IT企業のプレスリリース
IT企業のプレスリリースですが、特にうちの代理店で扱っているお客様は外資系(特に米国企業)が多いため、まず日本語に翻訳してから、できるだけ日本のプレスリリースの様式にあうようにローカライズして出すケースがほとんどです。外資系の企業の英文リリースの特徴は以下の通りです。
- やたらと形容詞が多い
- 内容がおおざっぱで言いたいことがよく分からない
- 大義名分が多い
- 社長や重役レベルのコメントを引用するQuoteが多い。あたりさわりのないことを言っているので訳してもあまり意味がない内容が多い
- どのような市場背景から製品やサービスが開発されたのかという情報が少ない
- 具体的にどう優れているのかという数値的な情報が少ない
おおむね上記のような特徴でまとめられると思います。
そのため、自分がしなくてはならないことはできるだけ、日本のプレスリリース様式にあうようにローカライズすることです。日本のプレスリリースは、上記の英文リリースの特徴とまったく逆のことが求められると思います。すなわち、
- 形容詞などを使わずに事実を簡潔に述べる
- Quoteはいらない
- 製品やサービスがどのような市場背景から開発され、どのような課題を解決するものなのか
- 製品が優れていることを裏付ける情報や数値、製品出荷の時期、価格などできるだけ具体的な事実が求められる
お客様によっては、規則により、英文リリースの内容にあまり手を加えられないケースがありますが、できるだけ日本の様式にあうようにローカライズするようにコンサルティングしています。
オンラインメディアの効果
現在、某広報代理店でIT企業の広報を担当しています。広報業界ではかれこれ9年近くの経験を持っていますが、だんだんとオンラインメディア(例えば、Tech On!、ITmediaなど)の重要性が増してきていることを感じます。いまだにお客様の中で日経に載ることを最も重視している方もいらっしゃいますが、コミュニケーションの目的を考えたときに、オンラインメディアに掲載されたほうが効果が高いケースが増えてきていると思います。オンラインメディアの良い点として以下の点が上げられます。
- 速報性が高い。早くて取材が終わった当日の夕方には掲載される。
- 企業の担当者がネット上で情報収集することが主流になっているため、ターゲットに直接的に訴求できる可能性が高い。
- 主要なオンラインメディアに記事が載れば、アーカイブとして残り、いつまでもネット上で見れる。
- 記事を読んだ人が、簡単に他の人に転送できる。
- 記事に誤りがあった場合、オンラインメディアでは修正してくれることがある。
- ブログなどからリンクを貼ってくれるため、二次的に多くの人に読まれる可能性がある
- 記事掲載の効果を評価できる。ホームページへのアクセスログなどを見て、特定のオンライン記事からどれだけ誘導されたかを評価できる。
- 自社のホームページで、自社に関する「掲載記事」として、記事のURLを紹介できる。新聞記事だと著作権の問題などで紹介しにくい場合がある。
こうしたオンラインメディアの価値について、もっとお客様サイドでの理解が高まればいいなと思います。
せっかくオンラインに記事が載っても、日経に載らなければ意味がないという考えをもった方がいるのは残念なことです。メディアはあくまでもコミュニケーションの手段であり、目的を果たすためにはどのメディアが一番効果的なのかを判断していくことが大事だと思います。