中国におけるIT企業の広報事情
弊社の中国オフィスが発行しているニューズレターによると、中国の経済が急激な変化を遂げているのにともなって、中国のメディア事情も同様に急激な変化を遂げているようです。中国政府のメディアに対する影響力はいまだに大きいようですが、IT関連のメディアに関しては、基本的に政治と関連がうすく、技術や製品に関するニュースを扱っているため、政府などによる影響や介入などはずっと少ないそうです。
また中国は、ナショナリズムの国ですので、発表する内容もできる限り国内市場に関連のあるニュースが好まれます。製品・サービスの中国市場における展開、中国国内での投資やパートナーシップに関する内容などを盛り込むことが求められます。
中国全土を対象にしたPRを行いたい場合は、あらゆるメディアが一極集中している北京でニュースを発表することになります。中国の東部地域を対象にしたPRを行う場合は、その地域のニュースにより関心をもっている上海が候補になりますし、より若者向けのトレンドセッター的なメディアに訴求したい場合は、そういったメディアが集まっている広東省が候補になるとのことです。
中国のITメディアの特質としては、リリース内容をそのまま切り貼りしてレポートするスタイルが多いそうです。また、出典先を明らかにせずに、どこかの出版物や記事、アナリストのコメントなどを引用して、自分たちの記事を形作ることがよく行われているとのことでした。また、記者の個人的な主観や感情が記事に反映される傾向があるそうです。例えば、記者発表会でのスポークスパーソンの態度が気にくわなかった場合、ネガティブな記事になることが往々にしてあるそうです。
中国では、記者を記者発表会に招待するときに、お車代をだすことが習慣になっています。一人約3千円ぐらいが相場になっています。これは以前からの習慣がいまだに残っているためですが、現在中国のPR業界でもこれを続けるべきか議論になっているとのことです。お車代を払わないと記事を掲載してもらえないというようなことはないそうですが、中国のPR会社の中には高いお車代を払うことで確実な記事掲載を保障しているサービスを提供している会社もあるそうです。
中国で大事なPR活動としては、メディアリレーションのほかに、ガバメントリレーション、アナリストリレーション、コミュニティリレーションがあるそうですが、そういった活動を通して中国に貢献しようとしている姿勢を伝えていくことがなによりも重要であるとのことです。
ストーリーの重要性
PR活動をするうえで、なぜ私たちがある製品・サービスを薦めているのか、ターゲットにその理由を理解して頂く必要があります。それを理解して頂くには、いきなり製品・サービスの特長を説明するのではなく、ストーリーを用いたやり方で説明すると理解しやすくなります。
例えば、企業向けにサーバーの仮想化を可能にするソフトウェアを販売したい場合、まず初めに市場がどのような状況になっていて、その状況によってどのような影響がもたらされているか説明し、その影響を解決する手段として、このソフトウェアを導入することをお薦めしますというストーリー展開にすると、分かりやすくなります。
ストーリー案
「現在、企業の大半がサーバーの稼働率に余裕を持たせて複数のサーバー管理を行っているため、企業内に多数のサーバーが乱立している。これによって、サーバーの運用管理や設置スペースにかかるコストの増大や、システムダウンなどの障害発生時における復旧の遅れなど深刻な問題をもたらしている。この状況を解決するためには、仮想化技術を使って、サーバーの統合を行い、これまで余裕を持たせていたサーバーの稼働率をあげることによってサーバーの台数を減らし、複数のサーバーを一元管理していくことをお薦めする。」
ニュースリリースなども、このようなストーリーの流れで説明すると、分かりやすくなると思います。上記のストーリー案のように、
1.どのような状況にあるか
2.その状況がどのような影響をもたらしているか
3.それらの影響に対してどのような解決策を薦めるか
という3点の要素がストーリーを作るうえで重要だと思います。
個人が主役の時代のPR
私がよく読んでいるブログに、角田和司さんのweb2.0 があります。また、CNET JapanでもSEO経営 というタイトルでブログを書いていらっしゃいますが、27日付けのブログで、Googleのアルゴリズムは、良いブログを良い記事とみなし、検索の上位にもってくる仕組みを取り入れているとの説明とともに、良い記事を書く個人が大企業のサイトよりも評価される仕組みになっていることが紹介されていました。つまり、Googleは個人を主役にすることを応援するアルゴリズムを取り入れていることを解説されています。
佐々木俊尚さんが書いた「Google既存のビジネスを破壊する」にも書いてあったように、ネットの利用者が増加するに従って、検索エンジンが情報の水先案内人として使われ始めていて、いかにGoogleで情報を検索したときに上位に入ってくるかが多くの人に知ってもらう(=認知度の向上)ために重要になってきています。実際、自分も何か情報を調べようとするときは、必ずGoogleの検索をつかって情報をリサーチします。Yahooは申し訳ないですけど、情報を検索する際には使っていません。
そういった意味から、良い記事をブログで書き続けることがPRの観点から重要になってきます。角田さんが言われているように小手先のテクニックでGoogleの検索上位に入ってくることが難しいからです。良い記事を書いて多くの人に読まれる厳しさを作っていくことがブログを書き続けるために重要だとの角田さんのコメントが、己に課した厳しさを垣間見た気がして自分もこのブログをかき続けようと決意しました。
Googleのロボットに注目してもらう方法として角田さんは以下の点を紹介されていました。
以下抜粋
◆ブログは最低、週に2・3回は更新
Googleはホームページのサイトより、ブログを貴重な被リンク先として認知するようになる傾向があったとしても、全てのブログが被リンク獲得先として「名誉」を受けるわけではない。このため、
・Googleのロボットが周りやすいように週に2・3回は更新しよう
・Googleのロボットが回ってきているのなら最低1日50人は見ているようにしよう
・Googleのロボットと仲良くなるまで最低3ヶ月間は付き合おう
・Googleのロボットが来るように、積極的にトラックバックをしよう
・Googleのロボットが自分のブログから回りやすいように、積極的に他者の記事を資料としてリンクを貼り、自分のブログが情報の「ハブ」になるようにしよう
・Googleに認めれらたら、自分のブログは「財産」だと認識しよう
・財産であるブログになったら、相互に関係を深め、その財産価値を増加させるように、積極的に相互に記事を書いて、「強力なブログパートナー」を育てよう
角田さん、いろいろと教えてくださり、ありがとうございます。