皆さん、こんばんは。

今回は関西の国際系学校の一つである関西学院千里国際について書いていこうと思います。

本日6月8日(土)に2024年の第1回キャンパスツアーが行われました。

 

 

関西学院千里国際はその名の通り関西学院の附属校の一つです。

近年は国際化の影響や帰国子女の受け入れを前提とした千里国際の独特な教育システム、そして何より一度でも受験生が訪れるとその心を鷲掴みにする学校の雰囲気のおかげで着実に人気を集めています。

2024年度入試では前年に比べ出願者数で14名、受験者数で16名も増加しています。

また実質倍率も1.85倍と前年の1.68倍に比べて高くなりました。

 

ただし入試制度が他の学校とは異なっているため、大手塾をはじめ個別指導などの進路相談などでは第一志望として絶対に勧められない(正確には志望校の変更を強く勧められます)珍しい学校です(笑)

毎年のことですが、関西学院千里国際に関しては受験対策の仕方」に大いに困ってその指導を依頼されます。

特に最近は国際生の指導も含めると毎年3〜6人ほど指導していて、そのほとんどを合格させているので、気がつけばこの数年で私の中学受験合格者数No.1の学校になっていました。

 

 

学校についてあまりご存知ない方もいるでしょうから、簡単な学校の説明を少しだけしておきます。

学校は大阪府箕面市にあり、阪急千里線の北千里駅から徒歩かバス、もしくは北大阪急行の千里中央駅からバスで通うことになります。

 

 

学校の設立は新しく1991年4月に大阪国際文化中学校・高等学校としてスタートします。

1999年に千里国際学園中等部・高等部へと改称

2005年に関西学院大学と協定校推薦を締結

2010年4月に関西学院千里国際中等部・高等部(SIS)となります(関西学院大学との法人合併)

[関西学院事典(増補改訂版)参照]

 

 

私が千里国際の受験生(女の子)を初めて頼まれたのは2003年の秋でした。主に算数の指導を依頼されたのですが、正直千里国際という学校について全く知りませんでした。(もちろん指導前にその話はしています)そのためその受験生のお母さんに情報収集の協力をして頂きましたが、千里国際に関して信用性のある情報は全然ありませんでした。その当時の私の感覚では、千里国際は「北摂エリアという限られた地域の方にしか知られていないマイナーな学校」というものでした。

指導を開始してまず何よりも私が驚いたのは合格最低点が非公表であったことです!これではどの程度の点数を受験生に取ってもらう必要があるのか判断出来ません。さらに困惑させられたのが、実際に合格をした在校生数人やその保護者から合格点について聞いた話の内容が人によって違いすぎていたことです。千里国際のペーパーテストは算数と国語の2教科で、当時の問題レベルは今よりも低かったのですが、算数に関しては少し独特な問題の出題がありました。

例えば、2001年の最後の問題

 

他にも2002年では

 

 

のように今の関西学院千里国際の入試問題で問われても、答えにくい問題が毎年あったのです。

今では「ペーパーテストで必要な点数帯」や「学校が求めている資質」など合格するのに重要なポイントが分かっているので指導には困らないのですが、当時は指導する際の教え込む深さ(問題を解くのに必要な理解度)は最後まで手探り状態でした。

このような状態であったのですが、その受験生は見事に合格してくれました。

 

その後、本格的に学校内部についても詳しく知ることになったのは、2008年度に受け持った千里国際志望の受験生の女の子を合格させてからです。ちょうどこの受験生の指導をしていた時に個別面談を通じて千里国際の入試における面接の重要性(目的や役割)についてもはっきりと知りました。

その女の子を合格させた後、8年生(中学2年生)になったタイミングで再び指導をお願いされることになりました。

 

 

最近少しブログが長くなっているような気がするので、この辺までを(前編)にしたいと思います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんばんは。

今回は昨日6月2日(日)に行われた同志社香里の第2回オープンキャンパスについてです。

(初投稿したブログも同志社香里についてだったのですが、本当にたくさんの方に読んで頂きました。)

 

 

