Hi-Unit HSE-A1000PN-HR(有線ピヤホン) 購入レビュー
今回のレビュー製品はコチラ
商品名 :HSE-A1000PN-HR
メーカー名:株式会社アルペックス(現:アルペックスハイユニット)
株式会社アルペックス / 株式会社アルペックスハイユニットとは?
株式会社アルペックス
製品パッケージ上の販売企業
製品2021年発売であるが、2023年1月に株式会社アルペックスハイユニットに事業売却。
株式会社アルペックスハイユニット
2022年11月に設立された企業で、商品企画・開発・ブランディング、コラボレーション商品の企画・製造、中国現地工場との連携支援、コンサルティングを手掛ける企業らしい。
2023年1月に株式会社アルペックスより事業譲渡。
出資関係を見るとこんな感じらしい。
タイムマシンの増田会長と佐藤社長は「ソウ・ツー」の会長/社長もやられているようで、かなり手広く事業をやられているんですね。
HSE-A1000PN-HRとは?
ロックバンド『凛として時雨』のドラマーである、ピエール中野氏が「驚きと衝撃を与えるイヤホン」を目指して、Hi-Unit社とともに2017年に登場した「HSE-A1000」をベースに、サウンドのチューニングをし直したコラボレーションモデルとなっています。
ピエール中野氏が「この価格帯で究極と言えるバランス」と太鼓判を押すクォリティとのこと。
そして製品型番の『-HR』について
標準のガンメタリック/ピンクの2色とは別のカラーバリエーションが複数存在し、そのうちの一つであるヨドバシカメラ限定の「ヒーローレッド」となります。
2021年3月19日発売
定価:1,700円(税込)
今回、なぜヒーローレッドからーなのかを説明すると、どうせ購入するなら限定カラーが良いなと思ったのですが、すでに購入できるものが限られており、私が確認した限りでは、以下の3種であったため、個人的に一番デザイン性が高いと感じたヨドバシモデルにしました。(本当はビックか、ケーズモデルが良かった)
- ヨドバシカメラ
- タワーレコード
- タイムマシン
店舗限定色
BOXと開封
正面小窓から製品が見える仕様の小型のBOXとなっています。
写真撮り忘れましたが、上面にはプラスチック製の棚掛けが付いていますが、開封後は簡単に取り外し出来るため保管の邪魔にはなりません。
背面は普通に製品仕様などを記載
左側面には、ヨドバシカメラ限定であることを明確に示すデザインが入っています。
右側面は、「凛として時雨 ピエール中野」と書かれ、コラボモデルであることを示しています。
※写真撮り忘れ 😋
内容物はシンプルで…
- イヤホン本体
- イヤーピース(XS/S/M/L)
- キャリングケース
- 保証書
ケース天面には、「凛として時雨 ピエール中野 × Hi-Unit」のコラボデザインが入っています。
今回の製品は、金属筐体(アルミ削り出し)なので、1,700円の低価格でもセミハードのケースが付いてい来るのはかなり嬉しいですね。
ケーブルは、リケーブル不可。
デザイン上、左右シンメトリーとなっており、L/Rの判別はケーブル根元のモールドを見るしかありません。(夜間外で使うには不便そう)
この点は、かなりマイナスポイント。
スペック
ドライバー : φ10mm高磁力マグネット
型式 :密閉ダイナミック型
再生周波数帯域:50~20,000Hz
インピーダンス:16Ω
プラグ :φ3.5mmステレオミニプラグ
出力音圧レベル:96dB
最大入力 :5mW
重量 :約14.5g
コード長さ :120cm
音に関する雑感
私:dkの主観によるレビューとなり客観性を持ったものではありません。購入時の参考程度にご活用ください。
