FAudio Project Y 購入レビュー | シュシュ星からの贈り物

FAudio Project Y 購入レビュー

今回は、ヨドバシさんの在庫処分セールで安く販売されていたので購入したノーマーク製品のレビューになります。

※私が購入した1・2日後には最終セール的にもう2万円くらい値下げして在庫を捌けさせていたため、ちょっぴりやっちまった感は感じました。

 その差分で良いケーブル買えたのに。(;一_一)

 

 

今回の製品はコチラ ↓

 

商品名  :Project Y
メーカー名:FAudio (エフオーディオ)

https://www.mixwave.co.jp/dcms_plusdb/index.php/item?category=Consumer+AUDIO&cell002=FAudio&cell003=Project+Y&id=204

 

 

FAudioとは?

FAudioは、様々な企業でエンジニアとして経験を積んできたFung Wong氏により2014年に設立された、香港発のカスタムIEMメーカー(ユニバーサルモデルもちゃんと出している)。
2016年に正式に「FAudio」ブランドが設立され、カスタムIEMの販売を開始とのこと。

スローガンとして、「人々が望む正確な音を追求し、イヤホンを通じてそれをカタチにする」ことをビジョンとし、”Your Sound・Our Passion” =「私たちの情熱が、貴方の求めるサウンドを実現」を掲げているらしい。
 

 

Project Y について

2020年12月に創立5周年を記念して発売したフラグシップモデルになります。

特徴としては、以下になります。

  • フェイスプレートにはランボルギーニやマクラーレンなどのスーパーカーの内装に使用されるフォージドカーボンを採用
  • 筐体には高級スポーツカーに使用される超軽量アルミニウム合金を採用
  • 大手BA型ドライバーメーカーとの共同研究で開発した「フルレンジ・バランスド・アーマチュア型ドライバー」を使用
  • 専用に設計されたSPCシールドイヤホンケーブルが付属
  • 7ドライバ×トライブリッド構成(DD・BA・EST)

定価としては、289,520円のようです。(実際はオープン価格)

また、こちらの製品は生産限定モデルとなっており、国内販売割り当て数は120本(世界全体では399台)。

※2024年3月末時点で新品が注文できる体裁を取っているのは、上新電機のみとなっています。
 …が、取り寄せ扱いなので新品在庫は市場から捌けたと考えてよいかと思います。

 

 

BOXと開封

外箱と中箱の2重構成となっており、外箱は上部に取っ手が付いています。
上記の写真は外箱の正面(それ以外を撮り忘れた)

箱がかなり大きめです。

乗せて映っているものは、同時に購入したプラグ変換アダプターになります。
ケーブルプラグの大きさから箱のサイズ感がなんとなく分かるのではないかと思います。

 

 

 

こちら内箱の正面と背面になります。(背面埃っぽい汚れついてる (ー_ー)!! )

 

箱自体は紙製なのですが、厚みが薄いのかあまりカッチリした硬さが弱く接着部も弱いため、ちょっとチープ印象を受けました。

ただし表面にシリコンでコーティングしているようにゴムのような質感の表面素材となっており、この点は無駄にコスト割いたなと思わせるものとなっております。

※このコーティングがまた悪さをするのですが、その点は後述

 

 

箱は2段構成となっており、上段には以下が入っていました。

  • イヤホン本体
  • 付属ケーブル(+ケーブルホルダー)
  • なんか6角形のロゴプレート
  • なんかよく分からない金属製のカード

イヤホン本体には、傷防止の保護フィルムなどは貼られておらず、発売直後の話では右隣の金属プレートが定位置からズレてしまい、箱の中でイヤホン本体にぶつかり傷を付けていたという話もありました。

私のものもプレートがズレていたものの、明白(あからさま)な傷は見当たらなかったので気にしないことにしました。

 

 

 

下段は4つに区分けされたエリアで構成されており、アクセサリーパック・専用イヤーピース・キャリングケース・製品マニュアルの4種がそれぞれはめ込まれています。

 

 

 

アクセサリーパックには、以下が入っていました。

  • コンプライ イヤーピース
  • SpinFit イヤーピース
  • メッシュキャリーバッグ
  • クリーニングクロス
  • クリーニングキット

このアクセサリーを入れているボックスですが、スレーブ上の部分と内箱の部分両方に前述のシリコンコートが施されており、摩擦力が上がってしまい、なかなか開くことが出来ませんでした。

結果、箱が少し破れる事態となり、無駄なこだわりはやはり無駄だなと思った次第です。(隅々までコートしなくても良かったのでは?)

あと、内箱がペコペコなため、余計開けずらい状況に拍車を掛けていました。

 

 

 

キャリングケースは、日本メーカーであるバンナイズ製のものが付属。
耐久性に優れたナイロン素材が用いられたセミハードタイプとなっています。

 

 

 

右下区画の製品マニュアルは、レザー製の手帳型カバーの中に説明カード2枚、ユーザーガイド、ユーザーカード(?)がありました。

 

…専用イヤーピースは、使う気がなかったので個別の写真を撮り忘れました。

 

 

 

 

前述のとおり、筐体はアルミ合金製となっており、重みとひんやりとした手触りが高級感を与えます。

フェイスプレートには、”フォージドカーボン”が採用され、そのランダムパターンが光を反射させ変化を魅せてくれます。

本体背面側にはベントが3つ開いています。

音漏れは大きくないと思いますが、結構大きめの音量で聴いている場合は、電車の座席で隣になった人にはギリギリ薄っすらとなんか聴こえるかもって感じになるかなと気う程度のため、音漏れはあまり気にしなくても大丈夫かと思います。

