 量の拡大だけではダメ、質も大切
○ 最初から完璧なものはできない。 やりながら良くしていけばよい
○ 日本版の家族会議を導入する
○ 市町村への丸投げは絶対やってはいけない
○ 柔軟な発想が大切 (原理主義ではいけない)
○ 「コップの中の嵐」にしない。 皆が自分のこととして関わること
○ 働き方の問題を解決することが必要
~ 17時に子どもが帰ってきて、19時半まで一人で留守番させるのは異常
○ 知らないことを知って、自ら考えていくこと
○ 年よりも、若い人のことの現状を知り、サポートして欲しい
○ それぞれの地域のニーズに応じて自由度を持つこと
○ システムにビジョンがいる
○ 何とかしなければという想いで進んできたが、
自分たちの問題として勉強し、具体的に進むようになってきた
○ コップの中は、まとまってきて嵐は収まりつつある。
○ 今後は外に出て、人にどう伝えていくかが大切
⇒草の根封建オヤジを何とかしなければならない。
(子育ては母親の仕事・・・という認識を変えねばならない)
----------------------------------------------------
■ 樋口恵子 団長のお話
○ 今の少子化は女のストライキ
・ もっと産みたいのに、仕事と両立しようとしたら一人しか産めなかった。
・ 長い間 子どもを産む女が締め出されてきた
○ 子ども・子育て新システムは、これまでの社会を変える
・子どもを持ったからこそ社会と繋がり親も子供も一緒に育って行ける
・ 国がブレずにしっかりと続けていけばいずれは実現する
・ 子どもがいたら、
○ 結婚して辞めなくても良くなれば、女性の生き方も変わる、
・ 結婚が増える、子どもも増える
・ 結婚、出産が早くなる
○ 子ども本位を大事にする
・ 「保育に欠ける」というような従来の考え方を変えたい。
・ 「満1歳過ぎたら社会の中で見守られ、社会人として育つことは子どもの権利」
ということを法律に入れるべき。
・ 新システムには、障害児やひとり親などのことが少ないと感じる。
~すべての子どもの権利である
・ 人生100年社会の最初の土台の5~6年をつくっていく、子育て・子育ちに
にどんなものが入ったら良いかをきちんと考えたほうが良い
・ 良質の保育者や幼稚園教諭がしっかり子どもたちを見る
・ それを皆が、社会が支えるというようにしたい
-------------------------------------------------
以上
素晴らしいフォーラムでした。
民間の子育て支援の人たち、政府や霞が関の皆さん、行政、メディア、の方々、
そして普通の市民などいろんな人たちが、「子どもが輝く社会をつくろう!!」
という想いを共有できたと思います。
この想いを行動につなげていきたいと思います。
よろしくお願いします。
----------------------------------------------
フォーラム終了後の懇親会も、いろんなバックグラウンドの人たちが
40人ぐらい集まって、盛り上がりました。
にっぽん子育て応援団の、奥山さん、松田さん、當間さん、小原さん、皆さん、
パネラーの岡村さん、木村さん、質問をしていた 中野さん、田中さん、
参加されていた、福田さん、工藤さん、ほか沢山の皆さま
ありがとうございました。
●10/23『児童虐待からお母さんを守れ!』講座
10月24日(土)
NPO法人 ハンド・イン・ハンドの会主催
ニコニコ離婚講座
『児童虐待からお母さんを守れ!