エージング:10時間くらい
評価環境
DAP : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ローゲイン)
イヤホン : Hi-Unit HSE-A1000PN-HR
イヤピ : 付属(M)
音質レビュー
高音域 ★★★★☆
・芯のある鳴り方
・煌めきや輝きを感じ音は軽やか
・余韻がすっきりさわやか
・レスポンスはかなり良い
・この価格帯ではピカ一のシンバルが聴ける(JAZZやバラード,R&Bなど)
・ロックなど音数が多い場合、一気にシャリついてうるさくなりやすい
中音域 ★★★★☆
・明瞭ではあるが音の粒は比較的粗めに感じる
・レスポンスは基本良い、適度な残響感があるため情緒性も感じる
・中低音寄りのレスポンスは鈍い印象
・高音域より少し引いている
低音域 ★★★☆☆
・ベースの質感は良いが解像度が大きく欠ける
・ベースラインは弾力のある鳴り
・レスポンスは鈍い
・中音域より一歩引いている
・量感は少し過剰で重く感じる
・低高音域の主張が激しいことがたまにある
・聴き疲れはしない
解像度 ★★★☆☆
・高音域の解像度は高いと感じる
・中音域の解像度は普通(バランス的にはちょっと物足りない)と感じる
・低音域の解像度は低いと感じる
分解能 ★★★☆☆
・音数少ない楽曲では個々の音を聴き分け追うことが出来る
・通常のバンド構成程度に音数多いと一気に団子になる
・オーケストラは団子には感じない
音場 ★★★☆☆
・音場は広くはない
・閉塞感は感じない
・音の発生源は、頭部内中央~耳元周囲(奥行きは無し)
・オケ楽曲だと、ホール2階の最前列ほどの印象
装着感 ★★★★☆
・金属でもアルミ筐体なので軽く、長時間装着でも問題なし
・付属ケーブルはタッチノイズ出やすいタイプ
総評
まず最初に、聴く楽曲によって評価が大きく分かれるのでは無いかと思いました。
中高~高音域に特徴を持ったイヤホンで、Jazz・バラード・R&B系の楽曲ではミドルレンジの製品に引けを取らないパフォーマンスを発揮してくれる印象です。
逆にロックでは、ボーカル以外が潰れてしまっていたり、ミキシング次第では鈍い低音の主張が強く破綻したように感じる楽曲もありました。
購入検討時にサラッと調べた記憶だと、バランスよく比較的オールマイトな評価だった気がするのと、ピエール中野さん監修なのでゴリゴリのロックサウンドに合わせて来ていると思ったのですが、ちょっと違ったので戸惑い中・・・
(;一_一)
まぁ、ロック以外がメインの方には全然このイヤホンで楽しめるとオススメできます。
かなりハイレベルだと思います。
私が好きな『ロクデナシ』であれば、下手に高いイヤホン買うより、このイヤホン買ったほうが満足度高いんじゃないかと思います。
また、音楽ではなく、携帯ゲーム機やWEB会議用にも適したバランスに思いますので、活用の幅は広いと感じます。
左右の見分けがしにくいのが地味に気になることは記載しておきます。
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FAudio Project Y 購入レビュー
今回は、ヨドバシさんの在庫処分セールで安く販売されていたので購入したノーマーク製品のレビューになります。
※私が購入した1・2日後には最終セール的にもう2万円くらい値下げして在庫を捌けさせていたため、ちょっぴりやっちまった感は感じました。
その差分で良いケーブル買えたのに。(;一_一)
今回の製品はコチラ ↓
商品名 :Project Y
メーカー名:FAudio (エフオーディオ)
FAudioとは?
