シャンドンヴィンテージ ブリュット 2010
フランスのシャンパンメーカーがオーストラリアで作るスパークリングワイン。
1986年にオーストラリアのヴィクトリア州に創立したワイナリーで、単一年の葡萄のみで作られています。
シャンパーニュの特筆は、様々なヴィンテージをブレンドして作られる事。
シャンパーニュ地方は葡萄栽培を行うには寒すぎて過酷な土地の為、毎年同じ味わいのシャンパーニュをリリースする為に、複数のヴィンテージ、複数の畑のワインがブレンドされます。
そして、葡萄の作柄の良い年のみ、ヴィンテージシャンパーニュが作られるのですが、ここ、オーストラリアは冷涼な気候とは言え、気候に恵まれている為、ヴィンテージブリュットを作る事が可能です。
ニューワールドのスパークリングワインがお手頃価格なのは、シャンパーニュに比べてブレンドが複雑ではない事も一因と言えるでしょう。
何故なら、複数のヴィンテージのワインをブレンドすると言う事は、ストックする場所が必要であり、その間換金する事が出来ない為、シャンパーニュ作りは非常にお金がかかります。
また、どの様な熟成過程を辿るか予想がつかない為、ブレンド作業は非常に神経を使う仕事なんです
シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵によって作られ、30ヶ月以上の熟成を経てリリースされています。
さて、今回ご紹介するシャンパーニュは、昨年ワインセミナーを開催した際、シャンパーニュとスパークリングワインの味わいの違いを見て貰うのも面白いかな?と思い予備として購入したもの。
皆様には約1/2ボトル位の量を飲んで頂けたので、今週のカジュアルワインにて紹介する事としました。
さて、噂には聞いていましたが・・・スパークリングのコルクを縛っている針金をミュズレと言うのですが、ミュズレを緩めたとたんコルクが飛び、天井に当たって落下
以前、失敗談でソムリエの佐藤陽一氏がミュズレを緩めたとたんコルクが吹っ飛んだ話をされていましたが、今回、初体験しました。
結構怖かった・・・・もう、買わない。
コルクが目に当たっていたら失明する可能性大です
最近、立続けに抜栓が中々出来ないシャンパーニュに当たっていただけに油断していました。
30ヶ月熟成と聞いていたので、濃いイエローかと思いきや、泡目のゴールド。
香りはグレープフルーツ、リンゴ、ややピーチっぽさ。ジャスミン。軽くローストしたアーモンド、ブリオッシュ、ミネラル。
シャンパーニュの様な少しくぐもった重いトーンの香りではなく、もう少しクリアーな印象。
シャンパーニュで言うと、ドサージュ・ゼロの様な、アタックにあまり甘味は感じません。
あくまでもドライで、溌剌とした酸が口中を覆う印象。苦味はあくまでも優しいです。
ニューワールドはヨーロッパの様に土壌に石灰質が少ないと言われています。
つまり、冷涼で気候が厳しく、石灰質土壌の旧大陸に対して、新大陸のワインは、敢えて葡萄栽培の為に冷涼な地域を選んでいる様に、気候に恵まれ石灰質がかなり少ない。
この様な条件が葡萄の成熟状態に差を生んでいる。
旧大陸の中でも、スパークリングワインの生産者はシャンパーニュを指標とし憧れを抱いているものの、シャンパーニュの味わいを出せない様に、モエ・エ・シャンドン社のスパークリングとは言え、シャンパーニュのモエ・エ・シャンドンにはなり得ない
しかも、モエ・エ・シャンドンはフレッシュ&フルーティーが売りの大衆的なシャンパーニュなのに、それすら、明確な差がはっきりとしている。
フレッシュ&フルーティーと一言で表現しても、フランスのシャンパーニュはそこに重厚感が加わるが、ニューワールドにはそれがない。重厚感を加えると、もろに苦味など別のファクターがくっ付いてくる。
とは言え、スパークリングワインとしては、重すぎず飲み易いワイン
特に料理を選ばないし、インターネットで2千円台のスパークリングなので、気軽に活用して欲しいワイン
個人的には、秋冬より春から夏・・・・特に、夏場、あまり重いワインを飲みたくない時期に欲しくなるワイン。
シーフードサラダ、お魚のソテー、蒸し煮、ボンゴレ・ビアンコなど、シンプルな料理に合わせたい。