海外広報の必要性
現在、ますますグローバル化による市場のフラット化が進み、広報展開自体も日本だけでなく、海外におけるPRも常に視野に入れる必要性が高まってきました。先日もある半導体企業から、日本だけでなく中国でもプレスリリースを配信して欲しいとの依頼があり、弊社の中国オフィスを通じてリリースを配信しました。たまたま中国で注目されていた企業とのパートナーシップに関するニュースでしたので、予想した以上の記事掲載がありました。
特に、電機・電子機器業界や半導体業界などは、常に厳しい価格競争にさらされていて、なるべく安く生産して、それをグローバルで展開していくという流れができつつあります。そういった企業にとっては、グローバル市場がターゲット市場となるわけで、広報展開も必然的に日本だけでなく、海外での広報も重要になってきます。
自分がワンポイントコンタクトとなって、ある米国企業の日本、韓国、台湾での製品ローンチをお手伝いしましたが、ますますこのような形でグローバルな広報展開を一つの窓口で効率よく行っていく需要が増えていくと思われます。
寄稿記事を書く際に心がけること
寄稿記事は、間接的に自社の製品・サービスの舞台となる市場全体や技術の動向を潜在顧客に理解して頂くことで、潜在顧客の知識を高め、結果的に自社の信頼度向上や売上の向上に結び付けていくのに有効だと思います。
そのためには、以前も書きましたが、あくまでも市場全体の動向などを俯瞰的な立場で書くのが寄稿記事です。企業色をだしたり、自社の製品を語りだしたりしたら、寄稿記事ではなく、広告と変わらない宣伝記事になり、メディアでは掲載してくれません。以下が寄稿記事を書く際に注意する点です。
・自社の製品名を文中に書かない。ただ、本文を補足するための図などに自社製品のスクリーンショットや、画像などを用いて間接的なアピールは可能
・執筆者はマーケティングやセールスの人ではなく、技術者やR&D関連などに携わっている人にする。
・論点を伝えるために、自社以外の業界の専門家やアナリストの意見などをおりまぜる
・業界用語を使う場合は、それが意味することを分かりやすく説明する
・業界で話題となっているキーワードをもとに議論を展開していく。
・逆ピラミッド型で、論点をしぼっていく。例えば、HDMIに関する記事を寄稿する際には以下のような流れが考えられる。
様々な民生機器(DVDレコーダー、薄型テレビなど)にHDMIが搭載され始めている。
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HDMIを機器に搭載するにあたって、技術者が注意すべき点が3つある。一つ目は○、二つ目 は○○、三つ目は○○○
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この3つの点を克服するために、HDMIの設計現場では○○○○の取り組みが行われている。
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ここでその具体的な取り組みについて解説する。
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プレスリリース10か条
プレスリリースはPR活動の基本です。ウェブを検索してみると、たくさんのプレスリリース配信サービスがあり、報道関係者の方々は様々なところから大量のプレスリリースを受け取り、その中から価値のあるニュースを探し出すのがますます大変になっていることは間違いありません。最近はファックスよりもメールでリリースを配信することが多くなりました。
やはりリリースを送るからには、プレスリリースのエチケットというべきものをできるだけ守って、報道関係者ができるだけ、ニュースの価値の判断をしやすくしていくのが大事だと思います。そういう意味で以下に、IT企業(特に外資系IT企業)のプレスリリースで大事だと思う10か条について書いてみたいと思います。
1. IT企業ではよく海外で発表されたリリースを翻訳して、日本でも配信します。海外と同時に発表する場合もあれば、場合によっては、海外で発表されてから1~2週間ぐらいたってから送るケースもあります。もちろん、発表する企業の知名度とニュース内容によりますが、基本として、プレスリリースの内容が日本市場に関連がある場合は、メールの見出しのところで「プレスリリース」として、配信すべきですが、それほど日本市場に関連がなさそうだし、海外で発表してから大分たっているリリース内容は、プレスリリースとしてではなく「ご参考資料」として送るべきだと思います。
2.IT企業のリリース、特に、外資系企業のリリースは、長いです。しかも、社長や重役の自画自賛としか思えないような「Quote(引用)」がたくさん入っています。たまに、価値のありそうなコメントが書いてあるQuoteがあるときもありますが、基本はQuoteはいらないと思われます。それらをカットしてなるべく短くすることをおすすめします。
3.外資系IT企業のリリースは、「unmatched」とか「industry-leading」とか、それらを翻訳するとこちらがむずがゆくなるような形容詞をたくさん使います。日本では、基本的に謙譲を重んじる文化だと思いますし、プレスリリースは広告ではないので、形容詞はできるだけカットしたほうがいいと思います。
4.リリースに書かれている内容が、エンドユーザーの視点にたったものではなく、企業側の視点から書いてあるケースが多いように思います。できるだけ、エンドユーザーの立場にたった視点からリリースを書いたほうが、記者が記事を書きやすいですし、印象がいいと思います。例えば、「A社は、ストレージ事業を拡大するために、B社を買収したことを発表しました」という書き方よりも、エンドユーザーのメリットに視点を置いて、「A社は、B社を買収することによって、ストレージサービスをオンデマンドでお客様に提供する体制を整えていくことを発表しました」としたほうが、お客様の立場にたっていることが分かり、印象がいいと思います。
5.市場での背景が書かれてあると、発表する製品やサービスの意義が分かって記事にしやすくなると思います。市場ではどのようなことが課題になっているのかなど。
6.発表するものが製品なのかサービスなのかよく分からない書き方をしている場合があります。例えば、外資系IT企業がよく使う言葉がソリューションですが、そのソリューションの中身が何なのか明確にする必要があります。
7.発表する製品・サービスの日本における開始時期や販売体制などを明確にすることが求められます。価格は、様々な事情によって、明記できないというケースもありますが、できる限り、明示することが好ましいです。
8.新製品を発表する際に、標準製品とオプションを明確にする必要があります。リリース本文の中で、標準で可能になる機能と、オプションで可能になる機能を明確にすることが好ましいです。
9.「報道関係者のお問い合わせ先」はもちろんのこと、「製品・サービスのお問い合わせ先」を記載する必要があります。記事にする際に、読者がお問い合わせできる連絡先が必要になるためです。
10.記者たちにはそれぞれ専門や得意分野があります。プレスリリースを配信するときは、発表内容がリリースを配信する記者に関心がありそうかないかを判断して、関係のないリリースをやたらめったら送らないように注意しなければなりません。また、重要なリリースの場合には、メールではなく直接お会いして、リリースをお渡しして説明したり、電話でフォローをすることが大事です。