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アマチュア無線の裏側で

1970から1980年代の忘れがたい記憶から

SSBに使うフィルターの性能として最も重視されるのは周波数帯域ですが、その他に位相歪にかかわる群遅延特性があります。アマチュアが口にするようになったのは、ハム・ジャーナル誌上で JA1BLV 関根氏が、メーカーはこれに気付いていないか無視している、と解説したあたりからだと思います。群遅延は昔からある評価概念なのでフィルターのメーカーが気付いていなかったとも思わないのですが、無線機メーカーは確かに無頓着でいたかも知れません。

 

例としてモードをAMからSSBに切り替えると顕著なキャラキャラした音の感じは群遅延から来る歪です。その点、メカニカル・フィルター(メカフィル)ならばクリスタル・フィルターよりも肩特性は甘いものの、群遅延の特性では優れ、良い音(歪っぽくないという意味)が出ます。私も所有する八重洲のFLDX/FRDX400ラインは送受信機ともですが、近代的機種にはメカフィルの採用がなく、あとはJRCにあったくらいでしょうか。メカフィルは455kHzとか低い周波数でしか作れないので、3MHz台とか9MHz台にできるクリスタル・フィルターの方がオールバンド機は設計しやすかったのです。これらは455kHzよりはhigh frequencyなので、当時の資料ではしばしば「ハイフレフィルター」と書かれています。

ただし古くはコリンズが自社製のメカフィルを多用しました。KWM-2やSラインが公称2.1kHzと狭い目の帯域のフィルターでも良い音を出していたりするのは、まずは節度のある使い方ですが次はメカフィルだからで、マイクの選択、とりわけ高価で舶来の製品とかが理由ではないと思います。

 

ところで、JA1BRS 須賀川氏がフィルターの帯域内リプルを気にしてAFで補正したところ、珍妙な音になってしまったのは後から思うと位相歪ではないか?、とCQ誌にちょっとした回想を書いていたのは群遅延という言葉をハムが使い始めるずっと前のことでした。後々お空で「群遅延特性が悪くて」とリグ談義をしていた人達は、この頃にはフィルターの個体差には気付かなかったのでしょうか?

電波法上は罰則の伴う違反行為は色々とあり、かなり最高刑の重いものもありますが、逮捕されるのはよほどの事でしょう。オウム真理教事件の一斉摘発が行われた際、その初動段階で電波法違反による逮捕者が出ましたが、これはいわゆる「とりあえず別件逮捕」というもので少し特殊な事情です。

しかし某DX'er氏が2アマ国家試験の替え玉受験で摘発された有名な事件の際には、その替え玉氏ともども逮捕と新聞報道されました。本当だとしたら逃亡とか証拠隠滅の可能性を疑われたのでしょうか? この場合は電波法ではなく私文書偽造の容疑と書かれていましたが、少なくともアマチュア無線だけが原因の逮捕は稀な事だと思います。なお、バンドやパワーなど電波法所掌の部分については違反とも告発とも何とも報道にありません。

 

違反行為への処分というのは刑事的な処罰だけではありません。例えば教員免許の場合、何種類かを持っていても、不祥事を起こせば人物そのものが教員に不適格と判断されてセットで取り消されるのが普通です。運転免許も取り消される時は違反の際に乗っていた車種だけではなく、全種一括です。ところが、上記の替え玉受験の例では不正取得の2アマ免許は当然取り消されましたが、それ以前に取得していた電話級の資格には処分は及ばなかったようなのです。

 

影響が甚大ではない場合、違反にはまず監督官庁が行政指導を行い、従わなければ告発という流れが多いと思います。代表的な行政処分は「業務停止」でしょうが、アマチュア無線の業務停止を、しかも長くて数か月程度くらったところで痛くも痒くもない人がほとんどのはずです。元々が無資格だった場合には、新たに取得する際の欠格事由になりますが、それも処分の終わりから2年間ですから長くはありません。

 

