◎1日目
突然思い立ち、長期故障中のPENTAX ME Superを分解し始めた。症状は常時ミラーアップ&巻き上げた途端にシャッターが切れてしまうというもの。この機種ではよくあるものらしい。もう1台のME Superはミラーアップ、シャッター切れず、巻き上げ動かず。似たような構造であろうME-Fはミラーは降りているもののシャッター切れず、巻き上げは何度も出来るというもの。破格でみつけたME-Fを動くようにする為の練習用として、まずは30年前にジャンク(といっても7000円位と高価だった。その後自力で直して動くようにした)で購入した当機で練習だ。
詳細な分解方法は「ME復活応援サイト 」という詳細に解説されたサイトがあるので、それを見ながら行った。ただ使用されている写真が現代としては不鮮明だとか、ネジ1本の形状までは記載されていないので、その補助的な情報を当ブログに記録しておこうと思う。当然の事だが、当ブログを見ての分解は自己責任で行う事。まずは軍艦部を止めているネジ。正面の2本は長く、シャッターボタンの近くのものは短い。他の3本は目で見る限りは同じように見えるが異なるという事を組み立て時に知った。なので写真にはその事が記されていない。
底部のネジ3本。中央が短い。ネジが固いと、軍艦部を外した後では力がかけにくいので、事前に緩めておくと作業が行いやすい。
セルフタイマーの部品。応援サイトの記事ではシボ皮剥がしと共にハンダごてによる配線外しの途中に記載されているので、その間コテを入れっ放しにしなければならない。コテは空焚きすると先端が痛むので、配線を外す前にやった方が良いと思う。しかし皮を剥がした後にハンダ作業に難航し、とても自分には出来そうにないと諦めた際には皮剥がし作業が無駄になってしまうので、すべての電線を外し終えた後にやる方が良いのかもしれない。
ハンダ付けを外す作業でもっとも簡単と思われる箇所がこのワインダー用の配線。これに難儀するようならこれ以降の電線外し作業はやめた方が良い。そういう意味では応援サイトに記された配線及び皮剥がしの順序は極めて合理的なのかもしれない。
赤い線と黄色い線を外す。真ん中の桃色の線は外さなくて良いのがポイント。
画面左側の黄色い線を外す。右側の茶色い線は外さなくて良いのがポイント。
ホットシューに続く白い線と、プリズム部の水色と赤の線を外す。
難間。白、茶、銅板、桃色(?)の線を外す(のだが、銅板と桃色が既に外れていた)。上部に軍幹部への電極があるのでそおっと少し起こすと良い。ココに入らないような太いコテしかない場合は無理をせず、まずは精密機器用のハンダごてを入手する所から始めなければならない。その際、鉛フリーハンダ用の高価なコテは不要…というか使用してはいけない。必ず鉛ハンダ用のコテやハンダを使用する事。またこれらは、鉛フリーハンダを使用した近年の機器には絶対に使用しない事。
巻き戻しダイヤル奥の紫の線を外す。絶対にフレキにコテを当てない事。ココが一番の難間か?
1時間チョイかけて、どうにかミラーボックスを外す事が出来た。ココまでは以前にも行った事があったのだが、その頃は応援サイトのような情報はなく、全て自力で行った。
ミラーボックス巻き揚げ軸側横部。問題の箇所は写真中央の大きなマイナスネジ部。この下にゴムのダンパーが入っているのだが、それが溶けて固まるのがミラーアップの原因。
大きなマイナスネジを外すと案の定ベトベト。これをピンセットで取り、更にアルコールで洗浄を行う。アームの裏側やネジも同様に丁寧に清掃する。
ダンパーはなくてもとりあえずは動作するが、内径2mm外径4mmのシリコンチューブで代用。
シリコン製品というと清潔で高寿命な気がなんとなくする。多少厚さが不ぞろいだったので、レバーの衝撃を受ける側に厚い方が来るようにした。組み立て後、当レバーが左回転するように操作すると無事、ミラーダウンした。ミラーチャージ、ミラーアップのレバーの場所はあえて記さない。自分でみつけるのが楽しいし、勉強にもなる。
しかし今度はシャッターが下りない。こちらもシャッターユニット内にダンパーがあるとの事なので、そちらの清掃も行う事にした。それにはまずこのカウンターユニットをはずさなくてはならない。手前側の構造をよく見て理解しておく必要があるという事で、周囲の写真を沢山撮っておいた。
