伊豆・展望と薮の玄岳日帰りハイキング(玄岳~函南駅) | 単独行者の山行録

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歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

山頂からは期待していた通りの大展望が広がっていた。
登山口から一時間少々なので、熱海観光とセットで訪れるのも良さそう。
後から同じバスに乗っていた登山者が数名やって来たが、それでも6名程度。
土曜日なのに混雑もなく、穴場的な山だった。
西側の眺望。
富士山やその手前に今年最初に訪れた愛鷹山
弧状の海岸線が美しい駿河湾や沼津、三島等の市街地、遠くに南アルプス南部の聖岳や大無間山等も遠望できる。
駿河湾と昨夏訪れた沼津アルプス(静浦山地)の山々。
左奥は金冠山や達磨山など。
沼津アルプス拡大。
あちらも標高が低くエスケープルートも多数、交通の便も良いので寝坊した日のお気楽山行に大変おすすめ。
北側には箱根山の中央火口丘と周辺の外輪山。
三国山や写真では見にくいけど、アンテナ塔がある丸岳なんかも見える。
東側からは相模湾上に初島や眼下に熱海市街地、遠くに伊豆大島を望むことができる。
360°の展望を謳ってはいるけど、南側は笹藪の障壁の向こうに天城山主脈の稜線の頭部分が僅かに見える程度でイマイチの眺め。
でもまぁ南側を除けば十分贅沢な眺望なので良しとしよう。
因みに天城山は先の台風15号、19号の影響で通行止めなのだとか。
今秋訪れようと考えていただけに残念。
南西の西伊豆の山々。
玄岳山頂の展望(西~北東にかけて)

ピストンだとあまりにもショボく味気も無いため復路は函南駅までロングコースを歩く。
西側のコースも実線コースなので問題ないだろうと高を括っていると・・・。
往路とは対照的に笹藪が刈り払われて整備されている。
正面に大パノラマを望みながらの快適な下り道だ。
とは言え、刈り方は結構杜撰なので怪我に注意が必要。(私は尖った笹が膝にぶっ刺さって出血しましたw)
途中で方向を変えて北東方面へ。
伊豆スカイラインや熱海の市街地や真鶴半島、眼下に氷ヶ池が見える。
間もなく伊豆スカイラインの車道に出て眺望目当ての観光客で賑わう富士山の展望台へ。
玄岳周辺のスカイライン沿いには駐車場が複数あり、スカイラインから登れば10分足らずで山頂まで登れてしまう。
それ故山頂の混雑を心配していたのだが、杞憂に終わって何より。
スカイライン沿いの陽当たりの良い場所にはマツムシソウの群生が。

スカイラインの車道を渡った辺りで登山道が途絶え、少々困惑。
東側に尾根が見えたので、登山道が続いているものと目星をつけて車道沿いに歩いていくと、予想通り踏み跡を発見。
道標等は一切無いのでご注意。
ススキの穂が風に靡いて美しい。
正面には箱根の山も。
美しい、確かに単なる風景ならば美しいススキの草原の景色なんだけど、れっきとした登山道。
どう考えても実線コースとは思えないほどの薮の密度で、道と思しき僅かな切れ目を辿って藪の海を漕いでいく。
もう薮、薮、激薮。
途中で脳裏に絶対に登山道じゃないな。という疑念が生じたけど、すぐ近くに交通量の多いスカイラインが通ってるし、人の生活圏内にある山なので、遭難等の心配は全く無かった。

笹藪を抜けると氷ヶ池との分岐へ。
とりあえず、道は合っていたようで一安心。
氷ヶ池に寄るつもりだったけど、そちらも薮が酷くて行く気になれず、早々にこの薮の海から脱したいとばかりに下山口の丹那方面へ進んでしまった。
今思えば氷ヶ池は分岐から十数メートルの距離なので、面倒がらずに寄れば良かったと思う。
まぁ、気楽にいつでも来れる山だし、またの機会の楽しみとしよう。
笹藪を抜けたかと思えば笹の狭い通路へ。
道は明瞭だけど、両側から笹の壁が迫ってきていて圧迫感を感じる。
途中、右手に笹の壁が途切れている箇所があり、そこが分岐点になっているので見落としに注意が必要。(直進する登山道の方が明瞭で間違いでは無いけど、函南駅まで歩く場合はやや遠回りになる)
分岐を逸れた辺りは踏み跡は薄く不明瞭ではあるが、一定間隔で比較的新しいピンクテープがあり、見通しの利く植林なので、迷うことは無いだろう。
進むにつれて徐に道も明瞭になっていく。
県道11号沿いの登山口に到着。
交通量がかなり多いので、渡りたいけど中々途切れない。
玄岳登山口からは未知の土地をお散歩を兼ねて函南駅までロングコースを歩く。
知らない土地を散策するのは楽しいもので、登山後は時々このように余計に歩いてしまう。
田園風景と富士山・愛鷹山の遠望を見ながら丹那盆地へ下っていく。
牧場の仄かな匂いが漂ってきたかと思えば、牛舎と奥にホルスタインが。
丹那盆地に広がる田圃の風景。
北海道を想起させるような広大な田圃と長い直線の道が続く。
玄岳を振り返る
酪農王国オラッチェ
二十数年ぶりに見掛けたトノサマバッタ。
この日一番テンションが上がった瞬間(笑)
次点で玄岳からの眺望
丹那盆地を過ぎると長い長い一般道。
退屈な区間が暫く続くだけでなく、直射日光が体力を急激に蝕み渇きを覚える。
車もビュンビュンとばすので結構危険。
その後もひたすら歩いて途中のファミマで一休み。
函南の市街地が近付いたところで函南駅入口の標識が見えてきた。
更に更に2㎞歩いて漸く函南駅まに到着。
玄岳の素晴らしい眺望や冒険心擽る不明瞭な薮道、長閑な風景が広がる復路の散歩など、バラエティーに富んだ楽しい旅路だった。

10月5日 歩数:24,122歩
玄岳ハイキングコース入口9:45→玄岳10:57→丹那盆地12:34→函南駅14:21