SONY NW-A605 購入・修理報告
2024年、ジャンク扱いでしたが見た目綺麗なウォークマンを見つけ購入してしまいました。
今日はそんな機器を使えるようにした話を備忘録的に残しておこうかと思います。
今回購入した製品は、『SONY NW-A605』。
こちらの製品は、2005年11月19日に発売された512MBモデルになります。
※ その他に、1GB・2GBモデルが同時発売されています。
こちらがその『SONY NW-A605』になります。
※ イヤホンは、付属品ではなく『final make4』になっています。
素晴らしいデザインだと思います。
小さくシンプルでありながら複雑な構造になっています。
後々、このデザインの製品ラインナップは”香水瓶”と呼ばれることになります。
コチラの商品が覇権を取り切れなかった要因は以下の辺りかと思います。
- 2001年発売のiPodによって大容量・大量の楽曲の持ち運びが広まっていた
- 2005年時点のiPodの容量は20~60GB
- iPodは2005年の第四世代でカラー液晶化 - 2004年にAppleもiPod mini(4GB/6GB)を発売
- AppleはiTuneでの楽曲DLを形作った
- SONYの楽曲管理ソフト(Connect Player / SonicStage)の悪評が広まっていた
- 楽曲の著作権保護の観点で機器に転送したデータが特殊フォーマットに変換され、データ管理上面倒であった
製品ページはすでに存在しないようなので、プレスリリースを貼っておきます。
購入商品の状態について
こちらの商品。
動作未確認+ケーブル欠品のジャンクと言うことでした。(それ以外は付属)
そこで充電すれば動くのでは?と期待して購入してしまいました。
(^。^)y-.。o○
ダメでした。
症状としては、以下になります。
- 再生できない
- 充電はすぐに”FULL”と表示され終了する
- 本体は凄く綺麗
- 箱がちょっと臭う(古い臭い)
3・4は置いておいて・・・
1については2の影響と考え、2については充電池の劣化が原因と判断しました。
解決すべき事象
ウォークマン復活までの道のりとして、解決すべき事象として大きく分けて以下の3つが存在しました。
- ウォークマンの電源がすぐに落ちる問題(充電するとすぐに”FULL”と表示される)
- NW-A605への楽曲転送(D&D非対応。Music Center for PCやMediaGoに非対応。
- 楽曲ファイルのフォーマット(基本Flacファイルがメイン保管)
第一の課題:電源がすぐに落ちる問題
こちらは電池を交換するしかないと判断し、販売しているショップを探してまずは注文です。
私はYahooショッピングで見つけたショップから購入しました。(年始クーポン貰ってたので)
商品の合計金額:2,650円
送料:977円
クーポン利用:-1,200円
合計金額:2,427円
クーポンなかったら、かなり高い買い物になるところでした。
こうやって古い製品向けのバッテリーを販売されていることに感謝
届いた商品はコチラ。(即日発送してくれました)
電池本体と工具一式になります。
ドライバー2本付いているのですが、A605のビスには合っていなかったので要注意です。
別途精密ドライバーセットなどを用意してください。
分解手順
1. ビスを外す(2か所)
2. カバー外す
ビスを外した部分が浮かせやすいので、そこの隙間にヘラなど入れてゆっくり側面にスライドさせていくと綺麗に行くかと思います。
※本体側に透明カバーがハマる溝があるのですが、そこに固定用のテープが貼られているため、スライドできない/しにくい状態になっている可能性があります。
隙間が作れたら、あとは、カバーパーツを持ち上げながらUSBコネクター側へスライドすれば外れると思います。
また、透明カバーとカラーのパーツは無理に分ける必要はありません。(一緒に取り外しできると思います。)
3. 電池のコネクターを外す
まず摘まめないサイズなので、細いドライバーなどをケーブルに引っ掛けてコネクターを外すようにゆっくり力を入れました。(断線させないように注意)
4. ディスプレイ+基盤の取り外してから電池を外す
私の製品は、ディスプレイ周囲の黒テープが電池まで覆う形で貼られていたため、一度めくっておく必要がありました。
以下の写真のようにディスプレイ部とその背面の電池の間がちゃんと空いていれば、あとはUSBコネクタ側へゆっくりスライドさせていくことで分離できると思います。
電池は両面テープで付いているようなので、電池付属のヘラなどでちょっとづつ持ち上げて外しました。
