みなさん、こんばんは。

少し遅くなりましたが、今回は5月25日(土)に行われた関西大学第一中学校のオープンキャンパスについて書いていこうと思います。

 

 

この日は朝から天気に恵まれ、気持ちの良い1日になりました。

関大一中のオープンキャンパスは2023年まで2部制(300組×2部)であったのですが、今年度は4部制(160組×4部)となり、より多くの保護者と受験生が来場できるようになりました。

関大系列という視点で見てみると、今年の4月に関大北陽のハンドボール部における不適切な指導が取り沙汰された影響なのか、ここ数年増えていた関大北陽の個別相談会やミニ説明会への来場者数がかなり減っていました。ここ2~3年は安全志向のせいか系列本校よりも比較的入りやすい提携校が人気でしたが、2025年度入試は系列中心校である関大一中に人気が集中する可能性があるので、受験生は例年以上に入念な準備が必要です!

 

 

 

関大一中の最近の入試傾向及び特徴についても触れておきたいと思います。

受験方法ですが2教科型(国語と算数+面接)と4教科型(国語、算数、社会、理科+面接)があります。2教科型は国語、算数が各100点の合計点×2の400点満点です。

それに対して4教科型は

①国語、算数、社会、理科の各100点の合計400点満点 

②国語、算数の各100点の合計点×2の400点満点 

①と②の高い方を点数にしてくれます。(アラカルト方式)

当然2教科型と4教科型の算数と国語の問題は同じ問題です。

この受験方式だけを見てもお分かりだと思いますが、関大一中に関しては4教科型の方が断然に有利です。

にも関わらず、毎年2教科型受験の指導をお願いされることの方が圧倒的に多いのです…

2024年度入試では2教科型も4教科型も合格させていますが、総合的な安定感という点においては4教科型の生徒の方がありました。

 

それと関大一中に関しては毎年のようにあるのですが、親御さんから「塾や個別指導で成績が伸びないので、子どもの負担を減らすために2教科にしました。」というような内容のことを言われます。

それぞれ適性があるので絶対とまでは言いませんが、関大一中に関しては早い段階で2教科に絞るという判断は親御さんの大きなミスだと思います。

理科と社会に使っていた勉強時間が算数と国語の勉強時間になるかというと、残念ながらほぼそのようにはなりません。

また他にも「覚えるのが苦手で…」とか「理科や社会に興味がなくて…」などとも言われるのですが、中学受験を通じて暗記の仕方を学んでいくのです。年度にもよりますが、関大一中では4教科型での入学者が2教科型の1.5〜3倍ほどになるので、中学校に入学してから理科と社会を勉強させてと考えているようでは、仮に合格できたとしても中学のスタート時点で他の多くの同級生に遅れをとることになります。

また実際2024年度入試では2教科型の国語と算数それぞれの平均点(国語65点、算数73点)よりも、4教科型の算数と国語それぞれの平均点(国語67点、算数76点)の方が高くなっています。

 

 

 

以下に過去5年分の2教科型と4教科型の合格率を上げておきます。

 

2020年

受験者数 2教科型 男子96人 女子80人 

     4教科型 男子158人  女子126人

合格者数 2教科型 男子48人 女子35人

     4教科型 男子88人 女子78人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子50%  女子44%

     4教科型 男子56%  女子62%

 

2021年

受験者数 2教科型 男子88人 女子89人 

     4教科型 男子157人  女子135人

合格者数 2教科型 男子32人 女子36人

     4教科型 男子95人 女子87人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子36%  女子40%

     4教科型 男子61%  女子64%

 

2022年

受験者数 2教科型 男子84人 女子91人 

     4教科型 男子159人  女子131人

合格者数 2教科型 男子43人 女子43人

     4教科型 男子96人 女子70人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子51%  女子47%

     4教科型 男子60%  女子53%

 

2023年

受験者数 2教科型 男子102人  女子108人 

     4教科型 男子170人  女子113人

合格者数 2教科型 男子49人 女子46人

     4教科型 男子100人  女子61人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子48%  女子43%

     4教科型 男子59%  女子54%

 

2024年

受験者数 2教科型 男子102人  女子92人 

     4教科型 男子141人  女子112人

合格者数 2教科型 男子57人 女子42人

     4教科型 男子82人 女子73人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第一位を四捨五入しています]

     2教科型 男子56%  女子46%

     4教科型 男子58%  女子65%

 

過去5年の合格率を見てもらえれば分かるように、一度も2教科型の合格率が4教科型を上回ったことはありません!

表中の青字は最も合格率の差が小さかった年、赤字が最も合格率に差がついた年を表しています。

男子は2024年の差が最も小さくほとんど差がありません。

女子では2022年の差が最も小さくなっています。

一方最も差がついたのは男、女とも2021年で男、女とも約25%の差がついています。

 

2020年〜2024年をまとめると

受験者数 2教科型 男子472人  女子460人 

     4教科型 男子785人  女子617人

合格者数 2教科型 男子229人 女子202人

     4教科型 男子461人 女子369人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第二位を四捨五入しています]

     2教科型 男子48.5%  女子43.9%

     4教科型 男子58.7%  女子59.8%

 

となっています。

2教科型と4教科型では男子で約10%、女子では約16%もの合格率の差が出ています。

また、男女とも4教科型の合格率が約60%もあるのです。

 

さらに調べる年度を2018年〜2024年と7年に拡大してみると

受験者数 2教科型 男子640人 女子597人 

     4教科型 男子1134人  女子880人

合格者数 2教科型 男子315人 女子269人

     4教科型 男子664人 女子536人

合格率(合格者数÷受験者数)[%は小数第二位を四捨五入しています]

     2教科型 男子49.2%  女子45.1%

     4教科型 男子58.6%  女子60.9%

 

このようになっており、年度を拡大した方が若干2教科型の合格率が上がっています。

つまり、これは全体的に最近の入試の方が2教科型での合格が難しくなっていることを示しています。

 

 

このような結果になっている要因はいくつか考えられるのですが、このデータが示しているように関大一中に合格するには2教科型よりも4教科型で勝負した方が合格しやすいのです。

 

 

関大一中を目指している受験生は、たとえ4教科の勉強が大変であっても最後まで粘り強く4教科を勉強しましょう!

理科の暗記単元や社会は時間をかけて丁寧に演習とやり直しを繰り返していけば、必ず点数は伸びます。算数や国語の点数を上げるよりもずっと短い時間で効果が出ます。

(もちろん算数と国語の点数が伸びる方が本来は望ましいです。)

成績や時期によって各教科の勉強時間数は変わりますが、焦らず着実に成績を伸ばしていってください。

 

 

今回もかなり長くなってしまい申し訳ありません。

また関大一中でこのような結果になっている要因については、時間のある時に違うブログにて説明できればと思います。