昨日は当日朝の天気予報では10~12時の降水確率が30%となっていましたが、その時間帯の空模様は曇りとなり、午前中は涼しく気持ちの良い日となりました。

ただ、12時少し前頃から15分ほど雨になったために、早くから来られたお昼からの来場者は傘を片手にこられる方がほとんんどでした。その雨もすぐにやみ、その後は太陽が顔を見せはじめ良い天気となったのは何よりでした。

 

 

オープンキャンパスのプログラム内容は5月に開催された第1回と同じでした。

前回は書かなかったのですが、実は2023年の同じ時期のオープンキャンパスと比べると参加者は少し減っていたように感じました。このように書くと意外に思われる方が多いと思いますが、そのくらい2022年や2023年の第1回オープンキャンパスの参加者は多かったのです。個人的には2022年(男女とも過去5年で最大の受験者数)が人気のピークなのではないかと昨日までは思っていました。

午前中のAコースの参加者は第1回と同じような人数でしたが、お昼からのBコースの来場者が2023年以上に多く、12時15分(Bコース開場時間)より前に来場された方々が「もうすごい並んでいる!」と口にしていたのが印象的でした。Bコースの受付が12時15分に開場された後も非常に多くの方々が来場されていて、同志社香里人気の根強さもしくは底力を見せつけられたように感じました。

 

 

少し志願者数や受験者数に関して触れておくと、女子は2022年入試が人気になり過ぎたためにその反動が2023年にでた形で志願者数、受験者数ともに約60人ほど減らしてしまいました。しかし2024年の同志社香里は志願者数、受験者数ともに2023年に比べしっかりと人数を増やし、再び難化傾向にあります。(男子は志願者数こそ減らしていますが、受験者数は31人も増えています)

 

 

同志社香里の難易度についても話しておきたいと思います。

同志社香里志望の受験生を毎年数名指導し合格させていますが、算数の問題レベルなどを含め総合的な難易度はこの3年ほどではっきりと難化しています。2024年時点での同志社系列における序列(学校の中身についてではなく、あくまでも「合格する難しさ」の序列です)を考えると①同志社香里 ②同志社 ③同志社女子と同志社国際という並びになります。

同志社香里と同志社の順序については首を傾げる方もおられるでしょうが、2024年どちらの学校も指導し合格させている私の感覚では、主要2教科において学校に求められている能力が異なっているとはいえ、総合的に同志社香里の方が合格するのが難しい学校です。(補足すると同志社中学の方が算数、国語とも傾向的に対策がし易く合格させやすいのです)

昨今の人気具合を間近で見ていると、この先同志社香里の難易度がどのあたりまで上がって来るのか楽しみでもありますが、一方で家庭教師として指導する立場からすると頭を悩ますところです。

 

 

最後に同志社香里[前期]の入試傾向についてです。

2022年 

       算数  国語  理科  社会

受験者平均  79.8点   61.5点    52.4点   54.2点   

合格者平均       92.9点   70.7点 57.9点  58.7点

 

2023年 

       算数  国語  理科  社会

受験者平均  60.9点   74.0点    52.8点   61.7点   

合格者平均       72.5点   84.7点 57.6点  66.3点

 

2023年は算数(120点満点)がかなり難化したため、2022年に比べて受験者平均で18.9点、合格者平均で20.4点も下がりました。それに対して国語(120点満点)は2022年に比べ受験者平均で12.5点、合格者平均で14点も上がりました。また社会(80点満点)も受験者平均で7.5点、合格者平均で7.6点も上がりました。算数はかなり難化したが、国語と社会は易化し、合格最低点は7点下がりましたが、合格者平均はほとんど横ばいでした。つまり算数が苦手な受験生にとって2023年は比較的合格しやすかったのです。

 

2024年 

       算数  国語  理科  社会

受験者平均  70.8点   58.3点    54.5点   53.7点   

合格者平均       85.6点   66.5点 61.2点  59.7点

 

2024年はというと、算数は受験者平均が受験者平均で9.9点、合格者平均で13.1点も上がりました。これは2023年に比べて易化したもののほぼ例年通りの難易度でした。それに対し国語は受験者平均で15.7点、合格者平均で18.2点も下がっています。受験者平均に関しては50%にも到達していません。国語これだけ大きく下がった原因として考えられるのは問題文量の増加です。

