キャンピングカー快適化 ~ リチウムバッテリー 評価編 ~ | キャンピングカーと雪山と

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【充電仕様】


 

リチウム化の実作業が全て完了してからの続きになります。

 

走行充電器

Renogy's DCC50S DC to DC MPPT on-board Battery Charger

 

走行充電とソーラー充電合わせて最大50Aの充電が可能です。

ソーラー充電が入ると走行充電はMAX25Aに充電量が減りますが、

我が家のシステムはエンジン始動中はソーラーOFF

エンジン停止でソーラー充電がONになるように変更可能です。

 

 

ソーラー充電

我が家のソーラーパネルはバンテック純正のフレキシブルタイプとは違い

販売店オリジナル仕様のソーラーパネルが搭載されています。

120W×2枚 + 80W×2枚:合計400Wソーラー

開放電圧:21.60v
最大動作電圧:17.28v

ソーラー充電だけの切断機構は仕組んでいないので

平日の間にいつもサブバッテリーは満充電になっています。

 

 

外部充電

すぐれもの充電器

 

最終(BULK)充電電圧:14.4V / 13.9V

維持(FLOAT)充電電圧:13.4V

定格出力電流:12.5A

 

外部充電に関しては手動で維持(FLOAT)充電電圧:13.4Vと

最終(BULK)充電電圧:13.9Vの選択が可能となっています。

ま~ 忘れてもBMSが最後の砦で過充電から守ってくれます。

 


【比較】


 

購入時はバンテック純正の鉛トリプルバッテリー

 

【#201037】ディープサイクルバッテリー 100Ah

低電圧系ディープサイクルバッテリー

容量:100Ah
フロート時充電電圧:2.0A 13.5V~13.8V
サイクル時充電電圧:30A 14.4V~14.8V
サイクル寿命:500回/50%DOD(50%電気の使用をして、充放電500回可能)
自己放電特性:3ヶ月・90% / 6ヶ月・80% / 12ヶ月・60%

サイズ:L 332mm × W 174mm × H213mm
重量:約28.5kg

 

快適に電気を使おうと思ったら大体3年に1度位の頻度で

鉛サブバッテリーの交換が必要になるでしょう。

10年乗ったとして3回交換が必要になるので、

その費用で今回のリチウムシステムと同等の出費です。

費用は同じとしても使い勝手は全く違います。

リチウムバッテリーを使ったらもう鉛サブバッテリーには戻れません。

そう言い切れるだけのメリットが大きな快適化です。

そろそろ鉛が寿命と言う人は考えても良いかもしれません。

換装する苦労は多いけど受けるメリットはかなり大きいと思います。

やはりキャンピングカーの一番の肝は電力事情でしょう。

その電力事情を大幅に改善してくれるサブのリチウム化はオススメです。

 

リチウム化のメリットは電圧降下がほぼ見られません。

今まで電子レンジの使用はエンジンアイドリングを利用しましたが

これからは気にせず使うことができる感じです。

やはりリチウムの魅力はこの電圧低下の無さですね。

この調子なら車内のガス関連を電気に変えてもいいかな

ガスでお湯を沸かす → 電気ケトル

カセットコンロで鍋 → IHクッキングヒーター

こんな感じで家庭と同じ様に過ごせそうですね。

凄いぞ!リチウムバッテリー(^^)

 

 

 

【充電】


 

BT-2 Bluetoothモジュール

 

走行充電器用BT-2モジュールのモニター画面

BT-2モジュールではアプリが2種類選択できます。

こちらはRenogy BTアプリのモニター画面

日本語対応していませんが難しい事はありません。

我が家はこちらのアプリを使用しています。

上段がソーラーパネルからの充電量表示

中段がバッテリーの状態表示

下段が走行充電からの充電量表示

※Renogy BTアプリはダウンロード可能ですがサポート終了しました。

 

Recordタブで日、月、年単位の発電量も確認可能です。

 

こちらは最新アプリのRenogy DC Homeの画面

日本語表示で非常に見やすくグラフィカル。

それぞれのアプリは一長一短有るのでお好きな方をどうぞ

 

ソーラー充電兼用状態の走行充電器のみの充電量

ソーラーと兼用していると走行充電の最大は25Aとなります。

この時Renogy BTアプリでは27.06A(13.1V)の出力はしていましたが、

実際は昇圧とかの関係なのかもうすこし少ない充電量となります。

走行充電器からバッテリー間でかなりロスしてる?とも思いましたが、

ソーラー充電の方はRenogy BTアプリと同じだけ充電されているので

電圧の低い走行充電だけでは25Aの充電にはならないと思われます。

 

