ポーランド 金融市場 ( Republic of Poland ) -8ページ目

2年債入札大活況となるも 財政赤字警告が頭を抑える


昨日のポーランド債券市場、2年ゼロ・クーポン国債の入札が実施された。結果は、

ポーランド国債落札結果

平均利回り

応札額 (Bil)

落札額 (Bil)

倍 率

2年債

0709

0.00 %

07-25-2009

4.494 %

6.582 Bil

1.0 Bil

6.58

発行総額 10億ズロチに対し、45億ズロチの応募を集め、その倍率はなんと 6.58倍。 

昨年 12月の同銘柄落札倍率は 2.74倍であったことから、最近のズロチ高、同国の

低インフレ、および2012-13年にポーランドがユーロ導入に踏み切る可能性が高くなった

ことで、ニーズが急速に高まった可能性が現れたものだと思われる。

ただ既発債市場と為替はまちまちの動きとなった。 これは先週からそのニュースが流れて

いたように、欧州委員会がポーランドに対し、早急な財政赤字削減を要望する書簡を送った

ため、これが同国金融市場の頭を抑えることになった。

欧州委員会はポーランドが欧州連合に加盟した 2004年当時、2007年までに同国財政

赤字を  GDP + 3.0 % 以下に抑えると確約をしたものの、昨年 2009年までに

+ 3.0 % に誘導すると承諾なく変更したことを憂慮。 再度 8 27日までに財政赤字

削減のため具体的な行動を示し、年末までに + 3.0 % の基準を達成するよう要請した。

欧州連合加盟諸国における財政赤字基準未達成国に関しては、今月 27日に開催される

欧州財相会合で主議題として取り上げられることになっている。

ポーランド政府による財政赤字削減計画 (含、年金改革費用) は現在、

2006: + 3.9 % 2007: + 3.4 % 2008: + 3.1 % 2009 + 2.9 %

となっている。

ポーランド金融市場は好調な 2年国債の落札結果を受け債券・為替市場は活況な

動きとなったが、この財政警告の報道が流れた直後からズロチは対ユーロでジリ安。

3.860 を頭に徐々に売りを集め引けは 3.880 手前まで崩れていった。

債券市場もズロチの利益確定売りと平行し売りが目立ち始め、為替安を受けやすい 2年債は

+ 2.0 bp10年債は + 1.0 bp それぞれ前日比利回りを押し上げて引けている。

米ドル/対 円 :  120.65円  + 0.55       02年債:  4.49 % + 2.0 bp

ズロチ/対 円 :   40.50円  + 0.23     10年債:  5.17 % + 1.0 bp

ズロチ/対米ドル:   2.9875  + 0.005    原油価格:  $ 57.71  - 1.17

ズロチ/対ユーロ:   3.8775  - 0.019     金価格:  $657.30  - 1.40


スクシペク総裁の発言でズロチ上昇。 対ドル 3.00をブレーク


エマージング諸国の通貨が 2極分化し始めている。  外部的要因と内部的要因を材料に

各国通貨への嗜好が鮮明に出始めたような一週間のスタートとなったようだ。

ポーランド・ズロチは終日堅調。 週末スクシペク・ポーランド国立銀行総裁が、ユーロ導入

目標年限こそ明示しなかったものの、「その可能性として 2012年もしくは 2013年になるで

あろう。 またか通貨統合加盟条件は、近年度中に達成可能である」と述べたこと。 

さらに 「もし必要であれば、金融引き締めに投票するであろう」 と発言したことが買い材料。

為替市場は寄付きから上記スクシペク総裁のコメントを好感。 これまで同総裁はインフレ

抑制より景気刺激を重要視すると見ていたが、タカ派的発言とユーロ導入を視野に入れて

いることに対し、金融市場はこれを評価。 ズロチは終日買いを集め対ドルで再び 3.000

大台をブレーク。 金曜日に打ち込まれた分を取り戻し、2.9840 とほぼ高値で引けている。

一方ポーランド中銀政策メンバーの一人であるニェクカーツ理事は、「ポーランドのインフレは

中銀ターゲットを下回っており、年内利上げの必要性はないと思われる。 仮にインフレが低い

まま推移するのであれば、インフレ予防措置としての利上げは正しい方向ではない」と発言。 

市場の一部でも、賃金上昇は見られるものの、引き続き高い失業率、ズロチ高、世界的な

価格競争力激化で輸入製品の値下げが広まる中、ポーランドのインフレは当面低位推移する

可能性を示唆する声も依然根強い。

ポーランド債券市場はズロチ高に支えられ、利回りは低下。 短期債で 1.5 bp 強、10年債は