2022年が文章題2題で約7000字、2023年は文章題が3題でしたが約6200字と問題文量が減りました。それに対し2024年は文章題2題にもかかわらず約8300字と前年比1.3倍にも増加しました。特に大問5の物語分は約6500字(2022年の文章題2題の総字数とほぼ同じです)もあり対応に苦慮した受験生がかなり多かったと思います。もしもこの物語分が大問1になっていれば、さらに受験者平均、合格者平均ともに下がっていたはずです。

この国語の難化が受験者平均、合格者平均ともに10点ほど押し下げ、2023年よりもさらに合格最低点を4点も引き下げました。(2024年合格最低点 男子250点/女子252点)

 

このように年度によって算数、国語のどちらかが難化していくことで合格最低点は2021年を除いて男女共に250〜265点で推移しています。今後もしばらくはこの主要2教科の難化傾向は続くと思われます。

ただ一つ言えることは、算数と国語がともに難化する年度は考えにくいということです。2023年のように算数が難しい年、2024年のように国語が難しい年はありますが、主要2教科である算数と国語がともに難しい年は学校側の立場からしてまずありえません。そうしてしまうと現行の問題形式では受験生の能力の差を計りづらくなってしまうからです。

 

 

同志社香里を志望する受験生はどの教科も気を抜けませんが、特に算数と国語に関しては過去問を中心にしっかりとした対策をしてください。自分がどのような得点パターンで合格出来るのかをしっかりと考えておくことが必要不可欠です。

この2〜3年を考えると大手塾などの志望校別特訓講座だけでは明らかに対策不足になっているので注意してください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みなさん、こんばんは。

少し遅くなりましたが、今回は5月25日(土)に行われた関西大学第一中学校のオープンキャンパスについて書いていこうと思います。

 

 

この日は朝から天気に恵まれ、気持ちの良い1日になりました。

関大一中のオープンキャンパスは2023年まで2部制(300組×2部)であったのですが、今年度は4部制(160組×4部)となり、より多くの保護者と受験生が来場できるようになりました。

関大系列という視点で見てみると、今年の4月に関大北陽のハンドボール部における不適切な指導が取り沙汰された影響なのか、ここ数年増えていた関大北陽の個別相談会やミニ説明会への来場者数がかなり減っていました。ここ2~3年は安全志向のせいか系列本校よりも比較的入りやすい提携校が人気でしたが、2025年度入試は系列中心校である関大一中に人気が集中する可能性があるので、受験生は例年以上に入念な準備が必要です!

 

 

 

関大一中の最近の入試傾向及び特徴についても触れておきたいと思います。

受験方法ですが2教科型(国語と算数+面接)と4教科型(国語、算数、社会、理科+面接)があります。2教科型は国語、算数が各100点の合計点×2の400点満点です。

それに対して4教科型は

①国語、算数、社会、理科の各100点の合計400点満点 

②国語、算数の各100点の合計点×2の400点満点 

①と②の高い方を点数にしてくれます。(アラカルト方式)

当然2教科型と4教科型の算数と国語の問題は同じ問題です。

この受験方式だけを見てもお分かりだと思いますが、関大一中に関しては4教科型の方が断然に有利です。

にも関わらず、毎年2教科型受験の指導をお願いされることの方が圧倒的に多いのです…

2024年度入試では2教科型も4教科型も合格させていますが、総合的な安定感という点においては4教科型の生徒の方がありました。

 

それと関大一中に関しては毎年のようにあるのですが、親御さんから「塾や個別指導で成績が伸びないので、子どもの負担を減らすために2教科にしました。」というような内容のことを言われます。

それぞれ適性があるので絶対とまでは言いませんが、関大一中に関しては早い段階で2教科に絞るという判断は親御さんの大きなミスだと思います。

理科と社会に使っていた勉強時間が算数と国語の勉強時間になるかというと、残念ながらほぼそのようにはなりません。

また他にも「覚えるのが苦手で…」とか「理科や社会に興味がなくて…」などとも言われるのですが、中学受験を通じて暗記の仕方を学んでいくのです。年度にもよりますが、関大一中では4教科型での入学者が2教科型の1.5〜3倍ほどになるので、中学校に入学してから理科と社会を勉強させてと考えているようでは、仮に合格できたとしても中学のスタート時点で他の多くの同級生に遅れをとることになります。

