- マザー・ネイチャー (上)/サラ・ブラファー・ハーディー
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- マザー・ネイチャー (下)/サラ・ブラファー・ハーディー
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☆☆☆
上下で900ページを超える大作。
参考文献やチ補注の数も半端ではない。
上巻では動物、主に哺乳類特に霊長類の研究からみた
生存競争における母親の役割についてが述べられる。
下巻では人間に焦点があてられ、
ヨーロッパやアフリカを題材に、子殺しなど
子どもを取り巻く環境が紹介される。
例えば、中世パリでは乳母という職業があり
長男や働き手以外の子どもについては
生まれてすぐに親のもとから、外に預けられる。
そしてその預けられた子どもの多くは死んでいた。
親は、子どもが死ぬことを想定して、外に預けるのだ。
それは、本当に当然のように。
アフリカでも、かつての日本でも
子どもを「間引く」ということは行われていた。
そもそも生きるために動物としては必要な行為だった。
母親なら子どもを愛して当然とされているが
ある調査によると、
生まれた直後に母子が密着していることにより
子どもを愛おしく思う気持がだんだん湧いてくるらしい。
もちろん、母子別室を否定するものではない。
人間だから、小さい子と長く一緒にいると
それを守りたいと思えてくるそうだ。
例えば、産んだ直後に子どもを要らないと思っている人たちの場合は
出産直後に母子を密着させることにより
そういう考えを撤回することが多いという。
逆に言えば、出産後、赤ちゃんをその手で抱くことなく
連れ去られてしまったばあいは
そんなに抵抗なく離れていくことができるらしい。
なんだろう。
要するに、母性とか母親の役割とかって
本能の部分ももちろんあるけれども
その時々の文化に影響されることがとても多いのだろう。
そして、大抵の文化では、男性が優位で
性欲・子作りの対象として女性をみるとすると
授乳中・妊娠中の女性は、そのような欲求には答えられないので
子どもを手元から放してしまうようなこともおきてくるようだ。