ひとり親をひとりっきりにしない知識と情報・ネットワーク』
に参加しました。
とても得るところの多い価値のあるイベントでした。
当プロジェクトメンバーも何人か参加していましたが、
落合香代子さんのメモを踏まえてレポートさせていただきます。
-----------------------------------
はじめに
◎円より子さんのお話
(ハンド・イン・ハンドの会代表/民主党前参議院議員)
HP⇒ 「ハンド・イン・ハンドの会」
○ ハンド・イン・ハンドの会は離婚で悩んでいる女性を支援している
・ 過去には、離婚は悪だと思われていて、苦しむ女性が多かった
→離婚が自分らしく生きるためのきっかけの一つとして捉え
前向きな一歩を踏み出すようにサポートしだした
・ ゆえに、「ニコニコ離婚講座」というのを開催している。
今回の児童虐待に関する講座もその一環。
○ 離婚が増加しているが、離婚が虐待の要因となるケースも多い
・ 新しい相手に気に入られたくて ネグレクトや虐待容認
・ 母子家庭の状況は悪くなっている(正社員になれない、貧困が増える)
・ 仕事によっては自分自身の誇りが傷つけられる場合もある
⇒仕事の後に息抜きの場所を他に求めて、育児放棄となることもある
・ 離婚の悩みで心中に繋がるのはいけない。(心中も究極の虐待)
結婚だけが人生ではないと思っていれば深刻な事態にならずに子どもを救える
○ 周囲がきちんとサポートできれば良いがそうなっていない
・ 区役所などがワンストップサービスで、住まいや仕事を一緒に面倒を
見ればよいが、定型業務しかしない
・ 周り知人や友人たちも環境が悪いから、適切なアドバイスができない。
------------------------------------
◎吉田恒雄さんのお話
(児童虐待防止全国ネットワーク理事長/駿河台大学法学部教授)
児童虐待の現状、要因、特徴と影響、防止対策、子育てに困ったら、困った人を見たら
などの観点でお話を伺いました。
児童虐待防止全国ネットワークのHPにも、詳しい資料がありますので、ご覧ください。
『子ども虐待について』
○虐待としつけはどう違うのか。
・ 一言で言えば、「子どもの目線」から見て、子どもを傷つける行為であるのかどうか。
・ しつけと言っても結果から見れば関係ない。暴力は正当化されない。
・ 虐待は、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトと分類されているが、
多くの場合は複合的であり、虐待の中身は経時的にも変化する。
・ 「せっかん」という言葉は使われなくなった。許されないことであるという認識が広まった。
また、従来から隠れていたことが表面化してきた。
○虐待死年間50~70人
・ 虐待死は週に一人の割合で起こっている。心中も同様の数に上る。
・ 実の母が多い。 3歳未満児が多い。
・ 受ける虐待被害は年齢により特徴がある。
・ 身体的虐待は幼児がほとんどを占める。
・ 性虐待は小学生中学年から高学年が多い。
○虐待の要因
・ 一言で言えば親のストレス。ストレスのはけ口が子どもに向かっている。
・ 発達障害が要因になることもある。
障害が分かっていれば適切な対応が取れるのに分かっていないから問題が起きる
・ ひとり親
・ 家族内の変化。変化が生じた時は要注意。変化がリスクになる。
○ 虐待防止策
・ 育児不安 → 相談、指導(こんにちは赤ちゃん事業、乳幼児健診、訪問指導)
・ 病気、障害 → 診断・治療、福祉サービス
・ 経済的不安 → 生活保護、就労支援、保育所入所、住宅支援
・ 孤立 → 地域資源(子育てサークル等)、相談指導、訪問、家事援助
・ 若年出産等養育力不足 → 養育支援、生活支援
○ 子育てに困ったら
・ 困難を抱え込まない =市町村、児童相談所、保健センター、民間団体、保育所等へ相談
※ 無理をしないで万歳してくれればよい
・ 仲間つくり、子育てサークルへの参加
・ 子育ての方法を学ぶ(難しい子供への対応、体罰の危険性、親業講座 など)
○ 子育てに困っている人を見たら
・ 地域での声掛け、やさしい見守り
・ 虐待の通報、相談
地域が気にかけているとのサインとして
○ 虐待の予防について
・ 発生しないようにいろいろな機関が関わらないとダメ。とにかく連携が重要。
・ 「子育てが辛くなったら万歳しちゃってください」と伝えている。
どうしてもお母さんは、自分がやらなきゃ、と思いがち。
・ 実は辛い時には自分で子育てしなくていいんだ、と知ってもらうことが大切。
いろいろな所に助けを求めて良いんですよ、と声をかけることが大切。
・・・お母さんによっては、人を信じられない、という問題もあるかもしれないが。
-------------------------------------
◎ 片野清美さんのお話
新宿区 24時間保育 エイビイシイ保育園園長
HP紹介 「園長のコメント」
「昼も夜も子供は平等」
○ 夜間保育所
・ 夜の子供たちの生活を守る、という信念でやってきた。
・ 飢餓、虐待から守れる。
・ 24時間稼働していることでむしろ機能が良い。
○1980年代のベビーホテル時代から開設。
・ 当初はマンションの一室から始まった。
・ 昼間の保育園が補助金で優遇されて、なぜ夜間保育所は補助金がないのか、という疑問。
・ 公共的な夜間保育所を作りたい、という思いで活動してきた。
○ 親の就労支援、自立支援は重要である。
・ 保育士、調理師になった人もいる。 →一所懸命にやってれば地域に戻ってくる。
・ 親を地域が守ってくれる。地域の力は大きい。
・ 居住先を提供してくれるなどの協力がある。(家の保証人にもなってる)
○ 行政は努力が足りないと思う。
・ 夜間就労している母子家庭の母親が多いにも関わらず、東京の夜間保育所は2カ所だけ!
