9/25の「ら抜き言葉・・・」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10658711765.html 以来の「発表・面接のための日本語」となります。
活用に関する「日本語の乱れ」として指摘されているのが、
「ら抜き言葉」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10657712181.html
「さ入れ言葉」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10658711765.html
そして、今回の「れ入れ言葉」です。
(1)関東・関西ではあまり聞かれない。
実はこの症状は関西地区では殆ど聞かれません。
「書けれへん」というのはどうも無さそうです。
そして、関東地区でも「書けれない」というのはなかなか聞かれないようです。
そういった事もあって、この「れ入れ言葉」はそれほど重大視して居なかったのです。
(2)実は結構な都会で頻発域有り。
ところが、地区によってはこれが頻発です。
「そんな風には書けれん!」「昨日は病院には行けれんかった。」など、「れ入れ言葉のオンパレード」です。
本当は「れ」が要らない場所に「れ」を無理矢理入れている様な感じを強く受けます。
「れ」入れ言葉とは言い得て妙。
「地域の言葉」なら別段構わないのでしょうが、指摘されているだけの事があって「アクが強い」です。
(3)動詞に「可能」の意味を持たせるのには2つの方法が有った。
それでは「文法上の正解」はと申しますと、既に「おおがき談義・第5話」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10634794728.html で述べました様に
『書ける』(否定は『書けない』)・・・『可能動詞』を使う表現
または
『書かれる』(否定は『書かれない』)・・・可能の助動詞を使う表現
でした。
但し、可能の助動詞の方は”受け身・尊敬”の意味に解釈され得るので多用はされていません。
(4)可能動詞への変換「だけ」では、可能の意味が「希薄」に感じ取られているのかもしれない。
「書ける」が可能動詞、「書けれる」がれ入れ言葉・・・
「可能動詞」にさらに「れ」を入れているのが(ここで言う)「れ入れ言葉」のパターンである事がお分かり頂けると思います。
そもそも「可能動詞」とは「五段活用動詞」を「下一段活用動詞」に変換して可能の意味を持たせたもの。
<例: 行く(カ行五段)→行ける(カ行下一段)>
(活用型判別の方法は、第2外国語の手引き26回http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10601764737.html なども御参照下さい)
ですので、本動詞(可能を取った場合の動詞)が五段活用動詞の場合にしか「れ」入れ言葉は起こりません。
本動詞が五段活用か、「れ」を取っても可能の意味が残っているかどうか・・・一度試されてみては如何でしょうか?