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【基本情報】


 

PowerTite BC-2440S 12VDC

※↑最新型の紹介ページで実際はこれの1つ前のモデルが付いていました。

 

最大電流:40A
出力遮断電池電圧:10.5V
出力復帰電池電圧:11.5V 
寸法 (W x H x D) :185mm x 65mm x 70mm
重量 (約) :0.31kg

 

BC-2440S バッテリープロテクター外形図

http://www.powertite.co.jp/pic/ori/2015013016362910.pdf

 

BC-2440S バッテリープロテクター配線図

http://www.powertite.co.jp/pic/ori/2016020312080910.pdf

 

 


【リチウム対応】


 

バンテック車なら純正で取り付いているバッテリープロテクター

 

純正の設定は電圧が10.5Vまで下がると電力供給を自動でOFF、

充電を開始して電圧が11.5V以上になると自動でONする仕組みです。

但し、リチウムバッテリーは鉛より高い電圧で最低使用電圧に達します。

LFP400のカタログからも分かるように10.5Vだと10.5/4=2.63Vで

かなり急激に電圧が低下しているあたりになり10.5Vはかなり危険水域。

BMSのPack Undervoltage(4セル) は11.2Vで設定しているのでそれが最終ライン

プロテクターの作動する電圧より1Vも高い値で最低使用電圧を迎えます。

って事で今のままではプロテクターの意味が全くありません。

 

鉛バッテリー用に設定されたバッテリープロテクターでは

リチウムバッテリーに変更した際に設定値をリチウム用に変更しないと、

バッテリープロテクターの意味が全く無くなるという状況です。

という事でバッテリープロテクターの設定をリチウム用に設定変更します。

 

 


【確認】


 

まずはバッテリープロテクターの現状を写真にとって、各配線にナンバリング

これでバッテリープロテクターを取外しても現状復帰可能です。

早速バッテリープロテクターを取り外します。

注意点として#3と#8を短絡している配線はつないだままにします。

 

メーカーに遮断電圧と復帰電圧の調整方法を問い合わせると・・・

*************** 返信メール *****************

このモデルの調整は遮断と復帰の電圧設定が2つのボリュームの組み合わせで
決まる仕様のためお客様での設定変更は想定いたしておりません。
恐れ入りますが、電圧変更の場合は弊社にお送りいただきますようお願い申し上げます。
なお現行品 BC-2440Uは、それぞれのボリュームで変更出来るように改善いたしております。
********************************************

 

こちらが取り付いていたモデルの外形図側面

PowerTite BC-2440S 12VDC

そしてこちらが電圧設定変更可能な最新型の外形図側面

確かに電圧調整がスクリューネジに変更になってます。

PowerTite BC-2440U 12VDC

 

現品を送れば調整してくれるので旧型でも調整可能なんだろうけど

ネットで情報を探すとこのタイプの調整はそれなりに調整が難しく

両方の調整ネジを微妙に回しながら遮断・復帰電圧を決めるらしい。

 

とりあえず現状確認だけでもしてみましょう。

配線図から バッテリープロテクターの正面端子の

1:SW A 及び 2:SW B にテスターを接続します。

これがON/OFFスイッチに繋がるラインなのでこれで

プロテクターが作動しているかどうかをテスターで確認します。

次にまたまた安定化電源の登場です。

充電確認・セルバランス調整ときてバッテリープロテクター調整と

リチウム化には安定電源の購入は必須かもしれません。

3:VB+ 安定化電源の正極を接続します。

4:GND 安定化電源の負極を接続します。

 

この状態で安定化電源の電圧を12V程度から徐々に下げていき、

バッテリープロテクターの作動電圧を測定します。

バッテリープロテクターは動作までにディレイタイムがあるので

電圧設定したら数十秒待ってからまた電圧変更するの繰り返し

出力遮断電圧で導通がカットされるのを確認し、

その状態から安定化電源の電圧を徐々に上げていき、

出力復帰電圧で導通が復活するのを確認します。

以上がバッテリープロテクターの電圧の確認方法だと思います。

やり方が間違っているのかよくわかりませんが、

出力遮断電圧は10.5Vより低い電圧でした。

元々がこうなのか、振動でズレたのか、測り方が違ったか?