2.5 bp買いを集めて引けている。

米ドル/対 円 :  120.15円  - 0.85      02年債:  4.48 % - 1.6 bp

ズロチ/対 円 :   40.26円  + 0.08     10年債:  5.17 % - 2.5 bp

ズロチ/対米ドル:   2.9839  + 0.028    原油価格:  $ 58.74   - 0.28

ズロチ/対ユーロ:   3.8585  + 0.046     金価格:  $656.10 + 4.60


スクシペク・ポーランド中銀総裁、初の記者会見


今年 1 10日にポーランド中銀に就任したスクシペク総裁、2 3日土曜日 総裁就任後

初の記者会見を持ちユーロ導入について語った。

スクシペク総裁は、「ポーランドは2009年に通貨統合の条件をほぼ満たすであろう。 また

ユーロ導入は2012年もしくは、2013年になろう」と、ポーランドの通貨統合に対する姿勢を

表明。 しかしながら 「通貨統合に対する目標年は作らないほうが良い。 ポーランド中央

銀行は2004年から各種ケースを想定して通貨統合の議論を進めてきたが、結果ポーランドが

通貨統合条件である各項目に対して、充分な基礎体力をつけたときに参加するのが最も

望ましい」と、具体的通貨統合年の目標を依然持っていないことを示した。

その理由として、「統合年を目標を作り、ポーランドが何らかのことでその参加条件を満たす

ことが出来ず計画の先延ばしをするより、ポーランドが基準を達成した時に参加を表明を

するほうが望ましい手段だ」とし、「ユーロ導入でその恩恵を受けたアイルランドやスペインの

ような国がある反面、イタリア、ドイツギリシャのように通貨統合で不利益を受けた国もある。

 通貨統合は充分議論を重ねなければならない」と、今後も目標年の設定をする意思が

ないことを述べている。

これは充分に予測された見解で、以前からポーランド政府は通貨統合の具体的日時を

示していなかった。 財政赤字削減を急務とした場合、ポーランド経済の鈍化を招くと平行し、

ポーランドの政局が非常に不安定な連立政権を形成していることで、増税などの選挙

公約が即政党縮小に繋がることを避けたいためである。

経済の急成長で国力が徐々に増しているポーランド。 通貨統合基準達成条件クリアに

もう時間の問題だとは思われる。 ただ年金改革費の財政赤字算入も 4月に近づいている

こともあり、同総裁としても慎重な言い回しを採らざるを得ないようだ。

カチンスキー大統領の肝入りで就任が決まったスクシペク総裁、今後も通貨統合に関しては

オブラートで包まれたような発言が続く可能性が大きいと思われる。

米ドル/対 円 :  121.00円  + 0.15      2年債:  4.49 % + 0.5 bp

ズロチ/対 円 :   40.18円  - 0.16    10年債:  5.19 % + 1.4 bp

ズロチ/対米ドル:   3.0122  + 0.017    原油価格: $ 59.02 + 1.72

ズロチ/対ユーロ:  3.9043  - 0.004     金価格:  $652.90 - 10.10


欧州委員会、ポーランドに対し財政赤字改善を要求 ①


1 31日に開かれた米国 FOMC で政策変更が無かったことから新興国金融市場は軒並み

反発したが、唯一ポーランドは欧州委員会からの財政赤字削減急務の課題提供を受けて

債券市場は反落した。

オウシアク (Owsiak) ポーランド国立銀行政策理事は日刊紙とのインタビューで、「今年の

ポーランドのインフレは + 2.0 % を下回った水準で推移すると予測され、年内の利上げの

必要性はないと思われる。 仮に行動を起こすとすれば、年末近辺になろう」とコメント。 

この記事と各国新興金融市場の反発を受け、ポーランド金融市場およびズロチは寄り付きから

暫く軽やかな動きのトレンドが続いた。

しかしながら朝の喧騒が収まり始めた頃、今度は同国立銀行理事 3名がまったく逆の意見を

発信。 まずワシレウスカ・トレンクナー理事が、「ポーランド中銀は利上げを早急に行うべきだ。

その時期は第 1四半期もしくは今年上半期と思われる」と述べ、午後に入りポーランド中銀内で

最もタカ派と言われているノガ理事は、「2008年のインフレ・ターゲット数値を超えインフレが過熱

するのを防ぐためにも、ポーランド中銀はすぐにでも利上げを考慮に入れるべきだ」とコメントして

いる。

同様にクゼカイ理事も、「ポーランドのインフレ圧力は依然低いものの、景気拡大に伴う需要増で

