【作品#0189】ミッション:インポッシブル3(2006) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ミッション:インポッシブル3(Mission: Impossible III)

 

【Podcast】

Podcastでは、作品の概要、感想などについて話しています。


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【概要】

 

2006年のアメリカ/ドイツ/中国/イタリア映画

上映時間は126分

 

【あらすじ】

 

IMFのエージェントであるイーサン・ハントは現場を退き、教官として働き、婚約者のジュリアと新たな生活を歩んでいた。そこへ教え子のエージェントが拉致された知らせが入り、上司から現場に戻るように要請される。

 

【スタッフ】

 

監督はJ・J・エイブラムス

音楽はマイケル・ジアッキーノ

撮影はダニエル・ミンデル

 

【キャスト】

 

トム・クルーズ(イーサン・ハント)

フィリップ・シーモア・ホフマン(デイヴィアン)

ミシェル・モナハン(ジュリア)

ヴィング・レイムス(ルーサー)

マギー・Q(ゼーン)

ジョナサン・リース=マイヤーズ(デクラン)

ビリー・クラダップ(マスグレイブ)

ローレンス・フィッシュバーン(ブラッセル)

サイモン・ペッグ(ベンジー)

ケリー・ラッセル(リンジー)

 

【感想】

 

テレビシリーズ「エイリアス」などを手掛けるJ・J・エイブラムスがトム・クルーズへ自らを売り込んで初監督の座を獲得した、前作から6年ぶりとなるシリーズ3作目。興行成績こそ前作を下回ったが、シリーズ3作目までで見ると映画の出来としては1番良いと言える。トム・クルーズの独壇場だった前作に比べチーム戦が(多少は)意識されている(と言っても最後の最後は他のチーム員全員帰国だが)。

 

オープニングは、終盤のジュリアがデイヴィアンに撃たれる場面を先に見せるという演出をしている。観客には「ジュリアが撃たれて死ぬなんて展開にはならない」と思っているので、結果的にオープニングでここを見せる必要はなかったように思う。前作の「陽」からストーリー的にも画的にも「やや陰」にシフトしている本作だが、オープニングはもう少しライトでも良かったのではと思うが、当時流行りのダーク路線、リアル路線という影響もあったのだろう。オープニングで会話シーンですらカメラを揺らしているのは、「ボーン・スプレマシー(2004)」のポール・グリーングラス監督の演出の影響だろう。後のカーチェイスや格闘シーン、中国で屋根を走るシーンもそうだろう。

 

リアル路線で言うと、前作の顔マスクでやりたい放題だった展開を反省したのか、カメラで対象を撮影してから作成し、声もデータを取り込んだ上で再現するなど、製作者側の最低限の努力も見られる。とは言いつつ、ジュリアが殺されたと思ったら「実は顔マスクを被った別人でした」は前作と同じネタだし、なんとなく分かってしまう(だからこそオープニングで使うべきではなかった)。

 

中盤のデイヴィアン奪還シーンは明るい場面で展開するが、リンジー救出作戦も、「ラビットフット」奪還作戦も夜のシーンで展開し、やや見づらいところが難点。ただでさえ、カメラが縦横無尽で動き、カット割りも多いのでアクションシーンとしてのカタルシスはあまりない。ちなみに飛び移ったビルの斜面を下っていくのは、ジャッキー・チェンが主演した「WHO AM I(1998)」からの引用だろう。

 

また、「ラビットフット」奪取の場面は省略して、いきなりイーサンが窓を突き破って来るという演出にしている。音声解説でも言及していたが、「この手の場面は幾度となく描かれて来たので省略した」と言っており確かにそうだ。シリーズを重ねてきたからこその「外し」だし、コメディにもなっているのだが、だったらなぜ地上に降りてから、アクション映画で何百回と見てきたような、転がる物を車が通る中追いかけるというシーンを入れたのか。これだったら直前の省略によるメリットを潰しているので非常にもったいない。

 

そして、本作は悪役が大きく2人もいるのが終盤の展開をまどろっこしくさせているだろう。イーサンの前からデイヴィアンが出て行き、マスグレイヴが現れて事情を説明する。マスグレイヴをやっつけたイーサンがデイヴィアンのところへ行ってデイヴィアンをやっつける。その後追いかけてきたマスグレイヴをジュリアがやっつける。マスグレイヴが組織を裏切る理由もよく分からんし、後にイーサン(観客向け)に事情をわざわざ説明しなければならないくらいなら結果的に悪役はデイヴィアンだけで良かった。

 

それから、本作はエンディングがすごく良い。みんな集まって笑顔のエンディング。トム・クルーズの笑顔で終わる映画は多いがその中でも本作は屈指。言いたいことは山ほどある作品だったが、前作までの悪いところを大きく改善させようという志は見えるし、それが次回作の大きな成功につながったと考えると、シリーズの中で重要な作品。

 

【音声解説】

 

参加者

├J・J・エイブラムス(監督)

├トム・クルーズ(製作/イーサン・ハント役)

 

上記2名による対話形式の音声解説。2人の仲の良さが伝わって来て、音声解説も楽しく見られる。「ここに注目してほしい」というポイントもしっかり言ってくれるし、音声解説の好例と言える。とにかくカット割りの多い本作において、ロケとスタジオの違い、撮影時期の違いなども細かに教えてくれる。本作が気に入ったなら聞くべき音声解説。

 

【関連作品】

 

ミッション:インポッシブル」…シリーズ1作目

M:I-2(2000)」…シリーズ2作目
M:i:Ⅲ(2006)」…シリーズ3作目
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011)」…シリーズ4作目
ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015)」…シリーズ5作目

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018)」…シリーズ6作目

ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE(2023)」…シリーズ7作目

 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

 

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語/イタリア語/中国語/広東語/ドイツ語/チェコ語)

 

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言語

├日本語吹き替え

 

【ソフト関連】

 

<BD>

 

言語

├オリジナル(英語/イタリア語/中国語/広東語/ドイツ語/チェコ語)

├日本語吹き替え

音声特典

├J・J・エイブラムス(監督)、トム・クルーズ(製作/イーサン・ハント役)による音声解説

 

<4K Ultra HD+BD>

 

言語

├オリジナル(英語/イタリア語/中国語/広東語/ドイツ語/チェコ語)

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