ソーラー充電のみの充電量

我が家のソーラーは鉛時代は15A程度の発電量でしたが、

リチウムとなって20A超えの優秀な発電量となっています。

リチウムは鉛より入りが良いので充電量も大きな数値となりました。

20A超えで充電してくれるなら晴れた日は1日150Ah程度の

充電が見込めるのでソーラーだけでほぼほぼ事足ります。

 

ソーラー充電の入力がない時の走行充電の充電量

ソーラー充電がない場合は走行充電器の充電量は最大50Aになります。

BT-2モジュールの表示では58Aの出力となっていましたが、

実際には電圧の関係もあり、もう少し少ない45A程度が充電量のMAXです。

 

ソーラー充電入力兼用時の実際の充電量

400Wソーラー充電があるため走行充電と合わせて

晴れていれば40Aオーバーの充電がコンスタントに可能です。

という事で走行充電器はノーマル状態(エンジン始動中もソーラー入力有り)

で使用しても走行充電のみの状態(エンジン始動中はソーラー入力切断)

とそれ程充電量に違いは無いので電圧の高いソーラーと

走行充電の同時充電のノーマル状態で良いと考えて良さそうです。

やはりこの走行充電器はソーラー兼用使用がデフォかもしれません。

 

この兼用状態でひと夏使用しましたが、噂に聞く真夏の充電制御に

遭うことがなかったので安定的な充電が可能だと思います。

走行充電がMAX25Aと少ないからですかね?

それとも充電制御になる条件を満たしていなかっただけでしょうか?


充電速度に関して

充電速度に関しては鉛バッテリーと違いリチウムバッテリーは単純です。

20Aで1時間充電すればバッテリーの容量は20Ah増えています。

基本的にそれがほぼ満充電まで続きます。

鉛バッテリーでは考えられない程キッチリ充電されるので驚きます。

我が家の場合は走行充電+ソーラー充電の2系統同時充電で

ソーラー充電は日照条件に大きく左右されるので

定量的に充電量を求めるのは非常に難しいのですが、

走行充電とソーラー充電を合わせて最大で40A強の充電が可能なので、

走っていれば1時間で40Ah強の速度で充電されますし、

停まっていてもソーラー充電で1時間に20Ah 程度充電されます。

なのでサブバッテリーが夕方までに満充電にならなかったことは有りません。

それを考えるとバッテリー容量が400Ah迄なら

走行充電とソーラー充電をミックスできるこの充電器は

コスパを含めて最適な選択だと思います。

ソーラー充電があるため走行充電器の発熱量はそれほど多くないモデルです。

 

走行充電器とソーラー充電器の2つ充電器を並べて

走行充電とソーラー充電を同時にサブバッテリーへ充電することは

大丈夫とする意見も多くありますが、走行充電器のメーカーRenogyでは

同時にサブバッテリーに充電することを公式に否定しています。

但し、この走行充電器はメーカー公式に同時入力可能なモデルとなります。

他のメーカーでも同時入力可能なモデルはありますが、

ソーラー入力電力が660Wとここまで大きなモデルは有りません。

停まっていてても発電できるソーラー充電はキャンピングカーには最適

高速走行充電を売りにしている走行充電システムも魅力がありますが、

大きめのソーラーパネルとそこそこ発電できる走行充電の組み合わせは

トータルで考えると一番良い組み合わせだったのかなと感じています。

 

 

 

【充放電】


 

我が家の車内の電化製品でもっとも電力消費の大きな家電といえば

お湯を沸かすティファールに代表される電気ケトルです。

満水(水量は製品による/スイッチオフまで) 4分10秒(0.8L)

 

鉛バッテリー時代はエンジンをかけながら使用していても

その消費量に恐れおののき使用を封印していた最強家電(^_^;)

さすが110A超えは伊達ではないですね。

使用時間も長く4分間も使うと多少の電圧降下は見られるものの

ほぼ13V近傍をキープできているのはさすがリチウム

電気ケトルを使用中に冷蔵庫のコンプレッサーが動作して

瞬間的に1.7kW超える事があっても瞬間的なら問題なし。

放電中

 

気になる点は負極出力側となるNo.1セルの電圧降下

0.1V以上も他のセルと比べて放電中は低い値を示しています。

但し、放電が終わった瞬間に電圧は揃っているので

実際にNo.1セルだけの電圧が下がったのではなく

一番負極側にあるセルだけBMSから見て低く見えていると思います。

使用停止後は電圧も12.9Vから13.2Vに復活しています。

 

放電とは逆に充電を行うと今度はNo.1セルが一番高い電圧を示し

他のセルはほぼ電圧に差がないのが分かります。

充放電でNo.1セルだけ単独で逆の動きを示しています。

このことから充放電中のNo.1だけ他のセルと電圧が違うのは

入出力端となる負極側のNo.1セル特有の状態なのかな?