・ 新宿で児童虐待のネットワークをつくったが、児相、学校、それぞれの枠の中で活動。
・ 児相は母子分離をさせたがるが、しなくても解決できる。理屈ではない。真心は通じる。
-------------------------------------------
◎ 参加者との質疑&意見交換
○ 地域で皆が支えあうこと
・実際、虐待予防、子育て支援策は充実してきている。
・地域での支えあい、子育て支援は親だけを支えることではない
・ 助け合いを充実させても、それだけでは解決出来ない。
・ 地域ネットワークは確かに落ちている。しかし、一人一人にできることがあるだろう。
・ 子育てしやすい、子育てを楽しめる社会を作ることが求められている。
○日本の文化の中に「耐える」がある。
・「おしん」が評価される。→ゆえにせっかんを容認する雰囲気がある。
・ 虐待予防、 耐えること、良い母親を演じること、というものが求められている。
そういった誤った考え方が、どれだけのお母さんを追いつめてきたか。
⇒子育てに困ったら、頑張りすぎずに万歳してくれればよい
ネグレクトは後に響いてくる
○ 「児童虐待」に変わる言葉を!
・「虐待」というと、自分とは関係ない世界だと避ける人が多い。
でも子育てと虐待とはまったく別のものではない。
「ぼけ老人」→「認知症」となって一般化したように、良い言葉が欲しい。
・言葉の議論は以前からあるがなかなか良い言葉が出てこないのが現状。
・ Child Abuseのアビュース も乱用という意味もある。
・マルトリートメント(不適切な関わり)という言葉があるが共有されてない。
何か良い案があったら考えたい。
○ 児相は本来子育ての専門機関。
・ それがいつのまにか親子分離の専門機関となっている。
児相と聞くと緊張して過呼吸になる。
・ 親子の側にたっていない。 公安警察的なイメージ。
・ 法律もうまく機能しない。 → 今のままでは民間が頑張るしかない。
○ どこかで太陽の役割をする人がいないといけない。
・ 最初に支援を求めた時、それが一番できる窓口はどこか、そこは行政でなくても良い。
地域でもできること。
・ 行政はサービス業。それを忘れている職員が多い。
絶対に助けてやるという気持ちがないと勤まらない。
------------------------------------
◎今日の話から出てきた共通点。 吉川先生 (中部学院大学大学院 教授)
1、地域で子どもを育てる。
2、役所はどうなっているのか?
なぜ児相は強制措置を行なわないのか?
→証拠集め、人が足りない。
3、日本の文化が良いという意見があったが、
一方で、親が子ども育てるのが当然、という文化でもある。「他人に任せられない」
そういった考え方が強制措置を阻んでいる要因ではないのか?
