- 年収1/2時代の再就職 (中公新書ラクレ)/野口 やよい
- ¥798
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☆☆☆☆
この本はヤバイ。
この本を紹介するメッセージはひとつ。
「正社員は辞めてはいけない」
不況と構造改革が専業主婦を前提とした家庭の維持に
NOをつきつけている。
夫の給料がそんなに上がらない中、
小さな子どもがいても、生活のために再就職を目指す女性たち。
しかし、彼女たちの多くはパートや派遣、期間雇用などの非正社員として
働かざるをえない社会になっている。
そんな現実を鋭く多面的に切り取っている。
出産や育児のために、とりあえず退職を考えている人は
ぜひ読むべきだと思う。
HINKS (Half income with Kids) 。。。
子どものいる年収が1/2になった夫婦のことを作者はこう名づけた。
子育て、住宅購入の中心である若年・中堅世代の男性の経済力が脆弱になっている実態と
家庭と仕事に悩む母親の例が次々に紹介される。
もっとも、家事に協力的でないと、彼女たちの夫をせめても問題は解決しない。
彼らは、家事をもっと分担しようにもできないほど、過酷な働き方をしているのだ。
三十代の男性---小学校にあがる前の子どもをもつ父親の中心世代---は、
他のどの年代の男性よりも長時間働き、精神的ストレスも重い。
いっぱいいっぱいの仕事の状況の中で、精一杯の家事協力をしようとするある男性。
しかし、妻自身も余裕がないため、その夫の状況には気付かない。
日曜日に朝食を用意すれば、妻は「作りながら使った道具を洗えないなら作らないで」
と怒り、洗濯物をたためば「たたみ方が遅い」と目くじらを立てる。
「大変なことがあったら言って」と指示を待つと、「言われる前に気づいて動いてよ」と言われる。
また、育児の各種サポート制度が「正社員の女性が働き続けること」を支援する制度だと
本書は問題提起する。
まるで、制度整備の裏をかくように、企業は、その恩恵を受けられない非正社員として
女性の採用を増やしている。再就職する女性たちもまさにそうだ。
彼女たちが妊娠して、家庭と仕事の両立が困難な時期に突入すると、
企業は、サポートを与えるどころか、彼女たちを外に放り出す。そのうえ、
家庭責任を負った、いわば「傷物」の働き手として労働市場で安い値をつける。
行政が決める認可保育園の入園基準も、正社員の女性に照準が固定されたままだ。
傷物!!
使いにくい、売れにくい、傷物。。なんて寂しいんでしょう。
傷物として処分されるのを防ぐために
中絶という選択をする非正規社員が増えているという。
産むことによって生活が成り立たなくなるという不安から
とても哀しい選択をせざるをえない現実。
この非正社員への切り替えは若年男性層にも行われつつある。
少子化の背景には、若年層の経済基盤の脆弱性も大きい。
女性男性に関わらず、短時間勤務や自宅ワークなど
柔軟な勤務体系を選択でき、
一時期仕事を中断しても、再び働き始めることができるような
社会にしていくことがこれからは大切だと思う。
団塊世代が介護を必要とする年代になったとき、
今までのように残業の過小で仕事の能力や給料を判断するような
企業文化を変化させていきたい。
私にはいったいなにができるのだろう?
育児のための短時間勤務制度利用者として
堂々と仕事をしていくことはその第一歩だ。