私にとって6月は、お神輿を担ぐ季節です。
今年も2週連続で地域のお祭りに参加してきました。

1週目は、隣の町会のお神輿に知り合い2名を連れて参加。
そして2週目は、以前の職場の後輩がいる地域のお祭りに、小学校からの同級生を連れて参加してきました。

今回は、隣の町会に参加させてもらったり、後輩のところへ友人を連れて行ったりと、
様々なご縁の中でお神輿を担ぐことができました。
こうした繋がりの中で参加できることも、毎年の楽しみの一つです。

 

 

■ お神輿ならではの「空気感」と「一体感」

お神輿の話をすると、担いだことがない方からはよく、
「重くて痛そうなのに、何が楽しいの?」
と聞かれることがあります。

たしかに肩は腫れますし、長年担いでいる私の肩には「神輿こぶ」もあります。
毎年当たり前のように担いでいますが、お神輿ならではの空気感や、
人との繋がりが、毎年自然と足を運びたくなる理由なのかもしれません。

年齢も職業も違う人たちが、一つのお神輿を担ぐために呼吸を合わせる。
お神輿は大勢で担ぐからこそ、周囲の動きに合わせながら担がなければなりません。
自分だけ違う動きをすると、肩と棒がぶつかって余計な負担がかかります。

だからこそ、自然と周囲の空気を感じながら、全員で息を合わせて担ぐことになります。
そして、その動きが揃った時には独特の一体感が生まれます。

外から見ると、大きく揺れているお神輿の方が迫力があり、盛り上がっているように見えるかもしれません。
しかし、担ぎ手からすると、ガチャガチャと不規則な音が鳴っている状態は、決して良い担ぎ方ではありません。

担ぎ手全員の動きが揃い、一定のリズムでお神輿が進んでいる時ほど、お神輿は安定します。
担ぎ手としては、その状態こそが一番気持ち良く担げている状態だと思っています。

 

 

同じ半纏を着ている人は、初対面でも自然と仲間のような存在になります。
「お疲れさまです。」「よろしくお願いします。」
そんな一言から会話が始まり、一緒にお神輿を担ぎ終える頃には、自然と打ち解けています。
同じ半纏を着ているだけで、自然と人との距離が近くなる。
お神輿には、そんな不思議な力があるように感じています。

■ なぜ「お神輿の会」には入らないのか?

こうしてお祭りの話をすると、
「そんなに好きなら、お神輿の会に入って毎週担げばいいのに」
と言われることがあります。

実際、一緒に担ぐ方の中には、シーズン中ほぼ毎週どこかのお祭りで担いでいる方もいます。

ただ、私は「たくさんお神輿を担ぎたい」というタイプではありません。
私にとってお神輿は、毎年この時期になれば自然と参加する恒例行事のような存在です。

だから参加するのも、自分の地元や、知り合いから声を掛けてもらった地域など、ご縁のあるお祭りがほとんどです。

お神輿を追いかけて毎週担ぐというよりも、
「今年もこの地域のお祭りがやってきたな」
と感じながら、その一員としてお神輿を担ぐ。

だから私は今年も、ご縁のある地域のお祭りでお神輿を担ぎました。

お神輿を担いでいる時間だけでなく、途中の休憩時間も楽しみの一つです。
普段は違う場所で生活している人たちと、飲み物を片手に他愛もない話をする。

そうした何気ない時間も、お祭りならではの楽しさだと思っています。

 

 

知り合い、友人、以前の職場の後輩、そして地域の方々。
普段は違う場所で生活している人たちが、お神輿を通じて自然と集まり、他愛もない話で笑い合う。
毎年同じようにお神輿を担ぎ、同じように笑い合えることが、私にとっては何より大切な時間です。

普段の仕事では、経営者の皆様と組織づくりや人事労務について向き合っていますが、
お祭りの日だけは完全に仕事モードをオフにして、ただお神輿を楽しませてもらっています。

もしこの記事を読んで、
「来年は少しだけ担いでみたい」
「お祭りの雰囲気を味わってみたい」
と思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお声がけください。
来年、一緒に楽しみましょう。

今年もたくさんのご縁の中でお神輿を担ぐことができました。
また来年も、変わらずこの場所でお神輿を担げたらと思っています。

私がどのような人間で、どんな想いで仕事や人生に向き合っているのか。
プライベートも含めた私の「取扱説明書」をまとめていますので、よろしければご覧ください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
https://www.pro-tean.com/message

「あの人が休むと仕事が止まる」
「難しい案件は、結局いつも同じ人に集まる」
「あの人が辞めたらどうしようという不安がある」

このような状況は、会社の規模に関係なく見られることがあります。

一見すると、その人が優秀だから仕事が集まっているように見えます。
しかし実際には、それだけが理由ではないケースも少なくありません。

■ 現場で起きている「あの人しか分からない」の正体

会社の中で、
「あの人に聞かないと分からない」
「あの人しか対応できない」
という仕事が増えていくことがあります。

最初から意図してそうなったわけではありません。

取引先とのやり取りや、過去の経緯を踏まえた判断、イレギュラー対応などを積み重ねるうちに、

気づけば特定の人しか分からない業務が増えていくのです。

その結果、周囲も「この件は〇〇さんに聞こう」となり、

本人も「自分が対応した方が早い」と考えるようになります。

こうして少しずつ、その人に仕事や相談が集中していきます。

■ なぜ、「あの人しか分からない」が生まれるのか

「他の人へ仕事を振ればよいのではないか」
そう思われるかもしれません。

しかし実際には、それほど単純ではありません。
日々の定型業務であれば、手順を共有することで引き継ぐことができます。

一方で、
・マニュアルに載っていない問い合わせ
・部署間の調整が必要な案件
・過去の経緯を知らないと判断できない対応
など、
その場で判断が求められる業務も少なくありません。