FAudioは、様々な企業でエンジニアとして経験を積んできたFung Wong氏により2014年に設立された、香港発のカスタムIEMメーカー(ユニバーサルモデルもちゃんと出している)。
2016年に正式に「FAudio」ブランドが設立され、カスタムIEMの販売を開始とのこと。
スローガンとして、「人々が望む正確な音を追求し、イヤホンを通じてそれをカタチにする」ことをビジョンとし、”Your Sound・Our Passion” =「私たちの情熱が、貴方の求めるサウンドを実現」を掲げているらしい。
Project Y について
2020年12月に創立5周年を記念して発売したフラグシップモデルになります。
特徴としては、以下になります。
- フェイスプレートにはランボルギーニやマクラーレンなどのスーパーカーの内装に使用されるフォージドカーボンを採用
- 筐体には高級スポーツカーに使用される超軽量アルミニウム合金を採用
- 大手BA型ドライバーメーカーとの共同研究で開発した「フルレンジ・バランスド・アーマチュア型ドライバー」を使用
- 専用に設計されたSPCシールドイヤホンケーブルが付属
- 7ドライバ×トライブリッド構成(DD・BA・EST)
定価としては、289,520円のようです。(実際はオープン価格)
また、こちらの製品は生産限定モデルとなっており、国内販売割り当て数は120本(世界全体では399台)。
※2024年3月末時点で新品が注文できる体裁を取っているのは、上新電機のみとなっています。
…が、取り寄せ扱いなので新品在庫は市場から捌けたと考えてよいかと思います。
BOXと開封
外箱と中箱の2重構成となっており、外箱は上部に取っ手が付いています。
上記の写真は外箱の正面(それ以外を撮り忘れた)
箱がかなり大きめです。
乗せて映っているものは、同時に購入したプラグ変換アダプターになります。
ケーブルプラグの大きさから箱のサイズ感がなんとなく分かるのではないかと思います。
こちら内箱の正面と背面になります。(背面埃っぽい汚れついてる (ー_ー)!! )
箱自体は紙製なのですが、厚みが薄いのかあまりカッチリした硬さが弱く接着部も弱いため、ちょっとチープ印象を受けました。
ただし表面にシリコンでコーティングしているようにゴムのような質感の表面素材となっており、この点は無駄にコスト割いたなと思わせるものとなっております。
※このコーティングがまた悪さをするのですが、その点は後述
箱は2段構成となっており、上段には以下が入っていました。
- イヤホン本体
- 付属ケーブル(+ケーブルホルダー)
- なんか6角形のロゴプレート
- なんかよく分からない金属製のカード
イヤホン本体には、傷防止の保護フィルムなどは貼られておらず、発売直後の話では右隣の金属プレートが定位置からズレてしまい、箱の中でイヤホン本体にぶつかり傷を付けていたという話もありました。
私のものもプレートがズレていたものの、明白(あからさま)な傷は見当たらなかったので気にしないことにしました。
下段は4つに区分けされたエリアで構成されており、アクセサリーパック・専用イヤーピース・キャリングケース・製品マニュアルの4種がそれぞれはめ込まれています。
アクセサリーパックには、以下が入っていました。
- コンプライ イヤーピース
- SpinFit イヤーピース
- メッシュキャリーバッグ
- クリーニングクロス
- クリーニングキット
このアクセサリーを入れているボックスですが、スレーブ上の部分と内箱の部分両方に前述のシリコンコートが施されており、摩擦力が上がってしまい、なかなか開くことが出来ませんでした。
結果、箱が少し破れる事態となり、無駄なこだわりはやはり無駄だなと思った次第です。(隅々までコートしなくても良かったのでは?)
あと、内箱がペコペコなため、余計開けずらい状況に拍車を掛けていました。
キャリングケースは、日本メーカーであるバンナイズ製のものが付属。
耐久性に優れたナイロン素材が用いられたセミハードタイプとなっています。
右下区画の製品マニュアルは、レザー製の手帳型カバーの中に説明カード2枚、ユーザーガイド、ユーザーカード(?)がありました。
