こんな本、読んでます。 -10ページ目

こんな本、読んでます。

どれくらい本を読んでいるのか記録してみます。。

最高は☆5つです。

穴 (ユースセレクション)/ルイス・サッカー
¥1,680
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☆☆☆☆

小学校高学年くらいの子ども向けの本かもしれないが

大人が読んでも十分におもしろい。

イェルナッツ家の人々は「まずい時にまずいところに」いたために、

代々苦しんできた。

スタンリー(イェルナッツ四世)もまた、無実の罪で砂漠にある少年院に送られ

毎日直径&深さ1.5mの穴を掘り続ける。

その作業は自己鍛錬のためというのは名目で、実は所長にはある目的があった。


伏線となる小話がときどき本筋の間に挟まれ、

最後にはそれが全て一点に集中するというのも「アハ」体験で楽しい。

なんだか元気になる冒険小説です。

こういうの無条件に好きだなあ。。

わたしを離さないで/カズオ イシグロ
¥1,890
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☆☆☆

ヘールシャムの私立学校では子どもたちが、世間から隔絶され、特別な存在として育てられている。

その中で育つ子どもたちの様子とその後がたんたんと書かれ

だんだん見えてくるその恐ろしい実態。


カズオイシグロ氏の想像力が自由に飛び回っているかんじ。

その書き方の淡々さが、逆に人間の怖さを感じさせる。



でかい月だな/水森 サトリ
¥1,470
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☆☆☆☆

第19回小説すばる新人賞受賞作。

満月の夜、突然友人の綾瀬に崖から蹴り落とされ、足に後遺症が残るほどの大怪我を負う。

そんな「ぼく」の前に中学校の同級生の理系オタクの中川や邪眼をもつ少女かごめが現れる。

ちょっと不思議な青春小説。


人を殺す理由として、「その人を殺すことによって、自分にとってその人は永遠に自分のものになるから」

という考え方がある。

その考えに共鳴してしまうのは危険かもしれないが

感覚的に分かる気がする。

対象を殺すことによって、その人の人生はそこで終わり、対象者は意志をもって行動できなくなる。

殺した人の知らないところで対象者が動き回ることがなくなるのだ。

殺した人は自分で対象者の人生を終わらせたことになり、その死を選択したことになる。

つまり、対象者を「自分のもの」にしたのだ。


綾瀬が「ぼく」を蹴り落とした理由はこれと同じだ。

綾瀬は父が母と別れて家を出て行ったとき、母に言われた。

「大切なものは、いつか壊れてしまうものなのよ。永遠なんてこの世にないの」

その直後、綾瀬は大切にしていたプラモデルの犬、ドラケンを壊してこう言う。

「お兄ちゃん、これでもう僕のドラケンに<<いつか>>はこないよ。」

それ以来、綾瀬は無意識に大切なものを壊してしまうようになった。

そして大切な友人も。。


大切なものを最初から壊してしまうことによって

終わりを逃れる。

そこが とてもせつない、とても哀しい




バベットの晩餐会 (ちくま文庫)/イサク ディーネセン
¥714

☆☆☆

絵画のような美しい小説。


ノルウェーのフィヨルドの山麓に住む牧師の娘2人。

かつては美しかったその娘のもとに、バベットという娘が女中にして欲しいと

たずねてくる。

そしてしばらくしてバベットは富くじで1万フランという大金を当てる。

バベットはその賞金全てを費やして晩餐を準備する。


その晩餐に集まった敬虔な信者たちは食卓で食べ物のことには触れてはいけないと

意識している。しかしその意識を超えて食べていることも忘れるほどその晩餐はすばらしいものだった。


その晩餐の光景はまさに絵画のように表現され

言葉の連なりでここまで表現できるのかと感嘆してしまう。


