![](https://kinera-imperial.jp/assets/images/baldr-meta.jpg)
Kinera Imperial Baldr 購入レビュー
24年2月上旬、Kineraの新製品であるVerdandiに興味を惹かれる中、ヨドバシカメラのオンラインで在庫一掃セールが実施され、以前から気になっていたけど、値段・評判の二点で購入候補から外れておりました。
今回の製品はコチラ ↓
商品名 :Baldr(バルドル) / 英名:Baldr 2
メーカー名:Kinera imperial (キネラ インペリアル)
Kinera imperial とは?
2011年創設の中国の企業。
2016年に「Kinera」ブランドを立ち上げ、2021年にメインブランドのKineraからハイエンドプロダクトのみを専門に扱うハイエンドブランド「Kinera Imperial」として誕生とのこと。
姉妹ブランドとして、QoA(Queen of Audio)があります。
Baldr(2)について
公式サイト抜粋
バルドルは北欧神話に登場する光の神で、光を象徴する「太陽」の化身で無限の光を持って世界のすべてを潤しているかのよう。
その輝きと暖かさは神々や人間に愛されています。
Baldrは「明るさ」「忍耐」「潤い」を象徴しています。
2021年8月3日、日本で発売を開始。
Baldrの「神々しさ」をチューニングのコンセプトとし、明るく穏やかな高域からソリッドでパワフルな低域の再生によるホールで音楽を聴くような音場感と、樫の木(オーク材)の中でも最高品質の「バールウッド」を使用し、割れづらく変色しづらい安定した品質を実現しているとのこと。
理想的な暖かさと潤い感を得るため、複雑な音響構造設計の中で、1×4のSonion社製ESTドライバ(静電型ユニット)を採用したとのこと。
ちなみに、Baldr 第一世代 は、2020年リリースのようで日本国内での販売はされていなかったようです。
※同社のNannaもimperialの製品として2.0にチューンナップしてリリースしたものが、現在の国内版になります。
BOXと開封
Kinera imperial 共通の6角形のパッケージにシュリンクされた状態となっています。
背面には製品情報が記載されています。
中には、以下が入っています。
- 製品のコンセプトなどを記載している冊子
- イヤホン本体
- ケーブル
- ユーザーマニュアル
- Finalイヤーピース取説
- イヤーチップ: FINAL E Type
- イヤーチップ: フォームイヤチップ
- イヤーチップ: シリコンイヤチップ
- クリーニングブラシ
- 4.4 to 2.5mmアダプタ
- 4.4 to 3.5mmアダプタ
- 本革製高級レザーケース
本体には、しっかりとフィルム貼られており、傷が付かないように考慮されているのは嬉しいポイント。
木目をレジンで固めたハウジングとなっており、購入者には木目ガチャの洗礼が待っています。
私のものは左右均等に近くないのが残念ですが、フェイスプレート部の模様は比較的綺麗な印象です。
赤みが強いため、高級家具のような印象とはちょっと違いますが、安っぽくは感じないかと思います。
しかし・・・
残念ながら木材の節が入っているモノであったので、この点はガチャ失敗って感じはありました。
残念。(;一_一)
節の有無で音の響きが変化しそうですがどうなんでしょうか?
回避策としては、中古でモノを見て購入するしかないですね。
個人的には、金色のフレームが安っぽく感じていましたが、実物ではそこまで気にならないと感じています。
ケーブルは本体のゴールドフレームと近しい金色となっており、全体的な統一感を意識したものとなっています。
ジャック側は4.4mmプラグとなっており、変換アダプターで3.5mmや2.5mmに変更することが可能です。
アダプターは延長方式なので、プラグの長さが2倍くらいになる点は注意が必要かと思います。
ケーブルとしては、6N OCC 金メッキ、4 コア 、皮膜:PVCとのことです。
スペック
インターフェイス:0.78mm 2pin(Custom 2pin)
出力:3mW
インピーダンス:22Ω
THD:<5%
ドライバー構成:4 EST+ 2 BA+ 1DD
感度:109dB
再生周波数帯:5Hz-50kHz
音に関する雑感
私:dkの主観によるレビューとなり客観性を持ったものではありません。購入時の参考程度にご活用ください。
イヤーピースについて、付属を極力使わない方針のため変更しての評価となります。
エージング:90時間くらい
評価環境
DAP : SONY NW-WM1Am2 (音調:ソースダイレクト + ハイゲイン)
イヤホン : Kinera imperial Baldr
イヤピ : Spinfit CP360(※軸径的にはちょっと厳しい)
ケーブル : 付属ケーブル(4.4mm)
音質レビュー
高音域 ★★★★☆
- 比較的芯のある鳴り方
- あまり煌めきや輝きを感じる質感ではなく重さを感じる
- レスポンスはかなり良い
- 減衰は早すぎる気がする(伸びない)
中音域 ★★★★★★
- 明瞭で輪郭が比較的しっかりとしている
- エコー感のある響きを伴い、前後両方へ伸びを感じる
- 中高音域は量感があるが主張しすぎない
- レスポンスは適度
- 中音に限れば、かなり良い音と鳴り方と思います
低音域 ★★★★☆
- 重く響くことは無いが、バランスよくしっかりと鳴っている
- キレが良い鳴り方
- 質感は良いと感じるが解像度は低く感じることアリ
- もう少しだけ音に厚みと量感が欲しい
- レスポンスは適度
- しっかりと装着できていないと鳴らない
- (サブベースは)一歩下がっている印象
解像度 ★★★★☆
- 低音域の解像度は普通に悪くはない
- 中音域の解像度は高いと感じる
- 高音域の解像度は比較的高く感じる
分解能 ★★★★☆
- リスニングとしては不満はなし
- 低音部が一歩下がっている関係でマスクされがちな印象
音場 ★★★★★
- 閉塞感はなく広がる伸びやかさを感じる(が全体的に減衰が早くあまり広がらない)
- 音の発生源は頭部周囲
- オケ楽曲だと、中音~高音域はホール最前列、低音は2階最前列辺りの印象
装着感 ★★★★☆
- 個人的には長時間装着でちょっと耳が痛くなる(イヤピが合っていない可能性あり)
- 付属ケーブルも軽く引っ張られるような感触は無い
総評
音自体は十分高品質に思いますが、BPM 120以下の比較的スローテンポの楽曲が合いやすいように感じました。
中音域がかなりクッキリとしているため、クリアで綺麗な音と感じるかと思います。
反面、音の全体バランスは良いのですが、全体としての一体感は弱くグルーブ感を得にくいと感じました。
モニターライクなイヤホンがお好きな方には、より合うかと思いますが、標準ケーブルだと物足りなく感じる。
このイヤホンの能力を発揮するには、リケーブルを行うほうが良い印象を受けました。持て余していた「BEAT AUDIO Vermilion MKII」で接続したところ、以下の変化を得られました。
- 全体的に量感がUPし深みが出る
- 低音がより前進
- より情緒的な鳴り方に(暑苦しくなったとも感じる)
付属品ケーブルの品質が悪いわけではないため、数千円の廉価なケーブルではなく、万単位の金額のケーブルをつなげる必要があるかと思います。
個人的にはリケーブル推奨となるため、定価の17~18万に対し、追加ケーブル代で3万~6万程度の出費が必要になると考えると、強くオススメできるものではないかなと。
ご自身で聴かれる楽曲ジャンルによっても、印象は大きく変わるかと思いますので、視聴をおススメ致します。(ヨドバシなどで視聴できる店舗があるかと)
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