物価が毎月上昇傾向にある。 中央銀行は速やかな金融引き締めを考慮するべきだ」と述べ、

今後同国のインフレ上昇に警鐘を与えている。

尚昨年 10,11月に開催されたポーランド中銀政策決定理事会の結果が公表されたが、

6 4 で金融政策据え置きとなり、反対した 4名の理事は 25 bp の利上げを唱えていた。

  また昨日発表された経済指標は、


  

ポーランド

前月比

前月比

1

Manufacturing PMI

53.8

12

53.5

と、ポーランドの製造業は引き続き高い伸びを示しており 2005 6月から 20ヶ月連続の

上昇。今年も 6.0 % に近い経済成長率を達成するトレンドに乗っているようだ。

さらに昨日はポーランド中銀が同国インフレ見通し改定値を発表。 同報告書によると、今年の

インフレは第 2四半期に中銀ターゲットのミッド・レンジである + 2.5 % に近づき、12月に

一段と上昇すると見ており、賃金の上昇、雇用市場の改善、設備投資の増加が月毎に増加する

のが主要因としている。

仮に利上げを実施しなかった場合、2007年第 4四半期から加速し、2009年後半には中銀の

ターゲット・レンジ・バンドである + 1.5 % + 3.5 % の上限を超える可能性が高いと予測して

いる。

                                              - to be continued -



欧州委員会、ポーランドに対し財政赤字改善を要求 ②


上から ↓


午後に入りポーランドにとってマイナーなニュースが流れた。 欧州委員会はポーランドに対し

財政赤字の一層の削減を要望する書簡を来週送付することを決定。 同国政府は 2009年に

財政赤字を対GDP比で + 3.0 % 以下に誘導するとしているが、欧州委員会はこれを前倒しし、

少なくとも2007年末までにこの基準を達成することを推奨する予定である。 

ポーランドは 2004年に欧州連合に加盟したが、当時欧州委員会との間で 2007年までに財政

赤字基準達成を 2007年にすると確約していた。 ところがその後財政赤字削減が計画通りに

進まなかったこともあり、ポーランド政府は一方的にその基準達成年度を 2009年に変更。 

欧州委員会は年限延長は認められないとし、書簡送付に至った模様。

現在ポーランドは年金赤字改革費用を財政赤字総額から除外して計上。 欧州連合参加時に

特例として認められているものの この有効期限が今年 4月に切れ、その後総赤字額に

算入しなければならない。

このため現在ポーランドが発表している昨年の財政赤字対 GDP比見積もり数値

+ 2.8 + 2.9 %が一挙に + 3.9 % 前後に膨らむことになる。

ただポーランドは年金改革費用を含めた財政赤字計画を 2006 + 3.9 % 2007 + 3.4 %

2008 + 3.1 %、そして 2009年に基準を下回る + 2.9 % としているため、来年 2008

には基準に僅差の数値となっている。  欧州委員会はこの計画を一年前倒しし、2007年末に

改定することも決して不可能な数値ではないと試算していると思われる。

なお、ポーランドおよび財政赤字問題を抱えた他の欧州諸国に関しては、2 27日に開催

される欧州財相会議で主要議題として取り上げられることになっている。

昨日のポーランド金融市場、寄り付きはしっかりした動きが続いたものの、午後から米国金利の

上昇と相次ぐ中銀理事のタカ派コメント、さらには同国財政赤字問題がマーケットを直撃。

ズロチは対ドル・ユーロともに反落し、債券市場も同様に冴えない動きに反転。主要新興金融

市場が総じて買い上げられる中 唯一売りが先行し、 2年債で約 3.0 bp10年債は約

2.0 bp 利回り上昇で引けている。

米ドル/対 円 :  120.85円  + 0.10      2年債:   4.49 % + 2.9 bp

ズロチ/対 円 :   40.34円  + 0.06    10年債:   5.18 % + 1.8 bp

ズロチ/対米ドル:   2.9948  + 0.008    原油価格: $ 57.30 - 1.78

ズロチ/対ユーロ:   3.9000  + 0.003   金価格:   $625.90 - 1.00


予想以上の賃金上昇で、ズロチ・債券は売られる

一昨日発表された 12月の CPI  年率 + 1.4 % と落ち着いた数値で金融市場に好感

されたが、昨日発表になった 12月の平均賃金は逆に予想以上の上昇となり、市場を

あわてさせた。

    