…専用イヤーピースは、使う気がなかったので個別の写真を撮り忘れました。
前述のとおり、筐体はアルミ合金製となっており、重みとひんやりとした手触りが高級感を与えます。
フェイスプレートには、”フォージドカーボン”が採用され、そのランダムパターンが光を反射させ変化を魅せてくれます。
本体背面側にはベントが3つ開いています。
音漏れは大きくないと思いますが、結構大きめの音量で聴いている場合は、電車の座席で隣になった人にはギリギリ薄っすらとなんか聴こえるかもって感じになるかなと気う程度のため、音漏れはあまり気にしなくても大丈夫かと思います。
ケーブルについては、DAP接続側が2.5mmとなっており、多くの再生機器では、3.5mm、または4.4mmなどへの変換が必要となります。(変換アダプターは付属しないため、購入する必要があります。)
本ケーブルは、ドイツ製の純銀導体と銀メッキを施した軍需用クリスタル銅導体を線材とし、ノイズを軽減させるため純銀製のシールドメッシュで導体を覆い、柔らかく取り回しの良いPVCで外装を覆ているらしい。
また内部の半田についても拘りのものとなっており、イヤホン本体と共通化することで音響特性のマッチングを図っているとのこと。
このケーブルについては、聴いた時点でかなり良いものであるという印象を受けており、リケーブルの必要性どころか、ダメになった時の代替品があるのかが心配になるレベルで気に入りました。
スペック
インピーダンス 25Ω
入力感度 110dB
周波数特性 20 - 80,000Hz
ドライバー数 7ドライバー
- DD(9.2mm・ベリリウム加工振動板)(Low ×1)
- BA(Full Range x2)
- BA(Mid/High x2)
- EST(High x2)
イヤホン端子 Custom 2pin端子
ケーブル導体 銀メッキ銅導体
入力端子 2.5mm 4極バランス端子
ケーブル長 約120cm
採用技術
- True Crossover Technology (T.C.T)
- Triple Built-in Acoustic Chamber (T.B.A.C)
音に関する雑感
私:dkの主観によるレビューとなり客観性を持ったものではありません。購入時の参考程度にご活用ください。
イヤーピースについて、付属を極力使わない方針のため変更しての評価となります。
エージング:30時間くらい
評価環境
DAP : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ハイゲイン)
イヤホン : FAudio Project Y
イヤピ : Spinfit W1
ケーブル : 付属ケーブル(2.5mm)
アダプター:Cayin カイン PH-4X
音質レビュー
高音域 ★★★★★
・芯のある鳴り方
・明瞭で輪郭がしっかりとしている
・煌めきや輝きを感じつつも音は軽やか
・レスポンスはかなり良い
・主張しすぎずしっかりと全体を支えている
中音域 ★★★★☆
・明瞭ではあるが音の輪郭がほんの少し鈍く感じる
・適度な残響感を持ち、左右方向への伸びを感じる
・レスポンスは適度
・他の帯域に押し負ける時がある
・淡々と正確に鳴っている印象を受け情緒性に欠ける
・気持ち音が柔らかい印象
低音域 ★★★★★
・バランスよくしっかりと鳴っている
・深みは感じるがキレが良いため重く残らない
・質感は良い
・レスポンスは良い
・量感が少し過剰に感じるが潰れは感じない
・もう少しだけ重みが欲しい
解像度 ★★★★★
・高音域の解像度は高いと感じる
・中音域の解像度は比較的高いと感じる
・低音域の解像度は比較的高いと感じる
分解能 ★★★★★
・しっかりと個々の音を聴き分け追うことが出来る
・反面、空間的な一体感が薄い印象
・音の歪みが少なく性根が真っ直ぐな印象
音場 ★★★★☆
・音場はそこまで広くはない(左右に比べ前後の広さは感じない)
・閉塞感がまったくないため実際の音場以上に広く錯覚させる
・音の発生源は、頭部内中央~頭部周囲
・オケ楽曲だと、ホール1階の中ほどの印象
・全体のバランスは整っているので完成度は高く感じる
装着感 ★★★★★
・個人的には長時間装着でも問題なし(イヤピの選択の影響は出そう)