そして、その判断の背景にある考え方や過去の経緯が共有されていないため、
「この件は〇〇さんに聞かないと分からない」
という状態が生まれてしまいます。

つまり、仕事が集中しているのは作業そのものではなく、
【判断基準】
が特定の人の頭の中に残っているからなのです。

■ 「業務を分ける」だけでは解決しない

この状態から抜け出すために必要なのは、
単純に作業を振り分けることではありません。

大切なのは、
その人の頭の中にある
「なぜそう判断したのか」
「どのような基準で対応しているのか」
を整理することです。

例えば、
「このパターンなら対応する」
「この条件なら上長へ相談する」
など、
暗黙の判断基準を言葉にしていくことで、他の人も対応しやすくなります。

結果として、
特定の人への依存を減らし、
組織全体で支えられる状態へ近づいていきます。

■ 属人化の解消は、優秀な人を守ることでもある

ただし、長年その業務を担当してきた人ほど、
自分の中では当たり前になっているため、
何を共有すれば良いのか分からないことがあります。

もし、
「特定の人に業務が集中している」
「その人が休めない」
「辞められたら困る」
と感じているのであれば、一度立ち止まって、
その人の頭の中にある判断基準を整理してみることをおすすめします。

■ 当社も同じ課題と向き合っています

実は当社でも、同じような課題があります。

どうしても私に情報が集まりやすく、
「この件は社長しか分からない」
という状態になってしまうことがあります。

また、私の頭の中にある前提や判断基準を十分に共有できておらず、社員との認識にズレが生じてしまうこともあります。

その結果、
「まずは社長に確認しよう」
という流れになり、業務が止まってしまうこともありました。

だからこそ現在は、
業務の進め方や判断基準を少しずつ言葉にしながら、特定の人だけが分かる状態を減らしていく取り組みを続けています。

会社の規模に関係なく、
情報や判断基準が一人に集中することは起こり得ます。

重要なのは、その状態を放置せず、少しずつ共有できる形へ変えていくことではないでしょうか。

私がなぜ、ここまで「仕事の偏りを減らすこと」や「働く時間との向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。よろしければぜひご覧ください。

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「社員数は順調に増えているのに、なぜか自分の確認作業ばかりが増えている」
「現場に業務を任せているつもりなのに、細かな相談や報告への対応で1日が終わってしまう」

組織が拡大し、複数の社員を抱える経営者の方から、こうしたお悩みを聞くことがあります。

■ 現場で起きている「確認」のすれ違い

経営者は会社をさらに前進させるため、社員に様々な業務や役割を任せていきます。その際、「ある程度は現場の状況に合わせて、自分で判断して動いてくれるだろう」という期待を持っていることが少なくありません。

しかし実際には、社長の元に「この件はどう進めましょうか?」「この場合はどちらを選びますか?」という確認の連絡が日々集まってきます。

毎日このような確認が続くと、「どうして自分で考えて動いてくれないのか」ともどかしさを感じる経営者の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、現場の社員と対話を重ねていくと、彼らが決して受け身の姿勢になっているわけではないことが分かってきます。

