- 長谷川恒男 虚空の登攀者 (中公文庫)/佐瀬 稔
- ¥980
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- ☆☆☆
- アルプス三大北壁冬期単独登攀、アコンカグア南壁などを次々と成功させたものの
- チョモランマ登頂は何度も失敗し、そしてそこに眠った長谷川恒夫。
- 彼がなぜ単独登山を志向するようになったのかを
- 当時の登山界の状況を綴ることにより浮かび上がらせている。
- ノンフィクションであり、小説ではないので、少し断片的で分かりにくい部分もある。
- 長谷川恒夫を自己中心的だという人もいれば
- とてつもなく暖かい心をもった人だと評するひともいる。
- 作者自身、どちらの立場にもなりきれないが故に
- 読んでいても少し心につかえる感じがする。
長谷川恒夫とザイルを組んだ人で、もう二度と一緒に登山はしないと
決意した人間は少なくないようだ。
一緒に山に登りたくないと言わせるほどの功名心や成功に対する執着が
長谷川にはあったのだろう。
長谷川にとって登山は、山が好きだとかいうレベルではなく、
自己実現に他ならなかったのかもしれないと感じた。
長谷川からは離れるが、昭和30年以降の登山界における
初登争いと、当時の高揚感を知るには良くまとまった本である。