採用活動において、社長が最初の面接から採用判断までを一人で担っている会社は少なくありません。
代表が自ら応募者と向き合い、会社の将来やポテンシャルを深く見極めて決断する。それは経営において非常に重要なプロセスです。

しかし、採用が決定し、いざ現場へ配属の共有がなされた時に歓迎ムードの一方で、現場ではある「準備」に多くの時間が割かれていることがあります。

「来月から、この方があなたの部署に入ります」
そう共有され、経歴書を渡された現場の責任者は、

新しい仲間を迎え入れる準備を進める中で、ふと手が止まる瞬間があります。

経歴書を見ながら、
「まずはどの業務から任せるべきか」
「誰の隣に座ってもらうのが良いか」
「どこまで説明すれば、最初につまずかないか」

現場では、そんな【受け入れの設計】に時間を使っていることがあります。

■ 経営者の「将来への期待」を、現場が「明日の実務」に翻訳する苦労

社長は面接の場で、会社全体の未来や、その方が持つ長期的な可能性をしっかりと見極めます。
一方で現場の責任者は、その「将来への期待」を、「明日からの具体的な業務」へと変換して準備しなければなりません。

「社長が評価したこの強みを活かすには、まずどの業務から任せるのがスムーズだろうか」
「経歴書にあるこの経験を今のフローにどう組み込めば、本人が一番力を発揮しやすいだろうか」

社長が見据える時間軸の長さと、現場が向き合う実務の細かさ。

この二つの視点は、役割が異なる以上、どうしても情報の解像度に差が生まれます。
 

現場の担当者は経歴書という限られた情報を頼りに、いわば「パズル」を解くようにして、入社後のポジションや業務を必死に組み立てています。

■ 面接を「事前の認識合わせ」の場にする

この構造的な負担を減らすヒントは、面接の方法を変えてみることにあります。
ある時、社長面接の場に、実際に配属予定の現場の責任者が同席した事例がありました。

社長がミッションや期待を語った後、責任者が「今のチームにはこういう課題があるのですが、これまでのご経験をどう活かせそうですか?」と、実務に踏み込んだ質問を投げかけました。
それに対し応募者からも「その課題なら、こう動けるかもしれません」と、具体的なやり取りがその場で交わされました。

この瞬間、面接は一方的な「見極め」の場から、現場を含めた「事前の認識合わせ」の場へと変わりました。

現場の責任者が直接言葉を交わすことで、「経歴書から配属先を推測する」という事前の負担が、「あの課題をこう任せよう」という確信を持った準備へと変わります。

■ 現場の視点を介在させるという工夫

社長が自らの目で採用を見極める時間は、何より重要です。
ただそこに、ほんの少し「現場の視点」を重ねてみる。

例えば、社長面接の後半に現場の責任者が同席する時間を設ける。

あるいは、選考の過程で現場とざっくばらんに実務をすり合わせる場をつくる。

やり方は様々ですが、社長一人の「見極め」で完結させず、現場の目線を事前に介在させることが、受け入れ側の準備を劇的にスムーズにします。
現場が迷いなく業務を用意でき、新しい仲間も納得感を持って実務に入れる。

それは、面接の段階から「一緒に働くイメージ」を三者で共有できていてこそ、実現するものだと思います。

面接を「事前の認識合わせ」の場へと広げることで、入社後の連携はより確かなものになります。
現場が採用の段階から関わることで、「誰を採るか」だけでなく、「どう受け入れるか」まで含めて準備できるようになります。

配属を任された現場が抱える見えない負担。

そこに目を向けることこそが、面接のあり方を見直し、組織全体を強くする第一歩だと確信しています。

私がなぜ、ここまで「面接の体制」や「現場の日常」にこだわるのか。
その背景にある想いや仕事への向き合い方を、以下のページにまとめています。
少しでも気になったら、のぞいてみてください。

【代表 青木優介の取扱説明書(プライベート)】
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