また実際2024年度入試では2教科型の国語と算数それぞれの平均点(国語65点、算数73点)よりも、4教科型の算数と国語それぞれの平均点(国語67点、算数76点)の方が高くなっています。

 

 

 

以下に過去5年分の2教科型と4教科型の合格率を上げておきます。

 

2020年

受験者数 2教科型 男子96人 女子80人 

     4教科型 男子158人  女子126人

合格者数 2教科型 男子48人 女子35人

     4教科型 男子88人 女子78人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子50%  女子44%

     4教科型 男子56%  女子62%

 

2021年

受験者数 2教科型 男子88人 女子89人 

     4教科型 男子157人  女子135人

合格者数 2教科型 男子32人 女子36人

     4教科型 男子95人 女子87人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子36%  女子40%

     4教科型 男子61%  女子64%

 

2022年

受験者数 2教科型 男子84人 女子91人 

     4教科型 男子159人  女子131人

合格者数 2教科型 男子43人 女子43人

     4教科型 男子96人 女子70人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子51%  女子47%

     4教科型 男子60%  女子53%

 

2023年

受験者数 2教科型 男子102人  女子108人 

     4教科型 男子170人  女子113人

合格者数 2教科型 男子49人 女子46人

     4教科型 男子100人  女子61人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子48%  女子43%

     4教科型 男子59%  女子54%

 

2024年

受験者数 2教科型 男子102人  女子92人 

     4教科型 男子141人  女子112人

合格者数 2教科型 男子57人 女子42人

     4教科型 男子82人 女子73人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子56%  女子46%

     4教科型 男子58%  女子65%

 

過去5年の合格率を見てもらえれば分かるように、一度も2教科型の合格率が4教科型を上回ったことはありません!

表中の青字は最も合格率の差が小さかった年、赤字が最も合格率に差がついた年を表しています。

男子は2024年の差が最も小さくほとんど差がありません。

女子では2022年の差が最も小さくなっています。

一方最も差がついたのは男、女とも2021年で男、女とも約25%の差がついています。

 

2020年〜2024年をまとめると

受験者数 2教科型 男子472人  女子460人 

     4教科型 男子785人  女子617人

合格者数 2教科型 男子229人 女子202人

     4教科型 男子461人 女子369人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第二位を四捨五入しています]

     2教科型 男子48.5%  女子43.9%

     4教科型 男子58.7%  女子59.8%

 

となっています。

2教科型と4教科型では男子で約10%、女子では約16%もの合格率の差が出ています。

また、男女とも4教科型の合格率が約60%もあるのです。

 

さらに調べる年度を2018年〜2024年と7年に拡大してみると

受験者数 2教科型 男子640人 女子597人 

     4教科型 男子1134人  女子880人

合格者数 2教科型 男子315人 女子269人

     4教科型 男子664人 女子536人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第二位を四捨五入しています]

     2教科型 男子49.2%  女子45.1%

     4教科型 男子58.6%  女子60.9%

 

このようになっており、年度を拡大した方が若干2教科型の合格率が上がっています。

つまり、これは全体的に最近の入試の方が2教科型での合格が難しくなっていることを示しています。

 

 

このような結果になっている要因はいくつか考えられるのですが、このデータが示しているように関大一中に合格するには2教科型よりも4教科型で勝負した方が合格しやすいのです。

 

 

関大一中を目指している受験生は、たとえ4教科の勉強が大変であっても最後まで粘り強く4教科を勉強しましょう!

