第2外国語への手引き(第26回:フランス語規則動詞の前に日本語規則動詞) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

本日2度目の更新です。


前前回の第2外国語への手引き(第24回:ロマンス語の規則動詞とは何か,スペイン語編)http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10596520846.html の続きです。

イタリア語、スペイン語と続きましたので、今度はフランス語・・・と申したいところなのですが、余りにも不規則性が高く、いきなりではかなり難しい事が分かりました。


フランス語に入る前に、やはり規則性の高いスペイン語と日本語の(規則)動詞について整理し直した方が良いと思います。

そこで今回は、

外国人はどう日本語動詞を覚えればよいのか

そして

日本人はどうスペイン語動詞を覚えた方がよいのか

について言及してみる事に致します。


(1)日本語動詞の規則性は高いけれども、外国人の目から見ると・・・

日本語は動詞の規則性が高いという事を、本シリーズ第23回http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10591700945.html で述べました。

しかしながら外国人の目から見ると、習得に困難な点があります。

例えば、スペイン語の動詞の3規則型の原形(不定形)は次の通りでした:

第1活用規則動詞 (例) amar

第2活用規則動詞 (例) creer

第3活用規則動詞 (例) abrir

どうでしょうか?原形(不定形)の語尾を見るだけでどの型かが分かります。


一方、日本語の動詞の3規則形の原形(終止形)はこうなります:

五段活用 (例)切る、蹴る

上一段活用(例)起きる

下一段活用(例)明ける

どうでしょうか?語尾を見ただけではどの型かは分かりませんね。


という事で、スペイン語の規則動詞は「原形」と「活用ルール3パターン」を覚えれば全てが分かるのに対し、日本語の規則動詞はそれだけでは習得出来ないという事が分かります。


(2)日本語動詞の判別と外国人の日本語動詞習得法

(この項目、フランス語の際に大事ですので、馬鹿にしないで目だけは通して頂きたいものです。)

日本語の動詞がどのグループに属するかは、「否定」してみれば(即ち、未然形を見れば)分かるのでしたね:


五段活用 (例)切ない、蹴ない 「ない」の直前がア段

上一段活用(例)起ない       「ない」の直前がイ段

下一段活用(例)明ない       「ない」の直前がエ段


言い換えれば、外国人にとっては終止形の他に少なくとも未然形は一緒に覚えなければ活用グループのh判別は出来ないという事が分かります。


(3)スペイン語では不定形と「どの形」を先に覚えればよいか

何度も述べた通りスペイン語は規則動詞の規則性は高いのですが、その一方で弾き飛ばされた側(不規則動詞)の数も多くなります。

前々回http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10596520846.html ではスペイン語動詞の主な不規則パターンとして

①-go型、②語根母音変化型

の2つを紹介しました。特に前者は1人称単数のみにその特徴が出ますので、1人称単数の形を知っておけば、-go型の不規則動詞は判別できる事になります。

さらに2人称単数・3人称単数・3人称複数のいずれかを覚えれば語根母音変化型かどうかの判別も出来ますが、取り敢えずは「原形(不定形)」と「直説法現在の1人称単数」とをセットにして覚えておくのが最も効果的(効率的?)に様に考えられます。