●10/23『児童虐待からお母さんを守れ!』講座
10月24日(土)
NPO法人 ハンド・イン・ハンドの会主催
ニコニコ離婚講座
『児童虐待からお母さんを守れ!
ひとり親をひとりっきりにしない知識と情報・ネットワーク』
に参加しました。
とても得るところの多い価値のあるイベントでした。
当プロジェクトメンバーも何人か参加していましたが、
落合香代子さんのメモを踏まえてレポートさせていただきます。
-----------------------------------
はじめに
◎円より子さんのお話
(ハンド・イン・ハンドの会代表/民主党前参議院議員)
HP⇒ 「ハンド・イン・ハンドの会」
○ ハンド・イン・ハンドの会は離婚で悩んでいる女性を支援している
・ 過去には、離婚は悪だと思われていて、苦しむ女性が多かった
→離婚が自分らしく生きるためのきっかけの一つとして捉え
前向きな一歩を踏み出すようにサポートしだした
・ ゆえに、「ニコニコ離婚講座」というのを開催している。
今回の児童虐待に関する講座もその一環。
○ 離婚が増加しているが、離婚が虐待の要因となるケースも多い
・ 新しい相手に気に入られたくて ネグレクトや虐待容認
・ 母子家庭の状況は悪くなっている(正社員になれない、貧困が増える)
・ 仕事によっては自分自身の誇りが傷つけられる場合もある
⇒仕事の後に息抜きの場所を他に求めて、育児放棄となることもある
・ 離婚の悩みで心中に繋がるのはいけない。(心中も究極の虐待)
結婚だけが人生ではないと思っていれば深刻な事態にならずに子どもを救える
○ 周囲がきちんとサポートできれば良いがそうなっていない
・ 区役所などがワンストップサービスで、住まいや仕事を一緒に面倒を
見ればよいが、定型業務しかしない
・ 周り知人や友人たちも環境が悪いから、適切なアドバイスができない。
------------------------------------
◎吉田恒雄さんのお話
(児童虐待防止全国ネットワーク理事長/駿河台大学法学部教授)
児童虐待の現状、要因、特徴と影響、防止対策、子育てに困ったら、困った人を見たら
などの観点でお話を伺いました。
児童虐待防止全国ネットワークのHPにも、詳しい資料がありますので、ご覧ください。
『子ども虐待について』
○虐待としつけはどう違うのか。
・ 一言で言えば、「子どもの目線」から見て、子どもを傷つける行為であるのかどうか。
・ しつけと言っても結果から見れば関係ない。暴力は正当化されない。
・ 虐待は、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトと分類されているが、
多くの場合は複合的であり、虐待の中身は経時的にも変化する。
・ 「せっかん」という言葉は使われなくなった。許されないことであるという認識が広まった。
また、従来から隠れていたことが表面化してきた。
○虐待死年間50~70人
・ 虐待死は週に一人の割合で起こっている。心中も同様の数に上る。
・ 実の母が多い。 3歳未満児が多い。
・ 受ける虐待被害は年齢により特徴がある。
・ 身体的虐待は幼児がほとんどを占める。
・ 性虐待は小学生中学年から高学年が多い。
○虐待の要因
・ 一言で言えば親のストレス。ストレスのはけ口が子どもに向かっている。
・ 発達障害が要因になることもある。
障害が分かっていれば適切な対応が取れるのに分かっていないから問題が起きる
・ ひとり親
・ 家族内の変化。変化が生じた時は要注意。変化がリスクになる。
○ 虐待防止策
・ 育児不安 → 相談、指導(こんにちは赤ちゃん事業、乳幼児健診、訪問指導)
・ 病気、障害 → 診断・治療、福祉サービス
・ 経済的不安 → 生活保護、就労支援、保育所入所、住宅支援
・ 孤立 → 地域資源(子育てサークル等)、相談指導、訪問、家事援助
・ 若年出産等養育力不足 → 養育支援、生活支援
○ 子育てに困ったら
・ 困難を抱え込まない =市町村、児童相談所、保健センター、民間団体、保育所等へ相談
※ 無理をしないで万歳してくれればよい
・ 仲間つくり、子育てサークルへの参加
・ 子育ての方法を学ぶ(難しい子供への対応、体罰の危険性、親業講座 など)
○ 子育てに困っている人を見たら
・ 地域での声掛け、やさしい見守り
・ 虐待の通報、相談
地域が気にかけているとのサインとして
○ 虐待の予防について