ネジ3本で止まるカウンターユニットを外し、バッテリーボックスを外し、更にネジ3本を外してシャッターユニットを外す事が出来た。この際力は必要としないので、力いっぱいに引っ張ったりしない事。知恵の輪と一緒で、あれこれやっているとそのうちポロリと取れる瞬間がある。
取り外したシャッターユニット。これはシャッターがチャージされた状態だが、シャッターを下ろした状態で作業を行った方が混乱しにくいという事を後で知った。
ネジ4本を外して天面の板を外すと問題の箇所が出て来たので、ダンパーだったものをピンセットで丁寧に除去。なお、天板を外したこの状態では、手荒く扱うとシャッター幕がボロボロとこぼれてくるので、腫れ物を触るような慎重さで作業する事。まちがって逆さまししたりすると、すべての幕部品が外れて降って来る。経験がないと組み立て困難となるので要注意。
とりあえず幕を3枚程はずしてみた所で記念写真(?)を撮る。この手の分解写真を撮る最はかなり露出オーバーで撮っておかないと詳細がよく見えない。当記事に使用された写真のほぼ全てがiPhone内で明るさを加工する事となった。
上の写真のシャッターユニット部を拡大したもの。後にこの写真が組み立ての多きなヒントとななったが、同時に組み立ての大きな障害にもなった。
何だかんだで調子にのって全て分解してしまった。果たしてこれを無事組めるのだろうか…
組んでみた所、案の定、一部に穴が?!
↑誤 ↓正
最初に取り付けるアーム付きの先幕の組み方が間違っていた。
その後もシャッター幕の組み立てには難航しつづける。約2時間半格闘の末、本日は時間切れ。
◎2日目
MESuperのシャッターを分解したら元に戻せなくなった。分解時に撮ってあった写真や、分解法を記したサイトを参考にかなり苦労してなんとか動くようになったので、改めて分解手順を写真に記録。これでもしうっかりガシャっと一瞬でバラバラになってしまっても直せる…か?!
シャッターレリーズが何処にあるのかまったく判らなくて色々つついたりしていたが、こんな所にあるという事をやっと突き止めた。
シャッター単体でレリーズするとシャッターが開いたままになるので、ココを押すと下りる。シャッター幕を分解する際にはシャッターが下りた状態で行った方が解りやすい。チャージされた状態で分解すると、ボクのように治せなくなくなる可能性が飛躍的に高まる。
天板(?)を外した所。後幕が見える。ダンパーのカスを取るだけならこの状態でも作業出来る。
アーム付きの1枚目の後幕を外した所。後幕は上側3か所の支点が使用される。
後幕を全て外すと、先幕と後幕との仕切りが現れる。最初に分解した際、不用意に傾けたりしていたらこの仕切りが後幕より先にポロリと落ちてしまい、またその時の様子が写真に撮ってあった事が誤組み立ての要因となった(12枚位上の写真)。分解の際には腫物に触れるようなつもりで慎重に行おう。
しきりを外すと後幕が見える。矢印部の板バネのような部品が先幕の上に載っているが、これは間違い(12枚上の写真に騙された)。先幕の下、つまり一番最初に組み付ける部品である事をこの写真を撮った後に気づいた。即刻組み直したものの写真を撮り忘れた。当記事を見ると余計に判りにくいかもしれない。
先幕3枚を外す。これも幕を置く順番が正しくない事に後で気づいた。
組む時には(板バネのような部品をまずつけた後に)最初に取り付けるアーム付きの先幕はこのように先幕用の下3点の支点に組む。この一番上についている幕は、後幕用の上3つの支点にも嵌める事が出来てしまい、そのまま組むとシャッターに穴が出来る。そのまま作動させると幕が破壊されるかもしれないので注意!
全部品にバラす順番を記した(3番は左上、11番は左下)。組む時は逆順に組み付けていけば良い。12~15が先幕、4~9が後幕。先幕はシャッターを切った際に開いてまた閉じるという所がポイント。シャッターチャージ前はどちらの幕も閉じている為、作業は格段にやりやすい。
シャッターユニットを組み込む。やはり力のまったく必要のない場所があるので、根気よくガチャガチャとやる。ボクは何度も抜き差し?出し入れ?を繰り返し、何となくコツのようなものを掴んだのだが、とてもボクの稚拙な文章力で記す事は出来ない。カメラ修理を志す方々はこのような記事を鵜呑みにせず是非自身で体得しよう!