むしろ逆で、真面目で責任感があるからこそ、「自分の勝手な判断で会社に迷惑をかけてはいけない」と考え、

少しでも迷う部分があれば社長に確認をしているケースが多いのです。

社員としては「間違えないようにきちんと確認したい」という誠実な思いがあり、社長としては「もっと現場で判断して進めてほしい」という願いがある。

お互いが会社を良くしようと真剣に取り組んでいるのに、結果として「社長の承認待ち」という状態が生まれ、

社長の忙しさが増してしまっています。

■ なぜ「自分で判断すること」が難しいのか

社員が判断できないのは、能力が足りないからではありません。

多くの場合、「どういう時に例外を認めるのか」という判断基準が共有されていないだけです。

実際の業務でよくあるのが、取引先から「通常の納期より少し早めてもらえないか」というイレギュラーな相談を受けたケースです。

社長であれば、「この顧客とは長年の付き合いがあるし、今後の取引拡大も見込めるから、

今回は特例で受けよう」と即座に判断できます。

しかし、新しく入った社員や現場の担当者には、その結論に至るまでの背景や、顧客との関係性の深さが見えません。

彼らに共有されているのは、「通常の納期は◯日」という基本ルールだけです。

基本ルールから外れる事態が起きた時、それを「特例として通していいのか」「お断りすべきなのか」を決めるための判断基準は、社長の頭の中にしかありません。

「業務の手順」自体は共有されていても、その業務の途中で発生する「判断の基準」が共有されていないため、

社員は行動を止め、答えを持っている社長に聞くしかなくなってしまうのです。

■ 「業務を渡す」から「基準を言葉にする」へ

社員が増えても社長の忙しさが変わらない場合、必要なのは「さらに業務を切り出すこと」ではなく、

「社長の頭の中にある基準を言葉にして渡すこと」です。

これは、「何をするか」という作業内容だけでなく、「どこまでなら自分で決めていいか」という権限の境界線を

整理するということです。

「基本ルール通りなら、私に確認せずに進めていい」
「ただし、納期変更や値引きの相談があった時だけ、事前に相談してほしい」

このように、自分で判断して進めてよい範囲と、社長の確認が必要な範囲を明確に切り分けるだけで、

現場の迷いは減り、社長への確認連絡も大きく減少します。

■ 経営者の頭の中にある「独自の基準」を整理する

ただ、経営者自身が「自分が無意識に行っている判断基準」を言葉にするのは、非常に困難です。

日々の経営判断として自然に行っていることほど、自分自身ではその基準を客観視しにくいからです。

「なぜこの時はOKを出したのか?」と聞かれても、「これまでの経験上、大丈夫だと思ったから」という

感覚的な答えになりがちです。

もし「人に任せているはずなのに、自分の仕事が減らない」と感じた場合は、

一度第三者の視点を入れてみることをおすすめします。

第三者からの客観的な問いかけを挟むことで、経営者の頭の中にある感覚的な基準が整理され、

社員が迷わず動ける「明確な基準」へと変換しやすくなります。

人数が増えた時こそ、ただ業務を渡すのではなく、お互いの認識をすり合わせ、

「判断の基準」を整理するタイミングだと考えています。

私自身も、社員へ任せたつもりだったものの、前提や背景を十分に共有できておらず、

お互いの認識がずれてしまった経験が何度もあります。

説明したつもりでも、実際には「結論」しか伝わっておらず、その背景にある考え方や目的までは共有できていませんでした。

その結果、社員からすれば「なぜそうするのか」が分からず、確認や認識合わせに時間がかかってしまうこともありました。

だからこそ今は、結論だけではなく、「なぜそう考えたのか」「何を大切にしているのか」という判断の背景まで

伝えることを意識しています。

業務を任せること以上に、判断基準を共有することの難しさを日々実感しています。
どんな会社でも、複数人で仕事をしている以上、考え方や感じ方には違いがあります。

だからこそ、「ちゃんと伝えたつもり」だけではなく、日々の対話や言葉選びが大事になるのではないでしょうか。

私がなぜ、ここまで「当たり前の共有」や「働く時間との向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。よろしければぜひご覧ください。

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「最近入った社員が、指示したことしかやってくれない」
「昔は少しの指示で、みんなが意図を汲んで動いてくれていたのに」
役割分担が増えてきた会社の経営者や管理職の方から、こうしたお悩みを聞くことがあります。

■ 現場で起きている「常識のズレ」が生むすれ違い

これまで少人数で上手く回っていた会社ほど、新しい人が入ってきた時や外部に業務を委託した時に、既存メンバーとの間で「業務の進め方」に関する違いが起きやすくなります。

例えば、新しい担当者に「A社向けの提案資料を作っておいて」と指示を出したケースです。
担当者は、指示通りに基本フォーマットに沿って資料を完成させました。
しかし、それを見たベテラン社員は「A社向けなら、いつも過去3ヶ月のデータも添えていたよね」と不満を抱きます。

一方で、新しい担当者からすれば「そんな独自のルールがあるなら、最初に言ってほしかった」と戸惑うしかありません。

「これくらいは分かるだろう」という期待と、「聞いていないので基本通りに対応した」という認識。
この小さなズレが積み重なることで、ベテラン層は「最近の人は気が利かない」

「毎回ゼロから教えないといけないから疲れる」と疲弊し、

新しい人は「この会社には見えないルールが多すぎる」とモチベーションを下げてしまうすれ違いが起きています。

■ 「阿吽の呼吸」で上手く回っていた会社ほど起きやすいこと

なぜ、昔は上手くいっていたのに、今はすれ違ってしまうのでしょうか。

創業期や長年同じメンバーで働いてきた組織では、日々同じ空間で同じトラブルを

乗り越え、多くの時間を共有してきました。
そのため、わざわざ言葉にしなくても「A社といえばこの対応」「うちの社長が気にするのはこのポイント」という【暗黙のルール】が自然と共有されています。


いわゆる「阿吽(あうん)の呼吸」です。これは、スピード感を持って事業を進める上では非常に上手く機能します。

しかし、この関係性は「同じ背景を共有している人たち」の間でしか成立しません。

会社が成長し、全く違う環境で育ってきた新しい人が入社したり、業務委託のパートナーが入ったりした時、この阿吽の呼吸は突然「目に見えない壁」へと変わります。
経営層やベテラン社員は、自分たちの頭の中にある「これまでの常識」を、

新しい人も当然持っているものと無意識に錯覚してしまいます。
そのため、ズレが生じた時に「能力が足りない」「気が利かない」と個人の資質の問題にしてしまいがちです。

しかし、本当の原因は個人の能力ではなく、「暗黙のルールが言語化されていない構造」そのものにあります。

■ ガチガチのルール化ではなく、「当たり前」の整理から始める

組織の役割分担が進む中では、これまで「言わなくても分かっていたこと」を、

あえて言葉に落とし込む作業が必要になります。
ただ、ここで「立派なマニュアルを作ろう」「ガチガチの制度を整備しよう」と

身構える必要はありません。
大切なのは、現場の温度感を残したまま、お互いの認識をすり合わせることです。

「新人が悪いのか、ベテランが厳しすぎるのか」と個人の問題にするのではなく、
「そもそも何が当たり前になっているのか」を整理するだけで、現場のすれ違いが大きく減るケースは少なくありません。

ただ、実際には「自分たちの当たり前」を自分たちで洗い出すのは非常に困難です。
当たり前すぎて、何が独自のルールなのか気づけないケースがほとんどだからです。

もし「うちの会社も、見えないルールで回っているかもしれない」と感じた場合は、
一度第三者の視点を入れてみることをおすすめします。
外からの視点を入れることで、「それは御社独自のルールですね」「ここを言葉にしておけば、新しい人も迷いませんね」と、思い込みや見落としに気づき、絡まった頭の中を整理しやすくなります。

「あの人しか分からない」を減らし、新しく入った人でも迷いにくい状態を

作ること。
それが、安定した組織基盤を築く第一歩だと考えています。

当社も、人数は少ないですが、私の思い込みで話しをしてしまったり、
前提共有が不足したまま話を進めてしまった結果、認識のズレが生まれ、

確認や修正が増えてしまうこともあります。

どんな会社でも、複数人で仕事をしている以上、考え方や感じ方には

違いがあります。
だからこそ、「ちゃんと伝えたつもり」だけではなく、日々の対話や

言葉選びが大事になると痛感しています。

私がなぜ、ここまで「現場のすり合わせ」や「働く時間との向き合い方」

にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。

よろしければぜひご覧ください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
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AIを導入したのに、なぜか現場だけ忙しくなっていないでしょうか。