 

ポーランド

前月比

前年比

前月比

前年比

12

平 均 賃 金

+ 9.7 %

+ 8.5 %

11

+ 3.8 %

+ 3.1 %

    

市場予測の平均は前月比 + 6.3 % であったが、実数値それを大きく上回る + 9.7 % 。 

これは主にボーナスの支払いが影響した季節的要因となっているものの、当初見込みより多く

支給されたと思われる。

アナリストの一部は、大幅な景気拡大が続くポーランドにおいて人手不足が生じ始めていると

見る向きもあり、今後賃上げカーブがこれまで以上に上昇するのであれば消費需要を拡大させ、

インフレが芽生えるのではないかと予測する向きもある反面、12月はボーナス支払い時期であり、

一時的な要因。インフレに結びつくことは当面無いとする意見と 2つに分かれている。

チェカイ・ポーランド中銀理事は新聞記者とのインタビューで、「ポーランドのインフレが中銀

ターゲットの下限レンジに入っているため、利上げの必要性は見当たらない。 ただ年間を通じ、

需要増から来るインフレ圧力は増加するであろう」と述べ、「現在利上げを討議する段階ではない。

一部少数派の中銀理事が騒いでいるだけである」と、利上げ主張を唱える理事を批判している。

同氏コメントからも判断されるようにポーランド中銀は当面金融政策を据え置く公算が強く、市場

では金利引き上げは早くても第 2四半期に入ってからと予測しているようだ。

ちなみに今年のポーランドの成長率は第 4四半期で + 6.0 % を上回ると予測されている。

昨日のポーランド金融市場、賃金上昇が予測を大幅に上回ったこと。 一昨日の 安定した CPI

発表後大きく買われた反動も現れ、利益確定売りが先行。 債券市場は小幅ながら下落して

引けている。 10年国債は 1.8 bp 利回り上昇の + 5.20 %

米ドル/対 円 :  120.80円  + 0.35      2年債:  4.42 % + 0.4 bp

ズロチ/対 円 :   40.12円  - 0.120  10年債:   5.20 % + 1.8 bp

ズロチ/対米ドル:   3.0102  + 0.018    原油価格: $ 51.21 - 1.78

ズロチ/対ユーロ:   3.8888  - 0.017   金価格: $625.90 - 1.00

12月 CPI 中銀のターゲット以下で、債券・為替とも急騰

週明け 15日のポーランドでは、12 C.P.I. が発表になった。

    

 