理科の暗記単元や社会は時間をかけて丁寧に演習とやり直しを繰り返していけば、必ず点数は伸びます。算数や国語の点数を上げるよりもずっと短い時間で効果が出ます。

(もちろん算数と国語の点数が伸びる方が本来は望ましいです。)

成績や時期によって各教科の勉強時間数は変わりますが、焦らず着実に成績を伸ばしていってください。

 

 

今回もかなり長くなってしまい申し訳ありません。

また関大一中でこのような結果になっている要因については、時間のある時に違うブログにて説明できればと思います。

 

 

 

 

 

 

今回は前々回、前回の続きになっています。

前回までの記事をまだ読んでいない方は、是非『立命館中学について(前編)』『立命館中学について(中編)』を読んでみてください。

 

 

最後に立命館中学の特徴について触れておきたいと思います。

 

 

2024年度はA方式の出願が120名に達し、しかもその合格率が66.6%とかなり合格者人数が増加しています。これが何を意味するかというと、一般受験であるB方式での合格者数が減少しているということです。つまり一般受験であるB方式に限っては難易度が上がっているのです!

立命館を第一志望に考えている受験生は積極的にA方式で出願するようにしましょう。

 

 

また個別科目についても少し説明しておこうと思います。

[国語]

100点満点 50分

立命館の国語は関西中学受験の中でもトップクラスの文章量があります。

2023年は物語と説明文を合わせて約10000字と2022年に比べて20%程度も文章量が減ったのですが、2024年は約13100字と30%以上も増え例年(過去5年平均)よりも文章量が多くなっています。

小学校高学年の平均読書速度は1分間に400〜650字とされています。

すなわち立命館の国語は問題文を読むだけで20分以上もかかる計算になります。

他の学校と比較しても

2024年 関西学院中学部(60分) 物語+論説 約4500字

2024年 同志社香里(50分) 論説+物語 約8300字

2024年 同志社(40分) 論説 約3000字

どれだけ立命館の文章量が突出して多いかがお分かりになると思います。

 

もう一つの特徴は抜き出しを含む記述問題の多さです。

2023年では抜き出しを含む記述問題の割合が約74%(抜き出し問題が増加)にまで増加しました。しかし2024年は約60%と例年並みに戻りました。ただし問題の50%以上が記述問題のため記述対策に入念な準備が必要です。

よって、立命館の国語ではこの膨大な文章量に負けない精読力や記述力、そして細かな時間配分が他の関関同立系附属中学よりも必要です。

 

 

[算数]

100点満点 50分

立命館の出題形式や単元はある程度決まっています。2024年では大問3以降で平面図形が2題と場合の数などが出題になっています。出題単元が比較的絞りやすいため対策はし易い学校です。ただし読解力を必要とする長い問題が多いので、解き方をただ覚えているような小手先の対策では点数が取れません。他に注意事項としては作図が必要な問題の出題もあるので、対策を忘れないようにして下さい。

 

 

[理科]

50点 40分

基本的には4分野(物理、化学、生物、地学)全てから出題されます。2024年は記述問題として生物の知識を問う問題が出題されました。

物理、化学では実験考察問題(内容は基本レベル)が頻出です。

算数と同様に問題文が長い問題が多いため、焦らずしっかりと読む習慣を身につけておきましょう。

計算問題の難易度は少し高いので対策しておく必要があります。

 

 

[社会]

50点 40分

出題は例年45問程度となっています。

また出題の4割が用語を書かせる問題です。(原則は漢字です)2022年には政治分野で短文記述が2題出題され、2024年は地理分野で短文記述が1題出題されています。

地理の出題単元も傾向がある程度はっきりしているので対策し易いと思います。

社会は他の3教科に比べてかなり優しいので、社会を受ける受験生は社会で高得点を取りましょう!

 

 

本当は全教科もっと書く内容があるのですが、簡潔に特徴をまとめました。

あとは受験生一人ひとりの得意教科や苦手教科など状況によって合格するのに必要な内容が大きく変わってきます。

特に主要教科である算数と国語は、少し早い段階から立命館対策をしておくことで11月以降あたりから合格率が上がる受験生が多いかもしれません。(当然基本レベルのことが出来ている受験生に限ります)

なかなかご家庭でその対策をするのは難しいかもしれません。

ただ塾や個別指導に任せっぱなしというのは秋以降に後悔される方が非常に多いので、色々と疑問や心配がある方は早い段階で専門家に相談されるべきだと思います。

 

 

立命館中学を目指している皆さんは、まだまだこれからが正念場です。

今の段階で過去問レベルの問題が解けなくても気にする必要はありません!