以上の通り、無線における違反行為へ実際に行われる懲罰は軽い方だと思います。しかし、より重くする事を望むのも社会が健全ではないことの裏付けをするようで快いものではありません。

 

 

当ブログのブロフィール欄は当初はフリーハンドで描いた羊の親子のイラストでしたが、12月に現在の花模様に替えました。恐らく家紋とでも思われたでしょうが、我が家紋は超絶的にダサいので必要ない所には使いませんし、伝統的な家紋にこんな柄はありません。これは自作品のパネルやカード類への印刷目的で私自身がデザインしたロゴマークです。なお、Amebloでは閲覧環境で丸くトリミングされますが、正方形の黒バックがオリジナルです。ともあれコールサインだけパネルに入れてもただの文字ですが、目立つ場所のロゴマークは全く雰囲気を変えてくれます。

 

昔のCQ誌のQ&Aでも自作バネルの文字入れの方法の質問がありました。その編集部による回答ですが、プロが写真植字で版下を作る手順だけが書いてあり、それをパネルにどう移すかは皆さんの工夫次第です、となっていました。質問者がハム界では多少知られた人物だったので編集部も「知らんぷり」は出来なかったのでしょうが、内容的にゼロ回答とはみっともないQ&Aでした。

それとは対照的に、高度な読者投稿もありました。中でも一番はアルミ板をアルマイト加工してから染色・封孔処理するというプロの技法で、これは印刷と違い「擦っても消えない」高級な処理です。ただし工程は多段で複雑ですし電解酸化を劇物の硫酸浴で行なっていたと記憶するので、現在のCQ誌の読者レベルを考慮すれば二度と掲載できそうもありません。他にはバンタグラフ縮小器とテンプレートでの機械彫刻もありましたかな。

 

さて、私が自作ロゴなど自由なパターンをパネルに印刷する手段ですが、知人の工芸室で色々と借りてやっています。専門の機材もテクニックも必要なので詳細は略しますが、基本手法は金属板の表札や名札を1枚作るのと同じですから、その種の工房を何軒か回れば頼めるところも見つかるでしょう。高くつくとは思いますが、そこは自作品の価値観次第ですね。

デザインにこだわる割にはブログトップが標準テンプレなのは、いずれどうにかするつもりで敢えて地味な柄を選んだものの、投稿数を優先したため放置になったのです。まあ結局このままになるかも。

CQ誌2024年1月号にJE1UCI 冨川氏による、インレタ・シートに頼らないレタリング手法のアイデア集が掲載されています。しかし数ある提案を拝見したところ、やはり完全に代替できるものはありません。誰しも同じところで苦労するのだな、と率直に思いました。

 

私もインレタの代替策を求めて色々と検索したことがありますが、目下のところ利用されているものは、概ねインクジェット印刷用の粘着シートとかタトゥ・シール、およびCASIOやキングジムのテープラベルライターでしょう。私の経験のない物としてはプラモデル用のデカールも実例が出てきますが、これも文字だけを転写できるわけではなく同等ではないようです。それらのうち、ラベルライターが一番簡単ですが、結果も一番インレタには遠いものです。

私はCASIOのNAMELANDを4台使ってきましたが、キーボード一体型の製品は新規開発どころかほとんどソフト的改良も行われていないようで、現行製品でも古い機種と同じ操作系です。一貫していると言えば聞こえはいいのですが、「非常に操作性が悪いまま」、の一貫性なのです。ただしテープの種類が豊富な点を私は買っており、自作ではバックパネルとか内部の表示用には使います。

パソコンとプリンターで粘着シートを作る場合、気を付けるべき点はふたつあると思います。

ひとつは「メーターの目盛板」でも書いた通り、色彩の自由度の誘惑に負けずに黒一色で仕上げるべきこと。間違っても赤は褪色の可能性が最も高いので使わないことです。顔料の青とか堅牢な色もありますが、見分けるのは難しいでしょう。