・付属ケーブルも特に違和感なし
総評
うちのイヤホンの中で、一番正確に淡々と音を鳴らしてくれるものであると感じます。
様々な曲を綺麗で歪みの無い音で聴きたい方にはオススメの製品であると思います。
個人的には、標準状態ではかなり丁寧で正しい反面、リスニングと言う観点ではちょっとだけつまらない(グルーブ感を得にくい)印象を受けます。
この点については、音の素性がかなり良いため、イヤーピースやリケーブルによる変化を付けていくのを楽しむには最適な気もします。
※付属ケーブルがかなり良いので、リケーブルしにくいのは課題。
私の場合は、LIZER LAB社の『JIJUJET-α』(プレゼント当選品)を付けることで、音場が広がり面白みに欠ける音にゆとりが生まれ、リスニングに適したバランスに変化すると感じました。
Project Yをこれから買われる方も、すでにお持ちの方も『JIJUJET』シリーズを試されることをお勧めします。
※通常のイヤピと違い、取付位置や角度に厳密な指定がありますので、マニュアルを読んで取り付けるようにしてください。
その他、発売当初の情報では不良もそれなりに出ていたようで、結果として120本限定にもかかわらず、今まで売れ残りが出てしまったものと思われます。(値段が高い点も当たり前に影響していると思いますが。)
正直、しょうがないとはいえ、30万出して不良ってのはキツイものがあると思いますので、FAudioさんの製造品質が向上していっていることを期待します。
本製品はすでに生産終了となっているため、基本的には中古購入になってしまうかと思います。
Project Y × JUJUJET の組み合わせは、かなりベストに感じるため、機会がありましたら是非ともお試しください。
年末からここに掛けて、結構な金額を使ってしまっているため、当面、大きな買い物は控えていければと思っている次第です。
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NW-A605 ”CANNOT PLAY” について
2024年年明けに購入したNW-A605について、どうしても再生できないファイルがあったのですが、解消できたので一応共有として書き記しておきます。
購入報告は以下
マニュアルでは『CANNOT PLAY』の表示原因として以下が記されています。
- 本機では再生できないファイル形式である
- 転送の途中で転送を強制中断した
NW-A605の仕様としてマニュアルに記載されている再生可能なフォーマットは以下になります。
- MP3 :32~320kbps、可変ビットレート(VBR)対応
- WMA :48~192kbps、可変ビットレート(VBR)対応
- ATRAC:48/192/256/320kbps
- サンプリング周波数:44.1kHz
購入時点の報告で、再生できない問題を上げていましたが、その問題が一応解決しました。
現在、X-アプリでのデータ転送をしているのですが、一応、リスク回避として、以下のフォーマット指定での転送を行っていました。
- MP3 / 320kbps(CBR) / 44.1 kHz
それでも一部の曲で再生できず、困っておりました。
結論から言うと…
一度不適合のファイルを転送してしまうと、上書きしても情報が更新されず、いつまでも「CANNOT PLAY」と表示されてしまいます。
リセットを掛けても改善はされません。
そのため、転送済みの不整合ファイルを、X-アプリで削除してから、対象楽曲を転送し直します。
これで、一通りの課題が解消されました。
ケース内に、いつの間にか白いゴミが1粒入ってしまった。
Kinera Imperial Baldr 購入レビュー
24年2月上旬、Kineraの新製品であるVerdandiに興味を惹かれる中、ヨドバシカメラのオンラインで在庫一掃セールが実施され、以前から気になっていたけど、値段・評判の二点で購入候補から外れておりました。
今回の製品はコチラ ↓
商品名 :Baldr(バルドル) / 英名:Baldr 2
メーカー名:Kinera imperial (キネラ インペリアル)
Kinera imperial とは?