ちなみに取り外した電池は膨張していました。
5. 電池を付け替える
すいません。写真撮り忘れた。
購入電池のケーブルが長めになってます。
購入電池のラベル面を見えるように設置すると、USBコネクター付近にスペースが出来ますので、そのスペースに配線を通して逆側に持っていくことで純正の電池と同じような長さになります。
6. 復元で完成
あとはコネクタの接続やカバーの組付けで完了です。
この時、USBコネクターのカバーがポロポロ外れてちょっと面倒な感じでした。
本製品は電源ボタンがないため、コネクターを接続した時点でディスプレイ表示が開始されます。
第二の課題:楽曲の転送
本製品は専用ソフトを介して楽曲を転送する必要があります。
製品にはCDとして『Connect Player』と言うソフトのインストーラが、こちらのソフトはWindowsXPまでの対応らしく、Windows10に無理くり入れても動きません。
(アンインストールも出来なくなった。)
と言うことで対応策は以下になります。
- 後継ソフトのSonicStageを入手して使ってみる
- 上記ソフトが動くPCを手に入れる
このあたりから一気に難易度が上がります。
ウォークマン本体を安く買っても、結果、高くつく感じになってきました。
電池買っている時点で割安感はなくなっていますが・・・
まずはSonicStageの入手については公式のDLは終了しているため、非公式でのインストーラの入手、または製品付属CDなどからのインストールが必要になります。
非公式ファイルは簡単に見つからなかったのでひとまず保留として、WindowsXP / VISTAのマシンを調べてみました。(SonicStageはVISTAまで対応らしい)
曲転送のためだけのPCになるため、正直デカイものは不要と思い、古のUMPC系から以下をPickUP。
A. SONY VAIO TYPE P シリーズ
- デフォルトでSonicStageが入っている可能性あり
- 中古でも結構高い
- 最高にカッコいいのでコレクション的に欲しい迄ある
B. Asus Eee PC シリーズ
- 美品が安めにありそう(5000円くらい?)
- 分厚くて不格好・意外と大きそう
C. 工人舎 PMシリーズ
- 画面4.8inchらしいので実用性皆無かも?
- ACアダプター欠品しか見つからなかった
D. Victor InterLink シリーズ
- そもそも見つからない
基本的に上記すべてスペックが低いため、どこまで扱えるのか全く未知数。
VAIO TYPE Pは2万くらいしそう。
他は安いけど邪魔になりそう。
と、悩み手が付けられなかった・・・。
そこでふと、SonicStageの後継の『X-アプリ』ではA605は使えないのかと気になり調べたところ、非公式ながら認識するということで、X-アプリを主軸に考えることしました。
X-アプリについては、Windows10に対応しているということで手持ちのPCでそのまま対応できそうということが分かり、まずはX-アプリのインストーラの入手しインストールしてみました。
バッチリ動きました。
ただし、以下の点はまだ問題あり。
- A605は認識するが、中のファイルを弄る(再生・削除など)とアプリが固まる
- 追加はOK
- 固まるとA605をPC接続解除(ケーブル抜く)しないとアプリ終了できない
- 中のファイル弄れないからファイル削除は本側の初期化で対応
第三の課題:フォーマット
手持ちは基本的にFlacにしているものが多く、そのままでは再生できません。
SONYの管理ソフトには、非対応フォーマットを再生できるフォーマットに変換して転送する機能があるため、一旦、気にせず転送してみたところ、X-アプリが固まりました。
なので、次に汎用性が高く20年前にも使われていたMP3(VBR)に一度変換したものを取り込んで再度転送。
→ 転送は出来たが、ウォークマンで再生できない
調べたら可変ビットレートのMP3はうまく機能しない場合があるらしいので、固定ビットレートに変換して再挑戦するも、同様の結果に・・・。
変換ソフト固有の問題の可能性もありますが、最後の望みをかけてWMAに変換を実施。
→ 再生不可表示が出て再生されない。
※古いW4A(320kbps)が再生出来ているのでビットレートは問題ない気hするのですが、深堀するほどの必要性は無いと判断。
現状の結論としては、MP3 CBR(256kbps)なら再生できることが分かり、こちらで整理しました。
最後に
これでようやく使える状態になりました。
20年近く前のウォークマンに、ヨルシカやロクデナシが表示されるのは考え深い印象を受けました。
乙なもんですね。