もう一つは、大きなシートをパネル全体に貼る方法ならばデザインは全く自由になりますし、傷んだら貼り替えればよい・・・と良いことづくめに思えるでしょうが、現実には分解して貼り替え、なんて面倒なことはまず実行しないであろうこと。だからこそ、印字も黒に徹して対候性を堅牢にしておく必要があるのです。

 

「その3」に続く

自作をするとバネルの文字入れは重要課題です。

最初は当時の自作界で流行したDYMOテープでした(商品として現存)。中学校に実演販売もやって来た人気の文具だったのです。しかし無骨なプラスチック・テープのベタ貼りなのは手書きよりはマシという程度なので、次に実行したのはゴム印で一文字ずつ捺す方法です。ヒントは「ラジオの製作」誌で見たJA1CNE 杉本氏の、紙に捺印して貼る、という記載からでしたが、私は油性インキのスタンプ台(シャチハタ・不滅インキなど)を使ったのです。フォントが垢抜けしないとか、油性なのでゴムが徐々に侵される問題はあるものの、アルミパネルに直接印字できるのはDYMOから大躍進でした。

その後はもちろんインスタント・レタリング、俗にいうインレタを長らく使ってきました。

 

今ではインレタはほとんど製造中止されましたが、模型用とオーディオ用にいくらか残っているのと、特注を受ける業者もあるようです。ただし特注は高価かつ版下作りが面倒、出来合いは自由度が低く特に白文字やフォントの大小揃えはままなりません。そこでオークションなどに出る古い物を使う事もあるでしょうが粘着力が怪しいところで、対策として溶剤で湿らせるとか、パネル板をホットプレートで温めながら作業する、という工夫があるようです。


インレタを上手に使うのも相当な慣れ、または生来の器用さが必要なもので、一文字ずつ貼るのは慎重さを欠くと即不揃いになり、これは非常に目立って「自作臭さ」の典型です。後に憂いを残さないためには、パネル1枚に丸1日くらいは覚悟すべきでしょう。その点、POWERとかVOLUMEとか、多用される綴りを集めた楽なインレタもあり、オーディオ用とはその種のものです。なんと私の中高生時代にはXTALとかPLATE 等の揃った「ハム用」さえありました。無線が人気だった時代の証拠で、初めて2E26ファイナルの6m送信機に使った残余がいまだにあります。

セバレート機はクロスバンド・クロスモードも可能ですが、実験的な事以外では必要性はまずありません。実用的には自局の電波のモニターが可能な件は既に書きましたが、他にも大きな利点としてスプリット運用に有利でした。

 

管球ハイブリッド世代までのトランシーバーにはDRIVE(トリオ)とかPRESELECTOR(八重洲)という段間同調のノブが必ずあり、しかも送受信が連動です。このためスプリット運用では送信出力と受信感度のピークが合わないのが必然で、同調がブロードな28MHzならまだしも、ローバンドでは大きな障害になります。このためDXペディションの大幅なスプリットにトランシーバーで応ずるには、送受信を切り替えるたびにこのノブを回すしか手はなかったのです。

 

モニターの場合もですが、セパレート機の利点は活かすには送受信の迅速な周波数一致のテクニックは必須です。例えば、BFO受信ではダイアル位置で受信音のピッチが変わるのを利用し、モニター音でハウリングさせるという古い方法がありました。実際にこれをやると「ヒュルルルル・ヒューン」という音が電波に乗り、私も最初に聞いた時には何奴かと思ったくらいで何とも耳障りですから、次第に自声をモニターする方法に変わっています。それに第一、セパレート機を使いこなす人にとってはトランシーブではなく送受信別のVFOの方が日常運転なのです。もちろんRITとかClarifierは使いません。

 

前回書いた通りトランシーブ可能な送受信機でもバンド・モードごとにキャリブレーションが必要な場合があることと、上記のようにトランシーバーではスプリット運用には制約があったことは最早忘れられ、現代的な無線機しか知らない人には想像もつかないと思います。ビンテージ中古機を入手した人が陥りそうな罠です。

