「ら抜き言葉」が矯正出来れば、「さ入れ言葉」も直る<後編>(発表・面接のための日本語No.8) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

「前編」(発表・面接のための日本語No.7)http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10657712181.html の続きとなります。


前編におきましては、いわゆる「ら抜き言葉」の矯正の方が「さ入れ言葉」の対策よりも優先されるべきである事を説いた上で、「ら抜き言葉」にならない様にするための方法について簡単に解説致しました。


本編では、残された「さ入れ言葉」の対策について言及致します。


さ入れ言葉の矯正に必要な文法ルール


まずは下の①と②に示す「文法上のルール」を再確認する事です。

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<助動詞「せる」「させる」・・・ともに使役・許可などの意味・・・の接続法>

①「せる」→五段活用・サ行変格活用の未然形につく。

 「書か-せる」・・・五段活用 ×書かさせる(→さ入れ言葉)

 「さ-せる」・・・サ行変格活用 (×ささせる)


②「させる」→それ以外の動詞の未然形につく。

 「見-させる」・・・上一段活用 

 「寝-させる」・・・下一段活用 

 「来-させる」・・・カ行変格活用 


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「させる」を「ささせる」と間違える事はないでしょうから、日本語の5種類の動詞活用のうち、五段活用の動詞の場合に「さ入れ言葉」が起こり得る!という事になります。


そして、宜しければ前編http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10657712181.html の(2)と見比べてみて下さい。分類法が全く同じである事に気付かれる事でしょう。


これが、『「ら抜き言葉」が矯正出来れば、「さ入れ言葉」も直る』と申し上げた背景なのです!


あとは、ら抜き言葉の場合と同様に(例えば、前編(3)と同じ要領で)動詞の活用タイプを判別して終了ですね。

諄い様ですが、例えば「発表・面接のための日本語No.4」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10649553378.html に出た「移る」の場合はこうなります:

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否定が「移らない」→「ない」の直前がア段→五段活用なので「ない」の代わりに「せる」を付ける

 「移らせる」が正解。

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自信の無い方は、ぜひ色々な動詞でお試し下さい。

手法は同じですが、「ら抜き言葉」の場合よりはスムーズに行くかと思います。