電気の流れはプラスからではなくマイナスから流れているので

こんな現象になっているのかなと勝手に解釈しています。

充電中


 

 

【エアコン参考値】


 

たいして暑くもないのにエアコン冷房で確認ってわけにはいきません。

今回待ちに待った真夏での検証が可能となりました。

電力消費が激しい真夏でのリチウムの実力を確認です。

やはり外気温度が30度を超えないとテストする意味がない。

但し、外気温や日照の具合によりかなり変化すると思うので、

充電テストはあくまでもほんの一例です。

定量的なテストは難しく参考程度の評価しかできないと思います。

 

外気温が32度でエアコン設定26度の時は常時40A位の消費があります。

逆に言うとこれ以上の発電量が無いとサブからの持ち出しになります。

外気温が30度を下回るとエアコンの消費電流は10A~40Aをウロウロ

エアコンの消費電流は外気温にかなり左右される事になります。

 

鉛バッテリーと比較検証が出来れば良かったけど

走行充電器を接続する前に生セルポチってしまいまして(^_^;)

比較検証が出来ないままリチウムのテストとなりました。

ま~ 鉛バッテリーはリチウムまでの単なる腰掛けでしたから

鉛のことは綺麗サッパリ忘れてこれからはリチウムの検証でもします。

リチウムに替えてこれが本来のキャンピングカーって感じです。

基本的に鉛と比べてリチウムは充電の入りが良い

ま~ 鉛も3年使ったので入りが悪いのは仕方ないけど、

それを差し引いてもリチウムの充電の速さは好感が持てます。

 

まずリアのエアコンを使用してサブバッテリーの消費が有るか

これに関してはバンテック車標準のシステムがあるので

ノーマル状態ではエンジン始動中はリアのエアコンの電力は賄えるようです。

これに関してはバンテック車の優れた充電システムの利点ですね。

デュアルソース・エアコンシステム

 

但し、デュアルソース・エアコンシステムは鉛バッテリーで

走行充電器を使用していない場合の機能です。

鉛バッテリーの時はこのデュアルソース・エアコンシステムで

サブバッテリーからの持ち出しがなくエアコンが使用できていましたが、

リチウム化により走行充電器を追加した事により、

エアコン使用時の充電量は走行充電器に左右されます。

って事で標準状態でソーラー兼用のDCC50Sの場合だと

ソーラーがフルパワーで充電している時は持ち出しは有りませんが、

曇ったりしてソーラー充電が期待できない時は

エアコンの消費電流に負けてサブからの持ち出しになります。

リアでエアコンを使用する場合はソーラーの入力を停止して

走行充電器のみの充電で対応するのが良いようです。

DCC50Sのフルパワー充電だとエアコンの消費に負けることなく

充電ができるのでサブバッテリーからの持ち出しは無くなりますが、

外気温が30度を超えると充電に回せるほどの容量は無いようです。

 

 

我が家の真夏の使用状況参考

外気温度35度晴天 エアコン設定26度

我が家の走行充電器は走行充電+ソーラー充電の兼用タイプ

実際に確認すると外気温が30度以下ではこの走行充電器で賄えていますが、

外気温が30度を超えると徐々にエアコンの消費量が勝るようです。

走行充電器を追加しているのでバンテックの仕様とは異なり、

外気温が30度以上の場合はサブからの持ち出しになるようです。

外気温が30度以下なら日差し次第ではサブの増加もありますが、

その増え方はあまり期待できるような感じではない様です。

以上のことから日中もリアのエアコンを付けっぱなしだと

夕方までに満充電にならないので一定時間はリアのエアコンを

切って充電側に回す時間を設ける必要が有るようです。

今の所、真夏のロングキャラバンは二日目以降の

午前中リアのエアコンは使わないルールで乗り切れそうです。

ま~ エアコンの運用方法でどうにでもなるって事ですね(^_^;)