八重洲FR-101は IF同調がVFO連動のため、FL/FR-101ラインはセパレートなのにスプリットが不自由です。所有した私だからこそ言いますが、操作性・基本性能ともに色々と当時ならできたはずの事ができていない駄作機です。

私がライセンスを得た1969年は、セパレート送受信機からトランシーバーへの主力の移行期に当たります。八重洲のFL/FR-50B、FLDX/FRDX400、トリオのTX/JR-310ラインはいずれも全真空管式でモデル末期という状況でした。その後はハイブリッド化を一世代だけ経てから結局セパレート機の形態が消えたのは、送信機はトランシーバーの送信部とほぼ同機能にしかできないのに価格は近くなってしまうからでしょう。そこでトリオも八重洲も日本無線も一時期は「トランシーバーと受信機」という連携を売りましたが、一過性で終わりました。

 

先に例示の機器は受信機のVFOを送信時にも使う「トランシーブ操作」ができます。しかしトランシーバー並みの操作性とは限りません。VFOだけ一緒にしても、送受信機各々のローカル発振の偏差が送受信の周波数差の元となるからです。解決例としてトランシーブ操作中には、ダブルコンバージョンのトリオの599ライン(新旧とも)はローカル発振をすべて送受信機で共有しますし、シングルコンバージョンのドレーク4ラインならばプリミックス出力を共有して、トランシーバーと余り変わらない操作性にしています。

 

しかし、八重洲のセパレート機では最終型のFL-101送信機(またはFT-101トランシーバー)と、FR-101受信機の組み合わせに至るまで、トランシーブ操作は単にVFOだけの共有です。つまり送受信機の各ローカル発振のズレを「バンドやモードを切り替えるごとに」キャリブレーションしなくてはならないのです。

そういう必要性に気付くこと自体が自作や運用の経験がなければ無理なことなので、説明書を読まない人や初心者が下手をすればSSBフィルターの帯域さえ外れて「トランシーブだから」と安心して応答する事はよくありました。いずれそのうち、ラウンドQSOあたりで指摘される羽目にはなったのでしょうが。

900MHz帯のパーソナル無線は最後の免許局も既に有効期限が切れたはずで、私も運用経験がないままに消滅しました。しかしハムのような地域コミュニティがかつては存在し、職場の女性の一人がパーソナル無線で知り合ったお相手と結婚した、ということもありました。周囲は「パーソナル無線ていったい何?ハム?」という雰囲気でしたが。

 

自動車用品のジャンクで時々変わった物を見つけることがあります。ある時は東京ハイパワー社製のリニアが紛れ込んでいました。確かに筐体にはAmplifier と書かれていますし、全体が放熱板のような形はカーステレオ用のアンプに似ていますしね。また別な折には単に UHF Amplifier としか印刷のない機器を見つけたことがあります。既成の汎用ケースに入った飾りっけ無しの物で、個人作でもなさそうですが、どう見てもガレージ規模の工場の製品でした。N型コネクタと12ボルトの端子しか目に付く物もありませんが、多分パーソナル無線用の違法ブースターです。かつては27MHz用に腕を振るった工房の中から、900MHzの技術を得た者が生き残って製作したのでしょう。

 

パーソナル無線は多目的用途ですが、違法CB局の転身先となることも考慮して特定の周波数に居座ることが不可能、などの仕様に最初からなっていました。しかし遠からずして、あらゆる制限が取っ払われた違法改造品が出回り、制度の寿命を縮める遠因にもなります。

 

最近のCQ誌(2024/12月号)の連載記事「私が歩いた秋葉原」に多少パーソナル無線の話題があり、当時はバイオニアとか山水まで参入した、と記述あるのは本当で、通信機、総合電機、オーディオの各メーカーがこぞって機器を発売したものです。

しかしこれは知られていない事ですが、それこそ「通信機メーカーブランドも含め」中身はほとんどサイバネット工業(CB輸出で有名)製でした。従って違法改造屋にしてみれば、ひとつ解析できれば後は容易に規模拡大ができたのだと思われます。