今の自分にあった学習計画を練り、焦らず着実に出来ることを増やしていくことが合格への近道です!!

 

 

 

 

 

 

今回は前回の続きになっています。

前回の記事をまだ読んでいない方は、是非『立命館中学について(前編)』を読んでみてください。

 

8月のお盆を過ぎてから本格的に週に1回(2時間)の授業が始まりました。

もともと国語は記述を含めてある程度点数が取れていたので、授業は算数がメインの指導でした。

 

皆さんの中で、塾に通っていない生徒の算数の指導について興味のある方もいると思います。

指導開始時期にもよりますが、私は志望校の出題傾向に沿って頻度の高い単元から指導を始めますまずは難易度をかなり細く分類した専用プリントで指導を行い、その後、私の前で生徒に類題(これも専用プリントです)を解いてもらいます。一度の説明で理解が不十分であっても、分からない箇所をその場で指導した後、また別の類題を解いてもらいます。これを繰り返し、私の目から見て一人で問題を解けるようになってから次のレベルの問題に進みます。

もちろん生徒が授業で解く問題数は時期やその単元の理解度で変わってきます。

この生徒の場合は8月の時点で1回の授業の間に15問程度解いてもらっていました。

 

もちろんこれだけではせっかく理解した内容が定着しません。

そのため授業で指導した単元の問題を、授業で解いた問題の2〜4倍ほどを宿題(これも専用プリント)にしました。

また宿題の解答・解説プリントを授業が終わってからお父さんに渡しました。

これは宿題のチェックと宿題で間違えた問題のやり直しをお父さんにお願いするためです。

そしてもし理解できていない箇所があれば、そこを改めて次の授業の最初に私が指導し直しました。

こうすることで問題の解き方や考え方の定着を図れるのと同時に授業時間の効率化につながりました。

 

ここから問題になるのは指導した単元が増えてくると、すでに指導した単元がどうしても抜け落ちはじめてしまいます。

これを防ぐために9月以降は「近畿の中学入試(標準編)算数」を購入してもらい、宿題としてランダムに指導が終わった単元の問題を実際の入試問題レベルで解いてもらいました。

 

 

駸々堂の模擬試験やプレテストの結果を利用し、現状の問題点を明確にした上で次の模擬試験やプレテストまでに改善していきました。なかなか毎回思うような結果ばかりは出ませんでしたが、指導している私の目からみて着実に成長していました。

ただ生徒本人は今まで塾に通っていないため圧倒的に受けてきた試験回数が少なく、時間配分に随分と苦労していました。

 

また関西学院千里国際の算数が基本〜標準レベルのため75〜80点以上の高得点が必要であり「時間内にほぼ全ての問題をミスなく解く力」を求めているのに対し、立命館の算数は標準〜やや難レベルのため「合格するために必要な問題を見極め、出来る問題をしっかりと考えて解く力」が必要でした。

この両立は簡単そうに見えますが、中学受験でこれを当たり前のように両立できるのは上位難関校レベルに合格できる算数の実力がなければ難しいと思います。

 

 

10月以降は第一志望校である関西学院千里国際の過去問をはじめ立命館や他に受験予定であった大谷や大阪女学院などの過去問にも取り組んでもらいました。

この時期は多少問題があるとはいえ算数、国語とも仕上がりはじめていたので、過去問1回目から大谷や大阪女学院の問題は合格最低点の30点以上は取れていました。

ところが肝心の関西学院千里国際の過去問が年度によって点数にばらつきがあったため、両親が心配し「立命館を諦めて第一志望の学校に専念させた方が良いでしょうか?」と相談を受けました。

 

 

確かに不安材料も多かったのですが、指導経験上このような状態は成績が伸びる前兆だと感じていました。失点している原因がはっきりしていて、その対策も十分に行えていたので点数が安定するのは時間の問題だと考えていました。