・ 発生しないようにいろいろな機関が関わらないとダメ。とにかく連携が重要。
・ 「子育てが辛くなったら万歳しちゃってください」と伝えている。
どうしてもお母さんは、自分がやらなきゃ、と思いがち。
・ 実は辛い時には自分で子育てしなくていいんだ、と知ってもらうことが大切。
いろいろな所に助けを求めて良いんですよ、と声をかけることが大切。
・・・お母さんによっては、人を信じられない、という問題もあるかもしれないが。
-------------------------------------
◎ 片野清美さんのお話
新宿区 24時間保育 エイビイシイ保育園園長
HP紹介 「園長のコメント」
「昼も夜も子供は平等」
○ 夜間保育所
・ 夜の子供たちの生活を守る、という信念でやってきた。
・ 飢餓、虐待から守れる。
・ 24時間稼働していることでむしろ機能が良い。
○1980年代のベビーホテル時代から開設。
・ 当初はマンションの一室から始まった。
・ 昼間の保育園が補助金で優遇されて、なぜ夜間保育所は補助金がないのか、という疑問。
・ 公共的な夜間保育所を作りたい、という思いで活動してきた。
○ 親の就労支援、自立支援は重要である。
・ 保育士、調理師になった人もいる。 →一所懸命にやってれば地域に戻ってくる。
・ 親を地域が守ってくれる。地域の力は大きい。
・ 居住先を提供してくれるなどの協力がある。(家の保証人にもなってる)
○ 行政は努力が足りないと思う。
・ 夜間就労している母子家庭の母親が多いにも関わらず、東京の夜間保育所は2カ所だけ!
・ 新宿で児童虐待のネットワークをつくったが、児相、学校、それぞれの枠の中で活動。
・ 児相は母子分離をさせたがるが、しなくても解決できる。理屈ではない。真心は通じる。
-------------------------------------------
◎ 参加者との質疑&意見交換
○ 地域で皆が支えあうこと
・実際、虐待予防、子育て支援策は充実してきている。
・地域での支えあい、子育て支援は親だけを支えることではない
・ 助け合いを充実させても、それだけでは解決出来ない。
・ 地域ネットワークは確かに落ちている。しかし、一人一人にできることがあるだろう。
・ 子育てしやすい、子育てを楽しめる社会を作ることが求められている。
○日本の文化の中に「耐える」がある。
・「おしん」が評価される。→ゆえにせっかんを容認する雰囲気がある。
・ 虐待予防、 耐えること、良い母親を演じること、というものが求められている。
そういった誤った考え方が、どれだけのお母さんを追いつめてきたか。
⇒子育てに困ったら、頑張りすぎずに万歳してくれればよい
ネグレクトは後に響いてくる
○ 「児童虐待」に変わる言葉を!
・「虐待」というと、自分とは関係ない世界だと避ける人が多い。
でも子育てと虐待とはまったく別のものではない。
「ぼけ老人」→「認知症」となって一般化したように、良い言葉が欲しい。
・言葉の議論は以前からあるがなかなか良い言葉が出てこないのが現状。
・ Child Abuseのアビュース も乱用という意味もある。
・マルトリートメント(不適切な関わり)という言葉があるが共有されてない。
何か良い案があったら考えたい。
○ 児相は本来子育ての専門機関。
・ それがいつのまにか親子分離の専門機関となっている。
児相と聞くと緊張して過呼吸になる。
・ 親子の側にたっていない。 公安警察的なイメージ。
・ 法律もうまく機能しない。 → 今のままでは民間が頑張るしかない。
○ どこかで太陽の役割をする人がいないといけない。
・ 最初に支援を求めた時、それが一番できる窓口はどこか、そこは行政でなくても良い。
地域でもできること。
・ 行政はサービス業。それを忘れている職員が多い。
絶対に助けてやるという気持ちがないと勤まらない。
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◎今日の話から出てきた共通点。 吉川先生 (中部学院大学大学院 教授)
1、地域で子どもを育てる。
2、役所はどうなっているのか?
なぜ児相は強制措置を行なわないのか?
→証拠集め、人が足りない。
3、日本の文化が良いという意見があったが、
一方で、親が子ども育てるのが当然、という文化でもある。「他人に任せられない」
そういった考え方が強制措置を阻んでいる要因ではないのか?