原因はよくわかりませんが調整してもらうので深くは追求しません(笑)

 

確認が取れたということは自分で設定変更も可能なはず。

送れば調整してくれるということは調整できる構造ってことだし、

人の出来ることは自分もできるが信条で

2つのネジを同時に調整していけば変更可能なんでしょうけど

やはりここは大人しく送って調整してもらうのが無難かなとも思います。

ちなみにネジと言ってもシールの下に隠された調整ネジです。

 

 


【変更】


 

リチウムのバッテリープロテクターとして考えられる選択肢は4つ

1.BMSの設定のPack Undervoltage(4セル) :11.2Vを信じて何もしない

2.現品をこのまま送って遮断・復帰電圧を調整してもらう。

3.自分で調整にチャレンジして駄目なら送って調整してもらう。

4.調整可能な最新モデルを購入して自分で調整する。

 

もしくは最初からリチウム用に設定されたバッテリープロテクターを購入する。

 

1番と4番の選択肢は選ばないかな~って事で

2番と3番の選択で悩みましたが、大人しくこのまま送って調整してもらいます。

理由は先に製品を送って製品確認後、見積書とともに振込先連絡との事で

下手に調整失敗して送っても受け付けてもらえなく可能性もあるかなと(^_^;)

 

送付先:

 〒114-0001 東京都北区東十条5-5-9
 株式会社未来舎 修理部
 TEL 03-3901-8261
調整料は、4,400円(送料+消費税込み)

 

こちらからの送料が714円だったのでトータル5千円ちょっとで

安心が買えると思うと保険としては高くないです。

調整して貰う場合は予め各自で問い合わせてから発送してください。

勝手に送っても調整内容がわからないと思います。

対応がとても早いので安心して調整依頼ができます。

 

発送前に調整する電圧を指定する必要がありますが、

復帰電圧は遮断電圧 + 1.0V - +1.5V程度となり、
電圧の差を大きくとるか、小さくとるかのみの指定となります。

遮断電圧はある程度任意に設定可能ですが、

このモデルは復帰は2種類しか選択出来ないってことです。

 

では希望する遮断電圧の指定はどうするかと言うと

セル単体3.0Vを出力遮断電圧として3.0V ✕ 4 =12.0Vがベスト設定かな。

12.0VだとLiFePO4バッテリーの残量は10%を切る危険領域です。

危険領域では確実にプロテクターで出力を遮断して、

実際の使用では12.9V÷4=3.22Vが残量20%の安全領域内であり、

普段使用する目安の下限電圧が12.9Vが基本的な考えとなります。

って事で復帰電圧は遮断電圧:12.0V+ 1.0Vの13.0Vで問題なし

 


【到着】


 

日曜日に取外して発送して月曜日午前中に修理完了報告と見積もりが来ました。

火曜日に支払いを済ませて水曜日には調整されたバッテリープロテクターが到着

いや~ 思ったより未来舎の仕事が早くて驚きです。

調整済みのバッテリープロテクターを見るとセッティングされた

LSD:12.0V LRS:13.0Vの表示が新たにテプラで貼られています。

それとプラスして調整ネジの所もテプラを貼り直しているので

自分で調整するには元あったシールを剥がす必要があります。

元のシールはキレイに剥がれない可能性があり自分で調整したらバレますね。

ふ~ 勝手に弄らなくて正解だったかも(^_^;)

 

バッテリープロテクターを取外しているのでメイン電源を入れず、

時間の取れる明るい昼間に元通りに戻したら作業は終了です。

これでバッテリープロテクターが鉛用からリチウム用に変わり

低電圧保護がBMS以外の方法で2重になりました。

もともとバッテリー残量が12.0Vを切るような使い方はしませんが

もしもの時のうっかりミスの保険だと思うと非常に安心です。

 

 


【まとめ】


 

既設のバッテリープロテクターは鉛バッテリー用ですが

リチウムバッテリーでも設定変更すれば使用可能です。

基本的にBMSの設定で最低電圧の遮断は出来るので

不要な作業といえば不要ですが、BMSだけに頼らない

物理的な強制遮断機構もあると心強いのがバッテリープロテクター

リチウムバッテリーに変更して鉛バッテリー用の設定だと宝の持ち腐れ

キチンとリチウム用に設定変更して安全に使用しましょう。

 

特にBMSの設定を変更できない既製品のリチウムバッテリーは

バッテリープロテクターの調整は必須になると思います。

ちなみにRenogyのスマートリチウムの放電停止電圧は10Vなので

バッテリープロテクターの10.5Vは怖いくらい低い値だと思います。

リチウムの過放電は確実に寿命を縮める重大な過失です。

11Vを切ったら確実にバッテリーの劣化が進行するようなので、

既製品汎用バッテリーでも12.0V迄の使用が良いと思います。

リチウムは鉛と違って100%使い切っても問題無しと

勘違いしている人が多いようですが、

完全放電は不可逆的な化学反応で結晶構造が変化するので

実際にはリチウムの使用は80%程度迄がオススメです。

 

全ての交換作業が終了したのでいよいよ動作確認です。
見せてもらおうか、新しいリチウムの性能とやらを!


 

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