ただ一つ不安があったのは、指導開始時に比べると立命館レベルやそれ以上に難しい問題まで自分で考え解けるようになっていたのですが、私の授業しか受けていなかったために点数などを比べるような相手がおらず、算数という教科に自信が持てていませんでした。

過去問やプレテストで点数が高い点数が取れても、授業では出来なかった問題の指摘や解き直しばかりであったので自信に繋がらなかったようです。

この辺は私にとっても反省点でした。

中学受験を上手く乗り切るためには「自信を持つ」というメンタルが必要です。

また合格するためにこのメンタル面の占める割合が高校受験や大学受験よりも中学受験はかんり大きいのが特徴です。

 

先ほどの相談の答えとして、私は最後まで関西学院千里国際と立命館の2つの学校の合格を狙ってもらいました。

そこから授業の内容は

①立命館対策としていろいろなタイプの思考問題を中心に演習

②各学校の過去問演習を通して、出来る問題の見極めと点数を取り切る訓練

③自信を持たせる

これら3つを中心に指導していきました。

 

 

その甲斐あってか11月後半から12月にかけてやっと算数の点数が安定してきました。

試験本番が1月13日(土)と14日(日)であることを思うと、少し早い目に学力が想定レベルにまで届いてくれました。

あとは12月19日の岡山中(3教科)、1月5日の香川誠陵(3教科)の2回の前受け受験を通じて、試験本番の緊張感を実際に感じてもらう予定でした。

12月の岡山中で本番の緊張感を味わえたことと、また1月に入ってインフルエンザやコロナに罹患する可能性を考慮した結果、香川誠陵(3教科)は出願はしましたが受験しませんでした。(もちろん岡山中は合格していました)

1月に入ると心配は体調面やメンタル面(受験によるストレス)のみという状態でした。

 

13日(土)午前 立命館[前期A方式 CLコース]

      午後 大谷

14日(日)午前 関西学院千里国際

      午後 大阪女学院

 

という日程で受験しましたが、当然見事全ての学校に合格をもらうことができました!

結果本人の希望で当初から第一志望の関西学院千里国際に進学をしました。

今年の4月にたまたま関西学院千里国際で生徒本人と会い少し話をしましたが、随分と楽しく学校に通っているようで本当に何よりでした。

 

 

「中学受験塾に全く通わず立命館[前期A]に合格し、しかもその立命館には行かなっかた」という、かなり珍しいパターンの生徒(2024年度入試)の事例でした。

ちなみに授業は8月以降も増えることもなく、最後の最後まで週に1回(2時間)ですみました。また授業と宿題で使用したプリント枚数は両面刷りで約1800枚くらいになったと思います。

 

 

書き出すとかなり長くなってしまいました、、

肝心の立命館中学の傾向などは『立命館中学について(後編)』で書きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さん、こんばんわ。

前回初めて書いた同志社香里中学の記事に私が思っていた以上のアクセスがあり驚いています。

拙いブログを読んでいただいた方々、本当にありがとうございました。

 

 

今回ですが立命館中学について書いていきたいと思います。

2024年5月11日の土曜日に立命館の校外説明会が西宮の西宮プレラホールで行われました。

立命館中学校は京都府長岡京市にあるのですが、中学受験者数が多い大阪府だけではなく積極的に兵庫県西宮市まで校外説明会を開催するところに立命館の強い意志のようなものを感じています。

 

 

関西圏の皆さんはご存知でしょうが、兵庫県は全国トップの灘を筆頭に甲陽学院、六甲などの非常に難易度の高い私立中学があるだけではなく、いわゆる関関同立系附属校では兵庫県下で人気の高い関西学院中学部があります。

 

立命館中学は2024年度も受験者数を増やしているかなり人気の附属中学校です。

そのような人気校であってもあぐらををかかず、中学受験では激戦区の兵庫県にまで地道に校外説明会を開催している立命館の戦略性に、さらなる人気校への変貌を感じずにはいられませんでした(この辺の考え方はあくまでも個人の感想です…)

 

 

今年度の中学入試、私が指導した生徒で立命館中学に見事合格をした生徒がいるのですが、その生徒が中学受験ではかなり珍しいタイプであったので、後半はその話を書いていこうと思います。

