図のような直角三角形ABCがあり、三角形APCの面積と三角形ABQの面積は等しくなっています。
  
(ア)三角形ABCの底辺をBCとしたときの高さを求めなさい。
(イ)APの長さが1cmのとき、CQの長さを求めなさい。
(ウ)ACとPQが平行であるとき、三角形BPQの面積を求めなさい。

 

面積比の基本問題です。

解説では、いずれの問題も比を活用して解いています。

次のような問題((ウ)の問題を少し改造した問題(本質的には同じ問題))を解いてみればこういう解法を採用した理由がわかるはずです。

 三角形ABCがあります。辺AB、BC上にそれぞれ点P、Qを取ると、ACとPQが平行になり、三角形APCの面積と三角形ABQの面積は等しくなります。このとき、三角形BPQの面積は三角形ABCの面積の何倍ですか。

詳しくは、洛星中学校2025年前期算数第3問(2)の解答・解説で。

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 日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2016年予選の問題

 

今回は日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2016年予選第8問を取り上げます。

同じような問題は中学入試でも出されています(999の倍数判定法の問題(灘中学校2003年1日目第7問、大阪星光学院中学校2005年第1問(1))、9999の倍数判定法の問題(洛南附属高等学校中学校2023年算数第3問)、1001の倍数判定法の問題(灘中学校2002年算数1日目第2問))。

37×3=111111×9=999であることを利用します。

各桁の数字が異なる整数は10桁以下であり、最大のものを求めるのだから、とりあえず10桁の場合を考えます。

10桁の整数をABCDEFGHIJ(A~Jは各桁の数で、異なる整数(ただし、Aは0以外の整数)とします。

10桁の整数ABCDEFGHIJは

  A×1000000000+BCD×1000000+EFG×1000+HIJ

 =A×999999999+A+BCD×999999+BCD+EFG×999+EFG+HIJ

 =A+BCD+EFG+HIJ+999の倍数(当然37の倍数ですね)

となるから、10桁の整数ABCDEFGHIJが37の倍数となるのは、A+BCD+EFG+HIJが37の倍数となるときになります。

最大のものを求めるから、とりあえずABCDEFG=9876543(H、I、Jは0、1、2のいずれか)の場合について考えます(区切りのいいところで固定して考えます)。

  9+876+543+HIJ

 =1428+HIJ

 =999+333+96+HIJ

となり、999と333は37の倍数だから、HIJ+96が37の倍数となるものを考えることになります。

HIJ+96は3の倍数(H、I、Jの各位の数の和が3の倍数で96が3の倍数だからです)だから、37×3=111の倍数となるものを考えることになります(問題文には3の倍数という条件はどこにも書いてありませんが、各桁に使う数字に着目して3の倍数判定法を使うのがポイントで、これを使えないと調べる量が激増します。第31回算数オリンピックトライアル問題5(算数オリンピック2022年トライアル問題5)で、問題文には9の倍数(9で割った余り)という条件はどこにも書いていないにもかかわらず、各桁に使う数字に着目して9の倍数判定法(9で割った余りの判定法)を使うのがポイントだったのと同じですね)。

HIJ+96は12+96=108以上210+96=306以下だから、HIJ+96=111つまりHIJ=15またはHIJ+96=222つまりHIJ=126となりますが、いずれの場合も条件を満たしませんね。

以下、同様の作業となるので、説明を多少端折ります。

FとGの4と3を入れ替えると、HIJ+87=111または222より、HIJ=24または135となりますが、いずれの場合も条件を満たしませんね。

ABCDEFG=9876453(H、I、Jは0、1、2のいずれか)の場合について考えます。

  9+876+453+HIJ

 =1338+HIJ

 =999+333+6+HIJ

HIJ+6=111より、HIJ=105となりますが、条件を満たしません。

FとGの5と3を入れかえる(999+222+99+HIJを考えることになりますね)と、HIJ+99=111または222より、HIJ=12(012)または123となり、HIJ=012のときに条件を満たします。

したがって、答えは9876435012となります。

なお、10桁の整数の各桁に使われる数字の和が45で9の倍数であることから、最初の段階で10桁の整数が9×37=333の倍数であることを使うと、次のようにすることができます(こちらの解法のほうが上の解法より調べる場合がさらに減ります)。

10桁の整数をABCDEFGHIJ(A~Jは各桁の数で、異なる整数(ただし、Aは0以外の整数)とします。

10桁の整数ABCDEFGHIJは

  A×1000000000+BCD×1000000+EFG×1000+HIJ

 =A×999999999+A+BCD×999999+BCD+EFG×999+EFG+HIJ

 =A+BCD+EFG+HIJ+999の倍数(当然333の倍数ですね)

となるから、10桁の整数ABCDEFGHIJが333の倍数となるのは、A+BCD+EFG+HIJが333の倍数となるときになります。

最大のものを求めるから、とりあえずABCDEFG=9876543(H、I、Jは0、1、2のいずれか)の場合について考えます(区切りのいいところで固定して考えます)。