理解できるようなできないようなその描写に

映画化されたというのも頷けるし、映画を見てみたいと思った。


イン・ザ・プール (文春文庫)/奥田 英朗
¥500
Amazon.co.jp

☆☆☆

「笑うセールスマン」の小説版のようなかんじ。

思わずクスッと笑ってしまう。


風変わりな神経科の伊良部医師のもとにくるちょっと変わった患者たち。

プール依存症だったり、陰茎硬直症だったり、妄想癖だったり。。

意図してかどうかは分からないが、伊良部医師が彼らの症状を助長することを言い、

行き着くところまでいってしまってから患者自身がハッと気付いて

心の病が治るというパターン。

そんな短編が5つ収められている。


でも「笑うセールスマン」もそうだが、軽そうな感じだけど

なにか深いのよね。

具体的に言語化できないのが悔しいのだけど

さらっと一度では読み飛ばせずに、何回か読み直してしまう。


高野 優
高野優のはらはらニンプ分娩室

☆☆☆

出産に臨むにあたり、他の人の経験も知っておこうと読んだが

いや~、いろいろありますね。

まさに人それぞれ。


出産時にいっしょにウ○チをしちゃうなんて普通らしい。

よくその痛みは「鼻からスイカを出すよう」といわれるが

著者の表現は「180度のボーリング玉が産道を通るかんじ」。

なるほど。なんか想像できそう。

それでも著者も3人の子持ち。


中には超安産の人の体験談も載っているが

そうだといいなあ。

陣痛の痛みをほとんど感じない人もいるらしい。すげー。


大橋 由香子, プロジェクトY
キャリア出産という選択―35歳からの妊娠・出産を応援する

☆☆☆

35歳以上で妊娠出産した人の体験談をまとめた章と

出産に関連するトラブル等をまとめた本。


出産をすこしでも考える30歳以上の方に読んでほしい。

こどもは欲しいと思っても授かるものではなく

授かっても無事に生まれるということは確実ではない

そういうことを知って欲しいと思う。


村上 信夫
村上信夫メニュー帝国ホテルスペシャル

☆☆☆

村上信夫のレシピ集かとおもったら、そんなことはなく

帝国ホテルのレストランからみた歴史を綴ったものだった。

帝国ホテルってリッツよりも歴史が古かったのね。知らなかった。


現イギリス女王エリザベスII世、全世界を悩殺したマリリン・モンロー、フォード元アメリカ大統領、喜劇の王様チャールズ・チャップリンなど、各界の著名人が帝国ホテルを訪れ、食事を召し上がる。

そのメニューの美味しそうなこと。。


今、東京には数多くのレストランがあり、新しい高級ホテルもじゃんじゃんできている。

美味しいものを食べようとしたときに、なかなか帝国ホテルは選ばない。

ホテルに入っているなだ万には行ったことあるけど。。

でもこの本を読むと、一度くらいホテルのグランメゾンで食べてみようかなと思った。



室井 佑月
子作り爆裂伝―産んでやろうじゃないの 育ててやろうじゃないの

☆☆☆

ワイドショーのコメンテータでおなじみの室井さんの本。

室井さんってシングルマザーじゃなかったっけなあと

旦那との子作り模様を読んでいて心にひっかかっていたが、

あとがきに、実は旦那が妊娠中に浮気をしていて分かれたとあり納得。


彼女の小説とは違って、本書の書きっぷりはワイドショーと同じような

切れ味で面白い。

子作りから妊娠、出産の体験まで、まさに赤裸々。

なんだか出産に向けて勇気がでてくるかんじだった。




三島 由紀夫
暁の寺

☆☆☆☆


三島由紀夫という人は、性的政治的etcいろんな意味で抑圧を感じていたのではないか

本書を読みながらそう思った。


豊饒の海4部作の3作目。

春の雪で夭逝した松枝は、政治信念をもって自害した青年を経て、本書では月光姫の生まれ変わりとして

登場する。しかし本書の主人公はあくまで老年期に入りかけた本多である。

人間的に熟してきた本多の目を通して、人間の様々な側面を描こうとしているように感じられた。