いつ来るか、分からない客を待つ
そうすると、こんな顔になる。
今日は私のお抱え料理人、森本さんはお休み。
来客予定は、『ガラクタ屋放浪譚』の著者、伊東さんのみ。
だいじょうぶ、お客さんが来れば、ニッコリなのだ。
さー、飲むかー。
(いつだって私は、マスター兼お客なのだ)
【そして、】
5年ぶり、『ガラクタ屋放浪譚』の著者、伊東さんが顔を出した。
「ボクは貧乏と縁が切れないから、次は『貧乏哲学』を極めたい」だって。
うーむ、いいのか悪いのか分からないけど、次の本を引き受けた。
製作費支払いは、貧乏だから4分割だって。(えーっ)
伊東さんと入れ替わりに、アーティストの大和さん登場。
月島から「おやき」のお土産。(なんで月島から)
大和さん、彫刻家なのだ。
学生時代にゴジラなどの映画の美術をやったらしい。
「信じられないくらいのギャラをもらったよ」
「その金でフランスに留学した」
「ゴジラはね、最初の詰め物は綿だったんだ」
「水に濡れるとオジャンだから、何度も作り直した」
「一番苦労したのはキングギドラかな……」
確かに、壊れやすい姿だったもんね。
(キングギドラって、弱い怪獣だったのだ)
やっぱりいいよ、ゴールデン街、○羅治(わらじ)。
今はまた私一人。静かに時が過ぎゆく。
もう、しかめっ面じゃないよ。ニコニコなのだ。
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