 

 

 

ケーブルについては、DAP接続側が2.5mmとなっており、多くの再生機器では、3.5mm、または4.4mmなどへの変換が必要となります。(変換アダプターは付属しないため、購入する必要があります。)

 

本ケーブルは、ドイツ製の純銀導体と銀メッキを施した軍需用クリスタル銅導体を線材とし、ノイズを軽減させるため純銀製のシールドメッシュで導体を覆い、柔らかく取り回しの良いPVCで外装を覆ているらしい。

また内部の半田についても拘りのものとなっており、イヤホン本体と共通化することで音響特性のマッチングを図っているとのこと。

 

このケーブルについては、聴いた時点でかなり良いものであるという印象を受けており、リケーブルの必要性どころか、ダメになった時の代替品があるのかが心配になるレベルで気に入りました。

 

 

スペック

インピーダンス    25Ω

入力感度    110dB

周波数特性    20 - 80,000Hz

ドライバー数    7ドライバー

  • DD(9.2mm・ベリリウム加工振動板)(Low ×1)
  • BA(Full Range x2)
  • BA(Mid/High x2)
  • EST(High x2)

イヤホン端子    Custom 2pin端子
ケーブル導体    銀メッキ銅導体
入力端子    2.5mm 4極バランス端子
ケーブル長    約120cm

採用技術

  • True Crossover Technology (T.C.T)
  • Triple Built-in Acoustic Chamber (T.B.A.C)

 

音に関する雑感

私:dkの主観によるレビューとなり客観性を持ったものではありません。購入時の参考程度にご活用ください。
  イヤーピースについて、付属を極力使わない方針のため変更しての評価となります。
  エージング:30時間くらい

 

 評価環境

DAP   : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ハイゲイン)
イヤホン : FAudio Project Y
イヤピ  : Spinfit W1
ケーブル : 付属ケーブル(2.5mm)

アダプター:Cayin カイン PH-4X

 

 

 音質レビュー

高音域 ★★★★★
・芯のある鳴り方
・明瞭で輪郭がしっかりとしている

・煌めきや輝きを感じつつも音は軽やか
・レスポンスはかなり良い

・主張しすぎずしっかりと全体を支えている

中音域 ★★★★
・明瞭ではあるが音の輪郭がほんの少し鈍く感じる
・適度な残響感を持ち、左右方向への伸びを感じる

・レスポンスは適度

・他の帯域に押し負ける時がある
・淡々と正確に鳴っている印象を受け情緒性に欠ける

・気持ち音が柔らかい印象

低音域 ★★★★★
・バランスよくしっかりと鳴っている
・深みは感じるが
キレが良いため重く残らない
・質感は良い
・レスポンスは良い

・量感が少し過剰に感じるが潰れは感じない
・もう少しだけ重みが欲しい

 
解像度 ★★★★★
・高音域の解像度は高いと感じる
・中音域の解像度は比較的高いと感じる
・低音域の解像度は比較的高いと感じる

 
分解能 ★★★★★
・しっかりと個々の音を聴き分け追うことが出来る

・反面、空間的な一体感が薄い印象

・音の歪みが少なく性根が真っ直ぐな印象
 
音場  ★★★★
・音場はそこまで広くはない(左右に比べ前後の広さは感じない)

・閉塞感がまったくないため実際の音場以上に広く錯覚させる
・音の発生源は、頭部内中央~頭部周囲
・オケ楽曲だと、ホール1階の中ほどの印象

・全体のバランスは整っているので完成度は高く感じる
 
装着感 ★★★★★
・個人的には長時間装着でも問題なし(イヤピの選択の影響は出そう)
・付属ケーブルも特に違和感なし

 

 

 総評

うちのイヤホンの中で、一番正確に淡々と音を鳴らしてくれるものであると感じます。

様々な曲を綺麗で歪みの無い音で聴きたい方にはオススメの製品であると思います。

個人的には、標準状態ではかなり丁寧で正しい反面、リスニングと言う観点ではちょっとだけつまらない(グルーブ感を得にくい)印象を受けます。

この点については、音の素性がかなり良いため、イヤーピースやリケーブルによる変化を付けていくのを楽しむには最適な気もします。

※付属ケーブルがかなり良いので、リケーブルしにくいのは課題。

 

私の場合は、LIZER LAB社の『JIJUJET-α』(プレゼント当選品)を付けることで、音場が広がり面白みに欠ける音にゆとりが生まれ、リスニングに適したバランスに変化すると感じました。

Project Yをこれから買われる方も、すでにお持ちの方も『JIJUJET』シリーズを試されることをお勧めします。

※通常のイヤピと違い、取付位置や角度に厳密な指定がありますので、マニュアルを読んで取り付けるようにしてください。

 

その他、発売当初の情報では不良もそれなりに出ていたようで、結果として120本限定にもかかわらず、今まで売れ残りが出てしまったものと思われます。(値段が高い点も当たり前に影響していると思いますが。)

正直、しょうがないとはいえ、30万出して不良ってのはキツイものがあると思いますので、FAudioさんの製造品質が向上していっていることを期待します。

 

本製品はすでに生産終了となっているため、基本的には中古購入になってしまうかと思います。

Project Y × JUJUJET の組み合わせは、かなりベストに感じるため、機会がありましたら是非ともお試しください。

 

年末からここに掛けて、結構な金額を使ってしまっているため、当面、大きな買い物は控えていければと思っている次第です。

 

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