創作ラボ2 -703ページ目

青い手紙 14

「ほんとの事を言ってもらおう」

所轄の山田と名乗る刑事が私のオフィスを訪ねてきた。


こういう人物が訪ねて来ることは予想はしていたが、警察の人間が私のオフィスにいるというのはあまり気分のいいものではなかった。


「私はほんとの事を言っている」


「コンビニに買い物に行くためだけに、わざわざ探偵に依頼するはずはないだろう。しかも、死人が電話をしてきたなんて話は、3才の幼児でも信じない」テーブルを挟んでソファに座っていた刑事は、身を乗り出すようにして言った。


「畠山さんは、自分では買い物に行くことができないから、私に買い物の依頼をしてきただけだ」私がそう言うと、刑事は犬が車に撥ねられたような奇声を発して笑った。


「畠山さんの幽霊と話していたというのか。いったい、誰と話していたんだ」語気を強めて刑事は言った。


「以前に一度も畠山さんの声は聞いたことないし、面識もない。ただ、電話の声は老人のように思えた。私に言えるのはそれだけだ」


「すでに死後六時間は経過していた。その死体が電話をするはずがない。我々は通話記録も調べた。間違いなく、電話は畠山さんの部屋の電話から発信されている。受話器には、畠山さんと、あんたの指紋しかついていなかった。指紋は、拭き取れば消える。指紋のことはたいした問題ではないが、誰かがあの部屋から電話をしたのは間違いない。もちろん、幽霊ではない、生きた人間だ」何かを探るように、彼はじっと私の目の奥を見ながら言った。


「畠山さんの死因は何ですか?」


「分かりやすく言えば、急性心不全だ。そういうことでいいだろう」彼は一度言葉を切ってから、続けた。「薬は薬だが、量を間違えれば毒になる」


「薬が毒になる?どういうことですか」


「それ以上は言えない。畠山さんが死亡した後は、畠山一族には波風が立ちそうだな」彼は口の端に奇妙な笑みを作って言った。


「どういうことですか?」


「そういうことを調べるのが、あんたがた探偵の仕事だろう。畠山さんの長男の畠山純一は、畠山さんの実の息子ではない」


「実の息子ではないというのは?」


「探偵だろう?そのあたりのことを調べてみたら何か面白いことがあるかもしれないよ」そう言うと彼はソファから立ち上がった。そして言葉を続けた。「また訪ねるかも知れない」


「もう来ないでほしいものだ」私は立ち去る彼の背中に声をかけた。

レイモンド・チャンドラー 短編集 『雨の殺人者』を途中まで読む

まだ途中までですが、レイモンド・チャンドラーの短編集の『雨の殺人者』を読んでいます。


この短編集の中の、『雨の殺人者』と、『カーテン』は、長篇の『大いなる眠り』の元になった作品だと思われます。


チャンドラーはすでに書いている中編とか、短編を組み合わせて、伸ばしたりして、長篇を書いているようです。


まだ、短編はあまり読んではいないのですが、短編には、チャンドラーらしい雰囲気、あるいは、チャンドラー節というか、チャンドラー特有の語り口はあまり感じられません。


短編なのに、話の筋があまり分からないこともあります。


チャンドラーの長編作品は七作品と、少ないのですが、チャンドラーは、長篇こそ、チャンドラーらしいというべきでしょう。


年末までに、この短編集の、『雨の殺人者』を読み終えたいと思ってはいます。

青い手紙 13

喪主は、故人の長男の畠山純一氏だった。


サニーアップコーポレーションの代表取締役である彼の家は、嫌でもすぐに分かった。どこかのお寺の山門のような巨大な門をくぐると、きれいに手入れされた、百坪はあるかと思われる日本庭園があった。


玄関にたどり着くまでには、錦鯉が泳ぐ池に架けられた橋を渡らなければならなかった。家は温泉旅館のような表構えだった。


玄関で対応に出てきたのは、メイドのようだった。私は、仕事の関係上で、故人の畠山氏にお世話になった者で、直接、畠山純一氏にお会いして、お悔やみを申し上げたいと伝えた。そして、営業用の名刺を渡した。


彼女は、じっくりと名刺を見た。


畠山純一氏は、何かと忙しく、不在だと答えた。それなら、畠山純一氏の夫人にでもお悔やみを申し上げたいと伝えると、奥さまは一年前に亡くなられていますと、メイドは答えた。弔問客には、畠山純一氏の長男が対応しているということだった。畠山純一氏の長男に会っても、何も得るものはないと思ったが、顔だけは見ておこうと思った。


畠山純一氏の長男は、まだ二十歳そこそこだろうと思われたが、対応はきちんとしていた。私はお悔やみの言葉を述べ、葬儀の場所と日取りを訊いてみた。やはり、葬儀の場所と日取りは未定ということだった。


畠山純一氏に直接会うことはできなかったが、収穫はあった。夫人が一年前に死亡していることが分かった。死因は分からないが、どうも、気になった。

コニー・タルボットのホワイトクリスマス



多くの人にとっては、クリスマス大切な日なのでしょう。

家族で、あるいは、大切な人と一緒に過ごす。

そんな日です。

クリスマスにふさわしい歌といえば、これです。

コニーちゃんの最新アルバムからの、ホワイトクリスマスです。





2012年人類滅亡と世界線

2012年に人類は滅亡するのかということが世間では話題になっています。


預言者が未来を予言してしまうと、未来は変わってしまうということは、ありえるだろうということは、以前にもブログには書きました。


なぜ、未来に起こるだろう出来事を語ると、未来が変わるのかというと、未来というのは、その世界線で起こるだろう未来のことを言っているのであって、予言などというものがこの世界線の中で流布してしまうと、その世界線から別の世界線が枝分かれしてしまうことになって、予言された世界線とは、違う未来の世界線の中に我々が入り込んでしまうといことになります。


分かりにくいです。


どうしても、予言通りの未来を期待するのであれば、予言などというものを、一般に流布させてはいけないということです。


ですから、ほんとの予言は、誰にも知らされることはなく、封印されているはずてず。


マヤ歴が2012年で終わるということが世界中で話題になるということは、我々の世界線では2012年には人類が滅亡するということはないと言うことです。


人類は、未来永劫繁栄すると言うと、未来は変わってしまうので、常に、未来への警告をしておけば、少なくとも、警告通りの世界線が分岐していくことはないだろうと思います。


分かりにくい話になりましたが、我々の世界線では、少なくとも、2012年での人類の滅亡はないと思ってもいいわけです。ただし、滅亡はなくても、大規模な自然災害の可能性はあります。


滅亡はないけれど、明るい未来はないということです。