クローズ・エルミタージュ、レ・メゾニエ2012 シャプティエ
フランス、ローヌの作り手と言えばミッシャル・シャプティエ。
徹底したビオディナミ農法を実践している作り手です。
クローズ・エルミタージュ、レ・メゾニエは、緩やかな坂が真南に向かってくだる丘にあり、地表も地中も、粘土と片岩の混ざり合った土壌にあります。ブドウの収穫は手摘みで行われ、エルミタージュと同じく樫の開放槽で1日2回のピジャージュを行いますが、クローズ・エルミタージュは醸しの期間も多少長く、15~18日間行われ、樫の小樽で12カ月間熟成します。(ワイングロッサリーHP参照)
セパージュはシラー100%
ローヌのワインと言えば、グルナッシュを使った南のジゴンタスがお薦め。
吐出した癖も無く、非常に親しみやすく、和食との相性も良い。
一方、シラーが主体の北のワインは少々癖があるんです。
尤も、ジゴンタスも和食との相性の良いチャーミングなタイプもあれば、エレガントなタイプあり作り手によって色々。
しかし、初心者でもワイン選びに外れはなく、上級者には中々奥が深いワインです。
さて、今回のクローズ・エルミタージュは、外観は紫がかった濃い目のルビー。
香りは、ブラックベリーやブラックチェリー等黒系果実の香り。スミレ。ブラックペッパー、ブラックオリーブ、エスプレッソ。土。食材によってはグリーンっぽい香りも若干あり。
味わいは、アタックにほのかな果実味のあと、綺麗に溶け込んだシルキーな酸が持続。
徐々に苦味が押し寄せてくるが、苦味が吐出する訳でもなく、全体のバランスは非常に良い、エレガントな印象のワイン。
ブラックペッパーを利かせた鹿肉のソテー等、ジビエ料理が食べたくなるワイン。
シラーはオーストラリアに行くとシラーズと呼ばれ、フランスのシラーとまた違った果実味豊かでふくよか、スパイシーさが大人しい、ジューシーなワインを生むのですが、フランスのシラーはブラックオリーブ、時にドライトマトを思い出させる、エレガントでスパイシーなワインとなります。
暖かい地方で栽培される葡萄の為、オリーブやドライトマトなど焼けた印象となる事が多いのも特徴。
店舗のワインデータをみると、森の下草の香りがあると記載されていますが、それは少し早いかな。将来その様な香りが出てくる可能性は秘めつつ、まだ若さが残るエレガントなワイン。