「AIツールを全社導入したのに、現場の残業が減らない」
「効率化されたはずなのに、別の確認作業が増えている」

最近、このようなご相談をいただくことがあります。

実際に現場で起きているのは、「AIが使えない」という話ではありません。
多くの場合、AIの出力結果と、現場で長年積み重ねてきた運用ルールが噛み合っていないことで、新たな手作業が発生しています。

■AI導入後、現場で増えていた【新しい仕事】

例えば、定例会議の議事録作成。

AIを使って音声を自動要約し、議事録作成の負担を減らす予定でした。
しかし実際には、「AIが出力する文章」と「社内指定のフォーマット」が合っていませんでした。

その結果、担当者はAIの要約画面を見ながら、手作業でフォーマットへコピー&ペースト。
さらに、過去の議事録と見比べながら、表現や文末、体裁まで修正していました。

「AIで楽になるはずだったのに、なぜ前より確認作業が増えているんだろう」
という戸惑いの声も出ていました。

また、別の事例では、顧客からの問い合わせ対応をAIが一次処理しているにもかかわらず、担当者が改めて管理システムへ手入力を行っていました。

理由はシンプルです。

AIの出力だけでは、「社内ルールに沿った分類」ができなかったからです。

結局、担当者がAIの回答内容を目視で確認し、手動で振り分ける作業が発生していました。

つまり、
「AIが仕事を減らした」のではなく、
「AIと既存業務を繋ぐ新しい仕事」が現場に増えてしまっていたのです。

■なぜ、こうしたことが起きるのか

AI導入後に現場負担が増えてしまうケースには、ある共通点があります。

それは、
「AIを入れること」が目的になってしまっていることです。

現場には、長年の運用の中で作られた細かなルールがあります。
・誰が見ても分かる表現にする
・過去の資料と表記を揃える
・部署ごとの管理ルールに合わせる
・独自の分類方法で整理する

こうした“暗黙のルール”は、長年の運用の中で自然と積み重なっているケースも少なくありません。

しかし、その整理をしないままAIだけを導入すると、現場は「AIの出力を、どう既存ルールに当てはめるか」を考え続けることになります。

結果として、
・転記作業
・目視確認
・修正作業
・整合性チェック

といった新しい業務が発生し、かえって現場の負担が増えてしまいます。

■本当に見直すべきなのは「AI」ではなく「今の業務」

だからこそ、AI導入で本当に大切なのは、「どのツールを使うか」だけではありません。

むしろ重要なのは、
「今の業務フローを、そのまま続ける前提になっていないか」
を見直すことです。

例えば、
「なぜこの運用になったのか」
「どの工程に現場としての配慮があるのか」
「AIを入れても残した方が良い確認作業は何か」

現場の運用には、「過去のトラブルを防ぐため」「認識ズレを減らすため」といった理由が隠れていることも少なくありません。
だからこそ、単純に作業を減らすのではなく、「どの業務に意味があるのか」を現場と一緒に整理していくことが大切です。

・今の運用を変えずにAIだけを入れるのか。
・AI導入をきっかけに、現場と共に業務そのものを見直すのか。

この違いが、
「AI導入で業務効率が上がる会社」と
「新たな手作業が増える会社」
を分けているのだと思います。

ただ実際には、
「どこまで整理すればいいのか分からない」
「長年の運用なので、何が不要なのか判断できない」
「現場だけでは暗黙ルールに気づけない」
というケースも少なくありません。

だからこそ、第三者の視点を入れることで、“当たり前になっている非効率”に気づけることがあります。

私自身、単にツールを導入することよりも、「現場で本当に回る形」に整えることを大切にしています。

AIで効率化できるかどうかは、ツールの性能ではなく、
「導入前にどこまで既存業務と向き合えたか」
で決まるのではないでしょうか。

私がなぜ、ここまで「業務の進め方」や「働く時間との向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。よろしければぜひご覧ください。

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採用活動において、社長が最初の面接から採用判断までを一人で担っている会社は少なくありません。
代表が自ら応募者と向き合い、会社の将来やポテンシャルを深く見極めて決断する。それは経営において非常に重要なプロセスです。

しかし、採用が決定し、いざ現場へ配属の共有がなされた時に歓迎ムードの一方で、現場ではある「準備」に多くの時間が割かれていることがあります。

「来月から、この方があなたの部署に入ります」
そう共有され、経歴書を渡された現場の責任者は、

新しい仲間を迎え入れる準備を進める中で、ふと手が止まる瞬間があります。

経歴書を見ながら、
「まずはどの業務から任せるべきか」
「誰の隣に座ってもらうのが良いか」
「どこまで説明すれば、最初につまずかないか」

現場では、そんな【受け入れの設計】に時間を使っていることがあります。

■ 経営者の「将来への期待」を、現場が「明日の実務」に翻訳する苦労

社長は面接の場で、会社全体の未来や、その方が持つ長期的な可能性をしっかりと見極めます。
一方で現場の責任者は、その「将来への期待」を、「明日からの具体的な業務」へと変換して準備しなければなりません。

「社長が評価したこの強みを活かすには、まずどの業務から任せるのがスムーズだろうか」
「経歴書にあるこの経験を今のフローにどう組み込めば、本人が一番力を発揮しやすいだろうか」

