今回は前々回、前回の続きになっています。

前回までの記事をまだ読んでいない方は、是非『立命館中学について(前編)』『立命館中学について(中編)』を読んでみてください。

 

 

最後に立命館中学の特徴について触れておきたいと思います。

 

 

2024年度はA方式の出願が120名に達し、しかもその合格率が66.6%とかなり合格者人数が増加しています。これが何を意味するかというと、一般受験であるB方式での合格者数が減少しているということです。つまり一般受験であるB方式に限っては難易度が上がっているのです!

立命館を第一志望に考えている受験生は積極的にA方式で出願するようにしましょう。

 

 

また個別科目についても少し説明しておこうと思います。

[国語]

100点満点 50分

立命館の国語は関西中学受験の中でもトップクラスの文章量があります。

2023年は物語と説明文を合わせて約10000字と2022年に比べて20%程度も文章量が減ったのですが、2024年は約13100字と30%以上も増え例年(過去5年平均)よりも文章量が多くなっています。

小学校高学年の平均読書速度は1分間に400〜650字とされています。

すなわち立命館の国語は問題文を読むだけで20分以上もかかる計算になります。

他の学校と比較しても

2024年 関西学院中学部(60分) 物語+論説 約4500字

2024年 同志社香里(50分) 論説+物語 約8300字

2024年 同志社(40分) 論説 約3000字

どれだけ立命館の文章量が突出して多いかがお分かりになると思います。

 

もう一つの特徴は抜き出しを含む記述問題の多さです。

2023年では抜き出しを含む記述問題の割合が約74%(抜き出し問題が増加)にまで増加しました。しかし2024年は約60%と例年並みに戻りました。ただし問題の50%以上が記述問題のため記述対策に入念な準備が必要です。

よって、立命館の国語ではこの膨大な文章量に負けない精読力や記述力、そして細かな時間配分が他の関関同立系附属中学よりも必要です。

 

 

[算数]

100点満点 50分

立命館の出題形式や単元はある程度決まっています。2024年では大問3以降で平面図形が2題と場合の数などが出題になっています。出題単元が比較的絞りやすいため対策はし易い学校です。ただし読解力を必要とする長い問題が多いので、解き方をただ覚えているような小手先の対策では点数が取れません。他に注意事項としては作図が必要な問題の出題もあるので、対策を忘れないようにして下さい。

 

 

[理科]

50点 40分

基本的には4分野(物理、化学、生物、地学)全てから出題されます。2024年は記述問題として生物の知識を問う問題が出題されました。

物理、化学では実験考察問題(内容は基本レベル)が頻出です。

算数と同様に問題文が長い問題が多いため、焦らずしっかりと読む習慣を身につけておきましょう。

計算問題の難易度は少し高いので対策しておく必要があります。

 

 

[社会]

50点 40分

出題は例年45問程度となっています。

また出題の4割が用語を書かせる問題です。(原則は漢字です)2022年には政治分野で短文記述が2題出題され、2024年は地理分野で短文記述が1題出題されています。

地理の出題単元も傾向がある程度はっきりしているので対策し易いと思います。

社会は他の3教科に比べてかなり優しいので、社会を受ける受験生は社会で高得点を取りましょう!

 

 

本当は全教科もっと書く内容があるのですが、簡潔に特徴をまとめました。

あとは受験生一人ひとりの得意教科や苦手教科など状況によって合格するのに必要な内容が大きく変わってきます。

特に主要教科である算数と国語は、少し早い段階から立命館対策をしておくことで11月以降あたりから合格率が上がる受験生が多いかもしれません。(当然基本レベルのことが出来ている受験生に限ります)

なかなかご家庭でその対策をするのは難しいかもしれません。

ただ塾や個別指導に任せっぱなしというのは秋以降に後悔される方が非常に多いので、色々と疑問や心配がある方は早い段階で専門家に相談されるべきだと思います。

 

 

立命館中学を目指している皆さんは、まだまだこれからが正念場です。

今の段階で過去問レベルの問題が解けなくても気にする必要はありません!

今の自分にあった学習計画を練り、焦らず着実に出来ることを増やしていくことが合格への近道です!!