伊豆・展望と薮の玄岳日帰りハイキング(玄岳ハイキングコース入口BS~玄岳) | 単独行者の山行録

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歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

10月5日、今日は土曜日なので、土日祝日のみ運行のバスに乗って最後の未踏秀麗富嶽十二景の奈良倉山へーーー。
とは計画していたものの、未明の3時半に起きるつもりが目覚めると7時半。
部屋の明るさと鳥の囀りで目覚めと共に瞬時に寝坊したことを悟ったのだった。
せっかくの好天予報だけど、県外の山はこの時間では厳しい。
かといって丹沢はアレだし、箱根は飽きたし、三浦の丘陵は歩くには暑いし・・・。
そこで閃いたのが、ギリ県内じゃないけど前から気になっていた熱海の玄岳だった。
片道CT2時間の海に近い低山なので、今から向かっても十分余裕がある。
人混みが気になるけど、他に思い付かなかったので、自宅から程近い玄岳を登ることにした。

電車に揺られて1時間少々、最近俄に活気付いてきた街、静岡県の熱海駅に9時過ぎに着いた。
土曜とあって、この時間から既に駅前は多くの観光客が行き交う。
駅を出て左手に進み、バスターミナルひばりヶ丘方面行きのバス停へ。
本数は一時間辺り2~4本と多く、寝坊しても計画を建てやすいのも◎。
既に4名程のハイカーが並んでいて、後から更に数名が並び十数名程になった。

バスは一度観光客が賑わうサンビーチへ下った後、一気に道幅の狭い急勾配の道を登っていく。
後方に熱海の市街地が見渡せる辺りで玄岳ハイキングコース入口のバス停に着いた。
9:45、玄岳ハイキングコース入口で下車。
降りたハイカーは一様にこの看板を撮っている。
ヤマレコにでも載せるのだろうか。

バス停からはいきなり住宅地の中の急な舗装路を登っていく。
急な山の斜面に直接コンクリートを塗り固めて道路としているような感じだ。
この日は気温が高く、10月だと言うのに恰も夏ような日差し。
しかも登山道の入口付近まで来ると、セミの鳴き声まで聴こえてくる。
本当、最近の気候はどうかしているな。
急坂の舗装路を登り詰めた突き当りからいよいよ登山道へ。
出だしは緩やかな竹林の道だ。
左手の沢を挟んだ鬱蒼な茂みから得体の知れない動物の奇声が聴こえてくる。
住宅地に程近い開発が進んだ山域の割りに野生の雰囲気は色濃い。
道中、ヒキガエルの他、カナヘビやトカゲには何度も遭遇した。
カナヘビ
ヒキガエル
途中で道路に架かる陸橋を渡る。
山頂までの行程は残り半分だ。
ホトトギス・登山道脇にて
山頂部は単調な登山道から一転、笹藪を漕ぐ場面が多い。
ハイキングコースとして整備されているものと思い込んでいたので、まさか薮漕ぎを強いられるとは思わなんだ。
やっと上空が開けたと思えば、笹藪の海、海、海。
足元の見えないマムシを踏んだり、薮をかき分ける際にササダニに集られないか心配になる。
おおっと。笹藪の向こうに富士山のくっきりとした優美な山容が見えてきた。
玄岳山頂が見えてきた。
山頂直下は薮で足元が見えない急坂。
時折障害物に足をとられて転びそうになる。
振り返ると熱海市街地や真鶴半島が見える。
こちらは左手奥に箱根の駒ヶ岳・神山と眼下に伊豆スカイラインの車道が。
10:57、玄岳(798m)到達。
玄岳ハイキングコース入口バス停から僅か一時間少々、超お気楽ハイキングの割りに、褒賞としては豪華すぎる程の景色が広がっていた。