2011年創設の中国の企業。
2016年に「Kinera」ブランドを立ち上げ、2021年にメインブランドのKineraからハイエンドプロダクトのみを専門に扱うハイエンドブランド「Kinera Imperial」として誕生とのこと。
姉妹ブランドとして、QoA(Queen of Audio)があります。
Baldr(2)について
公式サイト抜粋
バルドルは北欧神話に登場する光の神で、光を象徴する「太陽」の化身で無限の光を持って世界のすべてを潤しているかのよう。
その輝きと暖かさは神々や人間に愛されています。
Baldrは「明るさ」「忍耐」「潤い」を象徴しています。
2021年8月3日、日本で発売を開始。
Baldrの「神々しさ」をチューニングのコンセプトとし、明るく穏やかな高域からソリッドでパワフルな低域の再生によるホールで音楽を聴くような音場感と、樫の木(オーク材)の中でも最高品質の「バールウッド」を使用し、割れづらく変色しづらい安定した品質を実現しているとのこと。
理想的な暖かさと潤い感を得るため、複雑な音響構造設計の中で、1×4のSonion社製ESTドライバ(静電型ユニット)を採用したとのこと。
ちなみに、Baldr 第一世代 は、2020年リリースのようで日本国内での販売はされていなかったようです。
※同社のNannaもimperialの製品として2.0にチューンナップしてリリースしたものが、現在の国内版になります。
BOXと開封
Kinera imperial 共通の6角形のパッケージにシュリンクされた状態となっています。
背面には製品情報が記載されています。
中には、以下が入っています。
- 製品のコンセプトなどを記載している冊子
- イヤホン本体
- ケーブル
- ユーザーマニュアル
- Finalイヤーピース取説
- イヤーチップ: FINAL E Type
- イヤーチップ: フォームイヤチップ
- イヤーチップ: シリコンイヤチップ
- クリーニングブラシ
- 4.4 to 2.5mmアダプタ
- 4.4 to 3.5mmアダプタ
- 本革製高級レザーケース
本体には、しっかりとフィルム貼られており、傷が付かないように考慮されているのは嬉しいポイント。
木目をレジンで固めたハウジングとなっており、購入者には木目ガチャの洗礼が待っています。
私のものは左右均等に近くないのが残念ですが、フェイスプレート部の模様は比較的綺麗な印象です。
赤みが強いため、高級家具のような印象とはちょっと違いますが、安っぽくは感じないかと思います。
しかし・・・
残念ながら木材の節が入っているモノであったので、この点はガチャ失敗って感じはありました。
残念。(;一_一)
節の有無で音の響きが変化しそうですがどうなんでしょうか?
回避策としては、中古でモノを見て購入するしかないですね。
個人的には、金色のフレームが安っぽく感じていましたが、実物ではそこまで気にならないと感じています。
ケーブルは本体のゴールドフレームと近しい金色となっており、全体的な統一感を意識したものとなっています。
ジャック側は4.4mmプラグとなっており、変換アダプターで3.5mmや2.5mmに変更することが可能です。
アダプターは延長方式なので、プラグの長さが2倍くらいになる点は注意が必要かと思います。
ケーブルとしては、6N OCC 金メッキ、4 コア 、皮膜:PVCとのことです。
スペック
インターフェイス:0.78mm 2pin(Custom 2pin)
出力:3mW
インピーダンス:22Ω
THD:<5%
ドライバー構成:4 EST+ 2 BA+ 1DD
感度:109dB
再生周波数帯:5Hz-50kHz
音に関する雑感
私:dkの主観によるレビューとなり客観性を持ったものではありません。購入時の参考程度にご活用ください。
イヤーピースについて、付属を極力使わない方針のため変更しての評価となります。
エージング:90時間くらい
評価環境
DAP : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ハイゲイン)
イヤホン : Kinera imperial Baldr
イヤピ : Spinfit CP360(※軸径的にはちょっと厳しい)
ケーブル : 付属ケーブル(4.4mm)
音質レビュー
高音域 ★★★★☆
- 比較的芯のある鳴り方
- あまり煌めきや輝きを感じる質感ではなく重さを感じる
- レスポンスはかなり良い
- 減衰は早すぎる気がする(伸びない)
中音域 ★★★★★★
- 明瞭で輪郭が比較的しっかりとしている
- エコー感のある響きを伴い、前後両方へ伸びを感じる
- 中高音域は量感があるが主張しすぎない
- レスポンスは適度