そうした議論が今日は出てこなかった。
⇒ 文化の転換点を作らなくてはならないのではないか。
------------------------------------
◎ 今後への視点
<吉田恒雄さんと片野清美さんより>
○児童相談所はどうあるべきか。
・ 強制分離、親権をどう乗り越えるかが課題。
現在でも家庭裁判所の申請審査を待たなければ強制分離はできない。
・ それくらい、子どもの権利よりも親の立場が重視されている。
・ 新しく法案が変わる予定であるが、そこでもあまり期待はできない。
まだまだ親重視という考え方が根強い。
・ 児相がうまく機能しない原因として、専門知識を持つ職員の不足、そもそも人が足りない、
もっと機能強化されるべき。
○ また、分離しても子どもを保護する施設が足りない、受け皿がない、という問題がある。
・ また、分離したあとどうするか、という問題も大きい。その後が大変。
・ 心理療法や生活の保障は確保されるのかなど。
・ 家庭的な雰囲気の中で生活させたいと思っても、里親の数は依然として伸びない。
・ 親権について、父親を引っ張りだすのは難しいことが多い。
いかに分離しないようにするか、が重要。
がんばれば分離しなくてよい環境を作れる。
○ そもそも虐待を発生させないようにするにはどうしたらよいか
・ そのためには、こまめに回る、在宅支援、母子の就労支援等が必要である。
・ 例として、青森県のある地域では、児相の人員を3倍に増やしたところ、
外回りができるようになり虐待件数が減ったというデータが出ている。
児相の人員強化が解決に繋がる、という好例。
・ 経済的な面で母子が自立できることが大切
好きな仕事があったら資格を取る
⇒プライドが持てると、生活もしっかりする
以上、
とても参考になりました。
今後の取り組みに活かしていきたいと思います。
満木さん、たいへんお世話になりました。
----------------------------------------------
最後に、中山の感想 (皆さんの纏めとかなりカブッテますが)
① 地域で支えることが重要
子育て支援に加えて、見守り、声掛け、暖かいまなざしを
ひとり親の住まいや仕事のサポートも
② 児童相談所のあり方を根本から見直すことが必要
現在の役割は、”相談所”ではなくて、”問題最終処理所”
・・・子育てに対する社会の無関心がこの状況をつくってきた
⇒ 機能と人手を大幅に強化して、真の”相談所”にしていきたい。
③ 親は頑張りすぎずに、周りにも頼ること
⇒ ”持ちつ持たれつ”の関係=コミュニティの再生
共生マインドへの転換
④ 女性の立場を抜本的に高めることが必要
女性の雇用の場、ひとり親でも暮らしていける収入
⑤ 「虐待」という名前に変わる表現をつくる
虐待というと自分とは関係のない世界と分離するのではなく
子育てと隣り合わせであると思える言葉
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
NPO法人 ハンド・イン・ハンドの会主催
ニコニコ離婚講座
『児童虐待からお母さんを守れ!
ひとり親をひとりっきりにしない知識と情報・ネットワーク』
に参加しました。
とても得るところの多い価値のあるイベントでした。
当プロジェクトメンバーも何人か参加していましたが、
落合香代子さんのメモを踏まえてレポートさせていただきます。
-----------------------------------
はじめに
◎円より子さんのお話
(ハンド・イン・ハンドの会代表/民主党前参議院議員)
HP⇒ 「ハンド・イン・ハンドの会」
○ ハンド・イン・ハンドの会は離婚で悩んでいる女性を支援している
・ 過去には、離婚は悪だと思われていて、苦しむ女性が多かった
→離婚が自分らしく生きるためのきっかけの一つとして捉え
前向きな一歩を踏み出すようにサポートしだした
・ ゆえに、「ニコニコ離婚講座」というのを開催している。
今回の児童虐待に関する講座もその一環。
○ 離婚が増加しているが、離婚が虐待の要因となるケースも多い
・ 新しい相手に気に入られたくて ネグレクトや虐待容認
・ 母子家庭の状況は悪くなっている(正社員になれない、貧困が増える)
・ 仕事によっては自分自身の誇りが傷つけられる場合もある
⇒仕事の後に息抜きの場所を他に求めて、育児放棄となることもある
・ 離婚の悩みで心中に繋がるのはいけない。(心中も究極の虐待)
結婚だけが人生ではないと思っていれば深刻な事態にならずに子どもを救える
○ 周囲がきちんとサポートできれば良いがそうなっていない
・ 区役所などがワンストップサービスで、住まいや仕事を一緒に面倒を
見ればよいが、定型業務しかしない
・ 周り知人や友人たちも環境が悪いから、適切なアドバイスができない。
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◎吉田恒雄さんのお話
(児童虐待防止全国ネットワーク理事長/駿河台大学法学部教授)
児童虐待の現状、要因、特徴と影響、防止対策、子育てに困ったら、困った人を見たら