そうした議論が今日は出てこなかった。
⇒ 文化の転換点を作らなくてはならないのではないか。
------------------------------------
◎ 今後への視点
<吉田恒雄さんと片野清美さんより>
○児童相談所はどうあるべきか。
・ 強制分離、親権をどう乗り越えるかが課題。
現在でも家庭裁判所の申請審査を待たなければ強制分離はできない。
・ それくらい、子どもの権利よりも親の立場が重視されている。
・ 新しく法案が変わる予定であるが、そこでもあまり期待はできない。
まだまだ親重視という考え方が根強い。
・ 児相がうまく機能しない原因として、専門知識を持つ職員の不足、そもそも人が足りない、
もっと機能強化されるべき。
○ また、分離しても子どもを保護する施設が足りない、受け皿がない、という問題がある。
・ また、分離したあとどうするか、という問題も大きい。その後が大変。
・ 心理療法や生活の保障は確保されるのかなど。
・ 家庭的な雰囲気の中で生活させたいと思っても、里親の数は依然として伸びない。
・ 親権について、父親を引っ張りだすのは難しいことが多い。
いかに分離しないようにするか、が重要。
がんばれば分離しなくてよい環境を作れる。
○ そもそも虐待を発生させないようにするにはどうしたらよいか
・ そのためには、こまめに回る、在宅支援、母子の就労支援等が必要である。
・ 例として、青森県のある地域では、児相の人員を3倍に増やしたところ、
外回りができるようになり虐待件数が減ったというデータが出ている。
児相の人員強化が解決に繋がる、という好例。
・ 経済的な面で母子が自立できることが大切
好きな仕事があったら資格を取る
⇒プライドが持てると、生活もしっかりする
以上、
とても参考になりました。
今後の取り組みに活かしていきたいと思います。
満木さん、たいへんお世話になりました。
----------------------------------------------
最後に、中山の感想 (皆さんの纏めとかなりカブッテますが)
① 地域で支えることが重要
子育て支援に加えて、見守り、声掛け、暖かいまなざしを
ひとり親の住まいや仕事のサポートも
② 児童相談所のあり方を根本から見直すことが必要
現在の役割は、”相談所”ではなくて、”問題最終処理所”
・・・子育てに対する社会の無関心がこの状況をつくってきた
⇒ 機能と人手を大幅に強化して、真の”相談所”にしていきたい。
③ 親は頑張りすぎずに、周りにも頼ること
⇒ ”持ちつ持たれつ”の関係=コミュニティの再生
共生マインドへの転換
④ 女性の立場を抜本的に高めることが必要
女性の雇用の場、ひとり親でも暮らしていける収入
⑤ 「虐待」という名前に変わる表現をつくる
虐待というと自分とは関係のない世界と分離するのではなく
子育てと隣り合わせであると思える言葉
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NPO法人 ハンド・イン・ハンドの会主催
ニコニコ離婚講座
『児童虐待からお母さんを守れ!
ひとり親をひとりっきりにしない知識と情報・ネットワーク』
に参加しました。
とても得るところの多い価値のあるイベントでした。
当プロジェクトメンバーも何人か参加していましたが、
落合香代子さんのメモを踏まえてレポートさせていただきます。
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はじめに
◎円より子さんのお話
(ハンド・イン・ハンドの会代表/民主党前参議院議員)
HP⇒ 「ハンド・イン・ハンドの会」
○ ハンド・イン・ハンドの会は離婚で悩んでいる女性を支援している
・ 過去には、離婚は悪だと思われていて、苦しむ女性が多かった
→離婚が自分らしく生きるためのきっかけの一つとして捉え
前向きな一歩を踏み出すようにサポートしだした
・ ゆえに、「ニコニコ離婚講座」というのを開催している。
今回の児童虐待に関する講座もその一環。
○ 離婚が増加しているが、離婚が虐待の要因となるケースも多い
・ 新しい相手に気に入られたくて ネグレクトや虐待容認
・ 母子家庭の状況は悪くなっている(正社員になれない、貧困が増える)
・ 仕事によっては自分自身の誇りが傷つけられる場合もある
⇒仕事の後に息抜きの場所を他に求めて、育児放棄となることもある
・ 離婚の悩みで心中に繋がるのはいけない。(心中も究極の虐待)
結婚だけが人生ではないと思っていれば深刻な事態にならずに子どもを救える
○ 周囲がきちんとサポートできれば良いがそうなっていない
・ 区役所などがワンストップサービスで、住まいや仕事を一緒に面倒を
見ればよいが、定型業務しかしない
・ 周り知人や友人たちも環境が悪いから、適切なアドバイスができない。
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◎吉田恒雄さんのお話
(児童虐待防止全国ネットワーク理事長/駿河台大学法学部教授)
児童虐待の現状、要因、特徴と影響、防止対策、子育てに困ったら、困った人を見たら