 

真空管が一線を退いてからは「ソリッド・ステート」とか「固体化」という表現は廃語化しつつありますが、1970年代というのはまさにその移行期です。初期には八重洲FT-401とかトリオTS-510といった、VFO以外は管球式という機器が主力の時代です。一方、後の方になると八重洲FT-301とかトリオTS-180、アイコムIC-710などで100ワット機も半導体化が出てきています。

 

トランジスタが壊れやすい部品とされていた頃、CQ誌にTO-3のパワートランジスタを修理するという読者投稿がありました。内部配線の断線の可能性が高いのでパッケージの角をヤスリで一周削って開封し再接続するというものです。さすがにその頃でも驚き物でしたが、実際にやってみるとヤスリ一本での開封がかなりの手間で、トランジスタが貴重だった頃から扱ってきた人なのだろう、という歴史を実感できました。ましてRF用のパワートランジスタなど無いか、あっても極めて高価で、1970年頃は50ワット位が当面の目標になっていたかと思います。そこで誌上で見かけた数々の実験では、安いトランジスタでも1.9MHzなら?とか、米CTC社の素子を輸入してみた(結果は良いが入手自体がハードル)とか、あるいはパワーが目的でもないのですが、ビュア・コンプリメンタリでの試作などがありました。

 

そんな中、私も「これからは」とばかりに八重洲FT-301を購入しています。100ワット機の走りの頃ですから歪特性も耐力も余裕はありません。しかし一応フルキャリアは30秒間までと説明書にもある通りで、悪評に立った「終段がすぐ壊れる」、というほどでもありません。そう言われてしまったのは、「違法CBに使われたアマチュア機」でも書きましたがAM変復調回路とAMフィルターのオプション、11mバンドポジション付きに加えて改造も極めて容易、と、何もかもが違法CBに適していたからでしょう。

SSDくらいしか「ソリッド・ステート」という言葉を見ない今の世代は、昔のステレオのパネルにSOLID STATEとあるのを見て何の事だと思うのでしょうか

1970年代にBCLブームがあった当時の放送局の出力は、少なくとも私の知る首都圏の主要局ではどれも50kWで、これは民放の中波AM局だけでなくVHFのテレビ局も同じでした。最強パワーはJOAB(NHK第二)の300kWだったのですが、いつのことからか知りませんが、今はそれぞれ100kWと500kWに増力されています。

 

アメリカなら国土も広いし、さぞかしハイパワーの放送局があるだろう、と思うと意外で、中波AM局は現在は最強でも50kWです。もちろん昔はもっと大出力の局があったのですが、それこそAMラジオの凋落とか、我々にも想像できるような様々な理由で現状に落ち着いています。ただし、旧ソ連ではテレビでもメガワット局が存在したとか聞いたことがあります。

 

最強を言えば、私と年代の近いハムやBCLファンならば、冷戦の時代に沖縄から送信されていたVOA (Voice of America)をご存じでしょう。そのベリカードには黒を基調に1000kWと大書した不気味なデザインのものがありました。「ビタミンC 1000ミリグラム」のような補助単位を無視した表現ですが、対外的に民主化を訴える国策の宣伝放送なので、見た目エレガントなことよりも「自由の国アメリカ」の大きさと強さを感じさせる事が求められたのでしょう。プレート変調AMですから変調トランスもそれなりの規模なはずで、大きな工場にしかない巨大なモーター級の銅鉄製品です。

 

1970年代初め頃だと思いますが、「ラジオの製作」誌で「ソリッド・ステートで5kW」、というアメリカの放送局の紹介記事を見たことがあります。後から知ったところでは、それが最初の大電力の固体化放送局でもなかったようなのですが、当時のハムの感覚からいえば想像の枠を超えたものでした。アマチュア無線機としては、100Wでさえ終段が半導体化された市販機が出たのは1970年代後半のこと、アイコムIC-710とか八重洲FT-301、ドレークTR-7あたりだったのです。