社長が見据える時間軸の長さと、現場が向き合う実務の細かさ。

この二つの視点は、役割が異なる以上、どうしても情報の解像度に差が生まれます。
 

現場の担当者は経歴書という限られた情報を頼りに、いわば「パズル」を解くようにして、入社後のポジションや業務を必死に組み立てています。

■ 面接を「事前の認識合わせ」の場にする

この構造的な負担を減らすヒントは、面接の方法を変えてみることにあります。
ある時、社長面接の場に、実際に配属予定の現場の責任者が同席した事例がありました。

社長がミッションや期待を語った後、責任者が「今のチームにはこういう課題があるのですが、これまでのご経験をどう活かせそうですか?」と、実務に踏み込んだ質問を投げかけました。
それに対し応募者からも「その課題なら、こう動けるかもしれません」と、具体的なやり取りがその場で交わされました。

この瞬間、面接は一方的な「見極め」の場から、現場を含めた「事前の認識合わせ」の場へと変わりました。

現場の責任者が直接言葉を交わすことで、「経歴書から配属先を推測する」という事前の負担が、「あの課題をこう任せよう」という確信を持った準備へと変わります。

■ 現場の視点を介在させるという工夫

社長が自らの目で採用を見極める時間は、何より重要です。
ただそこに、ほんの少し「現場の視点」を重ねてみる。

例えば、社長面接の後半に現場の責任者が同席する時間を設ける。

あるいは、選考の過程で現場とざっくばらんに実務をすり合わせる場をつくる。

やり方は様々ですが、社長一人の「見極め」で完結させず、現場の目線を事前に介在させることが、受け入れ側の準備を劇的にスムーズにします。
現場が迷いなく業務を用意でき、新しい仲間も納得感を持って実務に入れる。

それは、面接の段階から「一緒に働くイメージ」を三者で共有できていてこそ、実現するものだと思います。

面接を「事前の認識合わせ」の場へと広げることで、入社後の連携はより確かなものになります。
現場が採用の段階から関わることで、「誰を採るか」だけでなく、「どう受け入れるか」まで含めて準備できるようになります。

配属を任された現場が抱える見えない負担。

そこに目を向けることこそが、面接のあり方を見直し、組織全体を強くする第一歩だと確信しています。

私がなぜ、ここまで「面接の体制」や「現場の日常」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。
少しでも気になったら、のぞいてみてください。

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「人数はいるはずなのに、なぜ管理部門はいつもあんなに忙しそうなのか?」
「毎月同じように『人が足りない』『残業が多い』という話が出るのに、なぜ状況が変わらないのか?」

経営者の方から、こうした疑問をよく耳にします。

一方で、管理部門の担当者や業務を担っている側からは、まったく別の視点で「日々の業務」に対する声が上がっています。

【管理部門のリアルな声】
・「ミスをしないために、イレギュラー対応にはどうしても慎重になり時間がかかる」
・「ルールを決めても、勤怠や経費申請を期日通りに出さない人がいるため、その確認や対応に追われている」
・「法律の改正などで、有給管理や残業管理などの人員管理に時間がかかる」
・「給与計算のタイミングでは業務が集中し、他の業務に手が回らなくなる」

一見すると「定型業務」に見える仕事も、実際には「想定外への対応」や「他部署との調整」といった、目に見えにくい手間が積み重なっています。
例えば、提出の遅れへの確認や差し戻し、内容不備のやり取りなど、予定通りに進まないことで発生する業務も少なくありません。