  9+876+543+HIJ

 =1428+HIJ

 =999+333+96+HIJ

となり、999と333は333の倍数だから、HIJ+96が333の倍数となるものを考えることになります。

HIJ+96は12+96=108以上210+96=306以下だから333の倍数となることはありえませんね。

以下、同様の作業となるので、説明を多少端折ります。

FとGの4と3を入れ替えると、HIJ+87が333の倍数となるものを考えることになりますが、この場合もありえませんね。

ABCDEFG=9876453(H、I、Jは0、1、2のいずれか)の場合について考えます。

  9+876+453+HIJ

 =1338+HIJ

 =999+333+6+HIJ

HIJ+6が333の倍数となるものを考えることになりますが、この場合もありえませんね。

FとGの5と3を入れかえる(999+333-12+HIJを考えることになりますね)と、HIJー12が333の倍数(0も含みます)となるものを考えることになりますが、HIJ-12=0つまり、HIJ=012のときに条件を満たします。

したがって、答えは9876435012となります。

 

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 日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2012年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2012年予選第3問を取り上げ、解説します。

同じような問題は中学入試でも出されています。

 

 

 

ただ、今回取り上げるJJMOの問題は、答えにルートが絡んで小学生が解くことができないので、少しだけ設定を変えます(本質的には何も変わりません)。
BC=4、AB=ACで、三角形ABCの面積を6とします。


AD=6×2/4=3となります。
図のように、斜めの正方形APQBを水平な正方形の中に埋め込みます。
この正方形の面積は(2+3)×(2+3)-2×3×2=13となります。
また、三角形CSTを点Cを中心に反時計回りに90度回転すると、三角形CEAとなり、3点B、C、Eは一直線上に来ます。
三角形ABCと三角形CEAは底辺と高さが等しいから面積も等しくなります。
条件の対等性により、他の三角形も同様ですね。
したがって、六角形PQRSTUの面積は
  6×4+4×4+13×2
 =66
となります。

 

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 日本数学オリンピック2018年予選の問題

 

今回は2018年のJMOの予選第5問を取り上げます。

小さな例で実験→観察→規則性の把握→一般化」という規則性の問題の基本的な考え方(麻布中学校1999年算数第5問筑波大学附属駒場中学校2008年算数第2問四天王寺中学校2018年算数第4問の解答・解説を参照)をしっかりマスターしていれば、小学生でも難なく解けるでしょう。

いきなり11個のオセロの石を考えるのは厄介なので、とりあえず少ない個数の石で考えます。
(a)において、両端が●で、●と〇が交互に並んでいることに着目して、奇数個の石が(a)と同じように並んでいる場合を考えます。
1個の場合は与えられた作業ができないので、3個の場合から考えます。
 ●〇●
両端の石を裏返しにすることはできませんね(以下同様)。
左から2番目の石を裏返しにすると、●●●となります。
結局、3個の場合の石の裏返し方は1通りあります。
この1というのは、両端の石を裏返しにすることはできないことから、3-2ということですね。
次に、5個の場合について考えます。
 ●〇●〇●
左から2番目の石を裏返しにすると、●●●〇●となります。
[●●●]〇●の[●●●]の部分は以後同じ動きをする(この場合は裏返すことはできません)ので、[●●●]の部分を1つの●と考えることができ、3個の場合の石の裏返し方を考えればいいですね。
左から3番目の石を裏返しにすると、●〇〇〇●となります。
●[〇〇〇]●の[〇〇〇]の部分は以後同じ動きをするので、[〇〇〇]の部分を1つの〇と考えることができ、3個の場合の石の裏返し方を考えればいいですね。
左から4番目の石を裏返しにした場合は、対称性を考慮すると、左から2番目の石を裏返しにした場合と同様に考えられますね。
結局、5個の場合の石の裏返し方はは3×1=3通りあります。
この3というのは、両端の石を裏返しにすることはできないことから、5-2ということですね。
もう決まりが分かりましたね。
11個の石の裏返し方は
  (11-2)×(9-2)×(7-2)×(5-2)×(3-2)
 =9×7×5×3×1
 =945通り
あります。

 

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 右ページのような①~⑦の三角形があります。三角形は裏返してはいけません。また、計算で必要なときは、図の★は2.6、●は2.5として計算しなさい。
(1)2つの三角形を選び、一辺を合わせます。長方形ができるのは何番と何番を選んだときでしょうか。
(2)②~⑦の三角形のうちどれかを選び、①の三角形と一辺を合わせると、角アの大きさを求めることができます。どの三角形を選んだらよいか番号を答え、角アの大きさを求めなさい。
(3)①~⑥の三角形のうちどれかを選び、⑦の三角形と一辺を合わせると、イにあてはまる数を求めることができます。どの三角形を選んだらよいか番号を答え、イにあてはまる数を求めなさい。

 

図形パズル的な問題で、算数オリンピックなどで出されるタイプの問題です。

(2)、(3)は様々な解法が考えられる問題なので、自分で様々な解法で解いてみるとよいでしょう。

(2)は2つの解法、(3)は3つの解法を紹介しています。

因みに、(2)も(3)も図形のセンスだけでなく、数のセンスも問われています。

10と50、36と24、36+60と60+24を見れば、何を考えればよいかすぐにわかるはずです。

詳しくは、下記ページで。

 南山中学校女子部2025年算数第10問(問題)

 南山中学校女子部2025年算数第10問(解答・解説)

下の問題(図形パズル的な問題)もぜひ解いてみましょう。

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