青い手紙 13 | 創作ラボ2

青い手紙 13

喪主は、故人の長男の畠山純一氏だった。


サニーアップコーポレーションの代表取締役である彼の家は、嫌でもすぐに分かった。どこかのお寺の山門のような巨大な門をくぐると、きれいに手入れされた、百坪はあるかと思われる日本庭園があった。


玄関にたどり着くまでには、錦鯉が泳ぐ池に架けられた橋を渡らなければならなかった。家は温泉旅館のような表構えだった。


玄関で対応に出てきたのは、メイドのようだった。私は、仕事の関係上で、故人の畠山氏にお世話になった者で、直接、畠山純一氏にお会いして、お悔やみを申し上げたいと伝えた。そして、営業用の名刺を渡した。


彼女は、じっくりと名刺を見た。


畠山純一氏は、何かと忙しく、不在だと答えた。それなら、畠山純一氏の夫人にでもお悔やみを申し上げたいと伝えると、奥さまは一年前に亡くなられていますと、メイドは答えた。弔問客には、畠山純一氏の長男が対応しているということだった。畠山純一氏の長男に会っても、何も得るものはないと思ったが、顔だけは見ておこうと思った。


畠山純一氏の長男は、まだ二十歳そこそこだろうと思われたが、対応はきちんとしていた。私はお悔やみの言葉を述べ、葬儀の場所と日取りを訊いてみた。やはり、葬儀の場所と日取りは未定ということだった。


畠山純一氏に直接会うことはできなかったが、収穫はあった。夫人が一年前に死亡していることが分かった。死因は分からないが、どうも、気になった。