「うちの会社も同じかもしれない」
そう感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

だからこそ、「従業員◯人に対して管理部門◯人」といった【人数の比率】だけで判断すると、実態とのズレが生まれます。

管理部門が忙しい本当の理由は、人数ではなく「見えない業務量」が積み重なっていることにあります。

■ 「ミスへの不安」と「成功体験の不在」が改善を止める

仕事において「ミスをしてはいけない」というのは、どの部署でも当然同じです。

ただ、実際にさまざまな企業で話を聞いていると、
「変えた方が良いと分かっていても、変えられない状態」にあるケースが多く見られます。

その背景には、2つの要因があります。

① 「やり方を変えてミスが起きる」ことへの不安
今のやり方なら時間はかかっても確実にできる。
それを変えてミスが起きるくらいなら、現状維持を選びたい。

② 「本当に楽になるか分からない」という不信感
「システムを入れれば楽になる」と言われても、
実際に楽になった経験がなければ判断ができない。

この2つが重なると、
「今まで通り確実にやる」という選択になります。

これは改善を怠っているのではなく、
「責任を果たそうとしている結果」です。

こうした状態のままでは、業務のやり方自体が見直されることは少なくなります。

■ 「採用」か「現状維持」かの二択では解決しない

・忙しそうだから採用する
・人数は足りているから現状維持

こうした判断が取られるケースも多く見られます。

ただ、その前提となる業務量が見えていない場合、
判断と実態にズレが生じてしまうことがあります。

どちらの選択でも、提出の遅れや確認・差し戻し対応が重なりやすい構造が残っていると、同じ状態が続いてしまうことがあります。

■ 解決の糸口は「事実ベースのすり合わせ」

この状況を変えるために必要なのは、
感覚ではなく「事実」です。

その中心になるのが、業務にかかっている時間の見える化です。

・どの業務にどれだけ時間がかかっているのか
・どこでイレギュラーが発生しているのか

これが見えるだけで、

・増員すべきか
・やり方を変えるべきか
・仕組みを入れるべきか

判断の精度が一気に上がります。

■ 経営と現場、それぞれの役割

ここで重要なのは、「誰がやるか」です。

担当者だけで整理しようとしても、なかなか進まないのが実態です。
経営がすべてを把握しようとするのも現実的ではありません。

だからこそ、
管理部門の担当者は、業務にどれだけ時間がかかっているかを整理する。
経営は、それを無理なく出せる環境を整える。

この役割分担が重要になります。

例えば、

・業務記録を取る時間も、あらかじめスケジュールに組み込んでおく
・改善提案が上がったら検討する
・移行期間のミスを許容する

こうした環境があるかどうかで、改善の進み方は大きく変わります。

■ まずはここから

もし「自社も同じかもしれない」と感じたら、
まずは1週間だけでも構いません。

「どの業務にどれだけ時間がかかっているか」を書き出してみてください。

それだけで、
【忙しさの正体】が見えてくることがあります。

■ それでも整理が進まない場合

実際には、
・どこまで整理すればいいか分からない
・時間が取れない
・何が課題か判断できない

こうした壁にぶつかることも少なくありません。

この段階になると、社内だけで整理するのは難しくなります。

第三者の視点を入れることで、
「当たり前になっている非効率」に気づけることもあります。

管理部門の適正人数は、他社の基準では決まりません。
管理部門の人数は、「人数」ではなく「業務量とのバランス」で決まります。

その一歩が、管理部門だけでなく、
会社全体の生産性を大きく変えるきっかけになります。

私がなぜ、ここまで「経営と現場のすり合わせ」や「働く時間の向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。
少しでも気になったら、のぞいてみてください。

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「毎日必死に目の前の業務をこなしているのに、なかなか評価されない。一体、何を求められているのか分からない」

部署や職種を問わず、現場の社員からこうした悩みをよく耳にします。
私も、「こんなに頑張っているのに」と同じモヤモヤを抱えていました。

評価シートを作成している時に、
「そもそも、評価する人に直接『何を評価しているのか』を聞くという発想自体が、抜けていたのではないか」と思いました。

一方で、評価する側(経営陣や管理者)も、

決して社員の頑張りを見て見ぬふりをしているわけではありません。
「会社を支えてくれている社員を正当に評価して、しっかり報いてあげたい」と思っています。
それにもかかわらず、なぜ評価の場では常にモヤモヤとした不満が残ってしまうのでしょうか。

■ 評価に対する不満の正体は「頑張りの方向性のズレ」

経営者や管理者からご相談を受ける中で見えてくる「評価側の悩み」は、

評価基準がないことではありません。
「会社側が評価したいポイントと、現場の社員が『ここを評価してほしい』と頑張っているポイントの間にギャップ(ズレ)があること」です。

例えば、会社側は「後輩の育成や、チーム全体の底上げ」を評価したいと期待しているとします。
しかし現場の社員は、「自分個人のタスクや売上を最大化すること」に全力を注ぎ、

その個人の成果を評価してほしいと願っている。
あるいは、会社側は「新しい手法へのチャレンジ」を求めているのに、

社員は「既存の顧客や今のやり方を手厚く守ること」を必死に頑張っているケースもあります。

評価する側は、本人が一生懸命頑張っている姿は見えているため、「その努力は認めてあげたいけれど、会社が求めている方向性(評価ポイント)とは違う。

このギャップをどう評価し、どう伝えればいいのか…」と深く悩んでしまうのです。

評価される側は「こんなに頑張っているのに正当に評価されない」と嘆き、

評価する側は「頑張りの方向性が違うから、高く評価してあげたくてもできない」と悩む。
この「お互いに良かれと思って頑張っている方向のすれ違い」こそが、評価に対する不満の最大の原因です。

■ すれ違いを終わらせる、たった一つのシンプルな行動

社員は「自分の頑張りを正当に評価してほしい、給与を上げたい」と必死に目の前の仕事に向き合い、
会社側は「会社の方向性に沿って頑張ってくれるなら、しっかり評価して報いたい」と考えている。
お互いが真剣に仕事に向き合っているのに、この「評価のポイント」がズレているだけで、不幸なすれ違いが起きてしまうのです。

この見えないギャップを解消するためのアプローチは、極めてシンプルです。

「どうすれば私の評価は上がりますか?」
「今任されている業務をこなした上で、さらに何を(どの方向に)頑張れば、会社への貢献として評価されますか?」

そして、評価する側からも、ただ会社の基準を一方的に押し付けるのではなく、次のように問いかけてみてください。

「会社としてはこの方向(チームの底上げなど)を期待しているけれど、あなたの今の目標やキャリアの希望とは合っているかな?」
「今の業務量の中で、具体的にどの部分からなら、会社の期待(新しい評価ポイント)に無理なく取り組めそうだろうか?」

このように、お互いが「答えを持っている相手」に対して、直接その答えを聞きに行くことです。

非常に当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、実際にこれを自発的に行っている人は驚くほど少数です。

なぜなら、評価される側は「これだけ頑張ったのだから、当然今回の評価に反映されるはずだ」と受け身で待ち、
評価する側は「他部署とのバランスや限られた基準の中で、どう評価してあげればいいか」と一人で頭を抱えてしまっているからです。

お互いが「自分の視点」の中だけで完結してしまい、評価の基準を「直接すり合わせる」という発想自体が抜け落ちているのです。

■ 「言語化」が両者の方向性をピタッと合わせる

なぜ、事前に評価ポイントを聞くことがそれほど重要なのでしょうか。
それは単に「評価されるためのテストの答え」を知るためではありません。

質問をきっかけにして、お互いの頭の中にある期待と現状を「言語化」し、

向かうべき「方向性」を合わせるためです。

実は、「どう評価していいか分からない」と悩んでいる評価者側も、

最初から頭の中にある期待値を明確に言語化できているわけではありません。

同じように、社員側も自分の現状や限界を上手く言葉にできていないことがほとんどです。

しかし、どちらからでも構いません。「どうすれば評価されますか?」「会社としてはこういう期待をしているけれど、今の状況と合っているかな?」と問いかけ合うことで、初めてお互いの期待と現状を言語化せざるを得なくなります。