などの観点でお話を伺いました。
児童虐待防止全国ネットワークのHPにも、詳しい資料がありますので、ご覧ください。
『子ども虐待について』
○虐待としつけはどう違うのか。
・ 一言で言えば、「子どもの目線」から見て、子どもを傷つける行為であるのかどうか。
・ しつけと言っても結果から見れば関係ない。暴力は正当化されない。
・ 虐待は、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトと分類されているが、
多くの場合は複合的であり、虐待の中身は経時的にも変化する。
・ 「せっかん」という言葉は使われなくなった。許されないことであるという認識が広まった。
また、従来から隠れていたことが表面化してきた。
○虐待死年間50~70人
・ 虐待死は週に一人の割合で起こっている。心中も同様の数に上る。
・ 実の母が多い。 3歳未満児が多い。
・ 受ける虐待被害は年齢により特徴がある。
・ 身体的虐待は幼児がほとんどを占める。
・ 性虐待は小学生中学年から高学年が多い。
○虐待の要因
・ 一言で言えば親のストレス。ストレスのはけ口が子どもに向かっている。
・ 発達障害が要因になることもある。
障害が分かっていれば適切な対応が取れるのに分かっていないから問題が起きる
・ ひとり親
・ 家族内の変化。変化が生じた時は要注意。変化がリスクになる。
○ 虐待防止策
・ 育児不安 → 相談、指導(こんにちは赤ちゃん事業、乳幼児健診、訪問指導)
・ 病気、障害 → 診断・治療、福祉サービス
・ 経済的不安 → 生活保護、就労支援、保育所入所、住宅支援
・ 孤立 → 地域資源(子育てサークル等)、相談指導、訪問、家事援助
・ 若年出産等養育力不足 → 養育支援、生活支援
○ 子育てに困ったら
・ 困難を抱え込まない =市町村、児童相談所、保健センター、民間団体、保育所等へ相談
※ 無理をしないで万歳してくれればよい
・ 仲間つくり、子育てサークルへの参加
・ 子育ての方法を学ぶ(難しい子供への対応、体罰の危険性、親業講座 など)
○ 子育てに困っている人を見たら
・ 地域での声掛け、やさしい見守り
・ 虐待の通報、相談
地域が気にかけているとのサインとして
○ 虐待の予防について
・ 発生しないようにいろいろな機関が関わらないとダメ。とにかく連携が重要。
・ 「子育てが辛くなったら万歳しちゃってください」と伝えている。
どうしてもお母さんは、自分がやらなきゃ、と思いがち。
・ 実は辛い時には自分で子育てしなくていいんだ、と知ってもらうことが大切。
いろいろな所に助けを求めて良いんですよ、と声をかけることが大切。
・・・お母さんによっては、人を信じられない、という問題もあるかもしれないが。
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◎ 片野清美さんのお話
新宿区 24時間保育 エイビイシイ保育園園長
HP紹介 「園長のコメント」
「昼も夜も子供は平等」
○ 夜間保育所
・ 夜の子供たちの生活を守る、という信念でやってきた。
・ 飢餓、虐待から守れる。
・ 24時間稼働していることでむしろ機能が良い。
○1980年代のベビーホテル時代から開設。
・ 当初はマンションの一室から始まった。
・ 昼間の保育園が補助金で優遇されて、なぜ夜間保育所は補助金がないのか、という疑問。
・ 公共的な夜間保育所を作りたい、という思いで活動してきた。
○ 親の就労支援、自立支援は重要である。
・ 保育士、調理師になった人もいる。 →一所懸命にやってれば地域に戻ってくる。
・ 親を地域が守ってくれる。地域の力は大きい。
・ 居住先を提供してくれるなどの協力がある。(家の保証人にもなってる)
○ 行政は努力が足りないと思う。
・ 夜間就労している母子家庭の母親が多いにも関わらず、東京の夜間保育所は2カ所だけ!
・ 新宿で児童虐待のネットワークをつくったが、児相、学校、それぞれの枠の中で活動。
・ 児相は母子分離をさせたがるが、しなくても解決できる。理屈ではない。真心は通じる。
-------------------------------------------
◎ 参加者との質疑&意見交換
○ 地域で皆が支えあうこと
・実際、虐待予防、子育て支援策は充実してきている。
・地域での支えあい、子育て支援は親だけを支えることではない
・ 助け合いを充実させても、それだけでは解決出来ない。
・ 地域ネットワークは確かに落ちている。しかし、一人一人にできることがあるだろう。
・ 子育てしやすい、子育てを楽しめる社会を作ることが求められている。
○日本の文化の中に「耐える」がある。
・「おしん」が評価される。→ゆえにせっかんを容認する雰囲気がある。
・ 虐待予防、 耐えること、良い母親を演じること、というものが求められている。
そういった誤った考え方が、どれだけのお母さんを追いつめてきたか。
⇒子育てに困ったら、頑張りすぎずに万歳してくれればよい
ネグレクトは後に響いてくる
○ 「児童虐待」に変わる言葉を!