などの観点でお話を伺いました。
児童虐待防止全国ネットワークのHPにも、詳しい資料がありますので、ご覧ください。
『子ども虐待について』
○虐待としつけはどう違うのか。
・ 一言で言えば、「子どもの目線」から見て、子どもを傷つける行為であるのかどうか。
・ しつけと言っても結果から見れば関係ない。暴力は正当化されない。
・ 虐待は、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトと分類されているが、
多くの場合は複合的であり、虐待の中身は経時的にも変化する。
・ 「せっかん」という言葉は使われなくなった。許されないことであるという認識が広まった。
また、従来から隠れていたことが表面化してきた。
○虐待死年間50~70人
・ 虐待死は週に一人の割合で起こっている。心中も同様の数に上る。
・ 実の母が多い。 3歳未満児が多い。
・ 受ける虐待被害は年齢により特徴がある。
・ 身体的虐待は幼児がほとんどを占める。
・ 性虐待は小学生中学年から高学年が多い。
○虐待の要因
・ 一言で言えば親のストレス。ストレスのはけ口が子どもに向かっている。
・ 発達障害が要因になることもある。
障害が分かっていれば適切な対応が取れるのに分かっていないから問題が起きる
・ ひとり親
・ 家族内の変化。変化が生じた時は要注意。変化がリスクになる。
○ 虐待防止策
・ 育児不安 → 相談、指導(こんにちは赤ちゃん事業、乳幼児健診、訪問指導)
・ 病気、障害 → 診断・治療、福祉サービス
・ 経済的不安 → 生活保護、就労支援、保育所入所、住宅支援
・ 孤立 → 地域資源(子育てサークル等)、相談指導、訪問、家事援助
・ 若年出産等養育力不足 → 養育支援、生活支援
○ 子育てに困ったら
・ 困難を抱え込まない =市町村、児童相談所、保健センター、民間団体、保育所等へ相談
※ 無理をしないで万歳してくれればよい
・ 仲間つくり、子育てサークルへの参加
・ 子育ての方法を学ぶ(難しい子供への対応、体罰の危険性、親業講座 など)
○ 子育てに困っている人を見たら
・ 地域での声掛け、やさしい見守り
・ 虐待の通報、相談
地域が気にかけているとのサインとして
○ 虐待の予防について
・ 発生しないようにいろいろな機関が関わらないとダメ。とにかく連携が重要。
・ 「子育てが辛くなったら万歳しちゃってください」と伝えている。
どうしてもお母さんは、自分がやらなきゃ、と思いがち。
・ 実は辛い時には自分で子育てしなくていいんだ、と知ってもらうことが大切。
いろいろな所に助けを求めて良いんですよ、と声をかけることが大切。
・・・お母さんによっては、人を信じられない、という問題もあるかもしれないが。
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◎ 片野清美さんのお話
新宿区 24時間保育 エイビイシイ保育園園長
HP紹介 「園長のコメント」
「昼も夜も子供は平等」
○ 夜間保育所
・ 夜の子供たちの生活を守る、という信念でやってきた。
・ 飢餓、虐待から守れる。
・ 24時間稼働していることでむしろ機能が良い。
○1980年代のベビーホテル時代から開設。
・ 当初はマンションの一室から始まった。
・ 昼間の保育園が補助金で優遇されて、なぜ夜間保育所は補助金がないのか、という疑問。
・ 公共的な夜間保育所を作りたい、という思いで活動してきた。
○ 親の就労支援、自立支援は重要である。
・ 保育士、調理師になった人もいる。 →一所懸命にやってれば地域に戻ってくる。
・ 親を地域が守ってくれる。地域の力は大きい。
・ 居住先を提供してくれるなどの協力がある。(家の保証人にもなってる)
○ 行政は努力が足りないと思う。
・ 夜間就労している母子家庭の母親が多いにも関わらず、東京の夜間保育所は2カ所だけ!
・ 新宿で児童虐待のネットワークをつくったが、児相、学校、それぞれの枠の中で活動。
・ 児相は母子分離をさせたがるが、しなくても解決できる。理屈ではない。真心は通じる。
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◎ 参加者との質疑&意見交換
○ 地域で皆が支えあうこと
・実際、虐待予防、子育て支援策は充実してきている。
・地域での支えあい、子育て支援は親だけを支えることではない
・ 助け合いを充実させても、それだけでは解決出来ない。
・ 地域ネットワークは確かに落ちている。しかし、一人一人にできることがあるだろう。
・ 子育てしやすい、子育てを楽しめる社会を作ることが求められている。
○日本の文化の中に「耐える」がある。
・「おしん」が評価される。→ゆえにせっかんを容認する雰囲気がある。
・ 虐待予防、 耐えること、良い母親を演じること、というものが求められている。
そういった誤った考え方が、どれだけのお母さんを追いつめてきたか。
⇒子育てに困ったら、頑張りすぎずに万歳してくれればよい
ネグレクトは後に響いてくる
○ 「児童虐待」に変わる言葉を!