- 中音に限れば、かなり良い音と鳴り方と思います
低音域 ★★★★☆
- 重く響くことは無いが、バランスよくしっかりと鳴っている
- キレが良い鳴り方
- 質感は良いと感じるが解像度は低く感じることアリ
- もう少しだけ音に厚みと量感が欲しい
- レスポンスは適度
- しっかりと装着できていないと鳴らない
- (サブベースは)一歩下がっている印象
解像度 ★★★★☆
- 低音域の解像度は普通に悪くはない
- 中音域の解像度は高いと感じる
- 高音域の解像度は比較的高く感じる
分解能 ★★★★☆
- リスニングとしては不満はなし
- 低音部が一歩下がっている関係でマスクされがちな印象
音場 ★★★★★
- 閉塞感はなく広がる伸びやかさを感じる(が全体的に減衰が早くあまり広がらない)
- 音の発生源は頭部周囲
- オケ楽曲だと、中音~高音域はホール最前列、低音は2階最前列辺りの印象
装着感 ★★★★☆
- 個人的には長時間装着でちょっと耳が痛くなる(イヤピが合っていない可能性あり)
- 付属ケーブルも軽く引っ張られるような感触は無い
総評
音自体は十分高品質に思いますが、BPM 120以下の比較的スローテンポの楽曲が合いやすいように感じました。
中音域がかなりクッキリとしているため、クリアで綺麗な音と感じるかと思います。
反面、音の全体バランスは良いのですが、全体としての一体感は弱くグルーブ感を得にくいと感じました。
モニターライクなイヤホンがお好きな方には、より合うかと思いますが、標準ケーブルだと物足りなく感じる。
このイヤホンの能力を発揮するには、リケーブルを行うほうが良い印象を受けました。持て余していた「BEAT AUDIO Vermilion MKII」で接続したところ、以下の変化を得られました。
- 全体的に量感がUPし深みが出る
- 低音がより前進
- より情緒的な鳴り方に(暑苦しくなったとも感じる)
付属品ケーブルの品質が悪いわけではないため、数千円の廉価なケーブルではなく、万単位の金額のケーブルをつなげる必要があるかと思います。
個人的にはリケーブル推奨となるため、定価の17~18万に対し、追加ケーブル代で3万~6万程度の出費が必要になると考えると、強くオススメできるものではないかなと。
ご自身で聴かれる楽曲ジャンルによっても、印象は大きく変わるかと思いますので、視聴をおススメ致します。(ヨドバシなどで視聴できる店舗があるかと)
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QoA mojito(旧バージョン) 購入レビュー
筐体の美しさから惹かれていた製品だったのですが、結構なお値段であったため手を出せず早数年・・・
2024年の年始にビックカメラオンラインで大特価での販売をしていたので特攻しました。
本製品は生産終了とのことです。(ブラックのNewバージョンは継続)
コチラ ↓
商品名 :mojito (モヒート)
メーカー名:QoA (キューオーエー)
QoA(キューオーエー)とは…
中国のオーディオメーカーであるKineraの姉妹ブランドとして、2019年に設立されたオーディオブランド。
QoAは、Queen of Audioの略。
大手ブランドのドライバを採用し品質の安定性を確保し、また他ブランドとは異なるデザイン性を追求し製品の美しさも重視しているとのこと。
独自の個性として現在のラインナップの製品群にはカクテルの名前を採用しています。
QoA JAPANは、サウンドアースが運営しているらしい。
またQoA JAPANでは、製品ごとにアンバサダーとして女性声優さんや歌手を採用したPRを行っています。
本製品においては、『山口立花子(やまぐちりかこ)』さんが担当されています。
mojitoについて
2020年8月15日に発売を開始した製品。
高解像度でありながら聞き疲れしにくいウォームな音質を実現し、高解像度+聞き疲れしないことを両立し、木製(バーチ材(樺))のハウジングとあわせて総合的に非常に個性にある高音質なフラッグシップイヤホンに仕上げたものとのことです。
カラバリとしては、購入した”アンバー”とその他に、”パープル”、”ブルー”の計3色が展開されています。
2021年には、カラーとチューニングを変更したNewバージョン(ブラック / グレー)をリリース。
※グレーはすでに製造中止のようです。
BOXと開封
しっかりとデザインされた紙製の外箱に、シュリンクが施されています。
背面にはスペック表記とカラー判別用のシールが貼られています。
内容物は…
- イヤホン本体
- キャリングケース
- ケーブル(ケース内)
- イヤーピース 2種
- How to カード
