こんな本、読んでます。 -9ページ目

こんな本、読んでます。

どれくらい本を読んでいるのか記録してみます。。

最高は☆5つです。

香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)/パトリック ジュースキント
¥770
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☆☆☆☆

舞台は18世紀のフランス。当時のパリは悪臭にまみれ
匂いをごまかすための香水はかかせない存在だった。
類まれな嗅覚をもつ主人公が、究極の匂いとして処女の乙女を求める。

5つの感覚のなかで、最も価値を感じにくい嗅覚に焦点をあてた物語。

普段の生活では存在感を感じにくいが
こんなにたくさん匂いってあるんだと、改めて気付かされる。


匂いの物語を文字という視覚情報で読む。
私は小説を読むと、頭の中で映像化して楽しんでいるのだが

匂いの再現はなかなか難しいということに気付かされた。

ふだん気をつけて感じていないということなのだろうなあ。

映画化されたということで、実写版をぜひみてみたい。

奇想天外な匂いの世界がどう描かれているのか。

監督がドイツ人で、ドイツ映画史上最高額の制作費がかかっているらしい。

18世紀パリの庶民生活もリアルに再現されているのかな?


映画版のHPはこちら

赤ちゃんと脳科学 (集英社新書 (0194))/小西 行郎
¥672
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赤ちゃんの発達と周囲との関わりについてを
脳科学的な立場からアプローチしている。
とても分かりやすく書かれており、読みやすい。

赤ちゃんは他と関わりながら成長していくというのが肝。
赤ちゃんが「アーアー」と語りかけるのに対し
周囲が「なあに」と語り返しをすることによって
言葉を習得し、行動を学んでいく。

テレビが子どもに与える影響についてにも触れられている。
一方的な受容状態になることにより、子どもが無反応になったり
評論家的な話方をするようになったり、
とにかく他との関わりが難しくなるようだ。

授乳やぐずり泣きをあやす最中など
ついついTVを見てしまうが
やはり、誰に聞いてもやめたほうがよいといわれる。
でもねえ、しっかり子どもと向き合うことが大切だと分かっていても
煮詰まるのよねえ。。
火車 (新潮文庫)/宮部 みゆき
¥900
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☆☆☆☆

カード破産を扱ったミステリー

宮部みゆき氏らしい作品だと思う。


丁寧な伏線の積み重ねと、それが集約される最終章。

何度も読み返してしまった。


「火車」とは仏教用語で

「生前、悪事を犯した亡者をのせて地獄に運ぶとされる、火が燃えている車のこと」だ。


本書の中で、人間は目の前を火車が通り過ぎていくのを

自分の前でとまらないように首をすくめてやり過ごすと表現する。

カード使用により破産状態までいってしまうのは、その本人だけが悪いのではない

誰でもが落ちうる地獄だというのだ。

そして借金を誠実に返済しようとする真面目で気弱な人が陥りやすい地獄だと。。


舞台設定が少し古いが、面白いミステリーだった。




スコーレNo.4/宮下 奈都
¥1,680
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☆☆☆☆

女心の描写が非常にうまいなあとというのが第一印象。


可愛い華やかな妹にコンプレクスをもつ学生時代

恋に悩む時代

商社に就職して名門の靴屋に配属され、孤独と適正に悩む

新入社員時代

そして商社に戻りイタリアへ靴の買い付けにいき仕事に開眼

恋人と出会う幸せな時代


様々な変化のある人生の一時期を切り取り

キラキラと輝かせている。


もちろんこれは小説なのだけど

こんな風に自分の人生を描くことができたらなと思う。


写真家に写真をとってもらうと、ハッとするような表情・構図で捕らえられ

こんなふうなんだと新鮮に感じることがある。

この著者に自分を書いてもらったら、同じように感じる気がする。


女性は共感する人が多いと思う。

これを読んだ男性の感想も聞いてみたい。


ブンナよ、木からおりてこい (新潮文庫)/水上 勉
¥460
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☆☆☆☆


有名な劇なだけに、小学生向けの童話だろうと、読んだことが今までなかった。

いや~、深い、とても深い含蓄のあるお話でした。

児童文学の枠を超えた名作。


トノサマカエルのブンナが、木に登って仲間に武勇をしめそうとする。

登った木の頂上が平らで、そこに土がたまっていたので一夜を過ごそうと

その土の中で寝てしまう。

じつは、そこは鳶の捕らえたエサの一時置き場だった。

そこにはすずめ、ねずみ、もず、へび、土カエルなどが次々と運ばれ、

そして連れ去られていく。

彼らがカエルの頭上で語る身の上話と、命に対する諦め、振り返り。。


自分が助かるために百舌を鳶に差し出したあと、すずめは泣きじゃくりながら許しを請い、言う

弱いってことは、わるいことではないよね、かなしいことだけど・・・・

わるいことではないよね。



文字文学としてはちょっと説教くさいかもしれない。

でも、単なる勧善懲悪ではない。

良いことをいう人でも、いざ自分が窮地に立つと他人を落としいれようとする。

でもそれは当然のことで、そういうことをわかっていなくてはいけない

という大人でも難しいことがある。

食物連鎖、食べ物の大切さ、人生の儚さ。。

いろんな要素がたっぷり入っている。


子どもが大きくなったら、少しづつ読んであげたい。




赤ちゃんのしぐさBOOK/小西 行郎
¥1,500
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☆☆☆☆


私、この本好きです。


ねんねのころ、おすわりのころ、たっちのころに大きく章立てされ

その頃の赤ちゃんのしぐさが、どのような意味をもっているのか、

どんなことを赤ちゃんが感じているのかを

簡単なことばで分かりやすく書いてある。


いろいろな原始反射も紹介されているので

生まれてたての赤ちゃんがいると余計に楽しめるという意味では

出産祝いにもお勧めです!