但し、稀有な事例なので中学受験を考えている方にはあまり参考にならないかもしれません。ただ中学受験を考えている方にこのようなパターン(手段)でも「関関同立クラスの志望校に合格できる!」という一つの事例として紹介します。

 

 

その生徒(女の子)は2024年3月から指導を開始しました。

指導開始偏差値は駸々堂模試で51〜53(2教科平均)

第一志望は関西学院千里国際だったのですが、第二志望が立命館A方式でした。

(ただし本命はあくまで第一志望の学校であったため、立命館はA方式の受験資格を得た上でのチャレンジ校とういうスタンスでした。)

ただ今まで塾や個別指導には全く通っておらず、中学受験の対策はZ会の通信教育のみという状況でした。主な受験対策はZ会の通信教育以外に家でお父さんが市販の参考書や問題集を購入し指導しておられたのですが、どうしても算数に行き詰まり、算数を中心に指導を頼まれました。

しかも習い事の関係で8月のお盆過ぎまでは授業の時間がほとんどとれず、3月から7月までは月1回2時間の授業のみでした。

私も家庭教師を長い間していますが、受験生を4ヶ月もの間(特に指導開始から)月に1回の授業というのは初めての経験でした。

 

 

3月〜7月までは主に

①基本問題が抜け落ちている単元(弱点補強)の指導

②指導した単元を理解し、それが身に付くまでの問題演習

③受験算数には必須の図の書き方の徹底指導

を行いました。

特に②が重要で、これに関してはお父さんに全面的にお願いする形になりました。

受験算数の考え方や解き方(①や③)などは月に一度の授業で私の方が指導を行い、その復習をお父さんの方にお任せしました。

当初はこのような状況でしたが、本人の高いモチベーションと両親の協力があったおかげで、指導面に関して焦りなどはありませんでした。

 

 

 

あまりブログが長くなると読みにくいかもしれないので、8月以降に関しては後編で書いていこうと思います。

また、後編では立命館中学の2024年度を含む受験傾向などについても書く予定にしています。

 

 

 

 

 

 

みなさん、初めまして。

初めての投稿の話題をあれこれと悩んでいたのですが、5月6日に同志社香里のオープンキャンパスが行われたので、同志社香里について書いていこうと思います。

 

昨日は朝から空模様が怪しかったのですが、最後までほとんど雨が降らず、来場された保護者の方々にとっては良い1日になったのではないでしょうか。

 

 

同志社香里といえば、この5年ほど大きく受験者を増やし人気が右肩上がりの人気校です。

もともと同志社系列で唯一大阪(寝屋川市)にある学校のため昔から人気が高かったのですが、近年他の関関同立系列の学校と比べて説明会やオープンキャンパスに集まる人の多さは群を抜いていました。

 

 

私が中学受験をした30年ほど前はまだ男子校でした。当時から人気校でしたが、私の世代は大学の附属校よりも進学校の方が人気であったのを覚えています。

2002年から共学化が始まり、やはり最初の頃から女子の人気は相当なものでした。

さらに2012年からは後期試験が始まりました。

その2012年は後期試験を受ける生徒を指導したので強く印象に残っています。

(その生徒は後期試験で見事合格したのですが、結局別の進学校に入学しました、、)

同志社香里をはじめ関西学院や立命館などの後期試験は、難関校と同等かそれ以上のレベルが必要なため、これらの学校を本命としている受験生にとって後期試験はハードルが高すぎるため、実質前期試験の一回勝負となっているのが実情です。

 

 

同志社香里の特徴なのですが、算数(120点満点)の受験者平均と合格者平均の差がかなりあることがあげられます。

難関校や最難関校ではよくみられる傾向ですね。

2024年(前期)では14.8点と昨年の11.6点から3.2点も広がりました。これは問題数にすると約3問の差があることを示しています。

同志社香里は算数と国語の配点が大きいため、いかにこの主要2教科で点数を安定して取ることが出来るのかが合格への鍵となります。

 

もちろん算数が苦手であっても十分に合格を狙えます。

受験生によって点数の取り方は様々なので、自分にあったプランをしっかりとたて合格を目指しましょう!