昭和のままの風景が、ここにある
新宿ゴールデン街って、知ってるよね。
そうかー、知らないかー。
出版業界の中だって、そんな人が増えたもんね。
業界人の溜まり場だよ(もしかすると今は過去形かも)。
場所は新宿歌舞伎町の片隅。小さな飲み屋が30数軒、軒を連ねる。
今も昔も、7~8人入れば満席のような店ばかり。
みんなここから巣立っていった
その中でも最古参の店が〇羅治(わらじと読む)なのだ。
以前は、ちらっと覗けば、直木賞作家や出版業界の古参たち。
映画監督や俳優さんたち、新聞記者やテレビ関係者。
みんな朝まで飲んだくれ、ここから出勤していったものだ。
「今でも、数年に一度は顔を出す人もいるよ」
「せっかく来てくれたのに、お店がなくなっていたんじゃ悪いでしょ」
「いいんだよ。ここまで来れば、もう商売じゃないよ」
女将さん(私はお母さんと呼んでいる)、すでに50年近く店をやっている。
こんな人がいる限り、続けたい
先日、30数年ぶりだというお客さんが顔を出した。
「あったんだー! 残っていたんですねー。 嬉しいなー」
後日、後輩を連れて現れて、「ここがボクの原点だ」と話していた。
彫刻家の三浦大和さんだ。
その前にも、画家の坂野功二郎さん(三重県在住)が来てくれた。
「ちゃんと、三年に一度は顔を出してるよ」
銀座の個展の帰りらしい。当然って口調で話していた。
こんなアート関係者も多い。
今日のお客さんは2人だけだった
主な客は今も、映画・演劇関係者と出版関係者。
数が減ったとはいえ、客層は変わらない。
(みんな齢を取り、あの世へ行った人も多いけどね)
「この店、前は入口近くだったよね」
「よくご存じですね、地上げの放火で焼け出されて……」
この店は20年ぶりだと言いながら、本日、唯一のお客さん。
意外とオシャレな街なのかも
70過ぎに見えるお客さん、若い女性を連れていた。
オヨヨ、二人とも服装のセンスも群を抜いている。
「こんなにいいとこが残っているなんて」と女の人も満足そう。
そんなゴールデン街の店、〇羅治(わらじ)。
(直木賞作家がカウンターの中で働いていたこともある)
夜が明けたから、私の一日マスターも店じまい。
また来週水曜日なのだ。
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