ポーランド

前月比

前年比

前月比

前年比

12

C. P. I.

- 0.2 %

+ 1.4 %

11

unch

+ 1.4 %

11月同様前年同月比で + 1.4 % と、ポーランド中銀のインフレターゲットである + 1.5 %

(+ - 1.0 %) のミッド・レンジを下回る数値となったが、これは燃料費の下落 ( - 6.3 % YY) と、

年末を迎えバーゲン・セールで衣料品価格 ( -7.2 % YY) が大幅値下げになったこと。 

またズロチ高も同国の低インフレに寄与。 市場予測であった + 1.6 % を下回り、前月比は

– 0.2 %減となった。

同国財務省は今年のインフレを + 1.8 % + 1.9 %、ピーク時を + 2.1 + 2.2 %

予測しているが、昨日の見解では、この予測を下回る可能性が大きいと発表している。

一方ポーランド中銀関係者によると、同中銀の過去 3回の月例政策委員会で政策決定メンバー

10名の内 常に 6 4 で政策変更据え置きが決定されているとコメント。

利上げに賛成しているのは、バルセロビッツ前総裁を筆頭に、フィラー、ノガ、トレンクナーの

3理事とのこと。 今月からハト派的考えを持つスクシペク新総裁となったこともあり、利上げ

主張派は最大で 3名となることもあり、少なくても第 1四半期は金利据え置きとなる公算が

高いようだ。 

さらに同国のインフレが今後低位推移する可能性も強くなってきたため、今年後半には利下げ

議論が出てくるかもしれない。

ポーランド金融市場はインフレ低下の発表を受け、債券・ズロチとも上昇。 2年債は前週末比

6 bpも利回りが低下するという、大幅高で引けている。

なお今週水曜日に、5年ポーランド国債 25億ズロチの入札が実施される。 

発行額は計画レンジ内。

 米ドル/対 円 :  120.45円  + 0.10      2年債:  4.41 % - 6.0 bp

 ズロチ/対 円 :   40.24円  + 0.06  10年債:  5.23 % - 4.7 bp

 ズロチ/対米ドル:   2.9928  + 0.002    原油価格: $ 52.80 - 0.19

 ズロチ/対ユーロ:   3.8720  - 0.009   金価格: $627.60 +0.70



ポーランド金融市場は 安定 こじっかり

週末のポーランド金融市場は、新興市場各国の為替が反発したこと。 ポーランド中銀

総裁が正式に決定したこと。 ロシアからのパイプ・ラインによる原油輸送に目処が

ついたとなどから、欧州主要債券市場が総崩れする中、終日安定した動きに終始した。

先週木曜日から新しく就任したスクシペク・ポーランド中銀総裁、土曜日の日刊紙に

「我々は中央銀行の完全独立と平行し、今後政府と協力していく方法を模索する

予定である。 現行法のもと中銀の独立は守られているが、我々は政府のパートナー

として完全な協力体制を確立しなければならない」との見解を表明。 早くも過去完全

独立を唱えていたバルセロビッツ前総裁と異なる見解を示している。

またスクシペク総裁はユーロ導入時期に関し、「ズロチからユーロへの転換は、政府の

決定に委ねる」とし、「今後ポーランド政府がどのように考えるかにより、中銀は行動

する」と、通貨統合参加には、中銀独自の考えを持たないことを示しているようだ。

さらに同総裁は、今後の金融政策舵取りに関してはコメントを拒否。 ただ「バルセロビッツ

前総裁は非常に尊敬しているが、前総裁と自分の考え方には相違点がある」と述べ、

これまでのインフレ抑制政策から、景気刺激策に舵取りを変える表現と受け止められている。

同様にプルスキ・ポーランド中銀上級取締役は、「通貨統合はポーランド経済にとって

有益であるかどうか精査する必要があり、直ちに導入するのが正しいかどうか討議する

べきである。 政府が目標としている2009年の参加予定に合わせ、財政政策を大きく

変更することには弊害が出よう。 また通貨統合のために中銀として急激な政策変更の

必要性はない。」と、通貨統合に対し今後ポーランド中銀そのものが、同総裁、および

政府と同一の考えを持っていることを示した。

一部市場関係者は、これまで金融政策や通貨統合に関し厳格であったポーランド中銀の

信用性が崩れてくるのではとの懸念を示す意見も出ている。

米ドル/対 円 :  120.35円  - 0.05      2年債:  4.47 % - 2.3 bp

ズロチ/対 円 :   40.18円  + 0.180  10年債:  5.23 % + 1.7 bp

ズロチ/対米ドル:   2.9947  + 0.016    原油価格: $ 52.99 + 1.11

ズロチ/対ユーロ:   3.8711  + 0.009   金価格: $626.90 +13.50

スクシペク・ポーランド新中銀総裁、議会で承認


ポーランド中央銀行の次期総裁にノミネートされたスクシペク氏、昨日ポーランド

下院で承認投票が行われ、 239 202 票で可決となった。 これで本日現地

時間午前 09:00 am から正式にポーランド中銀総裁として就任することになる。 

同氏の経歴は官公庁勤務を経たあと、ポーランド PKO Bank 国営銀行総裁に就任。

金融政策を司る中央銀行での経験は初めてとなっている。

さらに前任のバルセロビッツ総裁がインフレ抑制に重点を置いていたのとは対照的に、

ポーランドの経済成長と雇用を重視。 通貨統合に関しても国益にかなう事が証明

されれば参加を決定すれば良しとするハト派的および政府寄りの考えを持っていると

されている。

一方石油供給が 2日前から停止されていたパイプラインは、ベラルーシが近く再開を

すると表明したため、当面の危機は早期回避が可能になった模様。

 昨日のポーランド債券市場は、10年国債の入札が実施された。

ポーランド国債落札結果

平均利回り

応札額 (Bil)

落札額 (Bil)