↑誤 ↓正
カウンターユニットの組み立てにも難儀。というのも分解前の写真(正)がiPhoneに転送されておらず、正しい状態が判らなくなってしまったのだ。見よう見まねで無茶苦茶な組み方をした所、当然のことながらまったくカウンターが進まなくなってしまった。その後写真を発見し、正しい姿に組みなおすが、無理に叩き込んでしまったので壊してしまったかもしれない。だかこれが何と無事に動いた!、この時は嬉しかった。シャッターボタン(が押すであろう部品)を押した状態にすると組みやすい。ココも何度も取り外しと組付けを繰り返し練習した。
◎3日目
シャッターとカウンターを組んだ状態。ココで何やら線が1本机上に転がっているのを発見…
これ(上)は一体何色なのだろうか。白?桃?灰?。このままでは短そうなので、KONICA C35の修理時に使用したもの を加工するが、倍位太い。
分解中に撮った写真や、他のヒトの分解写真から、どうもココのよう。
ミラーボックスを、例によって知恵の輪のようにして何とか入れる。機構的な事よりも、多くの線材を裁くのが大変。巻き上げてシャッターを切るとバシャリとシャッターが切れ、ミラーも元の位置に戻った。空シャッターを切れるようにするというまず最初の目標は達成された。
◎4日目
11カ所のハンダ付けを行う。やはり感度ダイヤルの奥の紫の線がやりにくい。
ファインダー横のネジと一緒に分別ケースに入っていたこの金具、見覚えがない…。感度ダイヤル側に共締めされていた事が、やはり他の人の分解写真で判明した。
トップカバーを仮組みするがうまく閉まらず。線噛みしているような感じだったが、ペンタ正面部の黄色い線以外は余裕があり問題なさそう。ファインダー接眼部付近にひっかかり感がある。ココの平行を取る為にペンタ前部をやや持ち上げ気味にするとスポッと嵌った。
↑分解前 ↓組立後
いよいよ火入れしてみるが、やはりというか何というか、びくともせず。電池からつながっている赤い電線には電圧が出ている。その状態であちこちの電圧を測ってみると、シャッター部にある露出計のスイッチは動いているものの、その他の動きに関してはよく判らない。やはりポロリと取れてしまった白電線が間違っていたのかと、何人かの分解写真を見てみるが正しそうだった。その他全ての電線を確認してみると、何という事か、感度ダイヤル側の黄色と赤の線が逆になっているではないか!。よりによって赤は電源である。電源のかかっていないICの入力ポートに電圧をかけるという事をしてしまった。大慌てで配線を入れ替えるが、やはり動かず。やはりICが壊れてしまったか…
まさかとは思ったが電池の向きを確認してみると、思ったのと逆に入れるのが正しいようだ。今までずっとプラス側を上にするのが正しいと43年間ずっと思っていた為、まさか逆だとは思わなかった。そういえばLXは逆向きで、間違えそうでイヤだな~と思った事があったが、こちらがプラスを上に入れるようだ。長らくLXを愛用しているうちに記憶が逆転したか?!
電池を正しい向きに入れ、シャッターボタンを押すと、LEDが点灯する。オートとマニュアルの切り替えも、マニュアル時のシャッター速度の変更も出来る。オート、マニュアル共に実シャッター速度も変化する。完璧ではないか!
無事完成!但しシャッター精度は少々怪しい。マニュアルで1秒にした時に0.5秒位。4秒にした時に2.3秒位だった。時定数決定用のコンデンサーの容量が抜けてしまっているような印象だ。ペンタの感度ダイヤル側にそれらしい高精度な雰囲気(?)のタンタルコンがついてるのでそれだろうか?
ミラーアップにも少々時間がかかっている模様。これはミラーボックスを単体で動作させていた時にも何となく感じていたのだが、今回は見送った。そして致命的な所としては、シャッターロックを行うと、そのままロックが解除されなくなってしまうという傷を抱えている。ロック機構が戻るためのバネが外れたか壊れたかしたようなのだが、これも後回しとする事にした。ミラーボックスもカウンターユニットも、今や目をつぶっていても取り付け取り外しが出来る程になったので、いずれ第2弾として行う予定。なのでシボ皮は貼らずにそのままにしておく。
58.25 18.7 / 59.35 17.5 / 59.65 17.7 / 59.40 18.0