・「虐待」というと、自分とは関係ない世界だと避ける人が多い。
でも子育てと虐待とはまったく別のものではない。
「ぼけ老人」→「認知症」となって一般化したように、良い言葉が欲しい。
・言葉の議論は以前からあるがなかなか良い言葉が出てこないのが現状。
・ Child Abuseのアビュース も乱用という意味もある。
・マルトリートメント(不適切な関わり)という言葉があるが共有されてない。
何か良い案があったら考えたい。
○ 児相は本来子育ての専門機関。
・ それがいつのまにか親子分離の専門機関となっている。
児相と聞くと緊張して過呼吸になる。
・ 親子の側にたっていない。 公安警察的なイメージ。
・ 法律もうまく機能しない。 → 今のままでは民間が頑張るしかない。
○ どこかで太陽の役割をする人がいないといけない。
・ 最初に支援を求めた時、それが一番できる窓口はどこか、そこは行政でなくても良い。
地域でもできること。
・ 行政はサービス業。それを忘れている職員が多い。
絶対に助けてやるという気持ちがないと勤まらない。
------------------------------------
◎今日の話から出てきた共通点。 吉川先生 (中部学院大学大学院 教授)
1、地域で子どもを育てる。
2、役所はどうなっているのか?
なぜ児相は強制措置を行なわないのか?
→証拠集め、人が足りない。
3、日本の文化が良いという意見があったが、
一方で、親が子ども育てるのが当然、という文化でもある。「他人に任せられない」
そういった考え方が強制措置を阻んでいる要因ではないのか?
そうした議論が今日は出てこなかった。
⇒ 文化の転換点を作らなくてはならないのではないか。
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◎ 今後への視点
<吉田恒雄さんと片野清美さんより>
○児童相談所はどうあるべきか。
・ 強制分離、親権をどう乗り越えるかが課題。
現在でも家庭裁判所の申請審査を待たなければ強制分離はできない。
・ それくらい、子どもの権利よりも親の立場が重視されている。
・ 新しく法案が変わる予定であるが、そこでもあまり期待はできない。
まだまだ親重視という考え方が根強い。
・ 児相がうまく機能しない原因として、専門知識を持つ職員の不足、そもそも人が足りない、
もっと機能強化されるべき。
○ また、分離しても子どもを保護する施設が足りない、受け皿がない、という問題がある。
・ また、分離したあとどうするか、という問題も大きい。その後が大変。
・ 心理療法や生活の保障は確保されるのかなど。
・ 家庭的な雰囲気の中で生活させたいと思っても、里親の数は依然として伸びない。
・ 親権について、父親を引っ張りだすのは難しいことが多い。
いかに分離しないようにするか、が重要。
がんばれば分離しなくてよい環境を作れる。
○ そもそも虐待を発生させないようにするにはどうしたらよいか
・ そのためには、こまめに回る、在宅支援、母子の就労支援等が必要である。
・ 例として、青森県のある地域では、児相の人員を3倍に増やしたところ、
外回りができるようになり虐待件数が減ったというデータが出ている。
児相の人員強化が解決に繋がる、という好例。
・ 経済的な面で母子が自立できることが大切
好きな仕事があったら資格を取る
⇒プライドが持てると、生活もしっかりする
以上、
とても参考になりました。
今後の取り組みに活かしていきたいと思います。
満木さん、たいへんお世話になりました。
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最後に、中山の感想 (皆さんの纏めとかなりカブッテますが)
① 地域で支えることが重要
子育て支援に加えて、見守り、声掛け、暖かいまなざしを
ひとり親の住まいや仕事のサポートも
② 児童相談所のあり方を根本から見直すことが必要
現在の役割は、”相談所”ではなくて、”問題最終処理所”
・・・子育てに対する社会の無関心がこの状況をつくってきた
⇒ 機能と人手を大幅に強化して、真の”相談所”にしていきたい。
③ 親は頑張りすぎずに、周りにも頼ること
⇒ ”持ちつ持たれつ”の関係=コミュニティの再生
共生マインドへの転換
④ 女性の立場を抜本的に高めることが必要
女性の雇用の場、ひとり親でも暮らしていける収入
⑤ 「虐待」という名前に変わる表現をつくる
虐待というと自分とは関係のない世界と分離するのではなく
子育てと隣り合わせであると思える言葉
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