- SNS案内
イヤホン本体の周囲に透明フィルムが貼られており、丁寧に扱われていることが嬉しい配慮。
木製(樺)のシェルとなっており、軽量かつ高級感を感じる質感となっています。
個々で木目の違いがあり、色合い含め唯一無二の製品となります。
私のものは、虎柄の木目フェイスにグロス塗装された質感によって高級家具のような満足感を得られ、所有欲を満たしてくれます。
本体色に合わせたかカラーのケーブルとなっており、リケーブルするのが勿体ない印象になります。
『シルバープレーティング高純度OFC』とのことで、銀メッキ無酸素銅になっているようです。
スペック
重量 : 片耳 約4g
周波数帯域 : 20Hz-20kHz
インピーダンス: 23Ω
感度 : 118±2db
ドライバ : BA 6 (低域 x1, 中音域 x2, 中高域 x1, 超高域 x2)
シェル : 木製/バーチ材(樺)
フェイス : 木製/バーチ材(樺)
ケーブル : シルバープレーティング高純度OFC
音に関する雑感
- 私:dkの主観によるレビューとなり客観性を持ったものではありません。購入時の参考程度にご活用ください。
- イヤーピースについて、付属を極力使わない方針のため変更しての評価となります。
- エージング:30時間前後
評価環境
DAP : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ローゲイン)
イヤホン : QoA mojito
イヤピ : Azla SednaEarfit Crystal
ケーブル : 付属ケーブル(3.5mm)
音質レビュー
高音域 ★★★★☆
- 煌びやかさがあり芯を感じる綺麗な鳴り方
- 余韻的な伸びは無く、スッと消えるため印象が弱い
- シンバル/ハイハットの質感が良いと感じる
- レスポンスは良い
中音域 ★★★★☆
- 伸びがありしっとりとした質感を持っている
- 奥ではなく手前に伸びてくる印象
- 輪郭は丸く柔らかい
- 楽曲によってちょっと明瞭さに欠ける場合がある
- 中高音域は量感があり主張的
- レスポンスはちょっと鈍い印象
低音域 ★★★☆☆
- 重みは感じにくいが音量を上げるとしっかりとした振動を体感できる
- 適切な余韻を持ち心地良く感じる
- 中低音域の質感は良いと感じる
- 量感が少なくグルーブ感は得にくい
- ドラムタムの質感がかなり良い印象
- レスポンスは良い印象
解像度 ★★★☆☆
- 低音域の解像度は低く感じる
- 中音域の解像度はもう少し欲しいと感じる
- 中高音域~高音域の解像度は比較的高く感じる
分解能 ★★★☆☆
- リスニングとしては不満はなし
- オケなど多くの楽器が重なると団子になりかける印象
- ベースラインが聴こえているけど掴みにくい印象あり(埋もれやすい)
- POPs、Rock、EDMあたりを聴く分にはそこまで不満はでないと思います
音場 ★★★☆☆
- 閉塞感はないがどこまでも広がる伸びやかさは感じない
- 音の発生源は普通に頭部内(オケも客席と言うより頭の中で響いている印象)
装着感 ★★★★★
- 筐体が軽く負担を感じない
- 付属ケーブルも軽く引っ張られるような感触は無い
総評
トータルでの評価としては製品満足度は高いものとなります。
普通に使える製品です。
ただし、2024年初頭時点では定価の5万円台は強豪がひしめき、本製品は音質面で際立ったポイントに乏しいため優位を持ちにくいと感じることから、なかなか購入候補に残るのは難しいと感じます。
だからこその製造中止ということなのでしょう。
とは言え、シェルの美しさもあり、外出時のお供としては十分その役割を全うしてくれる製品と感じます。
在庫処分としての2万半ば~3万くらいでの販売価格で獲得するなら十分アリと考えます。
そして・・・
隠されたポテンシャルもまだあり、リケーブルすることで音場の拡張や低音の増量、中音の明瞭化はある程度できるので、不足を感じる場合はリケーブルを色々試みるのも良いかと思います。
※私は、一旦、NICEHCK deepSnow(アリエク購入)での運用を予定しています。
その他、気になる点としては、無音時にDAP(WM1AM2)が読み込みなどの処理を行っていると、ホワイトノイズ(サ~という音)が聴こえます。
音楽再生中は特に気にならないため、実質的な問題は無いかと思いますが、WM1AM2では初めてホワイトノイズを聴いた気がしますので、一応。
QoAは、継続的に新製品をリリースしている企業であり、Margarita や Gimlet, Vesper2, Aviationなど
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