倍 率

10年債

1017

5.25%

10-25-2017

5.234 %

4.148 Bil

1.8 Bil

2.30

昨年10月に実施された同一銘柄の倍率は 2.43倍。今回の入札はエマージング

各諸国の金融市場が軟調推移の中の入札であったにもかかわらず、 2.30倍の

落札倍率は良好な数値と思われる。

なお平均落札利回りの 5.243 % は、前回の 5.483 % から 24 bp その利回りを

押し下げている。

また近日中に発行予定の 15 ユーロ建てポーランド国債、発行額は最低

10億ユーロ、 Midswap + 18 bp 西側諸国主要 15年国債利回り + 36

+ 37 bp で発行される予定。

昨日の同国・債券・為替市場はまちまちの動きの中、ほぼ横ばいで引けている。

 米ドル/対 円 :  119.55円  + 0.20      2年債: 4.53 % + 0.1 bp

 ズロチ/対 円 :   39.90円  unch    10年債: 5.23 % + 2.4 bp

 ズロチ/対米ドル:  2.9960  - 0.007   原油価格: $ 54.02 - 1.62

 ズロチ/対ユーロ:  3.8765  + 0.008    金価格: $613.40 - 1.60



ポーランドを巡る 2つの課題  その 1

新年早々、ポーランドは 2つの課題を抱えてしまった。 一つは原油輸入問題であり、

そしてもう一方は新中銀総裁である。

 

 まず原油輸入問題。 ロシアは東欧諸国の中で比較的友好関係の続いていたベラルーシに

対し、昨年末に天然ガス供給ストップをちらつかせながら値上げを要求。 交渉期限であった

11日午前零時の 2分前に決着したものの、従来 1,000立方メートルあたり 46.88ドル

であったロシア産天然ガス価格を一挙に 105ドルへと倍以上の値上げを通告し、今年 1

1日から実施することで合意した、というより余儀なくした。

ソ連崩壊以降もベラルーシとロシアは深い繋がりが続いていたのであるが、その後ルーブル

通貨圏使用グループ形成や政治体制再構築でその関係が徐々に悪化。 市場ではこの

報復措置としてベラルーシに天然ガス供給価格の大幅値上げを突きつけたと見ており、

昨年 1月には同様にウクライナに対して供給ストップを実施している。 さらにロシアは

アルメニア、アゼルバイジャン、モルドバ、グルジアへのガス価格の大幅値上げを実施

しており、今回のベラルーシとの合意は今後も段階的に値上げを実施し、 2011年には

欧州西側諸国向けの水準である 293ドル近辺までの値上げを通告している。

ベラルーシはその天然ガスや原油輸入のほぼ大半をロシアに依存しており、9.5 %

成長を遂げている同国にとっては大打撃となる可能性が高い。

ところがベラルーシは年明け早々ロシアに対し反撃を開始。 同国経由で西側諸国に

供給されるロシア産天然ガスおよび原油輸送に対し通関輸出入税をかけるとロシアに

通告。 さらに 1 8日にベラルーシパイプ関連会社は東・西欧 3カ国に対しパイプ

ラインの輸送停止を発表した。

この動きに反発したロシアは、「6日以降ベラルーシは何の相談も無く原油を抜き取って

いる」と非難。結局ロシア自らが原油供給停止を実施するという暴挙に出た。

このとばっちりを受けたが、ドイツ、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキアそして

ウクライナの 6カ国。 ロシアから伸びるドォルジュバ原油パイプラインはベラルーシで

分岐され、一方がポーランドとドイツ、もう一方がウクライナ、スロバキア、チェコ、

ハンガリーへと続く世界最長のパイプラインであるが、8日以降原油輸入がストップした

ままになっており、欧州委員会は「供給責任を果たしていない」とロシア、ベラルーシ

両国に強い非難声明を出した。

さらにロシアはパイプ・ラインによる原油輸送に保証が出来ず、代用輸送手段も持って

いないため、今後原油産出の削減の可能性を示唆している。

現在ポーランドは約 80日分の原油備蓄があり、今日明日に枯渇することはないとし、

海上輸送に切り替えるとしてはいるが、供給再開のめどが立っておらず、また将来

同様の事件が発生するのであれば成長が著しいポーランド経済に打撃となる

可能性が残っている。 

なお、現在ポーランドは総原油輸入の 7割強をロシアから調達している。



*** 下へ続く ***