評価者:「実は、今の君には個人の数字よりも、チーム全体の底上げ(後輩育成)を期待しているんだ」

社員:「分かりました。ただ、今は自分の目標達成で手一杯なので、後輩の育成に時間を割くために、まずはこの業務の優先順位を相談してもいいですか?」

こうしてお互いが言葉にして伝え合うことで、「会社が求めていること」と「自分がやるべきこと」の方向性が、初めて一致します。

方向性が合えば、社員は「この努力は本当に報われるのだろうか」という不安から解放され、迷いなく本来の業務や改善に注力できるようになります。
評価する側も、「自分がお願いしたこと(期待したこと)」を社員が実行してくれるのですから、当然、自信を持って正当な評価を下すことができます。

評価の物差しは、評価者が一方的に与えるものでも、社員が黙って受け入れるものでもありません。
答えを持っている人に答えを聞き、お互いに「言語化」して方向性を合わせる。

私自身が現場でこれを実践した結果、評価へのモヤモヤは消え、迷いなく仕事に向き合えるようになりました。

次の面談の機会に、ぜひこの「たった一つの質問」を投げかけてみてください。評価する側も、される側も、きっとそこから新しい対話が始まるはずです。

ここまでお読みいただいて、「まずは面談で聞いてみよう」と感じた方もいらっしゃると思います。

実際、この一つの質問だけでも、評価に対するモヤモヤが整理されるケースは少なくありません。

ただ、現場でよく起きるのは、「個人レベルでは解消できても、組織全体としてはズレが残り続ける」という状態です。

・人によって評価の伝え方がバラバラ
・上司ごとに期待値が違う
・そもそも評価の方向性が言語化されていない

こうした状態では、どれだけ個人が頑張っても、評価のズレは繰り返し起きてしまいます。

評価は「されるもの」でも「するもの」ではなく、「すり合わせるもの」です。

そしてその「すり合わせ」は、本来、個人の努力だけに任せるものではなく、会社として仕組みで支えるものでもあります。

現場の努力だけに依存せず、評価の方向性そのものを整理したいと感じた場合は、
一度「会社全体としてどう伝えるか」という視点で見直してみるのも一つの方法かもしれません。

まずは次の面談で、「何を評価されていますか?」と一度だけ聞いてみる。
その一言が、これまで見えていなかった評価の前提を、少しずつ変えていくかもしれません。

私がなぜ、ここまで「経営と現場のすり合わせ」や「働く時間の向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。
少しでも気になったら、のぞいてみてください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
https://www.pro-tean.com/message

「新しいシステムを導入したのに、現場の残業が一向に減らない」
「運用に乗せるまでの作業負担を考えて、システムの導入を諦めている」
というお悩みを聞くことがあります。

■システム導入後に現場で起きている「二重管理」の悲劇

現場の作業量が減らない原因の一つとして、導入されたシステムと「現場の実際の作業手順」が合っていないために、かえって手入力や確認業務が増えてしまっていることがありました。

例えば、勤怠管理のシステムから、給与計算のシステムへ労働時間のデータを移す業務において、データを自動で取り込むことで、確認や入力の手間を大幅に省ける予定でしたが、現場では、「システムでは対応できない自社独自のルール」がそのまま残っていたために紙運用も併用せざるを得ず、一度勤怠データを「紙に印刷」し、それを見ながら給与システムへ「手入力」し、さらに入力ミスがないか「紙と画面を突き合わせて確認する」という作業が行われていました。

また、別の現場ではこんなこともありました。
各現場(営業側)でそれぞれ請求書を作成しているのに、それを会計システムに取り込むため、管理側がもう一度Excelにまとめて手入力を行っている。
本来なら一つのデータで済むはずなのに、営業側と管理側で「全く同じ作業」を二重に行っておりました。その結果、途中で修正などが入ると両者の数字にズレが生じ、月末になると「営業と管理の数字を突き合わせるための謎の確認業務」に現場が多くの時間を費やしてしまっておりました。

■「期待」と「現場の本音」に生まれるすれ違い

なぜ、効率化のためのシステム導入が、こうした悲劇を生んでしまうのでしょうか。

よくあるのが、「本来は現場からもっと自発的に効率化のアイデアを出してほしい」という期待です。
しかし一方で現場には、「通常業務が忙しくて新しいことを考える余裕なんてない。システムを入れれば、関係者への使い方説明や運用変更の対応で自分達の仕事が増えるだけ。これ以上業務負担を増やしたくないし、新しいことを覚える余力もない」という切実な本音があります。

このように両者に大きな温度差がある中で、「現場のITスキルが低いからだ」「新しいやり方を覚えるのを嫌がっているからだ」と、個人の能力や意識の問題にしてしまうのは簡単ですが、日々の業務に追われながら一生懸命働いている現場の人たちを責めても、根本的な解決にはなりません。

ズレが生じてしまう原因はいくつか考えられますが、多くの場合、「担当者ごとの細かい作業手順や独自のルールが、十分に整理されないままシステム導入が進んでしまうこと」が大きな要因になっています。

そもそも、現場の業務のすべてを把握するのは、現実的には簡単ではありません。これまで手作業やExcelで行っていた業務には、担当者の頭の中にしかない「暗黙のルール」や「イレギュラー対応」がたくさん含まれているからです。

しかし、その状態で良さそうなシステムという「箱」だけを導入してしまうとどうなるでしょうか。現場は「今の複雑な業務を、どうやって新しいシステムに当てはめるか」という運用方法を一から考え、対応しなければならず、かえって多くの工数がかかってしまいます。結果として、システムを動かすために「事前にデータを整える作業」や「紙やExcelとの二重管理」が新しく発生し、現場の労働時間が増えてしまいます。

■システムを入れる前に「現場と一緒に」やるべきこと

だからこそ、システムを導入する「目的」の段階から現場と共有し、現場を巻き込んで一緒に業務の整理を進めることが、結果的に最も効果的なシステム導入に繋がります。今の運用を変えずにシステムだけを入れても、単に新しい業務量が上乗せされるだけになってしまうからです。