どうも私が紹介すると固くなっちゃうのだけど

読んでいて、「そうかあぁ~」「なるほど~」と赤ちゃんに共感し

とっても愛おしくなります。


文章に添えられている3コマ漫画もほのぼのといい感じ。

その漫画に共感しちゃいます。


赤ちゃんの遊びBOOKというのも同じシリーズであるようなので

そちらも読んでみますね。

長谷川恒男 虚空の登攀者 (中公文庫)/佐瀬 稔
¥980
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☆☆☆
アルプス三大北壁冬期単独登攀、アコンカグア南壁などを次々と成功させたものの
チョモランマ登頂は何度も失敗し、そしてそこに眠った長谷川恒夫。
彼がなぜ単独登山を志向するようになったのかを
当時の登山界の状況を綴ることにより浮かび上がらせている。
ノンフィクションであり、小説ではないので、少し断片的で分かりにくい部分もある。
長谷川恒夫を自己中心的だという人もいれば
とてつもなく暖かい心をもった人だと評するひともいる。
作者自身、どちらの立場にもなりきれないが故に
読んでいても少し心につかえる感じがする。

長谷川恒夫とザイルを組んだ人で、もう二度と一緒に登山はしないと

決意した人間は少なくないようだ。

一緒に山に登りたくないと言わせるほどの功名心や成功に対する執着が

長谷川にはあったのだろう。

長谷川にとって登山は、山が好きだとかいうレベルではなく、

自己実現に他ならなかったのかもしれないと感じた。


長谷川からは離れるが、昭和30年以降の登山界における

初登争いと、当時の高揚感を知るには良くまとまった本である。

赤ちゃんがピタリ泣きやむ魔法のスイッチ/ハーヴェイ・カープ
¥1,680
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☆☆☆☆☆

こりゃすごい本。

ミラクルブランケットという商品がある。

赤ちゃんをぐるぐる巻きにする布で、それで巻くと、

赤ちゃんが泣き止んでおとなしくなるという、私の周りでも使っている友人がいる。


そのミラクルブランケットがなぜ泣き止むのかというのが分かるし

それを買わなくても、この本の通りにすると、かなり上手に赤ちゃんが泣き止みました。


アメリカの小児科医が書いたものだが、

赤ちゃんは生後3ヶ月までは、本当は生まれてくるはずではなかった

という考えに基づいている。

本来ならまだ子宮にいるべき段階で生まれてきているので

子宮の状況になるべく近づけることで、赤ちゃんは安心するというのだ。


子宮の状況を再現するために5つのステップを提唱している。

赤ちゃんをくるむ、横向き/うつぶせの姿勢、「しーっ」という声、揺らし方、授乳である。

本の中ではそのやりかたを丁寧に解説している。

実践してみると、うちの子の場合は4ステップでスーッと眠りに落ちる。

うちの場合は、この本を読んでから、夫の方が寝かしつけが上手になった。


泣く赤ちゃんを持つご家庭必携の本です。



ひつじが丘 (講談社文庫)/三浦 綾子
¥660
Amazon.co.jp
☆☆☆☆

19歳という若さで、勢いにのって不貞な良一と結婚してしまった奈緒美。

そして彼らをとりまく人々。

酒や女に逃げる良一と、そこから離れるか離れないか心を揺らす奈緒美。

そして悲劇の結末。


もっと若い頃に一度読んだ記憶があるのだが

結婚した今になって読むと、

「愛することとは、許して許して許し続けることである」

というメッセージが心に響いてくる。


愛するという感情は、生まれてから今まで、実感したことがないかもしれない。

好きだとか、安らぐとか、一緒にいて心地よいとかは日々感じているが

それが愛するということなのだろうか、愛ってなんだろうという疑問は持ち続けている。

それに対するひとつの回答が、先のメッセージなのかもしれない。


そして、それを私が実践できているかというと否である。

成就することなんてないのかもしれない。

私という利己的な自分は、日々の疲れや体の不調、機嫌の悪さに流されて

いつもわがままに振舞ってしまう。

そこには、相手を許し続け、暖かく包むということはできていない。


読み返し続けることで心が浄化されていくような本です。



マーティン・ドレスラーの夢/スティーヴン ミルハウザー
¥2,100
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☆☆☆☆

ピュリツァー賞受賞作品。


舞台は19世紀末から20世紀初頭のニューヨーク。

マーティン・ドレスラーは葉巻商の息子からホテルのドアマンなどを経てホテル王へとのし上がっていく。

マーティンのホテルは増えていくにつれ、規模が大きく、一種奇怪なものへと変わっていく。


最初は出世物語のように進むが、次第に雲行きがあやしくなっていく。

マーティンのとてつもない想像力から生まれるホテル、そこには実際の公園や滝などが作られ

ひとつの世界をホテルの中に作ってしまおうという試みである。

そしてその試みはどんどん度を越えていく。。


物語の中に引き込まれ、自分もその世界をつくることに加担しているような感じになる。

その一方で、そんなホテルを作るのは間違えてるという違和感も感じる。

そして最後は無に帰る。。


アメリカの現代小説だなあという感じがした。