・「虐待」というと、自分とは関係ない世界だと避ける人が多い。
でも子育てと虐待とはまったく別のものではない。
「ぼけ老人」→「認知症」となって一般化したように、良い言葉が欲しい。
・言葉の議論は以前からあるがなかなか良い言葉が出てこないのが現状。
・ Child Abuseのアビュース も乱用という意味もある。
・マルトリートメント(不適切な関わり)という言葉があるが共有されてない。
何か良い案があったら考えたい。
○ 児相は本来子育ての専門機関。
・ それがいつのまにか親子分離の専門機関となっている。
児相と聞くと緊張して過呼吸になる。
・ 親子の側にたっていない。 公安警察的なイメージ。
・ 法律もうまく機能しない。 → 今のままでは民間が頑張るしかない。
○ どこかで太陽の役割をする人がいないといけない。
・ 最初に支援を求めた時、それが一番できる窓口はどこか、そこは行政でなくても良い。
地域でもできること。
・ 行政はサービス業。それを忘れている職員が多い。
絶対に助けてやるという気持ちがないと勤まらない。
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◎今日の話から出てきた共通点。 吉川先生 (中部学院大学大学院 教授)
1、地域で子どもを育てる。
2、役所はどうなっているのか?
なぜ児相は強制措置を行なわないのか?
→証拠集め、人が足りない。
3、日本の文化が良いという意見があったが、
一方で、親が子ども育てるのが当然、という文化でもある。「他人に任せられない」
そういった考え方が強制措置を阻んでいる要因ではないのか?
そうした議論が今日は出てこなかった。
⇒ 文化の転換点を作らなくてはならないのではないか。
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◎ 今後への視点
<吉田恒雄さんと片野清美さんより>
○児童相談所はどうあるべきか。
・ 強制分離、親権をどう乗り越えるかが課題。
現在でも家庭裁判所の申請審査を待たなければ強制分離はできない。
・ それくらい、子どもの権利よりも親の立場が重視されている。
・ 新しく法案が変わる予定であるが、そこでもあまり期待はできない。
まだまだ親重視という考え方が根強い。
・ 児相がうまく機能しない原因として、専門知識を持つ職員の不足、そもそも人が足りない、
もっと機能強化されるべき。
○ また、分離しても子どもを保護する施設が足りない、受け皿がない、という問題がある。
・ また、分離したあとどうするか、という問題も大きい。その後が大変。
・ 心理療法や生活の保障は確保されるのかなど。
・ 家庭的な雰囲気の中で生活させたいと思っても、里親の数は依然として伸びない。
・ 親権について、父親を引っ張りだすのは難しいことが多い。
いかに分離しないようにするか、が重要。
がんばれば分離しなくてよい環境を作れる。
○ そもそも虐待を発生させないようにするにはどうしたらよいか
・ そのためには、こまめに回る、在宅支援、母子の就労支援等が必要である。
・ 例として、青森県のある地域では、児相の人員を3倍に増やしたところ、
外回りができるようになり虐待件数が減ったというデータが出ている。
児相の人員強化が解決に繋がる、という好例。
・ 経済的な面で母子が自立できることが大切
好きな仕事があったら資格を取る
⇒プライドが持てると、生活もしっかりする
以上、
とても参考になりました。
今後の取り組みに活かしていきたいと思います。
満木さん、たいへんお世話になりました。
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最後に、中山の感想 (皆さんの纏めとかなりカブッテますが)
① 地域で支えることが重要
子育て支援に加えて、見守り、声掛け、暖かいまなざしを
ひとり親の住まいや仕事のサポートも
② 児童相談所のあり方を根本から見直すことが必要
現在の役割は、”相談所”ではなくて、”問題最終処理所”
・・・子育てに対する社会の無関心がこの状況をつくってきた
⇒ 機能と人手を大幅に強化して、真の”相談所”にしていきたい。
③ 親は頑張りすぎずに、周りにも頼ること
⇒ ”持ちつ持たれつ”の関係=コミュニティの再生
共生マインドへの転換
④ 女性の立場を抜本的に高めることが必要
女性の雇用の場、ひとり親でも暮らしていける収入
⑤ 「虐待」という名前に変わる表現をつくる
虐待というと自分とは関係のない世界と分離するのではなく
子育てと隣り合わせであると思える言葉
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