とは言え今後、ロングキャラバンでのロングステイや

走行距離が少なくて走行充電があまり稼げない時や

暑い日はリアのエアコンを稼働すると運転席も涼しいし

エアコンの稼働時間を少しでも伸ばしたいと思っているので、

今後の課題として走行充電の増強は必要かもしれません。

充電能力不足は7月~9月の盛夏で長期休暇限定の話なので、

10月から6月までの期間は電力問題を気にせず使用できます。

 

 


【放電】


 

バッテリープロテクターの出力遮断電圧は12.0V(セル単体:3.0V)

BMSのPack Undervoltageは11.2V(セル単体:2.8V)

以上を考えるとバッテリープロテクターの動作する12.0Vまで

実際にどれだけ使えるかバッテリーモニターとBMSで確認して

一度くらいはバッテリープロテクターが動作した時に

どの様な挙動を示すかも確認してみたい。

鉛バッテリー時代でもバッテリープロテクターを作動させたことがないので

ちょっとドキドキの初体験を経験したかったのですが、

ひと夏通常使用でそのような状態になりませんでした(^_^;)

 

 


【まとめ】


 

家庭により真夏の電力事情は違います。

その家族にあった電力事情の見極めが必要です。

今回の評価はあくまでも我が家の場合であって、

全ての家族に最適なバッテリー事情では有りません。

 

真夏以外はと言うかエアコンを使わなかったらそれ程、

サブバッテリーの電力消費はあまりないですよね(^_^;)

って事で真夏以外なら今回選んだ走行充電器の能力で十分

400Ahの容量ならこの走行充電器で我が家は不満は有りません。

昼にはソーラー発電で1日150Ah程度の充電も有るし、

走ればコンスタントにソーラーと合わせて40Aの充電が可能です。

400Wソーラーと合わせて走っても走らなくても充電できるので

真夏以外は困ること無く電気が使えます。

やはり最初から400Wのソーラーが有るっていうのは有利ですね。

Renogy DCC50Sは400Ah以下の容量には最適な走行充電器です。

リチウムの容量が増えればもっと充電能力の高いsystemが必要ですが、

容量とのバランスを考えるとベストな組み合わせだと思います。

但し、真夏に関してはエアコンの運用方法を考えたり

今の充電能力なら多少の不便を感じるのも事実

ひと夏越して現時点で我が家的には充電能力に不満はありませんが、

もしもを考えると充電能力の更なる増強は必要かもしれません。

 

我が家の様に四六時中エアコンを使う訳ではない家族にとっては

充電が早いことによるメリットはそれほど重要では無いと思います。

自分の考えだと朝から行動開始して夕方迄に満充電近くになれば良い

早い話が10時間で満充電近くになれば特別困らないって考えです。

400wのソーラーと組み合わせれば走行充電器は

そんなに大容量の充電が出来なくても問題ありません。

大電流で充電しなければ発熱の問題も少なくバッテリー寿命に有利

自分には大電流で充電する弊害(発熱問題)の方が気になります。

充電速度も含めてその家庭に合ったsystemが重要なのかな。

リチウムは鉛と比べて入りが良いので充電の不満も少ないですね。

逆にエアコンを四六時中使いたいという人は充電速度に拘るのではなく

サブバッテリーの容量を上げるほうが効果的だと思います。

結局400Ahではエアコンを四六時中使うには容量が少ないです。

生セルを並列運用して容量を稼ぐのがベストアンサーだと思います。

 

まとめると自分が考えるキャンピングカーの電気系統の理想は

予算と設置場所の許す限りの範囲で大容量のリチウムを積む

※我が家のような夫婦二人なら200Ah以上400Ahあれば余裕

※ペット有りでエアコン常時稼働なら600Ah以上800Ahは必要

ソーラーパネルは必須装備で極力大容量を搭載する。

走行充電はそれほど拘らずそこそこでも対応可能かな

この組み合わせがカムロードベースのベストアンサーだと思います。

鉛と違って満充電に拘る必要のないリチウムならではの構成で、

熱に弱いリチウムのためにも優しい充電環境の構築が可能でしょう。

カムロードの充電制御を考えると走行充電ばかりに頼るのは

もしもの時に充電能力が足りなくなる可能性もあります。

 

今回判明した気になる箇所を改善できるか検証します。

 

 

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