新しいシステムを入れる前に必要なのは、これまで当たり前に行ってきた「現状の業務手順やルール」を、一度立ち止まって見直すことです。

現場の運用を変えずにシステムだけを入れるか、システム導入を機に現場と共に業務を見直すか。この姿勢の違いこそが、システム導入で「業務効率が上がる会社」と「労働時間が増える会社」を明確に分けているのだと私は思っています。

■導入前チェックリスト

システム導入前に、最低限ここだけは確認するのが良いと考えています。

・現場の業務フローを「最初から最後まで」書き出しているか
・担当者しか知らないルールや例外処理を洗い出しているか
・「その作業、本当に必要か?」を一度疑っているか
・システムに合わせるのか、業務を変えるのか方針を決めているか

一つでも曖昧なまま進めてしまうと、
システム導入後に「二重管理」が発生し、
結果として業務量が増えてしまうケースが少なくありません。

もし「自社も同じ状況かもしれない」と感じた場合は、
一度、現場の業務フローを整理してみることをおすすめします。

ただ、実際には「どこまで整理すればいいのか分からない」「現場の本音が出てこない」といった壁にぶつかるケースも少なくありません。

もし整理の進め方に迷う場合は、第三者の視点を入れることで、思い込みや見落としに気づきやすくなります。

実際に多くの企業で、システム導入前に業務整理を行うだけで、
「そもそもシステムが不要だった」
「導入コストを半分以下に抑えられた」
というケースも出てきています。

システムで効率化できるかどうかは、システムの性能ではなく、「導入前にどこまで業務と向き合えたか」で決まると考えています。

私がなぜ、ここまで「業務の進め方」や「働く時間の向き合い方」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。よろしければぜひご覧ください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
https://www.pro-tean.com/message

「会議の時間が長くかかってしまう」「会議で何も決まらず、何度も同じ会議を行っている」という話を聞く機会があります。

私も、同じ経験をしたことがありました。1時間の予定の会議が1.5時間や場合によっては2時間になったり、この会議で決めるべきことが決まらず、次回に持ち越しになってしまったりと多くの時間を会議に使ってきました。

この様な会議が連続で続き、自分の仕事が終わらず残業が続く日々でした。

そんな中、1時間の会議が30分、40分で終わる会議がありました。
どうして短時間で会議目的が達成できているのか不思議に思い、よく観察したところ、これまでの会議と決定的に異なる部分がありました。

会議のスタートと同時に、「会議の目的」「会議の終了時間」を伝えた上で進むのですが、ここまではよくある風景です。
何が異なっていたかというと、会議で議論が始まらず、決裁を貰うまでの工程と最終的な決裁のみで終わり、参加者からの反論や疑問が一切出なかったことです。

これまでの会議では、会議中に参加者から異論反論が出ることも多く、その結果、会議が長引いたり改めて会議を行う等がありましたが、会議に参加している方も積極的に発言はするのですが、脱線することなく決裁まで進み、なおかつ、短時間で会議が終わることがとても不思議でした。

そこで、どうして会議目的が達成され、かつ、短時間で終了となるのかをその会議を運営する人に教えて貰うことが出来ました。

ポイントは2つ。

1つ目は、「根回し」をしっかり行うこと

「根回し」と聞くと、古い社内政治や裏でコソコソと自分の意見を通すズルいやり方の様なネガティブイメージを持つ人もいるかもしれません。
ただ、私が教わった「根回し」は、決して一方的にこちらの要求を押し通すものではありませんでした。

会議に参加される方全員の時間を無駄にしないための工夫です。

多くの人が集まる会議の場で、一から意見をぶつけ合い、その場で妥協点を見つける様な行為は、あっという間に時間を使うことになり、その結果、会議が長くなる要因になります。
その様な事態に陥らない様に、事前に相手方の状況や懸念点を確認し、妥協案を会議までに準備をする。
また、両者にメリットがある様な提案をすることで、お互いが得をする方法を一緒に探っておく。これが私が教わった「根回し」です。

2つ目は、「コミュニケーション」を図ること

ここで言う「コミュニケーション」とは、会議に参加する方や部署と常日頃からどの様なお困りごとがあるのかまで分かる関係性を作っておくということです。
つまり、会議の目的がお互いにどの様なお困りごとを解決することに繋がるのかを一方的ではなく、双方がメリットがある形を考えるにあたって日頃からのコミュニケーションを図っておく必要があるということになります。

では、具体的に「お互いのメリットになる提案や妥協点」を考え、普段からコミュニケーションを図るためには何が必要になるのでしょうか。

ここで、ギリギリで仕事を行うのではなく「余白(余裕)」がある仕事を心がけていることが重要になってきます。

日々の業務に追われ、ギリギリの状態で走っていると、相手の状況を想像したり、事前に声をかけに行ったりする余裕なんて持てません。結果として、自分の言いたいことだけを会議の場にポンと投げ込んでしまい、無駄な議論や摩擦を生んでしまいます。

そもそも、お互いのメリットになる提案を作るためには、自分の部署だけでなく「会社全体が今どういう状況なのか」を広く把握しておく視点も欠かせません。

心と時間に「余白(余裕)」があるからこそ、会社全体の動きに目を向け、相手の立場に立った事前の調整を行い、有意義な提案を考えることができます。

会議は「ゼロから全員で考える場」ではなく、「事前に整えたものを、全員で確認・決定する場」です。

少しの「余白(余裕)」を使って、相手へのリスペクトを持った事前のコミュニケーションを行うこと。それだけで、会議は劇的に短くなり、しっかりと物事が「決まる」有意義な時間へと変わっていくと考えています。

私がなぜ、ここまで「時間の使い方」や「働く時間の向き合い方」にこだわるのか。その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。よろしければぜひご覧ください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
https://www.pro-tean.com/message